エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます   作:グルグル30

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揺れる背中

 

 体が揺れている気がする。

 あたしはその事に気付き、気持ちのいいまどろみから目を覚ました。

 

「ここは……?」

 

 あたしが漏らしたその言葉に気付いた誰かが反応する。

 

「お、気付いたか」

「リューク?」

 

 あたしはその声がリュークであることに気付く。

 そして同時に先程まで自分がしでかしていたことを思い出した。

 

「~っ!」

 

 思わず声に出ない悲鳴が漏れる。

 

 あたしは公爵令嬢だ。

 誰もが羨む社交界での花。

 

 そんなあたしがリュークに淫らにしがみついて腰を振り、それが拒否されると自らの手で秘所を触って、気持ちよくなってそれで――。

 

 顔が先程までとは別の意味で赤くなる。

 あの光景を、そして大事な場所をリュークに完全に見られてしまったのだ。

 リュークがあたしをどう思っているか、それが無性に気になった。

 

「ねぇ、リューク――」

「それにしてもスライムにやられてからぐっすりだったな」

「え、スライムにやられてから?」

 

 あたしはリュークから出たその言葉に思わずそう問い返した。

 

「ああ、スライムにやられた後、ずっと気絶してたから、こうやって俺がお前を背中に乗せて移動してるんだ」

「そ、そうなの……」

 

 あたしの記憶と違うことを言うリューク。

 だから、思わずあたしは聞いた。

 

「あたし、その……エッチなことしてなかった?」

「してなかったぞ?」

「本当に?」

「ああ、夢でも見ていたんじゃないか?」

 

 リュークはそうやって否定をしてくれる。

 あたしも一瞬、夢なのかと思った。

 でも――。

 

「パンツが凄くネバネバして湿ってるの」

「……スライムの体液じゃないかな?」

 

 リュークは何かを誤魔化すようにそう言った。

 あたしは、それを聞いて、やっぱりさっきのことは現実なんじゃ無いかと思い始めていただけどそうだとすると……。

 

 リュークが気絶したあたしのケアをしたことになる――!

 

 あの時、あたしはパンツを脱いだ状態だったはずだ。

 それが今履いた状態になっているということは、リュークがそれを履かせたということになるのだ。

 

 あたしはその事実に気付き、更に顔が赤くなって、何故か先程までと同じように体が火照って、お腹の下がじゅくじゅくするような気がしてきた。

 だから、それを考えることをやめ、あたしは言う。

 

「……そう言うことにしとく」

「それがいい」

 

 そう言うとリュークはほっとしたように言った。

 あたしはそんなリュークの背中に体を預ける。

 

 対して凄くもないやつなのに。

 あたしと釣り合わない男なのに。

 

 転移の力は目を見張るものがあるが、それも魔道具によるものだと、今日ここに来るときに気付いた。

 だからこそ、魔法すら使わないリューク自身が優れているというところはなく、男爵家というのもあって、明らかに相手をする価値のない人間だ。

 

 それらのにこうやって触れる背中は大きくて暖かくて――。

 何処か安心出来るような気がしていた。

 

☆☆☆

 

 俺は先程までの事態を何とか切り抜けたことにほっとしていた。

 

 正直、色々あれな感じになって気絶したエルザの体から証拠隠滅をするために、エルザの体を拭き、そしてパンツを履かせ直したのは、童貞である俺にはかなりの精神的ダメージが来る所業であったが何とか完遂できて良かったと思う。

 

 一応、絞ってみたものの、完全に乾かすことが出来なかったパンツによって、何かちょっと気づき掛けていた感はあったが、何とか異世界最強カードである夢落ちというものにすることが出来て本当によかった。

 

 そうやってしばらく歩いているとマナとオドが戻るのを感じた。

 

「よし、来たか……これで戻れる! 転移」

 

 そして俺達はこの日、最初に来たポイントに転移した。

 

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