エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます 作:グルグル30
「う……朝か……」
とんでもない目にあった日から次の日。
俺はスリプルの効果が抜けたことで目を覚ました。
「来幸はまだ寝ているか」
隣では寝る前の時と同じように、俺の腕に抱きついて眠る来幸の姿があった。
俺が、布団をひっぺりがして、来幸を起こそうと、来幸に触れた所で、唐突に俺達の部屋の扉が開いた。
「へ?」
「え?」
俺は空いた扉の先にいた人物――エルザ見て思わずそんな間抜けな声を出した。
そして今の状況に気付く、エルザの前ではベットにいる俺達、そして俺は服を着ているが、来幸は下着姿でそれに俺は触れている。
同じく状況に気付いたエルザは顔を真っ赤にした。
「ちょ! まて! これは――」
「きゃああああ! 変態! 不埒者!」
俺はすぐに間違いだと状況を説明しようとするが、それよりもエルザの行動の方が速かった。
エルザの投げた鞄が俺の頭部を直撃し、俺は早々に気絶という名の二度目の睡眠を行う事になったのだ。
☆☆☆
「男の人はそういうのが好きっていのは知っているけど、貴族ならしっかりと節度保つべきだと思うの!」
プリプリと怒りながらそういうのはエルザだ。
俺が気絶している間に来幸がある程度説明してくれたらしいが、それでも完全に誤解が解けておらず、共に朝食を取りながらそんな風に怒ってくる。
「わかってるよ……俺だって不本意だっていうの」
これがエルザだったから良かったが、俺だけのヒロインが同じ状況を見ていたら、完全に終わってしまっていたところだ。
だからこそ、俺は注意も兼ねて来幸に言う。
「来幸も今後はこんなことがないようにしろよ」
そう言うと来幸は俺だけにしか聞こえない小声で言う。
「分かっています。今後は誰かに見られることがないように、誰もこない所で二人っきりで練習することにしましょう」
そんな風に悪びれもせずに言う来幸を見て、俺はため息を一つ付くと、諦めてもう一つの問題の原因であるクレア達に目を向けた。
「お前達も、今日もダンジョンだって知っているのに、なんであんなに派手におっぱじめてるんだよ。こっちの部屋まで声が筒抜けだったぞ?」
「き、聞かれてたなんて恥ずかしいな……。でも、なんか抑えられなかったんだよね。昨日のダンジョンの後半からさ、こう、異様にムラムラしてきちゃって」
「俺もそうっす! 危険な場所に居たから生存本能でも働いたんすかね。もうエロいことが、したくてしたくてたまらなかったんす!」
二人はそう恥ずかしそう頬を染めて言った。
俺はどうしようもない奴らだ……と思わず頭を抱えた。
「……ダンジョン攻略に支障が出ないようにほどほどにしてくれよ」
「っす!」
「はい」
俺の言葉に軽く返事をする二人。
それを見て本当に分かっているのかという気持ちになったが、恋人同士による性的な欲求を厳しく糾弾しても仕方ないと諦める。
そこで、ふと会話に入っていないケイトスに目を向けると、ケイトスは何故か恐れるように来幸の方に視線を向けていた。
「どうしたケイトス?」
「カミィ……女って怖いですねぇ……」
俺の問いかけに来幸を見ながらそう言うケイトス。
俺がどういう意味だと問いただそうとしたその時、俺よりも速く来幸がケイトスに対して言った。
「ケイトス様、私がどうかしましたか?」
「っひ!? いや、何でもないですぅ……」
それだけでケイトスは完全に黙り込んでしまった。
「ケイトス? 何かあるなら言って貰っていいんだぞ?」
「いや、本当になにもありませんのでぇ! 自分の気のせいでしたぁ!」
ケイトスが強くそういうので俺としてはそれ以上詳しく聞けない。
結局、どことなく変な雰囲気のまま、俺達はダンジョンに向かった。