エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます   作:グルグル30

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汚された命

 

「それでまた負けて帰ってきたわけか貴様は!」

 

 そう言ってバーグはラースを殴り飛ばした。

 殴り飛ばされたラースは、殴られたことに怒りを覚えながら、バーグに向かって思わず反論を行う。

 

「今回は勝ててた! あとちょっとだったんだ!」

「それでも負けたのだろう! 人間如きに! 二度も!」

「がぁっ!」

 

 そう言ってバーグはラースを蹴り飛ばした。

 

「全く使えん奴め……所詮混ざり物、出来損ないは出来損ないか」

「――っ!!」

 

 バーグのその言葉に、ラースが怒りと悔しさで唇をかんだ。

 だが、親であるバーグに反論することもなく、立ちあがる。

 

「もう、お前の戦闘力に期待はしない。さっさとあちらに主導権を明け渡して、第一王女派の動きを探る仕事をしろ」

「だが……オレは!」

「黙れ! 私の判断に口を出すな! もとよりお前の役割はそれだけだ! お前の価値はそれだけだ! わかったのならさっさといけ!」

「……はい」

 

 それだけを呟いてラースは去って行く。

 だが、バーグに声が聞こえない所でぽつりと呟いた。

 

「人間如きって親父は言うけど、人間の技術だって凄いもんじゃねーか。あれやこれや命令するけど、親父が言ってることは何もかも間違いなんだよ」

 

 そう言ってラースは自らの家に帰っていった。

 

「私の子供と言っても、所詮は人間如きの血が混ざった存在か、まったく、思わぬ拾い物だと思ったのだがな……」

 

 そう言ってバーグはラースに関わる過去を思い出す。

 

☆☆☆

 

 四天王の一人であるバーグは、魔王の命令により、人間の支配する王国に騒乱を巻き起こすために、この国へとやってきた。

 そうして、王都の影に隠れて様々な暗躍をしていたバーグの元に、噂を聞きつけたダルベルグ公爵が依頼にやってきたのだ。

 

「この国の正妃を攫って欲しい?」

「そうだ。そして可能であれば始末して欲しい」

「どうしてまたそんなことを……お前達の国の王妃だろう?」

 

 ダルベルグ公爵の意図が読めなかったバーグは思わずそう問い返した。

 そんなバーグの言葉をダルベルグ公爵は鼻で笑う。

 

「確かに王妃であるが……ワシらの派閥の者では無い。いない方がワシらに取っては都合が良いのだ」

 

 そう語ったダルベルグ公爵の濁った瞳を見て――バーグは思った。

 

(面白い)

 

 同族にも関わらず、自分の利益の為に簡単に他者に地獄を見せる。

 そんな浅ましい人族の本性を見てバーグは内心せせら笑ったのだ。

 

(やはり、人間は下等種だな。しかし、だからこそ楽しめる)

 

 その顔に浮かんでいたのは愉悦だった。

 上位種である魔族の自分が、愚かで劣った下等種達をいいように操り、その浅ましい欲望による悲劇を楽しむ、それにバーグは快感を覚えたのだ。

 

「良いだろう。その依頼を受ける」

「当日はワシの手の者で警備を緩めてある。好きなように侵入するといい」

 

 そう言ってダルベルグ公爵は去って行った。

 バーグは依頼の日、魔族としての能力の高さもあって、難なく王城に侵入すると、警備を破って王妃を攫いだした。

 バーグは袋詰めにした王妃をアジトで取り出し、語りかけた。

 

「ようこそ! セリーヌ! 我がアジトへ!」

「貴方は……魔族ですか……」

「そうだ。私は人間から依頼を受けてお前を攫ったのだ。セリーヌ、同族から売られた気分はどうだ?」

 

 そう言ってバーグはニヤニヤとしながらセリーヌを見る。

 だが、セリーヌは揺らがなかった。

 

「そのようなことではないかと思っていました」

「ほう、驚かないのだな」

「このような謀略は王都ではありふれたことですので」

 

 そう言ったセリーヌは、バーグに言う。

 

「私を攫ってどうする気なのですか?」

「依頼主からは攫った後のことは指定されていない。可能ならば殺せと言われてはいるがな」

 

 それを聞いたセリーヌは内心で思った。

 

(ごめんなさい……私に宿った新しい赤ちゃん……ここであの人の足かせになるわけにはいかないの……)

 

 このまま攫われていると、セリーヌを攫うように依頼を出したダルベルグ公爵の思惑に流されることになってしまう。

 だからこそ、セリーヌはここで自ら死を選ぶことにした。

 

「そうですか……殺すなら殺しなさい」

 

 そう言ってセリーヌは強い意思を持った目でバーグを見る。

 それを見てバーグが抱いたのは強い不快感だった。

 

(何だその目は……! 下等種如きが、私が殺そうとしているのに、怖がることもなく、希望を抱いた強い目をして……!)

 

 ただ殺すだけでは生ぬるい。

 そう思ったバーグの口は、愉悦で歪み、言葉を放つ。

 

「やめた。お前を殺すのは止めてやろう!」

「何を……」

「その代わり、お前の顔が恐怖に歪むまで、徹底的に犯して壊してやる」

「――っ!」

 

 その言葉を聞いて咄嗟にナイフで自決しようとするセリーヌ。

 しかし、荒事になれていない王妃では、魔族の身体能力では適わない。

 ナイフはあっと言う間に落とされて、組み敷かれたセリーヌは、そこからバーグに徹底的に犯され、心が壊されることになってしまった。

 

 何処も見ていないような目で、訳のわからないことを呟くようになったセリーヌを見て、バーグは満足すると言う。

 

「これが格の差というものだ。理解したか?」

 

 そう語ったバーグは絶頂していた。

 こちらに刃向かう強い意思を持った下等種を、嬲ってわからせてやるということに、彼は言いようもない快楽を得ていたのだ。

 

 そうして、心を壊されたセリーヌは騎士団に回収され、その中に王との子供がいたということで、出産がされることになる。

 だが、その時に生まれた子供が魔族の力を持っていて、母親であるセリーヌを焼き殺したとダルベルグ公爵から聞いたバーグは、様子を見に行くことにした。

 

「これが噂の子供か……」

 

 ダルベルグ公爵の手の者を使って警備の内容を知り、その隙間を縫って難なくその場所に侵入したバーグは生まれたばかりの子供を見る。

 

 その子供はバーグの方へと視線を向けた笑った。

 そして確かにその子供には魔族の力が宿っていた。

 

「此奴……私がわかるのか? いや、それだけじゃない……この体に人と魔族二つの力と意識が混在している……?」

 

 魔術を使って解析を行っていたバーグはその事実に気付いた。

 強力な魔族であるバーグの血は、生まれたばかりの王女であるユーナに、魔族という存在を埋め込んでしまっていたのだ。

 

「しかも意識の主導権は魔族の側が持っているのか! ははは! 思わぬ拾い物だ! いいだろう! お前を娘と認めてやる! お前は今日からラースだ! ユーナとラース! 二つの存在として生きるがいい!」

 

 そうして人目を忍んでラースを育てる日々が始まった。

 すくすくと成長したラースはバーグの手下として、数々の暗躍を王都で行うようになっていったのだ。

 




 多くの読者が既に察していたと思われる事実がついに判明。
 まあ、この物語でフレイが都合よくバグ枠のヒロインを手に入れられるなんてことあるはずないよね。
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