ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~金ぴかと白兎~ 作:kejan
走れ、走れ、走れ
ただひたすらに走っている。いや、逃げていた。振り向かなくてもわかる。真後ろから感じるプレッシャー。ミノタウロスが追ってきている。
どれだけ走ったかわからない。ここがどこかもわからない。ただ一つ分かる。行き止まりだ。振り返る。改めてミノタウロスと向き合う。あっ、死んだ。
ごめんなさい神様、ごめんなさい王様、そして、ごめんなさいおじいちゃん。
完全にあきらめて懺悔していた。その瞬間、ミノタウロスの巨体が裂けた。目の前の巨体から血が吹き出す。大量の血が降りかかってきた。思わず目をつぶる。目を開けるとミノタウロスが塵と魔石になり彼女が現れた。
「あの、大丈夫ですか?」
美しい金色の長髪、整った顔立ち、心配して小首をかしげる動作。心臓の高鳴りが止まらない。この日僕はダンジョンで『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインと出会った。
一方、ギルガメッシュは一人で立っていた。ベルがそこそこの速さで逃げ出し、それを追いかけるのは億劫だったからである。
とはいえ、ベルを置いて帰るわけにもいかず、迎えに行くかと思ったとき、一筋の風が横を通り抜けた。いや、長い金色の長髪をたなびかせた少女がそれなりの速度で駆け抜けていった。
金髪か。
一人の女を思い出す。青を基調とした甲冑に金髪を後ろで結った、見目麗しい少女。我の求婚を断った生意気な女。
ひとまず、頭を切り替えベルを迎えに行くことにする。合流した瞬間、血まみれのベルを見たギルガメッシュは大爆笑した。
迷宮から帰還した僕はアイズさんの情報を教えてもらうべくギルドに向けて走り出した。
「王様、僕はギルドに行ってきます!先に拠点に戻っていてください。」
いうや否や駆け出していた。
しばらく走り続けると、ギルドが見えてきた。ちょうど、ギルドから目的の人が出てきたところだった。
「エイナさーん!」
「ベル君!・・・ぎゃあああー!」
忘れてた。自分が血まみれなこと。
その後、エイナさんにギルドのお風呂を借り、さっぱりした僕はロビーのソファに腰掛けていた。
「駄目じゃない、血まみれで街を走り回っちゃ。」
めちゃくちゃ怒られた。血まみれになった理由を説明し、アイズさんの情報を教えてもらった。
アイズ・ヴァレンシュタイン
二つ名は剣の姫で『剣姫』
ロキファミリア所属のレベル5
僕としては好きな食べ物とか、特定の相手がいるのかだけどまあいっか。」
ひとまず、冒険で手に入れた魔石を換金し、ギルドを出ていこうとしたら、エイナさんから声をかけられた。
「あのね、女性はやっぱり強くて頼りがいのある男の人に魅力を感じるから、めげずに頑張っていればヴァレンシュタイン氏も強くなったベル君になら振り向いてくれるかもよ。」
「はい!ありがとうございます。エイナさん大好き!」
僕は意気揚々と拠点へ帰りだした。
後半は原作準拠です。すいません。