以前もお伝えした通り、今回予告状の改変を行っております。
何卒ご了承ください。
後、服部への未成年飲酒説教は皆様の熱い声にお応えして決定しましたが、流石に後の話で行いますので今しばらくお待ちを。
「初めましてやな。オレは服部平次。西の高校生探偵って言われとるもんや」
ヘルメットを脱いでバイクから降りてきた服部。
「初めまして。僕は警視庁特命係の杉下と言います」
「同じく、冠城です」
そう言って、冠城はコナンへ満面の笑みを浮かべる。
「やっ、コナン君」
「ど、どうも・・・」
「よう、くど――『おい』・・・んんっ、コナン君から聞いとるで。推理力がえらい半端ないらしいやないか。『警視庁のシャーロック・ホームズ』とか言われとるらしいなあ」
コナンは平次をじろりとにらんだ。
幾ら杉下が事情を知っているとはいえ、他にも人がいる前で下手に喋って欲しくはなかった。
「望外な評価、嬉しい限りですが、僕がホームズと同等などとは恐れ多いですねぇ」
「謙遜すんなや、ウチのオヤジもあんたらの事一目置いてるみたいやしなあ」
「お父上は確か、大阪府警本部長・服部平蔵さんでしたか。お会いした事は無いはずですが」
杉下は、思わぬ話に目を丸くする。
「我々の噂、大阪まで届いてるみたいですね」
「さて、良い噂だけなら良いんですがねぇ・・・ところで服部君」
杉下はポンと手を一つ叩くと、服部に近づき小声で話しかけた。
「・・・『彼』に風邪薬と言ってお酒を飲ませたそうですね?」
「えっ!?あ、いやぁあれはその軽い冗談というかなんというか・・・」
白い目を向ける杉下。
服部は冷や汗を垂らしながら、目を逸らすしかできずにいた。
***
「と、ところでそっちのベッピンなねーちゃんは誰や?」
服部は、杉下達の後ろで所在なさげな顔をしている夏美達に気づき、話を変える。
杉下はコナン達にも夏美を紹介し、大阪に来た理由を一通り説明した。
なお、いずれ必ず二人を叱るべきだとは決めた。
「あぁ、それなら俺らもちょうど、エッグについてもう一度調べようとしていた所や」
「暗号の予告時間も、まだ納得していない所がありましたから」
とそこに、スーツ姿の男性が近づいてきた。
「えーっと、貴方方が会長にお話があるという?というか服部君達も・・・どうしたんだい?」
「ああ西野はん、ちょうど良かった。もう一度会長さんに掛け合ってエッグ見してくれんか」
彼は西野真人。鈴木財閥で会長秘書をしている男性である。
「ええ?困ったな・・・会長は毛利さんと出られたし、エッグは中森警部が車で別の場所に移したらしいし・・・」
「何やて!?別の場所に?」
当てが外れるどころか、秘密裏にエッグを移動したと知り動揺する服部。
「ほんまになんも知らんのかいな??」
「え、ええ・・・キッドの裏をかくからって会長にも知らせてないらしいんだ・・・」
その話を聞き、冠城が杉下の耳元に顔を寄せる。
「・・・すぐエッグの行き先を追います」
「・・・当てはあるのですか?」
「・・・サイバーの青木に連絡して、Nシステムを調べさせれば何かヒットするでしょう。探しようはありますよ・・・右京さんはキッドを。スコーピオンの件もありますし」
「・・・分かりました」
話を済ませると冠城はスマホを片手にその場から離れていく。どうやら近くでタクシーを拾うつもりのようだ。
離れていく冠城と入れ替わりに杉下へコナンが近づいてくる。
「・・・杉下警部、その・・・」
「えぇ、分かっています。取り敢えず今はキッドの予告状に注力しましょう。予告の内容を教えてはいただけませんか?」
***
“宵闇の射手から暁の山羊へ
秒針なき時計が 天より12番目の文字を示す時
光る天の楼閣から
メモリーズ・エッグをいただきに参上する
世紀末の魔術師 怪盗キッド”
「なるほど。『宵闇の射手』とは射手座最終日の12月21日夜、『暁の山羊』は山羊座初日である翌日22日の明け方だという推理は間違いないでしょう。
そこで、毛利さんは『秒針なき時計』をアルファベットと推理。12番目のアルファベット『L』の形から、犯行時刻は午前3時と推理したわけですか」
「はい。ですが・・・」
「ロシアのお宝手に入れようとしてるキッドが、わざわざアルファベット使うのが違和感なんよなぁ」
「確かに。お二人の言う通り、ロシア語アルファベットなら分かりますが、そうなると12番目は『K』。時計の形には全く合いませんねぇ」
「それに『光る天の楼閣』っちゅうのがライトアップされている大阪城、っていうのもなーんか安直というか何というか」
コナンと服部にキッドの予告状の詳細と、ここまでの推理を説明された杉下。
服部はコナンと同じく推理に違和感を覚え、頭を抱える。
「そもそもなのですが、大阪城は本当に午前3時頃、ライトアップされているのですか?」
と、杉下は根本的な事に気づいた。
「・・・あっ!!」
指摘にコナン達が思わず声を上げる。
「そうだよ服部、そんな夜中にライトアップなんてしてるか?」
「そらおかしいわ・・・確か」
服部はスマホで大阪城のHPを開く。
「やっぱりそうや!大阪城のライトアップは日没頃から0時30分までって書いとるで!!」
「となると、犯行時刻が本当に午前3時ならば『光る天の楼閣』という予告と矛盾する事になります」
「あかん、大阪住んどるのに思いっきり忘れとったわ・・・」
「だけどそうなると一体キッドはどこから」
「・・・もしかするともっと意味を解きほぐさなければならないのかもしれませんねぇ」
杉下の言葉にコナンと服部は思わず顔を向ける。
「意味を解きほぐす?」
「『光る天の楼閣』。この言葉をもっと検討する必要があるのではないでしょうか」
「光る・・・天・・・楼閣・・・天?」
服部は何かに気づき、南の方に視線を送る。
「服部君?」
「そや、分かったで!『光る天の楼閣』は大阪城やない!通天閣や!!」
「通天閣!?」
「せや!大阪城の他にライトアップされてる物の内、名前に沿うてるやつ言うたらただ一つ、通天閣なんや!」
「なるほど、まさしく『光る天の楼閣』。名称も勿論ですが、空高くそびえたつ建造物という所も、『天』と『楼閣』に意味が通ずるところがあります」
「問題は時間や・・・午前3時やないとすると・・・」
「・・・『天より12番目』・・・っ、もしや」
「杉下警部?」
杉下は何かに気付き、体を震わせる。
「『天より12番目』の『天』が、ただ『最初』という意味だけでなく、この予告状の『天』・・・最初の1行目だとしたら」
「あっ!!」
コナン達は杉下の推理を聞き揃って腕時計を見る。
「1行目の12文字目は、ひらがなの『へ』です」
「午後7時20分・・・!!!!」
話し込んでいた時間が予想以上に長かった一同。
既に、予告時刻まで残り約1時間を切っていた。
「急いで通天閣にいくで!!こっから行くなら松屋町筋出て下るのが一番早いけど、この時間どこもかしこも混みやすいからのう!」
「分かった!杉下警部はこの事を鈴木会長やおっちゃん達に!」
「分かりました。西野さん、恐れ入りますが鈴木会長に至急ご連絡を。後、車を回してください。念のため、キッドの逃走経路を予想して先回りします!」
「わ、わかりました!!」
「夏美さんはホテルで待っていてください!沢部さん、お願いします!」
「は、はい!」
「かしこまりました」
杉下の要請に、西野は準備の為飛び上がるように駆け出していく。
夏美達と一旦別行動をすることにした杉下は、地図を開き今後の行動予定を考え始めた。
***
「お待たせしました!」
しばらくした後、西野が車を回して杉下の元へ戻ってきた。
「ありがとうございます。では海遊館へ大至急向かってください」
「か、海遊館ですか!?阪神高速を使えばそこまで時間はかからないかと思いますが、また何故?」
「向かいながら説明します!とにかく急いで!!僕の推理通りならば、少しでも遅ければ身動きが取れなくなります!」
杉下は西野を急かし、急ぎ天保山・海遊館へ向かっていった。
第4回でした。
いやあ、予告状が夏仕様なことに気づいた時の焦りは本当血の気が引くくらいでした。
何とか冬仕様に変更、更に予告状の表現を本当の意味に取れるよう少し改変しました。
そもそもノーヒントで秒針のない時計が一行目の事って気付けるか?って思っちゃいまして・・・(
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通算UA24万突破しました。ありがとうございます。
皆様のお陰です。
今後とも皆様のお力添えをお願いいたします。
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次回第5回。大阪編終了です。
10/13更新予定です。
皆様いつもありがとうございます。
感想お待ちしております。
餌屋TwitterID @esaya_syosetu