ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~金ぴかと白兎~ 作:kejan
そんな時、迷宮に入る直前で一人の少女に声をかけられる。
ベル
早朝ということもありまだ少し霧がかかっている。
バベルの前には、すでに多くの冒険者が集まっていた。
冒険者の多くはパーティーを組んでおり、中には大きなリュックを背負ったサポーターを連れている冒険者もいる。
サポーターがいれば自分が荷物を持つ必要がなくなり、戦闘に支障きたすこともなくなる。
「サポーターかぁ。」
思わず心の声が漏れてしまった。
「そこの冒険者様、サポータをお探しではありませんか?」
後ろから声をかけられる。
振り向くと大きなリュックを背負った小柄な少女が立っていた。
「いきなりで戸惑っているのですね。状況は簡単です。雇ってくれる冒険者を探しているサポーターが自分を売り込みに来ているのです。」
「どうして僕に声をかけてきたの?」
近くの噴水のへりに腰掛け話を聞く。
「見たところお一人でしたしご自身でバックパックを持たれていたので。」
なるほど、すごい観察眼だなと思わず感心してしまう。
「すいません。実はこれからもう一人来るんです。けど、サポーターは欲しいと思っていたのでそれでもいいですか?」
「そうなのですか?私はそれでもかまいませんが・・」
「待たせたな。」
王様がゆっくっりと歩いてこちらに近づいてきた。
「してベルよ。そこの少女は何者だ?」
「そういえば自己紹介がまだでした。僕はベル・クラネル、こちらは王様です。」
「王様?えっと私はリリルカ・アーデです。」
「こちらのりりルカさんにサポーターとして同行してもらおうと思ってるんですがよろしいですか?」
「構わん。パーティーのリーダーはお前だ。自分で決めろ。」
「わかりました。では、りりルカさんサポーターお願いします。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
りりルカ
迷宮内
「ベル様、後ろから来てます。」
「はい!」
今回、ターゲットにした白髪の人間は見た目は明らかにお人良しではあるが、それなりの戦闘スキルを持っているようだ。
狙うは使っているナイフ。
かなりの業ものだろう。
鞘にはヘファイストスの刻印まである。
奪うのはたやすいだろう。
ただ問題があるとすれば、同行している金髪の青年だ。
「あの、王様は戦われないのですか?」
「我に働けと申すか?」
「い、いえ・・」
さっきから戦闘をするわけでも魔石を回収するわけでもなくただ立っているだけなのだ。
正直なところなぜ冒険についてきているのかわからない。
こちらの仕事をするのにも都合が悪い。
ひとまずはベル様の信頼を得るのが良いだろうと考え行動する。
ギルド前
「それじゃあ僕は換金とエイナさんに報告に行ってきます。」
「わかりました。リリはここで待っていますね。」
あの後、探索は何事もなく終了した。
ベル様がギルドにはいってから少ししてからだった。
「ところで少女よ、貴様はどこかのファミリアに入っているのか?」
唐突に金髪の青年が聞いてくる。
「私はソーマファミリアに所属しています。」
「そうか。」
その後、特に会話もなくベル様が戻ってくるのを待った。
「お待たせしました。」
しばらくして、ベル様が小袋を手に戻ってくる。
「報酬は貴様とそこの少女で分けるがよい。我はもう行く。」
「わかりました。あれ、王様もギルドに用があったのですか?」
「そんなところだ。また後でな。」
金髪の青年は手を振りながらギルドの中に入っていく。
「それじゃ、報酬の分配をしましょうか、りりルカさん。」
きた。
冒険者の中にはサポーターに対する報酬をけちる輩もいる。
この少年はどうだろう。
「これは今日の稼ぎの半分です。どうぞ。」
そういって小袋を渡してくる。
中を確認すると本当に入っていた。
「あ、ありがとうございます。」
本当に見た目通りの優しい人のなのかもしれないと思えた。
それでも、冒険者は信じられない。
当初の予定通り、目標のブツを手に入れるために行動を開始する。
「それでは、ベル様今日はお世話になりました。」
そういって、歩き出しわざと転ぶ。
「大丈夫?りりルカさん。」
「大丈夫です。すいません、荷物が散らばってしまったので拾うのを手伝ってもらえますか?」
荷物を拾っているベルの背後に立ちナイフを抜き去り懐に隠す。
「はい、りりルカさん。」
「ありがとうございます。それでは。」
うまくいった。
きっといい値になるだろう。
高まる気持ちを抑えながら帰路につく。
ギルガメッシュ
受付に目的の人物がいるのを見つける。
「貴様に話がある。」
「ちょうどよかった。私も聞きたいことがあったの。」
そういうと小部屋に案内された。
「相変わらず安っぽい椅子だな。」
「はいはい、それで話って何かしら?」
「随分態度が悪いな。それでよく受付が務まるな。まあ良い。話というのはソーマファミリアについてだ。」
「どうやら同じ要件のようね。新しくベル君が雇ったサポーターがソーマファミリアなのね。そっか、ソーマファミリアか。」
頭がいい女で助かった。
ただ、曇った顔からあまりいいファミリアではないことが窺える。
「そんなに問題のあるファミリアなのか?」
「うーん、少しね。常に殺気立っているというか、結構、換金所ではもめることが多いかな。」
「上納金でもあるのか、そのファミリアは。」
そういって、先ほどベルとすれ違ったときに入れ替えておいたナイフを懐から取り出す。
あの少女がこのナイフを注視し、我の隙を探っていたからもしやと思いすり替えておいたがさてどうなったのやら。
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