エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます   作:グルグル30

31 / 132
暗躍

 

「う……朝か……」

 

 とんでもない目にあった日から次の日。

 俺はスリプルの効果が抜けたことで目を覚ました。

 

「来幸はまだ寝ているか」

 

 隣では寝る前の時と同じように、俺の腕に抱きついて眠る来幸の姿があった。

 俺が、布団をひっぺりがして、来幸を起こそうと、来幸に触れた所で、唐突に俺達の部屋の扉が開いた。

 

「へ?」

「え?」

 

 俺は空いた扉の先にいた人物――エルザ見て思わずそんな間抜けな声を出した。

 そして今の状況に気付く、エルザの前ではベットにいる俺達、そして俺は服を着ているが、来幸は下着姿でそれに俺は触れている。

 

 同じく状況に気付いたエルザは顔を真っ赤にした。

 

「ちょ! まて! これは――」

「きゃああああ! 変態! 不埒者!」

 

 俺はすぐに間違いだと状況を説明しようとするが、それよりもエルザの行動の方が速かった。

 エルザの投げた鞄が俺の頭部を直撃し、俺は早々に気絶という名の二度目の睡眠を行う事になったのだ。

 

☆☆☆

 

「男の人はそういうのが好きっていのは知っているけど、貴族ならしっかりと節度保つべきだと思うの!」

 

 プリプリと怒りながらそういうのはエルザだ。

 俺が気絶している間に来幸がある程度説明してくれたらしいが、それでも完全に誤解が解けておらず、共に朝食を取りながらそんな風に怒ってくる。

 

「わかってるよ……俺だって不本意だっていうの」

 

 これがエルザだったから良かったが、俺だけのヒロインが同じ状況を見ていたら、完全に終わってしまっていたところだ。

 だからこそ、俺は注意も兼ねて来幸に言う。

 

「来幸も今後はこんなことがないようにしろよ」

 

 そう言うと来幸は俺だけにしか聞こえない小声で言う。

 

「分かっています。今後は誰かに見られることがないように、誰もこない所で二人っきりで練習することにしましょう」

 

 そんな風に悪びれもせずに言う来幸を見て、俺はため息を一つ付くと、諦めてもう一つの問題の原因であるクレア達に目を向けた。

 

「お前達も、今日もダンジョンだって知っているのに、なんであんなに派手におっぱじめてるんだよ。こっちの部屋まで声が筒抜けだったぞ?」

「き、聞かれてたなんて恥ずかしいな……。でも、なんか抑えられなかったんだよね。昨日のダンジョンの後半からさ、こう、異様にムラムラしてきちゃって」

「俺もそうっす! 危険な場所に居たから生存本能でも働いたんすかね。もうエロいことが、したくてしたくてたまらなかったんす!」

 

 二人はそう恥ずかしそう頬を染めて言った。

 俺はどうしようもない奴らだ……と思わず頭を抱えた。

 

「……ダンジョン攻略に支障が出ないようにほどほどにしてくれよ」

「っす!」

「はい」

 

 俺の言葉に軽く返事をする二人。

 それを見て本当に分かっているのかという気持ちになったが、恋人同士による性的な欲求を厳しく糾弾しても仕方ないと諦める。

 

 そこで、ふと会話に入っていないケイトスに目を向けると、ケイトスは何故か恐れるように来幸の方に視線を向けていた。

 

「どうしたケイトス?」

「カミィ……女って怖いですねぇ……」

 

 俺の問いかけに来幸を見ながらそう言うケイトス。

 俺がどういう意味だと問いただそうとしたその時、俺よりも速く来幸がケイトスに対して言った。

 

「ケイトス様、私がどうかしましたか?」

「っひ!? いや、何でもないですぅ……」

 

 それだけでケイトスは完全に黙り込んでしまった。

 

「ケイトス? 何かあるなら言って貰っていいんだぞ?」

「いや、本当になにもありませんのでぇ! 自分の気のせいでしたぁ!」

 

 ケイトスが強くそういうので俺としてはそれ以上詳しく聞けない。

 結局、どことなく変な雰囲気のまま、俺達はダンジョンに向かった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。