エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます 作:グルグル30
「う~ん……」
目の前で訓練するユーナを見ながら俺は思わずそう呻いていた。
「どうしましたか? 師匠!」
そんな俺に対してくりくりとした瞳でユーナが聞いてきた。
以前まではどこか気弱な雰囲気があったが、これまでの俺との訓練で、伸びていく自分の実力に次第に自信の付け始め、少しずつ溌剌とした様子を見せ始めていた。
「いや、次の修行をどうするかと思ってな……」
ここに来てユーナの実力は伸び悩み始めていた。
その原因は分かりきっている。
魔族の力とユーナの力の不調和が成長を阻害してるんだな……。
それを何とかする方法はゲーム知識がある俺にはある。
だけどそれは――。
「何か問題があるんですか?」
不安そうにそう訪ねてくるユーナ。
それに対して俺は正直に答えるべきだと判断して告げた。
「魔族の力とユーナの力が調和していないから、互いの力を妨害していて、ユーナの成長が伸び悩み始めているんだ。それを何とかする方法はあるんだが……」
口籠もる俺を見て、あまりいい方法ではないと察したユーナが、俺に向かってぐっと手を握ってやる気のポーズをするという。
「師匠のおかげでわたしは強くなれました! わたしは師匠のことを信じています! だから、どんな修行だろうと受けて見せます!」
そんな弟子の一言に俺は内心ほろりとうれし涙を流す。
こ、これが、弟子系ヒロインを育てる師匠の気持ちか……。
これは、いいものだ……。
ユーナの師匠になった日から、それなりの期間が経っているが、それまでの日々の間に紡いだ師匠と弟子の絆がこの結果を生んだのだ。
そう思うと自分の実績だという実感を強く感じる。
俺は意を決してユーナに言った。
「分かった。嫌ならいつでも言って欲しいんだが……その方法とはマッサージだ」
「マッサージですか?」
そのくらい何てこともないと言った態度でユーナが言う。
だが、残念ながらこのエロゲー世界で、マッサージというのは、そう簡単にこなせるような健全なものではないのだ。
「ああ、だが直接魔力回路を刺激する必要があるから、脱いで貰う必要がある」
「ぬ、脱いで貰うって……?」
俺がそこまで話したところでユーナは事態の重さに気付いて顔を赤らめた。
「さすがにパンツまでは脱がなくていいが……それ以外全部だな」
「全部……」
恥ずかしそうに完全に顔を真っ赤にしてユーナはそう呟いた。
俺はそんなユーナに申し訳なさそうに言う。
「女子相手にさすがにそれは厳しいだろう? だから、すこし成長は遅くなるかも知れないが、普段の訓練でじっくりとならして……」
「……やります!」
「え?」
俺はユーナの威勢の良い声に思わずそう返した。
そんな俺にユーナは自分の気持ちを伝えるように言う。
「そのマッサージを受けます!」
「いいのか?」
「はい! わたしはクリスティアお姉様のために、直ぐにでも強くなりたいですし、それに師匠になら見られても構いません」
「え、それって――」
ユーナから飛び出た一言に俺は思わず期待を込めて聞き返そうとする。
半裸を見られてもオーケーってつまりそう言うこと!?
「師匠のこと信じてますから!」
「あ、まあ、そうね」
だが、結果として返ってきたのは、師匠に対する弟子の純粋なる信頼だった。
だからこそ、俺も純粋な師匠の気持ちで答える。
「ユーナがそう言うのなら、やることにするか。あとは場所だな……」
さすがに王女を半裸にするのだからこの訓練場でやるわけにはいかない。
だが、だからといって俺の屋敷でやれば、ミリーあたりに見つかって、また騒動へと発展することになりそうだ。
俺がそうやって場所について考えていると、ユーナが手を上げた。
「師匠! それなら良い場所があります!」
「良い場所?」
「この第三訓練場の救護室なら誰も来ないしベットもあるので最適です!」
誰も来ない救護室で半裸のヒロインと二人っきりでマッサージだって!?
そ、そんな学園ものエロ小説でありがちな、ヒロインとエッチなことをするときの状況が、この俺にも起こるなんて……!
まさに奇跡! これほど転生して良かったと感じたことはない!
「ダメですか?」
俺はユーナの言葉にそうやって衝撃を受けていると、ユーナが下から覗き込むようにしてそう聞いてきたので、俺は威厳を持って答えた。
「だ、大丈夫だ。そこにしよう」
そう言って俺達は救護室へと向かう。
訓練場で倒れた時のために各訓練場の側に救護室がそれぞれ存在する。
だからこそ、あっと言う間にそこに付いてしまった。
持ってくれよ俺の理性……!
まだ、師匠としてのポジションを失うわけにはいかないんだ……!
俺はそう意気込んで救護室の扉を開ける。
そこにあったのは、ぽつんと置かれた二つのベットと、それを隔てるための白いカーテン、そして薬が入った棚だけがある質素な空間だった。
わ~お。エロゲーやエロ漫画で見たことがある景色だぞ。
俺はそんなことを思いながら中に足を踏み入れる。
そしてそんな俺にユーナが言った。
「あの……それじゃあ、脱いで来ますね」
「あ、ああ……」
ユーナはそれだけ言うと白いカーテンを閉めてその中で着替え始める。
だが、この白いカーテンは、カーテンの中で急病人の異常が起こった時に、直ぐに知れるようにするためか、何故かカーテンの中の景色が少しだけ透ける位の荒い作りとなっていた。
その為、カーテンの外にいる俺からも、ユーナの細部は分からないが、動いている輪郭を見ることが出来た。
え、エロい……。
俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
ここに来て恥ずかしさを覚えているのか、ユーナは戸惑いながらも服を脱いでいく、それがまるでじらしているかのように見え、ただの着替えはストリップショーのような状況へと様変わりする。
体操着の上を脱ぎ、ブラに手を当てて外した後は、小ぶりながら揺れる胸を見せながら、ズボンを脱ぎ去って行く。
一通りの作業が終わるとカーテンを外してユーナが現れた。
「師匠……あまり見ないでください……」
ユーナの女性らしくなっている途中の発展途上と言った体と、王族らしい純白のシルクのパンツを目にして固まっていた俺に、ユーナは恥ずかしそうに顔を赤らめてそう言う。
だから、俺は直ぐさま視線を外して、必死で自己弁論をした。
「ああ、これはあくまで修行だ。俺にやましい気持ちはないぞ!」
嘘です。
めっちゃやましい気持ちあります。
思わずガン見してしまいました。
世の中のラブコメ主人公達は、何故ああもヒロインの半裸を見ても、平然としていられるのだろうか。
正直言って、こんなの実際に同じ状況になったら、普通に自分の性欲を抑えきれなくなるような状況だろうと俺は思う。
それなのに普通に耐えられるなんて奴らは聖人か化け物なのか。
俺はラブコメ主人公に戦きながらもユーナに命令を出した。
「じゃあ、ベットにうつ伏せになってくれ」
「はい!」
俺は師匠、俺は師匠、俺は師匠、俺は師匠、俺は師匠、俺は師匠、俺は師匠。
念仏のように俺は心の中で言い続けて自己暗示する。
そしてユーナの上に馬乗りになって施術を始めようとする。
これから始める施術は俺が開発したものではない。
この施術は、エデルガンド帝国の魔術師であるムジークが、魔力回路を調律して、弟子を鍛えるために開発したものだ。
何故そんなものを俺が知っているのかというと、ムジークがアリシアの攻略対象……つまるところヒーローというものだったから知っているのだ。
アリシアは、熱血漢溢れる好青年が基本人格のアレクとは違い、基本人格というものがなく、各ルートで根本的に性格やら姿やらが全て変わってしまう。
例えば、とあるルートでは、「あ、あの……」と前髪を下ろしておどおどとした様子の内気な少女として攻略対象と接することもあれば、別のルートでは「アタイが最強になるんだよ!」と男勝りなことを言うサバサバ系女子になったりもする。
そもそも、共通パートでフレイを倒す時とも、各個別ルートの性格が完全に異なっているため、その攻略対象に合わせて完全に自分の性格等を変えるところから、プレイヤーからは「八方ビッチww」、「総受けヒロインww」と言われて親しまれているようなキャラだった。
まあ、そんなキャラになってしまった理由は分かる。
恐らくゲーム制作の都合上というやつだろう。
基本的に自分からヒロインの問題を解決していく男主人公と違って、女主人公の恋愛物はどちらかと言えば、「お前、おもしれー女だな」とか、「地味だけど、こうしてみると美人じゃん」とか、ヒーローだけが自分の良さを知って、そこから恋愛がスタートするというような、どちらかと言えば受け身寄りの物語が多い。
その為に攻略対象に合わせた気を引くための性格が必要となるため、ルートごとに七変化するアリシアという状況が生まれたのだろうと俺は思っている。
まあ、そんなこんなで八方ビッチなヒロインがアリシアであり、そうやって男を攻略していくのがアリシアの基本方針なわけだ。
当然、男を攻略して男相手のエッチシーンを堪能するのなんて嫌だから、ルートクリア報酬を貰うために一応はクリアしたものの、大抵がイベントシーンをスキップして攻略した為に、俺はヒロインほど攻略対象の性事情に詳しくない。
だが、プレイヤーの中には、ヒーローとエッチしているアリシアエロくね? と別の楽しみ方に気付く存在も現れた。
基本的に乙女ゲームのヒロインとかは、プレイヤーに綺麗な自分として感情移入して貰うためか、そこらのギャルゲーヒロインより可愛いんじゃね? と言えるような清楚で綺麗な外見をしたものが多い。
アリシアもその例から外れず、それこそアレクの攻略対象でも通じるような、清楚で可愛らしい外見をしているのだ。
だからこそ、そんな少女が各ルートで性格が変わり、それぞれの攻略対象の方法で喘がされるのは、それはそれでアリシアがエロい、ということにプレイヤーが気付いてしまったというわけだな。
エロいアリシアを見るためならと、男を攻略することも厭わない勇姿達の活躍によって、インフィニット・ワンの攻略サイトには「男でも楽しめる! アリシアがめっちゃエロいルートランキング! トップテン!」という項目が追加され、アリシアで思わず抜いてしまえるような、とんでもなくエロいアリシアの痴態が見られるルートが選定されたのだ。
当然、俺もそのランキングのルートは全て見ており、ムジークルートはそのランキングで八位だったため、この施術方法を知っているわけだ。
いや、この施術で八位なんだよな~。
女のエロは男のエロより容赦ないとか言うけど、一位とかマジでやばかったもんな……アレがああして、ああなるとかさ、男ではしない発想だよ……。
ヒロインを堕とす! ヒロインを裸にする! ヒロイン相手にパコパコする! っていう欲望に忠実な男物のエロ小説と違って、ねちっこくてしっとりとしてて、妙にエロかったりするんだよ。
少女漫画とか普通に性行為したりとか、頭のおかしいことになってたりとかもするらしいし、男物とはなんか次元が違ってるんだよな……。
「師匠? やらないんですか?」
俺がそんなことを考えているとユーナから声がかかる。
いかんいかん、この状況に頭が現実逃避をしていたようだ。
俺はユーナに向かって注意をするように言う。
「今から施術を始めるが……ちょっと変な感覚があるかも知れないが、気にせず我慢するようにしてくれ」
「? はい!」
ユーナが了承したのを確認して俺は手に魔力を集めた。
そして、ユーナの肌にその手を当てる。
「では行くぞ!」
俺はそうしてユーナの体のマッサージを始めた。
血のように全身を流れる魔力回路、それを刺激するために、リンパの流れにそうようにユーナを揉みし抱いていく。
「あっ! んっ! しっ! 師匠! これぇっ! あんっ!」
「耐えろ……! 耐えるんだユーナ!」
俺の手が動く度にユーナが身悶えてあえぎ声を出す。
だが、俺がユーナを襲っているわけじゃない、これはただのマッサージだ。
そう、エロゲ世界のだたのマッサージだ。
ムジークルートではアリシアは最強を目指すアタイ系の主人公だ。
そんなアリシアは、ムジークが魔術回路を調律出来ると知り、帝国で開かれる武術大会で勝つためにその元を訪れるのだ。
そして、その施術が快楽を伴うものだとムジークに聞かされ、女子がやるものではないと止められるのだが、アリシアは「アタイは強くなるためなら何だってするんだ」と言ってその施術を受けるのだ。
その飽くなき強さへの探究心に、同じような魔術の探求者であるムジークは惚れて、アリシアをマッサージによって喘がせて改造し、そしてアリシアは気丈にもそれに耐えて強くなり、大会に優勝するという物語が展開される。
最終的にはお手軽に強くなれるムジークの施術をアリシアが気に入り、そしてそんなアリシアもムジークが気に入って、お互いにしっとりと互いを高め合うという展開で終わることになるのだ。
そんなわけで、この施術はとんでもない快楽が伴うことになる。
設定資料集では、魔術回路を特殊な方法で刺激すると快楽となると、なんかそれらしい学術的な説明という名の言い訳がつらつらとされていたが、ようはエロゲーらしく強くなるためのマッサージでエッチなことが出来るようになっているのだ。
「たえっ……たえっ……! んっ! 無理ですぅ! あっ! あ~!!」
ユーナがそう叫ぶとびちゃびちゃとした水音と共に、ユーナの純白のパンツにシミが出来て、ユーナが気絶してしまう。
だが、俺は止まることは出来ない。
施術を始めたからには最後までやり続けなければならないのだ。
「あうっ! わ、わたし……意識を……あんっ!」
俺が魔術回路を刺激したことでユーナは強制的に目を覚ました。
そして、再びマッサージによる快楽にさらされた。
「こ、これっ! んっ! いつ終わるんですか! 師匠っ!」
「一時間くらいかかるぞ!」
「あんっ! あっ! い、一時間……!」
ユーナの声が絶望に染まる。
だが、ユーナの絶望はまだこれからだった。
「よいしょっと」
「師匠!?」
俺はユーナをうつ伏せからひっくり返して仰向けにした。
俺と直接顔を合わせることになったユーナは、快楽でだらしなくなった顔を赤く染めながら、驚いたようにそう言う。
「なんで仰向けにしたんですか!」
「全身をくまなくマッサージしないといけないんだよ」
そう言って俺はユーナの胸を触ってマッサージする。
それによってある部位を刺激されたユーナは一際甲高い声を上げた。
「あんっ! そ、そこはダメですっ!」
「悪いが下手に止めると逆に危険なんだ! 大丈夫! 俺は師匠だ! 何も感じない……。そう、俺は師匠だ、俺は師匠だ、俺は師匠だ、俺は師匠だ」
「師匠!?」
自己暗示の為に壊れたスピーカーのようにそう言う俺に、ユーナが驚いてそんな声を思わずあげた。
そして俺の手はユーナの胸から、腹へと向かい、そして太ももの付け根と行く。
「――っ! っ! んっ!」
俺に顔を見られているからか、顔に手をやり、必死で声を押し殺すユーナ。
だが、さすがに太ももの付け根に向かう手を見て声を上げた。
「そこはわたしが出したものが! 汚いですよ!」
「俺は師匠だ!」
「何がですかっ!?」
俺が師匠だボットになった俺に、ユーナが突っ込む。
だが、安心しろ、俺の自己暗示は完璧だ。
そう、太ももの付け根を触るくらい――。
あ、やっべ……やわらか……。
滑った何かの感触がエッロ……。
「お、おれ、おれ、れ、れは、し、ししょ、し、ししょう……」
「ししょうー!」
きわどいところのマッサージをしたことで、理性と欲望のぶつかり合いによって、壊れたスピーカーのようになった俺を見て、ユーナが思わずそう叫んだ。
☆☆☆
「お、終わった……俺はやりきったぞ……!」
俺はぐったりとしながら拳を振り上げた。
俺が背もたれにしているベットには、全身から汗やら何やら色々なものを出して、ぐったりとした様子のユーナが仰向けで眠っている。
「あ……終わったんですか……」
気絶していたユーナは目を覚ますとそう言った。
近くの布団を引き寄せるとそれで体を隠した。
「お疲れ様、ユーナ。よく耐えきったよ」
「え、は、はい……耐えきれなかった気もしますけど……」
そう言うとユーナは俺に向かって頭を下げた。
「ごめんなさい! 師匠! わたし、あれだけ師匠が真剣に施術してくれたのに、気持ちよくなって……そ、それで何度も、お、お漏らしをしてしまいました! そのせいで師匠に汚いものを触らせてしまって! 本当にごめんなさい!」
そう言って真剣に謝るユーナに俺は疑問を浮かべる。
「お漏らし? いや、あれは……」
「違うんですか? 確かにお腹の下の方が熱くて何時もと違う感じでしたけど」
「……クリスティア様に後で聞いてね」
俺の口から詳細に説明する勇気はなく、俺は面倒事を全てクリスティアに放り投げることを決めた。
「ま、ともかくこれで今日の施術は終了だ」
「え? きょ、今日の……?」
ユーナが顔を引き攣らせながらそう言う。
俺はため息を吐いて残酷な現実を告げた。
「一日じゃ、完全に力を調和出来ない。これから何回も、今日と同じ事をして、徐々に調和させていく必要があるんだ。……これ以上は辞めとくか?」
俺がそう言うとユーナは布団を口元まで持って行き、顔を真っ赤に染めて恥ずかしそうにしながら、言った。
「こ、これからもよろしくお願いします……」