名探偵コナン×相棒   作:餌屋

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5「事件発生」

 

 

 

5月3日、特命係。

 

 

新一についての調べ物を合間に行いつつ、昨夜に伊丹達からの雑用をやっと終えた二人は、ようやく新一についての考察を再開する事が出来ていた。

 

 

「ふむ…どうやら工藤君が記録上、最後に解決した事件はトロピカルランドで起きた『ジェットコースター殺人事件』のようですね」

「…ちょっと待ってください。この事件の日付、毛利さんが有名になるほんの少し前ですよ?」

「ええ。工藤君と毛利さんの活躍の時期は綺麗に入れ替わっています。流石にここまで偶然が重なっては、何かがあると思わざるを得ませんねぇ」

「しかし一体何が…」

「おはようございます警部殿」

 

推理に行き詰まり、頭を抱える二人の元に仏頂面を浮かべながら伊丹と芹沢がやってきた。

 

「おや、おはようございます」

「どうかされましたか」

「お二人共、1週間前に黒川大造の家に行きましたよね。そこで事件にも遭遇してる」

 

突然の伊丹の問いに二人はきょとんと顔を合わせる。

 

「ええ、行きましたがそれが何か?」

「…実は昨日の夜、黒川邸が放火されまして」

「放火!?」

「事件のあらましは大体目暮警部から聞いてますが、警部殿も何か気になる事は無かったかと思いましてね」

「いえ、特には…しかしこれで四軒目ですか」

「えぇ…黒川邸に水島邸、安田邸、阿久津邸と、全部手製の発火装置が見つかってるんですけどね。これがまあ何も手がかりが無くて」

「こらっ!芹沢!余計な事言ってんじゃねえ!」

 

杉下の問いに答えた芹沢を、伊丹が叱責する。

 

「まぁ、何も無ければ良いんです。…くれぐれも、首を突っ込まないで下さいよ!!おら、行くぞ芹沢」

「あぁ、はぁい!!…ま、何か思い出したら連絡ください」

「分かりました」

 

そう言って、先に出て行った伊丹を芹沢は追いかけていった。

 

「お二人も、大変そうですね」

「えぇ…しかし、黒川邸まで放火されるとは…」

「僕らも、調べてみます?」

「今、首を突っ込むなと言われた所ですよ?」

 

普段の行動を差し置いて、杉下は冠城をたしなめる。

 

「えぇ~右京さんが言うんですか…それじゃあ、工藤君の続きでも調べますか」

「そうですねぇ…一度工藤君の自宅を訪ねてみましょうか」

 

 

***

 

 

米花町、工藤邸前。

 

 

「…また凄いお家ですね。工藤君の家ってお金持ちですか?」

「おや、知りませんか?工藤君のお父様は、世界的ミステリー作家の工藤優作さんです」

「え!?あの『闇の男爵』シリーズの工藤優作ですか!」

「ええ。お母様は工藤有希子さん。旧姓は藤峰でこちらも有名な元女優さんです」

「はぁ~、凄いご両親を持ってるんですね。工藤君」

 

工藤邸に辿り着いた二人は、新一の両親の話をしていた。

 

「特に、お父様の優作さんは僕も一度だけお会いした事があります」

「え!本当ですか!」

「まだご結婚される前の話ですがね。当時、優作さんは探偵として目暮警部に捜査協力をされる事がありました。その頃に、一度お話を。彼は実に優秀な推理力を持った方でした」

「右京さんにそこまで言わせるとは、凄い方だったんですね」

「ええ。彼は自らの推理に責任を持ち、『真実を明らかにする』事を大前提としていました」

 

どこか懐かしいという顔をしながら、杉下は当時を思い返す。

 

「しかし、彼のような探偵ばかりではないのが残念ですねぇ。推理に責任を持たず、推理ミスが分かれば逃げてしまうという方もいると聞きますから…おや?」

 

そこで、隣の家から少年が飛び出してくるのが見えた。

 

「…コナン君?」

 

コナンはよほど急いでいるのか、二人には目もくれずスケートボードに飛び乗り走り去る。

 

「うぉっ!?…あのスケボー、エンジンでも付いてるのか?」

「…かなり焦った様子でしたね。何かあったのでしょうか」

 

コナンの様子に疑問を抱いた二人は、飛び出て来た家を訪ねてみる。

 

「ごめんください」

 

すると中から白衣に身を包んだ高齢の男性が出てきた。

 

「おや、あなた方は?」

「突然すみません。私、警視庁・特命係の杉下と申します」

「冠城です」

「と、特命係!?」

 

男性の驚いた様子に杉下は違和感を感じた。

 

「おや?もしや我々の事をご存じでしたか?」

「あ、いやぁ、コナン君から以前事件に遭った時、一緒だったと聞いていたもんでのう。こりゃ奇遇じゃと思ってな、ハハハ…」

「そうでしたか。ところで、あなたは?」

「ワシは阿笠と言いましてな。この家で発明家をしておる…っといかんいかん。自己紹介をしておる場合では無かった!警察の方なら丁度良い!」

「先ほどのコナン君の様子といい、何かありましたか」

「今目暮警部に連絡をした所だったんじゃが、爆破予告があったんじゃ!」

「爆破予告!?」

 

思いもがけない阿笠の発言に、驚きの声を上げる二人。

 

「新一…あぁ、工藤新一というのは…」

「存じ上げています。有名な高校生探偵ですね」

「…うむ、彼の携帯宛に連絡が来てな。しかし、どうしても行く事が出来ないので、代わりにコナン君が現場に行ったんじゃ」

「代わりに?なんて無茶な」

「…爆発すれば一大事です。それで阿笠さん、その場所というのは」

「確か、堤向津川の緑地公園と言っておった!」

「…冠城君。僕達も向かいましょう!」

 

阿笠から場所を聞き出すと、二人は急いで車に乗り、現地へ急行する。

二人を見送った阿笠は、彼らがどうして突然やって来たのかが気になっていた。

 

「新一を怪しんでいる二人が現れるとは…まさか、丁度調べに来ておったのか?」

 

阿笠は、様々な意味でコナンが心配になるのだった。

 

 

***

 

 

堤向津川、緑地公園。

 

 

杉下と冠城が到着した頃には、既に大勢のパトカーが集まっていた。

二人が公園の中に目をやると、三人組の子供達に話を聞く目暮の姿があった。

 

「目暮警部!」

「ん?…杉下君!?冠城君まで…一体どうしてここに!?」

「我々も、阿笠さんという方から事情を聞きまして。それで、爆弾の方は」

「あぁ…何とか被害は出ておらんよ。この子達が、髭を生やした男に爆弾付きのラジコン飛行機を渡されたそうなんだが…」

「コナンのやつがリモコンを蹴り当てて撃ち落としたんだ!そしたらオレンジ色の光が出てすげえ爆発してよ!」

 

目暮の説明に、一番大柄な少年が追従する。

どうやら話しぶりからするとコナンの友人らしい。

 

「そうですか。それで、コナン君は一体どこに」

「コナン君に電話が掛かってきて、またすぐスケボーで行っちゃったわ」

「確か、米花駅がどうとか言ってましたが…」

 

可愛らしい少女と、そばかすの少年が杉下の疑問に答える。

 

「目暮警部、彼らは…?」

「ああ。コナン君の友達で、元太君、光彦君、歩美ちゃんだ…しかし米花駅に一体何が」

「…恐らく、犯人からの新しい指示なのでしょう。もしかすると…二つ目の爆弾かもしれません」

「二つ目の爆弾だと!?あんな駅前で爆発すれば大惨事になるぞ!!」

「だからコナン君は、危険を顧みず向かったのでしょう…爆発を防ぐために」

「う~む、こうしちゃおれん!すぐにワシらも向かわねば…」

「目暮警部!」

「どうした白鳥君!」

 

そこに、青いスーツを着た刑事が焦った様子で駆け寄ってきた。

白鳥と呼ばれた刑事は、少し荒い息を吐きながら目暮に報告する。

 

「今、本庁から連絡がありまして、西多摩市近くの高速道路奥の空地で爆発があったそうです!」

「何だと!?」

「付近は大パニックだそうです。関連があるかもしれないのですぐに向かうようにと!」

「分かった!」

 

目暮は白鳥と一緒に急いでパトカーに乗り込みに行った。

 

「冠城君、僕達も行きますよ!」

「はい!」

 

 

***

 

 

緑台警察病院、病室前廊下。

 

 

その後、現場に到着した一行は爆発地点から離れた所で倒れているコナンを見つけすぐ警察病院に搬送した。

検査をしたところ脳波にも異常は見られず、頭を打って気絶したのだろうという判断だった。

 

意識を取り戻すまで少し待ってみようという事になり、駆け付けた小五郎、阿笠、元太、歩美、光彦は病室でコナンを見守り、目暮達と杉下達は廊下で待つことにしたのだった。

 

「…しかし、コナン君はとても無茶をする子なのですねぇ」

 

手持無沙汰になる中、杉下は目暮に話を振った。

 

「普通、爆弾を持って被害を防ぐために走り回るなど、大人にも出来ませんよ」

「うむ…警察のワシが子供相手にこういう事を言っちゃいかんのだが、その無茶が危なっかしくもあり、どこか頼もしくもあり…とても、不思議な子だな」

 

目暮は、警察としての立場とは別に、コナンに対して一定の信頼を置いているように杉下は感じ取った。

 

「そうでしたか…ところで、今回犯人からの予告電話は工藤新一君宛に届いたと聞いたのですが…」

「あぁ、ワシも阿笠さんからそう聞いた」

「なぜ、工藤君は対応できなかったのでしょう。コナン君が工藤君の携帯電話を持っていたという事は最初の時はその場に居たのでは無いかと思うのですが…」

「そういえば、僕達が阿笠さんのお宅を訪ねた時にはもう既に居る様子は無かったですよね」

 

杉下の疑問に、冠城も同調する。

 

「他にも幾つも事件を抱えていると聞いているが…ワシにもその辺りは分からん。それがどうかしたのかね」

「いえ…細かい事が気になってしまう。僕の悪い癖です」

「…ふむ、工藤君なぁ。彼はワシ自身とても頼りにしているんだが、偶に大胆な所があってなぁ」

「ほう」

「だが推理力は抜群、真実を追求し、犯人は決して逃さない…本来、事件捜査は警察の仕事であるし、情けない話なのだが、ワシは彼を信頼しているよ」

「そうでしたか…真実を…」

「考えてみると、コナン君はどこか工藤君に似ている所があるな。やはり親戚だからなんだろうか」

「…親戚、ですか?」

 

目暮の発言に、杉下が反応する。

 

「あぁ、工藤君の遠縁の親戚と聞いておるよ?お互い推理小説好きで、仲が良いらしい」

「そうですか…親戚でしたか」

 

と、そこで病室内から小五郎の大声が聞こえてくる。

そして病室から光彦が出てきて、どこかに走っていった。

 

「もしかして、目が覚めたのでしょうかね」

「うむ。体に問題なければ早速話を聞いてみるとしよう」

 

***

 

 

???

 

 

「ふん…あの小僧が被害を防いだか…忌まわしい。まあ良い、次からが本番だ…工藤新一…」

 

 





第5話でした。

やっと時計仕掛けメイン事件がスタートです。
と思ったらもう2つも爆弾が爆発しました。
しかしまだまだ終わりません。むしろここからが事件本番です。
コナンと杉下の活躍をお楽しみに。

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それでは、執筆の合間にモンハンをやろうとしているけど中々プレイ出来ていない餌屋でした。

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