エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます 作:グルグル30
「さてと、来幸、ノーティス領で起こっている異変の正体は分かるな?」
「はい。フレイ様が前に仰っていた、エルザルートのダンジョン問題ですよね」
「そうだな。それを考えると俺達だけではちょっと厳しい」
ダンジョンは十八歳になったアレクが仲間を集めて攻略した場所だ。
内部構造に関してはある程度記憶しているものの、さすがに全ての階層の罠の位置も含めた詳細を覚えている訳でもないし、出てくる敵もかなり強いものがいるから、俺と来幸だけでクリアするというのは難しい。
「ゲームの時と同じように、ノーティス家に大会を開かせたらどうでしょうか?」
「エルザの婚約者の権利……ノーティス公爵の立場を餌に、他の冒険者や貴族を釣って、其奴らに解決させるってことか? でもな……それは難しい気がする」
下手したら援助の形が変わる可能性がある。
ゲームではノーティス家とシーザック家の関係が最悪だったから、大会にジークが出てくることはなかったが、今の状況なら婚約を盾にS級冒険者であるジークにダンジョンの攻略を依頼するという状況になりかねない。
そもそも、不特定多数の相手に貴族の婚約者になれるチャンスを与えるなんて、よほど追い詰められなければしない行為なのだ。
ダンジョンの存在を伝えた所で、ノーティス家がゲームのように動くとは考えない方がいいと俺は考えている。
「それに出来ればノーティス家に知られずに問題を解決して、ダンジョンコアを頂きたいところなんだよな。今後の領地発展のために」
今回の騒動の原因であるダンジョンは大地から魔力等のエネルギーを吸収し、そして成長していくという性質がある。
そのため、作物を作るための肥沃な土地に出来ると邪魔でしかないものだが、周囲に影響の出ない適切な場所で、適度に土地に魔力を補給しながら、うまく育てることが出来れば、鉱山のように様々な鉱物資源や魔石などの各種素材を、定期的に採取することが出来る有益な場所に変わるのだ。
実際にエルザルートのエピローグ以降では、ノーティス領の再発展に、この養殖ダンジョンが使われたということを設定資料集で読んだ。
「となると、シーザック騎士団も使わない方がいいですね」
「だな。隣の領地だから、ある程度は顔も割れているだろうし、何より騎士団なんか連れていったら、戦争かと向こうも警戒するだろう」
フェルノ王国ではここ最近では内乱は起こっていないとはいえ、隣接する領地の戦力くらいは、いつ争いが起こってもいいように、普通の領主なら調査して把握しているはずだ。
そのため、シーザック領の騎士団であるシーザック騎士団を連れていくのは難しいと判断出来る。
「う~ん。無窮団からケイトスをまず連れていくか」
「ケイトスですか?」
来幸は使用人として屋敷にいることが多いから、無窮団のメンバーと関わったことが少なく、ケイトスという名前にピンと来ていないようだった。
「優秀な魔術師だよ。迷宮自体にも興味あるだろうしな」
「他のメンバーも無窮団から出すつもりですか?」
「いや、今は技術研究も進めて貰いたいし、あまりあそこから人員を取って行くのもな……それにバランスを考えるなら壁役の戦士が必要だ」
ケイトスは魔術師で、俺は剣士、そして来幸には弓を使って貰う予定だ。
明らかに前線で戦うメンバーが不足しているので、それを補う必要がある。
「レオナルドを連れて行くか……」
「いいのですか? クエストの攻略に支障がでるのでは?」
レオナルドは銀光騎士団の団長だ。
それを一時的に借り受けるとなれば、銀光騎士団の戦力は低下するだろう。
「それを含めてもレオナルドだな。部下も育ってるって聞くし、今後、銀光騎士団に討伐も担当させることを考えると、ここいらで実戦経験を積ませたい」
「なるほど……ではシーフは如何しますか?」
「さすがにそれは本職を雇う。ダンジョンの罠とかは、下手な知識で挑むと、命に関わることになるからな」
インフィニット・ワンのゲームシステムは、一般的なRPGのレベル制ではなく、どちらかと言えばMMOよりのジョブ制システムとなっている。
詳しく説明すると、インフィニット・ワンには、ランクというステータス自体の増減に関するものと、ジョブレベルというステータスへの補正を行い、スキルを取得するものの二つが存在している形だ。
各キャラクターは、一から十までのランクごとに、ベースとなるステータスが指定されており、それぞれのランクでは、かなりステータスの差がある形となっている。
ランクは、体を鍛えることや経験を積むことで上昇し、逆に体が弱くなったり、怠けることで減少していく。
これによってステータスを大きく上下させることが、このランク制の根本的な仕組みということだ。
一応、筋力トレーニングなどでランクに依存しない基礎ステータスをあげることは出来るものの、それよりもランクによるステータスの上下量が大きいため、よほど鍛えないとステータスの面では、上位のランクには勝つことが出来ない形となっている。
言ってしまえばこの世界でランクとは生物としての格を現しており、高ければ高いほど同じ生物の中での強者というのを現す。
一方でジョブレベルというのは、その個人の適性と磨き上げてきた技術などを示したものとなるのだ。
この世界では生まれた時から、個人の適性として、複数のジョブが与えられることになる。
日々の行動でそれぞれのジョブごとの経験値となる行動を取ると、それぞれのジョブレベルが個別でアップし、ステータスに対する補正や、様々なスキルを覚えることが出来るのだ。
勇者や聖女などのユニークジョブや、その他一部の特殊な一般ジョブを除き、基本的にジョブは後天的には増えない。
そのため、ジョブを多く持っているほど、できる事が増えて行くこともあり、生まれた時のジョブの多さが人の才能だと判断されているのだ。
ランクで上昇するステータスに、磨き上げてきたジョブで補正を掛ける――それがこの世界での人々の強さというものになる。
そしてこの補正に関しては、基本的にサブジョブよりもメインジョブにしたものの方が効果が高く、メインジョブにしないと使用できないスキルなどもあるため、使いたいジョブをメインジョブにした方が良い。
だが、メインジョブは自動設定となっており、判定する条件は、ユニークジョブと一般ジョブだとユニークジョブが優先され、ユニークジョブ同士や一般ジョブ同士だと、ジョブレベルが高い方が優先される形となっている。
そのため、この世界の人々は、自分のやりたい職業に合わせたジョブレベルを上げるために、トレジャーハンターギルドや戦士ギルドなどを結成し、その技術を高め合っている所があるのだ。
そしてシーフとはそう言ったギルドに所属している、ダンジョンなどの罠を見破るための職種のものを指している。
「取り敢えず、一人ずつ勧誘に行くか……来幸、準備は出来たか?」
「はい。大丈夫です」
「では行くぞ、転移」
そうして俺達は街へと転移した。
☆☆☆
街に到着した俺はレオナルドの家に移動した。
そしてその家のドアノッカーを鳴らす。
「レオナルドいるか~」
「は~い!」
俺のその声に応えたのは若い女性の声だった。
レオナルドの家の玄関の扉が開くと、見覚えのある一人の少女がいた。
「クレア?」
そう、それはレオナルドが落とした攻略対象であるクレアだった。
クレアは俺を見て驚いたような表情をする。
「フレイ様!? 今日は如何したんですか!?」
「いや、レオナルドに用があってな……」
「あ、は~い! 今呼んできます!」
え? なんでレオナルドの家にクレアが? 彼奴一緒に住んでんの?
そんな疑問が湧いてくるが、この場で聞くわけも行かず、俺はレオナルドがやってくるのを待つ。
バタバタと部屋の中で騒がしくする音が響いた後、玄関からラフな格好をしたレオナルドがやってきた。
「っす。フレイ様、いったい何の用っすか?」
「これからダンジョン攻略に行くんだが、レオナルドには、その為のメンバーの一人になって欲しいと考えている」
「ダンジョンっすか? そりゃまた急っすね」
俺の言葉を聞いたレオナルドが素直にそう感想を言った。
俺はそれに苦笑いしながら答える。
「ちょっと問題が起こってな。急いで解決しないといけなくなったんだ」
「銀光騎士団の方は如何するんすか?」
「そっちはこっちでフォローを用意するつもりだから気にしないでくれ」
「そうすっか……それなら問題ないっすよ」
「わかった。じゃあ、準備が出来たら早速行こうか」
案外簡単に協力を取り付けることができた。
後はレオナルドが準備を終えるのを待つだけと思っていると、横からクレアがひょこっと顔出してきた。
「フレイ様、ダンジョンに行くんですか!?」
「ああ、そうだ」
「それって、アタイも一緒に行って良いですか!?」
「クレアも……?」
俺がそう問い返すとクレアは胸を張る。
「アタイは前はとあるトレジャーハンターギルドにいたんです! ダンジョン内の罠とかにも詳しいですし、お役に立って見せますよ!」
クレアがトレジャーハンターギルドにいたことは俺も知っていた。
なぜなら、そのトレジャーハンターギルドとのいざこざが、クレアルートでアレクが解決することになる問題だからだ。
他のシーフを雇うよりも、ゲームでステータスやジョブを把握しているクレアを雇った方が良いか? この世界だと自分や相手のステータスを見ることも出来ないからな……。
ゲームとしてプレイしていた時は、主人公も含めてステータスウィンドウで、所持しているジョブも含めて情報を見ることが出来た。
だが、この世界に来てからはそれが出来ない状況にある。
ゲーム世界への転生だから、ステータスウィンドウ出たりしないかなと期待していたんだけど、さすがに無理だった。
まあ、ゲームの作中でお前のジョブレベルは十三だなみたいな、相手の情報をみるような会話も特になかったから仕方ないか。
あくまでステータスを見ることが出来たのは、ゲームをプレイしているプレイヤーが神視点だったからということなのだろう。
ランクやジョブレベルを見るための鑑定石のようなものもないため、この世界の人間は色々なことに挑戦して、スキルを覚えた時にそのスキルの名前を天啓のように知れるため、覚えたスキルによって自分が何のジョブを持っているか把握することになるのだ。
その為の情報源として、平民に取っては、各ジョブギルドは大切な存在であり、クレアのように幼い頃からそこに加入するということは、この世界では一般的となっている。
まあ、スキルを覚えてその名前を把握したとしても、同じスキルを覚える別のユニークジョブの可能性もあるから、ジョブ探しというのは一長一短ではいかないんだけどな。
と、横道に逸れてしまったが、クレアは少なくともシーフのジョブを持っているので、ある程度の実力は保証された状態にある。
「まあ、実力はあるはずだし、いいか……」
俺は聞こえないようにぽつりとそう呟くとクレアに向かって言う。
「それじゃあ、クレアも来てくれ」
「やった! お宝、お宝~」
そう言って喜んで準備を始めたクレアを見て、俺は内心早まったかなと思った。
確かクレアって自慰のエロシーンが多かったんだよな……。
インフィニット・ワンでは、キャライメージを維持するためか、貴族系キャラなどは基本的に自慰シーンは無かったり、少なめだったりするんだけど、クレアは盗賊っていう汚れ仕事のイメージからか、自慰シーン、増し増しって感じだったんだよね。
大抵はアレク視点じゃなくて、条件を満たすことで見られるクレア視点での自慰行為で、一番多いパターンは自分が開けた宝箱の角に局部を擦り付けて快楽を得るものだった。
……さすがに貴族の俺がいるパーティーで行為に耽るとかないよね。
そんな風に少し心配になりながらも、クレアとレオナルドの準備を待ち、その後、ケイトスを仲間に引き入れて、俺達はノーティス領へ転移した。
唐突なのですが、8/27と8/28の土日に、ここより前の話について、ちょっと見直したいと思います。
気付いたら内容が変わっていたということになりかねないので、事前にここで告知する形を取らせて頂きました。
もとより、こじらせ系主人公が、理想のヒロインを求めるけど、上手くいかずにてんやわんやするという話なので、上手くいかないことに対する主人公の嘆きを楽しんで貰うために、主人公の性格はこれなら酷い目にあってもしょうがないなと、遠慮なく笑えるようなものにしているつもりでしたが、思った以上に主人公がクズという評価を得てしまいました。
その辺のヘイト管理なども含めて、小説を書くのって難しいですね(汗)
さすがに読むのを止めるほど不快となるのは、ちょっと想定外の事態ではあるので、問題となっている周りの部分を修正して見るつもりです。
加えて後書きで記載していた捕捉なども、本文中に取り入れます。
それで直るか分かりませんし、もしかしたら今よりももっと悪くなってしまう可能性もありますが、一度手を入れておこうと思った形です。
ただ、今回のように登場人物の擁護の為に話を修正するのは、これで最後にしようと考えています。
過去分をずっと直していると、先の話の投稿が出来なくなってしまいますし、直せば直すほど如何するべきか分からなくなって、逆にキャラブレしてしまいそうな気がするからです。
ここから先の話で、またキャラの性格が良くないなどとなるかも知れませんが、もうここまで来たらそのまま突っ切るつもりなので、読者の皆様には不快な思いをさせるかも知れませんが、よろしくお願いします。