エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます 作:グルグル30
とある日の執務を終え、夕食を取るために食堂に向かっていると、そこにはレシリアと無窮団のケイトスの姿があった。
ケイトスは魔術研究家で、インフィニット・ワンでの攻略対象の一人だが、アレクのためのヒロインではなく、アリシアのためのヒーローの一人だ。
無窮団には、ケイトスのようにアリシアの攻略対象であるヒーローも多数集めて在籍させているのだ。
アレクのヒロインは基本同年代か少し年上と年下、それ以外は若い見た目の人外とかが多いが、アリシアのヒーローの方は外見年齢も結構幅が広いんだよな。
まあ、そこはユーザーの性差による意識の違いってやつなのかな。
そんな風に思っていると、俺に気付いたケイオスが話しかけてくる。
「か、カミィィ……」
「いや、だから、俺をそう呼ぶのは止めてくれ」
陰鬱な雰囲気でメガネを掛けたケイオスにそう言われると、まるでどこぞの新世界の神と言われているかのような変な気分になるから止めて欲しいのだ。
「しかし、カミィは私の研究を後援してくれた有り難いお方なので……」
そう言って手を合わせてこちらを拝んでくるケイオス。
「あれは、君の研究にそれだけの価値があると判断してのことだ。援助にそれほど感謝をするのなら、それを引き出した自分の腕を誇ったらどうだ?」
「か、カミィィ……。ありがとうございます~」
ついには床に平伏し始めるケイオス。
俺は正直、これが攻略対象の姿かと思う。
こういうダメンズが好きな奴もいるってことなのか?
それだけ考えて、それ以上考えても意味ないなと判断し、ケイオスと一緒にいたレシリアの方へと目を向けた。
「それで、レシリアはケイオスと何してるんだ?」
「レシィは最近、無窮団に遊びに行ってるの! だから、今もケイオスに色々と話を聞いていたんだよ!」
天真爛漫な何時もの様子でそう答えるレシリア。
俺はその頭を撫でた。
「無窮団に言って、色々勉強しているのか。そんな歳で、レシリアは偉いな~」
「えへへ~。レシィ、偉いでしょ!」
「偉い偉い!」
本当にレシリアは良い子で癒やされるな~。
「レシィね! 無窮団の人達といっぱい友達になったんだよ!」
「そうか、それは良かった。ケイオス、無窮団の皆と一緒に、これからもレシリアと仲良くしてやってくれ」
「はは~! カミィの願いとあらばぁ~」
「やった! これでまたいっぱい友達が増えちゃうね! レシィ、考えが合うから無窮団の人達大好き! あの人に支配された使用人達とは違うもん!」
レシリアが楽しそうにそう言う。
あの人とは誰のことだろう? 使用人を支配って言ってるから、執事長のリガードさんのことかな?
まあ、あの人、真面目で規則に厳しいし、色々と小言言ってくるタイプだから、育ち盛りのレシリアからして見れば、そんな相手より好奇心が満たせる無窮団の方が好きってことなのかもしれないな。
そんな風に納得しながら、にこにことするレシリアに腕を引っ張られる。
「ごはん食べにいこ!」
「はいはい。引っ張らなくても大丈夫だよ」
先を進むレシリアを追うようにして俺は食堂に向かった。