エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます 作:グルグル30
「ふ、リューク様! 無事ですか!?」
転移した先でまっていた来幸は俺を見ると直ぐに駆け寄ってきた。
そして背中に乗ったエルザを無視して俺の様子を確かめる。
「無事だ。スライムは倒したんだが、マナとオドを封じられて、ここに転移してくるまで時間がかかってしまった」
「スライムにはそんな効果がぁ……興味深いですぅ……、スライムの断片をお持ちだったりしますかぁ……?」
「ここにあるぞ? 魔石もな。持って行ってくれ」
「さすが、カミィ……! 頂きますぅ……!」
落とし穴の先で回収した諸々をケイトスに渡す。
ケイトスはそのそれらをビンの中に入れ、研究対象が増えたと喜ぶ。
しばらく俺の様子を見ていて無事を確信した来幸は、そこで他のことにも目が行くようになったのか唐突に呟いた。
「卑しいメスの臭いがしますね。リューク様、落とし穴に墜ちた後、二人っきりの時に何をやっていたんですか?」
その言葉にエルザがピクリと震える。
俺は来幸の言葉に急いで反論した。
「何もやってねーよ! 俺がそんなことをしないって知ってるだろ!?」
「ですが……いえ、いいです」
最終的に俺を信頼してくれたのか来幸は追求を止めた。
そんな俺達の所にクレアとレオナルドがやってくる。
「すみません、ふ、リューク様! アタイが罠を早く見つけられなかったばっかりに、リューク様を危険な目に合わせてしまいました!」
「まあ、ミスは誰にでもあることだから、次からはこうならないように経験を活かしてくれ、それに今回の件は、敵がいないからと、エルザが前にいることを許した俺にも問題はあるからな」
そう言ってクレアを慰めた。
そして仲間に対して言う。
「今日は疲れた。もうここまでにして、明日から仕切り直そう。……エルザも、それで構わないか?」
「ええ」
何処かうわのそらのエルザがそう回答したため、俺達は今日のダンジョン攻略を切り上げ、街へと戻る。
エルザがそのまま帰ると問題になりそうだったため、一度俺達の宿によって、お風呂に入らせた後、エルザを家へと帰す形で今日は別れた。
☆☆☆
「リューク達はもうダンジョンに言ってしまったよね……」
あたしは、現在あたしが閉じ込められている、ウルクにある別荘の一部屋で思わずそう呟いていた。
あの後、リューク達と別れてこの別荘へと帰ったが、風呂に入って身ぎれいにはしたものの、あたし付きのメイド達を誤魔化し切ることが出来ず、何らかの被害にあったということがバレてしまった。
あたしはその被害の説明の為に、リューク達とともに、婚約破棄を目指してダンジョン攻略をしていたと白状しなければならない状況に追い込まれてしまい、結果的にそのことを全て打ち明けることになった。
さすがに夢ということにしたあのことまでは話さなかったが、それでも公爵令嬢であるあたしがダンジョン攻略なんてことをしたことが許せなかったお父様の家臣達は怒り狂い、そんな勝手な真似をしないようにここに閉じ込められてしまったのだ。
「令嬢はダンジョン攻略をしないもの、社交界で咲く花であればいいか……」
確かにその通りだと思う。
以前はそう思っていた。
なのになんでだろう。
こんなに苦しい気持ちになるのは。
そんな風に思っていると物音がした。
そしてその方向へと目を向けると窓に彼奴が――リュークが腰掛けていた。
「よっ! 迎えに来たぜ」
「なんで……?」
「昨日のはさすがにあれだったかな~、家から出られないようになっているんじゃないかと思ったんだよ。実際当たりだったみたいだしな」
そう言うとリュークが窓枠から降りる。
「このまま俺達だけでダンジョン攻略をしてもいいんだが、後から文句を言われるのも困る。だから迎えに来たんだよ」
そう言うとリュークはあたしに対して手を差し出した。
「どうせなら、最後までやりきろうぜ」
リュークに求められたことに、あたしの胸は高鳴り、あたしはその手を……ただの令嬢なら取らない手を取った。