※前話ですが、先日展開の修正を行いました。
天井の銃弾を見つけるくだりは全て削除し、『見つけてはいないが蛍光塗料とハンカチの焦げで杉下が拳銃発射の可能性に気づく』といったくだりに変えました。
「フォトスのカメラマンですか・・・」
安室の話に、胡乱な目を向ける杉下。
「ええ。あくまでウェイター間の噂話ですがね」
「なるほど・・・確かにタイミング的には興味をそそられる話ですねぇ」
「でしょう?」
「・・・安室さん」
と杉下はあくまで口調は穏やかながらも、胡乱な目を鋭い目に変えて安室に問いかける。
「それを僕に話した、貴方の意図は何なんでしょうか・・・?」
「・・・というと?」
安室は微笑みを消さず、杉下に問い返す。
「いえ、わざわざウェイター間の話の内容を、このタイミングで僕に伝えに来た事に何か意図を感じずにはいられないものでして・・・」
「別に・・・特に意図という程では・・・」
「それに、貴方の先ほどの口ぶりではまるで『フォトスが撮影した写真には本当にとんでもない物が写っている』と言わんばかりでしたから。
貴方、どんな写真か知っているんじゃないですか?」
杉下の推理に、微笑みを崩し驚いた顔をする安室。
「ははっ・・・やはり流石ですね杉下さんは・・・」
と、表情を変えたのもつかの間、苦笑を漏らし始める。
「参りました。すみません、生意気ながら少し杉下さんを試させて頂きました」
「・・・はいぃ?」
鋭い目を少々不快げに歪ませる杉下に頭を下げる安室。
「『特命係の杉下右京』が一体どれほどの洞察力があるのか。以前から興味があったもので・・・ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」
「・・・えぇ、実に不愉快ですねぇ。一体どういうつもりですか」
「ほら、僕も一応本業は探偵をさせて頂いているので、どうしても他人の洞察力や推理力には興味が湧きまして・・・」
内心、まだ安室は何か隠していると思えてしまう杉下だったが、このままでは埒が明かないと気持ちを切り替えた。
「・・・まぁ、今は深くは追及しません。それどころではありませんしね」
「それに・・・杉下さんに事件解決の為の情報提供が出来たらと思いまして」
「それが写真の件ですか」
「ええ。実は、既にフォトスは特別号外としてSNSに今日の写真を上げているんですよ」
「特別号外?」
「とはいっても、内容はただのゴシップ記事だったですが・・・」
と安室は懐からスマホを取り出し、手早く操作してフォトスのSNSを杉下に見せる。
そこには、『特別号外!ついに熱愛発覚!!』と銘打たれた記事が表示されていた。
「これは・・・音楽プロデューサーの樽見さんと作家の南条さん?」
その写真には樽見と南条がパーティー会場の暗闇の中、抱き合っている姿が写っていた。
「はい。既に公開されていて、明日のフォトス紙面にも詳しく掲載されるそうなんですが・・・ここ、見てください」
安室はそう言って、写真の一部をアップにする。
「これは・・・!?」
***
その頃。ホテルから少し外れた場所。
阿笠博士とコナン、灰原、冠城は、4人合流して、博士のビートルで待機していた。
「OK。右京さんにはハンカチの件をメールで送ったよ」
「ありがとう、冠城さん」
冠城とコナンは、受付で確認したハンカチの情報を杉下に送りつつ、事件について思考をめぐらせていた。
ビートルに取り付けられたテレビでは、既に今回の事件について特集が報道され出していた。
「うーん、映像を見て事件当時の7人の大体の位置関係は理解できたけど・・・」
「これだけじゃ何とも分からないよな・・・」
そんな2人をよそに、灰原は後部座席でずっと顔を伏せたままだった。
「・・・っ」
「・・・なあ、工藤君。さっきから灰原さん、どうしたんだい?黒づくめの連中が来ているかもって言ってたけど・・・」
「あー・・・えっとどう話せばいいのか・・・」
ずっと顔を伏せ、まだ少し体の震えが出ている灰原を心配そうに見つめる冠城。
冠城の問いに、コナンはどうしても答えに詰まってしまう。
運転席に座る博士に冠城は目線を送るが、博士も困った顔を見せた。
「・・・分かるの」
「え・・・?」
「・・・分かるのよ。昔アイツらと一緒にいたからわかるの・・・この嫌な感じ。体に染みついた気配。そうよ・・・すぐ近くまで・・・っ!!!!」
冠城に訴えかけるように喋りだし、顔をあげた灰原は前方をみて体を一層硬直させる。
「あ、あ・・・」
「」
「え?灰原さん!?」
「ど、どうした灰原?向こうに何が・・・あ、あれは・・・!」
灰原の目線を追ったコナンも、目の前に現れた物に顔をこわばらせる。
冠城もその先に目をやると、丁度止まった車から男達が降りてきた光景が見えた。
「黒のポルシェ356A・・・黒づくめの男・・・まさかあいつらが・・・」
「えぇ・・・そうです。あいつらが黒づくめの組織で・・・俺の体を小さくした張本人・・・ジンとウォッカです...っ」
車から降りたジンとウォッカは、二人でホテルの向かいのビルに向かっていく。
「・・・ホテルに行かないのか?」
「枡山さんと合流するとばっかり思ってたけど・・・」
「恐らく事件が話題になって人目を集めているのは知っているんでしょう。でも・・・一体あのビルに何をしに行くんだ・・・?」
意図の読めないジン達の行動に特大の危険を察知して、動くに動けないコナン達だった。
***
「いい加減にしてくれよ!」
その頃、会場内では目暮や甲斐に詰め寄る樽見達の姿があった。
「事情聴取も受けたし、鑑識作業も終わったみたいじゃないか!事件性があったのか無かったのか!無かったのならさっさと帰らせてくれよ!」
「そうですわ!これ以上何を調べるというの!この何十人という参加者を会場に閉じ込めて、何が進展すると言うんですか!」
樽見に加勢する南条。
他の面々もうんざりとした表情で、目暮達に鋭い目を向けている。
「ですから、事件であろうと事故であろうと現時点で疑わしい事情は全て調べさせていただきたいんですよ」
いらついた一同を根気よく説得しようとしている甲斐。
「それに万一これが殺人事件だった場合、下手に皆さんを開放すれば犯人に証拠隠滅の機会を与えてしまいかねないんですよ。そうだね?目暮警部」
「えぇ、だからもう少し!もう少しだけご辛抱ください!」
何とかなだめようとする二人だったが、内心かなり疲労感を覚えだしていた。
「・・・目暮警部。杉下君はどうしたんだね」
「いやそれが・・・先ほど鑑識の益子さんと話をしていたと思ったら何か聞き込みをしているのか何なのか・・・」
とそこに。
「お待たせしました。甲斐さん、目暮警部」
杉下がいつもの微笑みを浮かべて二人の元へ戻ってきた。
「杉下君!」
「はぁ・・・やっと戻って来たかね。それで?」
「時間がかかってしまい申し訳ありません。ですが、問題ありません」
「そうか、なら早く終わらせたまえ」
杉下の反応に肩の荷が下りた様子の甲斐。
甲斐の指示に杉下は一礼をすると、会場内に向かって話し出した。
「皆さん、大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ありません。ですがもうしばらくだけお付き合いください」
「だから、それは何度も聞いたって!」
「ご安心を。お一人を除き、その他の皆さんはまもなくお帰り頂けますから」
「・・・は?」
「謎は全て解けました。
・・・今回の事件、犯人はこの中にいます」
杉下は一同に向かって、まるでどこかの『探偵』のような台詞を口にした。
(・・・お手並み拝見と行こうか。杉下右京・・・)
枡山は杉下のそんな台詞に、睨みつけながら心の中でそうつぶやいた。
なお既に詰んでいる模様(ネタバレ
6話でした。
大変長らくお待たせしてしまい本当申し訳ありません・・・
前話の修正をしようとし、結果悩みに悩み過ぎてまたまたまたまたエタりかけました。
何とか少しはご都合主義感を減らせたのではと思っています。
・・・とはいえ、正直自分の文才と妄想力では中々ご都合主義を無くすことも難しく悩みのタネです(´^ω^`)
今後も「マジ?」と思うような展開があるかもしれませんが・・・どうか優しい目で見守って頂けますと精神衛生上ありがたい限りです・・・(言い訳)
閑話休題。
さて、次回から解決編です。
既に原作から展開がかなり変わっているので、プロットを組んでも書き上げるのがとても大変。そこも難しさを改めて実感しております。
頑張って進めますので気長にお待ちください。
それでは皆様10日劇場でお会いしましょう。
餌屋TwitterID @esaya_syosetu