エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます   作:グルグル30

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生徒会での仕事

 

「では、ここにはなんで来たのかな?」

 

 クリスティアが再度俺にそう聞いてくる。

 俺はそれに対してほんの少し嘘を交えながら理由を告げた。

 

「多くの生徒を助けるために生徒会のメンバーの一人になろうと思ったんです」

「多くの生徒を助けるため? ずいぶんご立腹な理由ですわぁ」

 

 自分の味方にならないと分かったからだろうか、棘のある様子でレディシアが俺の発言に突っかかってくる。

 まあ、その理由は嘘で本当はユーナとお近づきになるためだから、レディシアの皮肉もある意味では正しかったりするのだが。

 

「実際に俺は色々な人の相談に対して答えています。それをより大きく広げたいと思っただけのこと。実績は問題ないはずです。いかがでしょうか? クリスティア様、俺を生徒会に加入させてくださいますか?」

「うん。いいよ。加入したいなら加入するといい、君ほどの人物なら、生徒会に加入しても特に問題はないだろう」

「ありがとうございます!」

 

 第一関門はクリアーだ。

 まあ、これまで積み上げてきた名声があれば、ここで断られることはないと思ったけどね。

 

「納得いきませんわぁ……」

 

 レディシアは俺の生徒会入りに反発しているようだ。

 だが、残念ながら副会長のレディシアよりも、生徒会長のクリスティアの方が権限は強い、故にレディシアは俺の加入を止めることは出来ない。

 

 他のメンバーも生徒会長が言うならと納得し、俺の生徒会入りが確定した。

 

「これからよろしく、フレイ。まずはユーナと一緒に、書類仕事でもして貰おうかな、最近書記を務めているメジーナが休んでいてね。仕事が溜まっているんだ」

 

 この間、淫魔から救ったばかりのメジーナは、未だに学校に復帰することが出来ていないようだ。

 まあ、淫魔に吸われた精力というか、体力がまだ回復していないだろうし、今は大事を取って療養しているということだろう。

 

「分かった。よろしくお願いします。ユーナ様」

「え、はい。よろしくお願いします」

 

 俺はそう言ってユーナの元に行く。

 クリスティアの思惑は何となく分かる。

 ユーナに対して興味を持っている俺を利用して、シーザック家をユーゲント公爵派に組み込もうと考えているのだろう。

 

 派閥争いに巻き込まれるつもりはないが、ユーナを手に入れるためにはそう言った思惑を利用するリスクも取るべきだ。

 そう考えた俺は、そのままクリスティアの提案に乗った。

 

 そうしてユーナと作業を始めて、その効率の悪さに直ぐに気付いた。

 ユーナは一つずつ書類を見て、それに付いての情報を纏め、それを直ぐにその書類を必要とする相手に対して、直接渡しに行っている状況だった。

 書類の優先順位も確認せず、ただ上から処理するだけの動き……その為に作業が遅々として進まず、ユーナの前には大量の書類が溜まっていた。

 

「相変わらず、とろくさいわねぇ……」

 

 わざとらしくレディシアがそんな嫌みを口にする。

 内心では同様のことを思っているのか、ロベルト達もそのことに対しては何も言わず、クリスティアが「慣れていないんだ。あまり責めるな」とフォローするだけの状態になっていた。

 そしてそれを受けて気落ちしながらユーナは作業を続ける。

 

 これを見て、俺はさすがに不味いなと、ちょっとしたてこ入れをユーナに対してすることにした。

 

「ユーナ様、ちょっといいですか?」

「なんでしょうか?」

「やり方を少し変えましょう。まずはそうですね……ちょっと失礼」

 

 俺は転移座標をその場に作ると、そう言って自宅へ転移して、家から書類を入れる箱を取ってきた。

 

「あれは転移……? あんなに簡単に……」

 

 そう生徒会メンバーが驚いているのが見える。

 そんな生徒会メンバーに対して俺は言った。

 

「長距離転移は一日に二回しか魔力の関係で出来ないのですが、こうして色々なものを持ってこれるので何かと便利ですよ」

 

 ちなみに一日に二回しか使えないというのは嘘だ。

 ぶっちゃけ、使いこなした今の空蝉の羅針盤なら、幾らでも自由に転移することが出来る。

 

 だが、それだと他の貴族達に、もしかしたら今にも軍団ごと領地に転移してきて、あっと言う間に占領されるかも知れないと不安を与えることになるので、保持する魔道具を国に報告した時は、長距離転移は二回しか使えないということにしている。

 

 もしかしたら、王家や上級貴族も薄々嘘であると気付いているかも知れないが、それを確かめるすべはないし、他の下級貴族や平民ならともかく、侯爵家筆頭であるシーザック家から、無理矢理魔道具を取り上げるということは出来ない。

 それは下手をすれば王家の求心力を下げて、内乱の切っ掛けになるかも知れないし、何よりシーザック家は聖王国と付き合いもあるから、確実に王国に対して糾弾が来るため、例え王家だろうとも、俺自身が魔族を倒して得た品である魔道具を奪うことは出来ないというわけだな。

 

「ここに三つの箱があります。まずはじっくりと読み込んで相手に渡すのではなく、軽く読んで緊急度でこの三つに分けましょう」

 

 そう言うと俺は見本を見せるようにぱっぱと書類を分けていく。

 前世でも今世でも書類仕事は沢山こなしている。

 これくらいのことは朝飯前だ。

 

「そして分けた後は緊急度の高い案件からじっくりと読み込んで情報を纏め、必要そうなら直ぐに相手に渡すことにしましょう。緊急度の低い案件に関しては、送り相手ごとに纏めて一気に渡しに行った方が効率的です」

「な、なるほど……」

 

 感心したようにユーナが頷く。

 俺がパパッと全部処理してもいいが、それでは今後の為にならないだろう。

 俺は書類の一部を受け取るとユーナに言った。

 

「こちらは俺が処理します。そちらをユーナ様がお願いします」

「はい!」

 

 元気に返事をしたユーナに合わせて俺は書類の処理を始める。

 簡単に処理が終わったので、ユーナの進捗を見て改善できることを言いながら、作業を進めていると、気付けば作業を終える時刻になっていた。

 

「今日はここまでにしよう。皆、ご苦労だった」

「はい」

 

 クリスティアの言葉で片付けを始める。

 既に作業を終えていたユーナも片付けを始めていた。

 そしてユーナは俺に頭を下げる。

 

「あの、ありがとうございました。おかげで今日中に終わりました」

「気にしないでいい。あと王女が簡単に頭を下げるものじゃないよ」

 

 俺はそう軽く言い、念の為にユーナに忠告をした。

 俺のような嫡手でもない奴ならともかく、立場ある人間が簡単に相手に頭を下げると、こんななんちゃって中世の世の中では、相手に舐められて付けいられる隙となりかねないからだ。

 

「あ、すみません」

「謝らなくて良いから、別に俺が迷惑を被ったわけじゃないしね。俺の言葉に一理あると思ったのなら、今度から気を付けていけばいいと思うよ」

 

 俺はそれだけ言うとユーナと片付けを終わらせた。

 

 全員で生徒会室を出てそれぞれが寮や別宅へと歩き始める。

 そんな中で王宮がある方向とは違う方向へと進むユーナを見て、俺はこっそりとその後を付けていった。

 

 生徒会入りという一つ目の提案は実現出来た。

 あとは、ユーナが第三訓練場で人知れず魔法の鍛錬と言う噂の確認だな。

 

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