ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~金ぴかと白兎~ 作:kejan
ギルガメッシュ
「なにしやがる!」
頭に酒をかけられた狼人が立ち上がり睨んでくる。
「なに、少し酔いが回ってそうだったからな。頭を冷やしてやろうと思っただけだ。」
空になったグラスをテーブルに置きながら答える。
「テメェ・・」
狼人は怒りに体を震わせながらこちらを睨んでくる。
「ちょっとベート落ち着きなさい。あなたも早く謝りなさい。ケガだけじゃすまないわよ。」
アマゾネスが忠告してくる。
「なぜ我が謝らなければいけない。むしろそこの駄犬の鳴き声で食事がまずくなったことに謝罪がほしいくらいなんだがな。」
「駄犬だとォ‼テメェ、誰にケンカ売ってんのかわかってんのか?」
「そう吠えるな駄犬。いや、すまない、駄犬だから吠えるしか能がないのか。それに・・・」
「あん?」
「弱い犬ほどよく吠えるというしな。」
ブチっと何かが切れる音がした。
「ぶっ殺す!!」
狼人がこちらに突撃してくる。
さすがの速さだ。大きな口をたたくだけのことはある。
狼人の拳が眼前に迫り
止まった。
「なにっ!?」
狼人が動揺して声を上げる。
いつの間にか全身に鎖が巻き付いていたのである。
天の鎖
我のお気に入りの宝具である。
そして、予想通り冒険者にはよく効くようであった。
この宝具は神性が高いほど硬度が高まる。
神から恩恵を与えられている冒険者、それも高レベルであればよく効くだろうと思っていた。
「店で暴れては店主に迷惑であろう。」
天の鎖で狼人を締め上げる。
そして、狼人の骨から嫌な音がした。
「グアアアアアアァァ!!・・・・・・。」
意識を失ったのか静かになった。
「ふむ、こんなものか。店主よ迷惑をかけた。また来るぞ。」
店主に声をかけベルを探すために店を出ようとする。
「ちょっと待たんかい!」
つり目に赤髪の少女が声をかけてくる。
「確かにうちの眷属も悪かったが、やりすぎとちゃうか?」
その口ぶりから、ファミリアの主神ロキであることを察する。
「躾がなっていなかったのでな、代わりに躾けておいたぞ。」
「そうかい。自分どこのファミリアや?」
鋭い目つきで睨んでくる。
いや、睨んではいるものの心の中を見る、そんな感じの目だ。
神の力はなくても神というわけか。
「どこのファミリアにも属しておらぬわ。我は冒険者ではないからな。」
問答にも飽きてきた。
後ろから声は聞こえていたが無視して店を出る。
オラリオの最大派閥であるロキファミリア
多少の興味はあったのだがな。
ベルのように我の興味を惹くようなやつはいなかった。
さて、我を置いて行った馬鹿者を探しに行くか。
読んでくださりありがとうございました。