エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます 作:グルグル30
……少し話がそれるがこの聖女は俺のご先祖様でもある。
だが、シーザック家の初代当主である聖女様とは別人だ。
初代当主様から見てもご先祖にあたる――言わばこの世界における、聖女の源流とも言うべき存在だ。
説明が面倒くさいので、ウライトスと結婚したのが元祖聖女、フェルノ王国国王と共に建国の立役者となったシーザック家の初代当主を初代聖女としよう。
元祖聖女は帝国の出だった。
彼女は帝国で活躍して自分の貴族の家を帝国で興す。
その家系は代々聖女の力を受け継ぎ、そしてそれもあって帝国では特別な家系だと扱われ、色々な特権を得ていた。
つまり、王国のシーザック家のように、聖女に依存した家系だったわけだ。
勇者や聖女、それに賢者などは特定の血筋しかなれないユニークジョブだ。
大体のユニークジョブは、そのユニークジョブの元となった存在の能力を、世界が新しいジョブだと認めて登録する事で、その存在の能力やそれに纏わる力を再現したり出来るようにしたものである。
勇者や聖女などもその点は同じであり、これらは初代勇者と元祖聖女の力を再現したものが、ユニークジョブの勇者や聖女として登録されている。
ちょっと違うかも知れないがFa○eの宝具みたいなものだと言える。
過去に勇者と呼べるような偉人が存在し、彼が生前行ってた技や、後世で語られている勇者という存在に対するイメージなどで、勇者というジョブのスキルが選定され、それらを再現出来るようになっているというわけだ。
ここまでが一般的なユニークジョブの話だが、特定の血統でしかなれない聖女などのジョブは、それと少し違うところがある。
その原因と言うのがユニークジョブの元となった存在が、この世界を管理する神と結婚し、その子供を作っていたということだ。
これによりユニークジョブに神に近しい存在としてのステータスが追加された。
その事によって、勇者や聖女、賢者などは神の力による補正がかかることになり、他のユニークジョブとは比較にならないほどの強力な力を得ることが出来る特殊なユニークジョブとなったのだ。
だが、その結果として、該当する神の血を受け継ぐ人間しか、ユニークジョブが発現させることが出来ないようになってしまったというわけだ。
帝国は男性当主だった。
そして聖女の力は俺で分かるとおり女性でしか発現しない。
その為、彼らは自分達の神の血が薄まっている事に気づけなかった。
勇者や聖女などの特定の血統でしか発現しないユニークジョブは、神の血が薄まるほど発現率や能力が下がる。
完全に神の血が薄まってしまった帝国の聖女の家系は、聖女を生み出すことが出来なくなってしまったのだ。
ちなみに、この辺りが、レシリアのバットエンドルートで、リノアが狂気に走った原因でもある。
聖女の力を発現できないほどに薄まったレシリアの血統から、強い聖女の力を持った子供を産むためには、神の血が大量に残っているかもしれない、フレイの血統を入れることで、子供に神の血を増やすことを目指すしかなかったのだ。
そして通常のレシリアルートで、アレクの子種でレシリアが聖女に覚醒出来るのも、アレクの勇者としての神の血の力が、体液としてレシリアの体の中に入ることで、レシリアの神の血を刺激し、聖女としての力を発現させたと、公式設定資料集に記載がされていた。
まあ、その公式設定資料集には、神の血が濃いフレイの体液によって、レシリアバットエンドルートでも聖女として覚醒し、それがいっそうレシリアを苦しめて、絶望のどん底に叩き落とした、と碌でもないことが書かれていたりもしたが……。
話がそれたが聖女を生み出せなくなった帝国の家系は落ちぶれた。
それまで聖女の名声で持っていたものなのだ。それも当然だろう。
そしてその状況に追い込まれた彼らは、下手な鉄砲数打ちゃ当たると言わんばかりに、大量に子供を作って聖女を探し出すことにしたのだ。
落ちぶれた家系に手を貸す者はいない。
だから彼らは金で娼婦を雇って孕まされたり、通りすがりの町人や農民をレイプして、無理矢理子供を作らせるなどしてその数を増やそうとした。
そうして大量の庶子が生まれることになり、その中の一人が俺達シーザック家のご先祖である初代聖女というわけだ。
農村で生まれた彼女は自分に特別な力があることに気付く。
帝国の聖女の家系の思惑は当たり、初代聖女は偶然にも先祖返りを起こして、神の血を強く受け継ぐ形になっていたのだ。
だが、彼女は帝国の家系には行かなかった。
母親から自分がレイプされた事によって生まれた子供だと知った彼女は、そんなことをしでかす帝国を嫌い、仲の良かった友人達四人の提案に乗り、魔物が蔓延る地を征服して新たな国を建国しようとしたのだ。
その仲間達こそがフェルノ王国建国の五人の内の四人。
リーダーが初代フェルノ国王、そして仲間達が後の、ユーゲント公爵、ダルベルグ公爵、ノーティス公爵の三公爵だ。
建国の立役者なのに一人だけ侯爵だったのは、初代聖女が政治に関心がなく、入り婿が政治に関わる形となるために、建国仲間である他の公爵はともかく、そんな奴に同格として口出しをされたくなかった残りの四人が、シーザック家を一段階落ちる侯爵にすることで、それを防いだからだとという風に伝えられている。
そう言った事情もあり表向きは侯爵だが、建国の立役者ということもあり、筆頭侯爵……実質的な四家目の公爵としてシーザック家は扱われてきた。
だからこそ、過去では王家の人間が入り婿として、シーザック家に入ってきたことも、一度や二度ではない。
俺がユーナ王女と婚約者となれると言ったのもこの辺りが理由だ。
王になるかも知れない第一王女や第二王女は難しいが、王にならない第三王女くらいならシーザック家に降嫁してきてもおかしくないってことだな。
まあ、そんな感じで今のシーザック家があるわけだ。
これまでも帝国の聖女の家系から色々と文句を言われているらしいが、それを聞き流して特に関与することもせず現在まで続いている。
これからも帝国の聖女の家系と関わることはないと、ゲーム知識がなければ俺も思ったかも知れないが、そうはいかないことを俺はゲーム知識から知っている。
なぜなら、ゲーム主人公の一人であるアリシアは、その帝国の聖女の家系の庶子――初代聖女と同じような境遇の存在だからだ。
その為、アリシアの攻略対象は帝国に多く、加えてルート次第では聖女の力に覚醒して、帝国の聖女の家系を交えて、シーザック家といざこざを起こしたりする。
場合によっては、シーザック家が潰されたり、乗っ取られる展開もあるため、俺的にはアレクよりも注意しなければならない要注意人物の一人だ。
もっとも、シーザック家が乗っ取られたり、潰されたりしたのは、シーザック家に聖女の力を持った後継者がいなかったからなので、レシリアという歴代最高の聖女の力を持つ存在がいるこの世界ではそんな展開にはならないとは思うが。
フェルノ王国建国組は、聖女のパフによる強化と回復魔法を受け続けた戦士×4が、物理で相手をフルボッコする脳筋スタイルで、土地を開拓してフェルノ王国を作りました。
そんな脳筋で出来た国が、なぜ魔法を重視するようになったかと言うと、2代目が父親のように脳筋スタイルで国を纏めるのは、父親達のような化け物染みた強さを持つ奴じゃないと無理、と判断して国力を強くしていく為に、帝国の手法を真似て、魔力回路が優秀な人間を貴族として重宝して、貴族達の魔法の質を上げていったからです。
建国組は初代聖女のこともあり、帝国を嫌って独立した国を作ったので、あまり帝国を真似ませんでしたが、2代目にはそんな気持ちはなかったので、帝国の方式をどんどん取り入れていった形です。