ハリー・ポッターと千の花   作:柊山節

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イイ感じのタイトルが思いつかない……orz


新学期第一週目の授業

「クフフ、クフフフフ♪ ……おや、白蘭ですか」

 

 

 ノリノリで翼を振った後、何故だかがっかりしたような顔をするムクロウ君。一体何か嬉しいことがあったのカナ?

 

 ちょっと聞いてみた所、ムクロウ君は楽しいことがあったみたいだ。曰く、「小説の魔法使いのいる世界にいるような生物と一戦交えてきた」のだそう。

 

 そりゃあ、機嫌も良くなるよね。

 

 

 そんなムクロウ君は桔梗チャンとザクロにくりっくりの目を移して一言。

 

 

「おやおや。お久しぶりですね」

 

 

 寝転がっていた体勢から起き上がり、毛繕いをしながらムクロウ君はじっと僕等を見つめる。そして、片足を出してせがんだ。

 

 

「僕のご飯はないのですか」

「ネズミは?」

「バカなこと言わないでくださいよ」

 

 

 アハハ、まあそうだよね。人間だったムクロウ君がネズミなんて食べられるわけがない。中々グルメなムクロウ君は、ネズミよりよっぽど美味しいモノをたっくさん知ってるもんね。

 

 そういえばムクロウ君は僕が籠をコンパートメントの中に入れるとき、「こんなとこにいたくありません」と言ってどこかに飛んで行ったよね。だとしたらおかしい。

 

 なーんで、いつの間にか地下の寮にいるの?

 

 

 ムクロウ君の差し出した足に懐にあったチョコレートを近づける。直ぐにチョコレートを奪い取ったムクロウ君は器用にラップを開けて食べ始めた。

 

 この際、フクロウがチョコレートを食べていいのか否かという疑問は置いておく。

 

 

「ムクロウ君、どうやってここに来たの? 地下牢には飛んで入れないよ」

「僕はただ、誰もいないホグワーツの中を歩いて、中に入っただけですよ」

 

 

 歩いた……ということは、有幻覚で人間の姿になったんだね。幻覚ってすっごく便利だよねぇ……魔法の世界でも通じるなら、ムクロウ君は無敵じゃないか!

 

 色んな人を杖なしで騙せるなんて魔法使いたちが知ったら、それこそムクロウ君の大嫌いな実験体になっちゃうよ。

 

 寝る準備をしながら、ムクロウ君の話を聞くことにした。ホグワーツの中を、皆がいない時に歩いているのならそれこそ面白いことを知っているかもしれないしね。

 

 

 最初はあまり話したがっていなかったムクロウ君も、チョコレートを増やしたら饒舌に語ってくれたよ。

 

 

「三階の廊下は中々面白かったですよ。禁じられていた場所でしたか? あそこには三頭犬……ケルベロスがいましたよ。全力を出さずとも勝てましたが、実際にケルベロスを見るのは中々見物でした」

 

 

 愉快そうにクフクフ笑いながらチョコレートを齧るムクロウ君。どうやらいつの間にか、僕達より探検していたみたいだ。ちょっと、いやかなり羨ましい。

 

 ムクロウ君が言うには、禁じられていた廊下の所にはケルベロスのいる部屋があるらしい。そのケルベロスは足元の扉を守っていたので、見ていてわかりやすかったとのこと。

 

 まあ、そうだよね。なんでこんなとこに堂々と扉があるのって感じ。

 

 僕等ならまず、幻覚で扉の存在すら消すけどね! そうしたら万が一ケルベロスがやられても見つからないよね。

 

 ん、やっぱり幻覚は使い勝手が良いね、体術が求められないこの世界でなら、マーモンチャンは頂点に立てると思うよ。

 

 

 寝る準備が整い、ベッドの中に潜り込む。中々ここのベッドってふかふかだね。ちょっとばかりこの学校を見直したかもしれない。

 

 たかが寝具如きって思う? そんなことないよ、寝る場所ってどの世界でも重要視されるんだよ!

 

 

「羨ましいなムクロウ君。僕も探検するもん。ね、桔梗チャン、ザクロ」

「白蘭様の仰せのままに」

「俺も白蘭様が行くなら良いぜ~」

 

 

 二人から了承ももらって、ハッピーだよ。じゃあ、おやすみ。

 

 それにしても、夜になっても探検できる、フクロウと言う身分を持つムクロウ君がちょっと羨ましいよ。

 

 

***

 

 

 新学期が始まり、僕達は早速授業を受けていた。前世で習ったようなモノとは全く違っていたので、僕達は特別優秀と言うわけではなかった。理系科目だったら負けない自信、あるんだけどなぁ……。

 

 妖精の呪文とか。ホントなにそれって感じ。

 

 できなかったわけじゃないよ? できたけど、やり辛かったってこと。桔梗チャンは呪文系に長けているみたいで、よく褒められていたよ。

 

 僕はまあまあ、ザクロは爆発ばっかり。いい感じにランク付けされているのがこれはまた面白い。

 

 

「クフフ……魔法使いですか。僕も杖を持ちたいです。というより、前世の僕の武器は杖と槍でしたよ」

 

 

 僕の膝の上に乗って授業を参観しているムクロウ君がぼそりと呟く。その気持ちもわからなくはない。だけど、ムクロウ君はフクロウなんだよ。

 

 フクロウでも、有幻覚で人間になればできるかもしれないけどさ。

 

 

「じゃあ、それを使って魔法をぽぽぽーって出せば良いじゃん」

「有幻覚の杖から出した魔法は有幻覚なのですよ、白蘭。つまり、独りで有幻覚で遊んでいるようなものです……やっていて虚しくなりました」

「あ、やったんだ」

 

 

 うーん……現物の杖があればムクロウ君は魔法が使えるのかな? もし使えるのならムクロウ君に杖を買ってあげよう。使えないのに渡しても意味ないからね。まずは確認を取らなきゃ!

 

 そう思っていた時、近くでまたもや爆発が起きた。僕の髪とムクロウ君の羽毛が大いに乱れた。

 

 爆発の犯人は勿論、ザクロだ。

 

 

「だぁ~! また失敗かよ、バーロー!!!」

「ウィーズリー、力みすぎではないですか? もう少し、力を抑えなければ杖が吹き飛びますよ」

 

 

 マクゴナガル先生の指摘にザクロは口を尖らせる。その傍らで桔梗チャンはマッチを針に変えていた。マクゴナガル先生は「流石です、カーティス」と言って点数をあげた。

 

 ザクロはブツブツと桔梗チャンを恨めしげに見ながらぼやく……かと思いきや、机に突っ伏した。

 

 

「あ~だりぃ……できねーのにやる必要あるのかよ」

「ザクロ、授業中ですよ」

「白蘭様……サボっていいですか~」

「んー? 後ろにいる先生に許可を取ったら?」

 

 

 僕がそう言った瞬間、ザクロは勢いよく起き上がった。ゆっくりと、ガチガチになった身体を振り向かせる。

 

 ザクロの背後に無言で佇むマクゴナガル先生。丁度座っている僕達を見下ろすように立っているのがポイントだね。ほら、ザクロの顔が真っ青!

 

 マクゴナガル先生は至って静かに尋ねた。

 

 

「ウィーズリー、減点されたいですか?」

「……イエ、ケッコウデス」

 

 

 片言で答えたザクロは再び杖を振り、爆発を起こした。

 

 

***

 

 

 そんなこんなで新学期の最初の週はあと一教科で週末となる。魔法使いの授業ってなーんかあまり合わないよ。特にニンニク臭いのが何より嫌だったね!

 

 クィレル先生という人の授業はやたらニンニク臭い部屋で行われた。本人は吸血鬼に怯えているとか言っているけど、そんなの僕等には関係ないじゃないか。

 

 そうそう、嘘吐きな先生から教わる事ってないよねー?

 

 

 実はクィレル先生、嘘吐きなんだよ! 吸血鬼に会ってから云々言っていたけど、そーんな感じがしないんだよね。

 

 だってさぁ……先生の頭、何だか腐敗臭に近い臭いがするんだよねぇ。

 

 

 ムクロウ君に言わせれば「死に掛けた人間か何かの臭い」らしいからね。つまり、死に掛けているモノがクィレル先生の頭にあるってこと。

 

 普通なら頭が腐ってるのか、で終わりそうだけど僕はそうは思わない。いや、思ってるけどそれを結論付けることはしないってこと。あの人の頭は腐ってる、でも部分点は採れるよ!

 

 

 正解は、「憑依されている」だよ! こういうことに詳しいムクロウ君が「二重の魂を感じました」と言っていた。

 

 一つはクィレル先生本人の魂。そしてもう一つがクィレル先生の頭に寄生している弱り切った魂。

 

 ……ぶっちゃけると、これだけで答えがわかっちゃったよ。僕、誰よりも弱っている人を小さい頃に見たし。

 

 

 そんなわけで、今年は中々騒がしい一年になりそうだ。まあ、動く気はないんだけどねー♪ 

 

 

 んで、話を戻して。あと一つ! あと一つ受けるだけで、輝かしい週末がやって来るよ! 週末は皆で探検に行こうって話になってる。

 

 どんな意味の分かんない科目でもぼけーっと受けとけばいいよね!

 

 そう思っていた僕だけど、どうやらそれは思い違いのようだ。なんていうか……有名人って辛いんだねぇ。やっかみとか受けたり、嫉妬を一身に引き受けちゃったり。

 

 まあ、一介の教師が嫉妬するのもどうかと思うケド。

 

 

「ポッター!! アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを加えると何を得る?」

 

 

 ポッター。ハリー君のことだ。この学年にはポッターは一人しかいないからね。有名人なハリー君のことだよ。みんな大好きハリー君、今日も大変だね。

 

 ハリー君はわからないらしい。友人と顔を見合わせている。って、あの友人ってザクロの双子の弟君カナ?

 

 友人の助けも得られないとわかったらしい、ハリー君は嫌そうな顔で答えた。

 

 

「わかりません」

「チッチッ……有名だけでは何もならんな」

 

 

 そりゃそうだね。まだ新一年生だよ。過剰に期待する方がバカみたいなんだけど。この先生って頭が良いのか弱いのかよくわかんないや。教授の位置にいるくらいだから頭は良さそうだけどね。

 

 

 今、僕達が受けている科目は魔法薬学。呼ばれた名前から察してほしいけど、ハリー君達グリフィンドール生と一緒に授業を受けているよ。

 

 僕の隣に座る子は懐かしきメガネの子。ムクロウ君を膝に乗せて授業に参加する僕にお腹を押さえていたな。懐かしいや、そういう体質♪

 

 正チャンという名前の正チャンは、正チャンなんだよ! え? わかんない? なら、理解してみよう!

 

 

 正チャンは前世の僕の親友。とーっても神経質だけど、弄り甲斐のある良い子♪ 正チャンとは廊下でばーったり会っちゃったんだ。互いに前世そっくりの顔をしていたから直ぐにわかったよ。

 

 まあ、正チャンは僕が入学の際に悪目立ちしていたから直ぐにわかったみたいだけど。でも、話しかけてくれなかったのは悲しいな。巻き込まれるのが嫌だからと言って無視は嫌だよ。

 

 というわけで。正チャンには罰として僕と一緒に授業を受けてもらうことになったんだ!

 

 懐かしの正チャンと一緒に授業を受けるのは何年振りだろう? 久しぶりだからわくわくドキドキ。だから僕の機嫌は今はすっごく良いんだ。

 

 例え先生がねちっこくてもね!

 

 

「ではポッター。ベゾアール石を探せと言われたらどこを探す?」

 

 

 ハリー君のちょっと近くにいる女の子が真っ直ぐに手を上げているのが目に入る。嫌でも目に入るのに意識しない先生って中々鈍いね。

 

 どこぞの主人公でもあるまいし、その顔と年齢でそんなこと考えたら気色悪いよ。

 

 ね、そう思うでしょ? 正チャン。

 

 

「なわけないじゃないですか……それに、先生に無礼ですって。あと白蘭サン、骸さんはどこかに置いて来てください」

「えー」

「えー、じゃないですよ! 万が一、骸さんが鍋の中に落ちたりでもしたらどうするんですか!」

 

 

 ひそひそと僕達は会話をする。ちなみに先生はハリー君をねちねちといびっているので問題ない。注意されても僕なら大丈夫だよ!

 

 何かあったら、ぜーんぶ正チャンのせいにするんだ! ……嘘だよ?

 

 

「入江正一。僕はムクロウです。骸なんて名前は今は関係ないですよ」

「そっちこそ、そんなの今は全然関係ないじゃないですか!」

 

 

 ちなみにこの会話もひそひそしながら行われている。正チャンって静かに怒鳴るの得意だよね。訓練でもしたのかな? それとも、僕を怒っているうちにそうなったとか?

 

 これって正チャンの数少ない特技の一つなんだよ! その内の一つを僕が育てたのかと思うと鼻が高いよ。んふふ~♪

 

 鼻歌を歌いそうになるけど、流石に先生に気付かれそうなのでやめておく。

 

 

「一人と一羽は仲良しだねぇ! 僕も嬉しいよ」

「そんなこと言ってる場合ですか!」

「白蘭、今日の夕飯はカボチャが食べたいです」

「今度は何ですか!?」

 

 

 正チャンがぐっと拳を握りしめた。おっ、耐えてる耐えてる。正チャン、偉いなぁ。

 

 

「白蘭様。あまりお戯れが過ぎませんよう……」

 

 

 桔梗チャンの控えめな発言が後ろから聞こえる。後ろに座る桔梗チャンとザクロからすれば僕らの会話は丸聞こえ。恥ずかしいなんて思わないよ、別にそんな際どいことを話してないからね。

 

 そうそう。桔梗チャンの言う「お戯れが過ぎませんよう」というのは、先生に気付かれちゃうから少し小さくやったらいいってことだよね。なら、正チャンに声を小さくしてもらわないと。

 

 

「正チャン、声を小さくしないと聞かれちゃうよ」

「わかってますよ!」

「ほう、今の答えがわかるのかね?」

 

 

 あっ……正チャン終わった。

 

 正チャンはいつの間にか目の前に立つ魔法薬学の教授、スネイプ先生を呆けたように見上げた。何度も目を擦って現実だと認識すると、一気に蒼白へとなった。

 

 ニヤリ……スネイプ先生が陰気そうな不気味な笑みを浮かべた。あれはお墓を見つけた墓荒らしの目だ。

 

 

「え、えっと……」

「では聞こうか、ラッセル。モンクスフンドとウルフスブランの違いは何かね?」

 

 

 正チャンは頭に「?」が浮いた状態で僕を見た。僕はただにこにこと見上げるだけ。だけど正チャンは僕を見てハッとしたように目を大きく開いた。

 

 僕、というより僕の膝にいるムクロウ君だけどね。

 

 

「……お、同じです」

 

 

 ムクロウ君が幻術で出した小さな黒板には「モンクスフンド=ウルフスブラン」と書かれている。それを読んだ正チャンは答えることができたってわけ。

 

 ちなみにムクロウ君が答えられたのは、僕が羊皮紙に答えを書いたからだよ。

 

 これが……コンビネーションアタック!

 

 

 スネイプ先生は正チャンをじろりと見下ろして、「宜しい、座りなさい」と告げた。緊張から解き放たれたのか、正チャンはがくりと椅子に倒れ込むように座った。

 

 今まで出した問題の解説を行うスネイプ先生の傍らで、正チャンはお腹を押さえて呻いていた。

 

 

「し、死ぬかと思った……」

「お疲れ様♪」

 

 

 僕が正チャンを労わっている間に、おできを治す薬を作ることになった。おできを治す薬って……僕達の時代でも薬一つで治せるけど……こんなグロいモノを入れなかった気がするよ。

 

 ザクロと桔梗チャンが顔色変えずにナメクジを茹でていたのが凄く印象的だった。その代わり、正チャンは今にも死にそうだったけど。

 

 

「前世の製薬技術ってこんなものじゃなかった筈……」

「うんうん。物質を幾つもの触媒で化学反応を起こすことで物質を作ったのにねぇ……流石にこれは酷い」

「白蘭サンは薬品関係に詳しかったですよね。どんな感じですか?」

「ん? 最悪だよ最悪。僕には絶対合わないね。ポリジュース薬とか真実薬とかは興味深いケド♪」

 

 

 えいっと気合を入れてナメクジを鍋に突っ込む。正チャンは今にもマーライオンになりそうだったので、ムクロウ君に少し対処を施してもらう。

 

 臭いとかを幻覚を使って感じさせないようにすることで随分と楽になれると思うよ。ムクロウ君がいてラッキーだったね、正チャン。

 

 ほらやっぱり、ムクロウ君は正チャンのためにもいた方が良いんだよ!

 

 

 僕が無事に薬を作り終えた時、グリフィンドールの子達の悲鳴が聞こえた。地下牢に響き渡る悲鳴に耳を押さえる。

 

 誰かが試薬で遊んだのかな? 僕も遊びたいよー!

 

 

「グリフィンドール、一点減点」

 

 

 最初辺りの言葉は聞こえなかったけど、最後の減点を告げる重い言葉だけは耳に入った。ハリー君ばっかり減点だなんて、少し不公平だよね。

 

 何かと理由をつけて減点をしたいのはわかるよ。子供だね~とかおちょくりたいけどこの際は置いておく。だけどね、そうしてばかりいると周りの反感を買ってアッディーオしちゃうよ!

 

 僕ならね、ハリー君の周りの人を減点するね。ハリー君は一回の授業に付き、一回減点して。その後はランダムに減点するの。あ、ハリー君が問題を間違えるたびに他の人達に白龍転がしをしてもらうってのも良いかも♪

 

 

 ふんふん♪ 楽しいな、楽しみだな♪

 

 

「楽しそうだな、フォスター。作業は終えているのかね?」

「はーい!」

 

 

 ずいっと僕と正チャンで作った薬を先生に押し付ける。どうだ! 製薬技術に関しては未来でもトップを走る僕が作ったんだよ!

 

 僕のことが好きな人も嫌いな人も、僕が薬を作れば毒物でも一億円以上払ってまでも買おうとするんだよ。それくらい価値が高いんだよ、僕作の薬。それを無料でくれてやるんだからねっ!

 

 持ってけ、ドロボー!

 

 

 じっくりと、舐めまわすように薬を観察するスネイプ先生。先生の性格って執念深いと言うか、粘着質じゃないカナ? こんな風に欠点もとい粗捜しをする人間だよ? ぜーったいに、学生時代は碌なことがなかっただろうねぇ。

 

 ほら、身近にいる例を挙げればXANXUS君とかが主な例だよ。彼だって、周りの人間の欠点を見つけては優越感に浸っているんだよ。ヒバリチャンの言っていた通り、猿山のボス猿なんだ♪

 

 僕はそんなことなかったよ? 青春時代は輝いていたさ!

 

 

 スネイプ先生が僕の作品の観察もとい評価を終えたらしい。何かを言おうとして口を開いたその瞬間に、授業終わりのベルが鳴った。

 

 残念! あと少し先生が来るのが早かったら評価をもらえたのに!

 

 だけど僕はそれ以上に嬉しいよ、だって今週の科目がぜーんぶ終わったんだもん♪

 

 

「わーい! 休みだー!!!」

「待て、フォスター!」

 

 

 わーいわーい! 早く寮に帰って探検の準備をしよっと!

 

 何だかいやーな感じの地下牢教室から出て、寮に一直線。桔梗チャン達と計画は練ってあるから、後は準備だけでオッケーなんだよ。

 

 正チャンも加わる予定だよ。あ、嫌がってたけど拒否権ないよね。だって、楽しい楽しい探検だよ! 男の子のロマンだよ!

 

 

 週末は探検に勤しむぞー!

 


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