ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~金ぴかと白兎~ 作:kejan
ベルの装備が薄いことを気にしたエイナは・・・
「7階層!?」
ギルド中にエイナの声が響き渡った。
「君はこの前5階層で死にかけったっていうのに、なんでそんな無茶をするのかなぁ?」
「で、でもあれから僕そこそこ強くなって、ステイタスもだいぶ上がったんですよ!」
怒ってくるエイナさんをなだめるべく、言い訳をしてみる。
「そんな急にステイタスが上がるわけないでしょ。」
そういうとエイナさんは僕を別室に呼び背中のステイタスを確認する。
「うそ・・ほんとに上がってる。」
エイナから驚きの声が漏れる。
「このステイタスなら、7階層で冒険してもいいですよね。」
「確かにこのステイタスなら7階層でも大丈夫だけど・・そうなると問題は」
そういうと僕の全身の見回す。
「ベル君、明日予定空いてるかな?」
次の日
僕は広場のオブジェクト前ででエイナさんを待っていた。
これまでの人生で女性と出かけたことなどないため緊張していたのか、予定より早く来てしまった。
「ベル君!待たせちゃったかな。」
それからしばらくして、私服姿のエイナさんがやってきた。
普段の制服姿ではないことと、眼鏡をしていないことから印象が違う。
「エイナさん!なんだか今日は印象が違いますね。」
「私の私服姿にドキッとしちゃった?」
エイナさんがいたずらっぽく微笑む。
その表情に思わず赤面してしまう。
「それで・・なんであなたがここに?」
エイナさんがオブジェの陰に立っていた王様に声をかける
王様に今日出かけることを伝えるとついてくると言うため一緒に来たのだ。
「どこで何をしようと我の勝手だろう。」
「はいはい。それじゃベル君いこっか。」
諦めたのかエイナさんが声をかけてくる。
しかもさらっと王様を無視している。
「それで、今日はどこに行くんですか?」
「それはついてからのお楽しみ。」
そういって僕たちは歩きだした。
バベル
「ここは・・・」
「ヘファイストスファミリアのお店だよ。」
僕たちはバベルの中にある武器屋に来ていた。
それもオラリオでも一位二位を争うヘファイストスファミリアのお店だ。
ショウウインドウには手の出ない価格の武器が飾ってある。
「無理ですよ、こんな高いもの買うお金がありません。」
「大丈夫だよ、お目当てはこのお店じゃないから。」
目当ての店に行くため移動しようとした時だった。
「いらっしゃいませー!」
お店から店員さんが出てきた。
ツインテールの小柄な店員だった。
「か、神様!?こんなところで何を?」
「ベル君!?それに王様君も。」
「神の威厳をどこへやったのだ駄目神。」
「うぐう。とっところで、そこのハーフエルフ君は誰だい?」
王様からの指摘に涙目の神様は話題をエイナさんに逸らす。
「初めまして神ヘスティア。クラネル氏の迷宮探索アドバイザーのエイナ・チュールです。」
「そうかい。これからもよろしく頼むよ。と・こ・ろ・で、君は自分の立場を利用してベル君に色目を使ってはいないだろうね?」
「公私の分別はついていると思います。」
神様は仕事に戻り僕たちは目当ての場所に向けて歩き始めた。
到着したのは、かなり端にある物置のようなお店のような感じのところだった。
「ベル君はヘファイストスファミリアの武器は高いものと思ってるでしょ?でも、此処は駆け出しの鍛冶師が卸しているから値段もそんなに高くないの。中には掘り出し物が眠っていたりするんだよ。」
店に入り物色する。
確かに、値段は安くはないけれども手の届かないほどではない。
奥のほうまで物色すると、一つの胸当てを見つける。
裏には鍛冶師の名前であろうヴェルフ・クロッゾのサインとウサギの模様が彫られている。
値段は持ち金全部使うことになりそうだが足りる。
「ベル君、いいものあった?」
「はい!これにしようと思います。」
「君はほんとに軽装が好きだね。」
会計を済ませてバベルから出るとすでに日が沈み始めていた。
「エイナさん今日はありがとうございました。」
「どういたしまして。そうだ、ベル君これ。」
エイナさんが布に包まれた物品を受け取る。
中から緑色の腕あてが現れる。
「これは私から。使ってくれるとうれしいな。」
「ありがとうございます!エイナさん!」
防具も新調したし明日からの迷宮探索も頑張ろうと思えた。
ギルガメッシュ
一日様子を見ていたが不審な気配は感じなかった。
そろそろあの女神が何かしらの行動を起こしてくると思ったが杞憂だったか。
そう考えた時だった。
バベルの上からこちらを見る冷たい視線を感じ思わず振り返る。
やはり見ているか。
口角が思わず上がる。
これから何を仕掛けてくるか楽しませてもらうぞ。
フレイヤ
バベルの上層から地上を眺めていた時だった。
白髪の少年を見つけ胸が高まる。
いけない。
しばらく手を出すのはやめようと思っていたのに、我慢できないわ。
本棚から一冊の本を手に取る。
あの子の中には何が眠ってるのかしら。
それにしても、あの男。
私の視線に気づいたわね。
勘がいいのか、それとも・・
いずれにしてもしばらくは預けておくわ。
それでも、最後は必ず私のものにする。
読んでいただきありがとうございました。