エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます   作:グルグル30

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超次元ビーチバレー

 

「じゃ~ん! お兄様! どうかな!」

「似合っているぞ」

 

 そう言って目の前でワンピースタイプの水着を着たレシリアがくるりと回った。

 俺はそれにどう答えるかを考えて、無難に返答を返す。

 それを聞いたレシリアは頬を膨らませて言った。

 

「むぅ! お兄様! 反応が薄いよ!」

「そうは言ってもな……どう答えればいいかわからん」

 

 いや、まじで、本当にわからないのだ。

 恋愛経験が殆ど無い男に、妹とは言え、水着の感想は難易度が高い。

 下手なことを言って変態に思われるのも嫌だし、だからといって褒めない事で文句を言われるのも困るし、結果として無難な回答になるのも仕方のないことだろう。

 

 そうこうしていると、レシリアに続いて来幸、エルザ、ユーナが現れる。

 その三人の水着姿を見て、俺は思わず思った。

 

 来幸達の水着……ゲームで散々お世話になった物と同じだ!

 

 サブキャラでもあるユーナも含めて、パーティーメンバーを連れて海に行くと、そのパーティーメンバーの水着のCGを見ることが出来る。

 今の来幸達は年齢の差はあるものの、そのCGでの姿と同じ姿をしていた。

 

「どうよ! フレイ! アタシの水着姿は!」

「あ、まあ、うん。いいんじゃないの?」

 

 自信満々に自らの姿を見せつけるエルザ。

 だが、俺はそれに思わずそんな気乗りのしない言葉を返した。

 

 ゲームと同じ水着とか、正直止めて欲しかったな……。

 

 来幸達の水着を見た感想はただそれだけだ。

 ゲームで腐るほど見ているから新鮮味もなく、原作では存在しないため、初めて見た水着姿であるレシリアと違って、素直な感想を述べることも難しい。

 

 加えて、一禍やエルザは攻略対象として、海でのイベントが用意されていた。

 そこでは、着ている水着に関するものもあり、例えば、一禍の場合だと、胸元を大きく隠すような水着を着ているのは、アレクとのエッチでほくろを舐められまくった為に、ほくろを見せることを恥ずかしがってその水着にしたと明かされるのだ。

 そしてゲームではそれを知ったアレクが、普段はクールな一禍の恥ずかしがった表情を見て燃え上がり、一禍の水着の上から胸を触り、ほくろはここかなと、ほくろを探して撫で回るという一種のプレイを行うのだ。

 水着で隠したほくろを撫でられて探られるというプレイに、気恥ずかしさと背徳感で思わず高ぶってしまう一禍、そして盛り上がった二人は誰にも見られないように岩陰で――っとバカンスに来たのに思い出すようなことじゃないなこれは……。

 

 俺はそう考えてげんなりしながらも思考を切り止めた。

 だが、普段から側にいる来幸は、俺のそんな様子に気付いたらしい。

 

「もしかして――。同じ……ですか?」

 

 来幸が語った同じという意味。

 それが、ゲームと同じだったか、ということだとわかった俺は頷く。

 

「そうだな」

「っ! ……そう……ですか。一禍なんかと……」

 

 ギリッと歯を噛みしめて怒りを見せる来幸。

 そんなにゲームと同じ姿になるのが嫌なのかと俺が思っていると、俺の適当な感想に満足がいかなかったのか、エルザが不機嫌さを隠さずに言った。

 

「もう少し、綺麗とか、エロいとか、感想は無いわけ?」

「お前、水着姿見て、エロいとか言われたいのかよ……」

「なっ……!」

 

 俺が思わずそう突っ込むと、思わず口に出てしまった言葉だったのか、エルザは恥ずかしそうに顔を赤くしながらそう呻く。

 

「べ、別に、アンタにならそう言われてもいいと言うか……恋愛小説(バイブル)にそういうのがあったから、あたしも言われて見たかったのよ!」

 

 前にパンツを見せられた時も思ったが、バイブルってなんやねんと思ったものの、深く追求してもいいことが無さそうなのであえて無視する。

 

「師匠! そんな人ほっといて、海に泳ぎに行きましょう!」

 

 ユーナは特に水着に関する感想に反応を示さず、そう言って俺の腕を引っ張って海へと連れて行こうとする。

 抱きつくように俺の腕を握っているため、水着に覆われていない胸の部分が俺の腕に当たり、俺は思わず焦るように言った。

 

「おま、そんなにくっ付くなよ……」

「腹黒……水着よりそっちを取ったってわけ?」

 

 後ろでエルザが苦々しげに何かを言っているが、そのまま腕を掴まれて海に進み続ける状況を、俺が何とかしようとしていると、レシリアがもう一方の腕を取った。

 

「何ですか?」

 

 ユーナが笑顔でレシリアにそう言うと、レシリアも笑顔を見せて答える。

 

「お兄様はレシィと一緒にお砂のお城を作るんだよ!」

「いいえ、師匠はわたしと海で泳ぐんです」

 

 二人の間で火花が散っているように見える。

 出会ったばかりの弟子と妹がそんな争いを起こすはずがないと、現実逃避してふと来幸の方を見ると、来幸は荷物を指差しながら言った。

 

「フレイ様、まずは荷物をここに」

「あ、ああ、そうだな」

 

 俺はその一言を受けて、二人の拘束から抜け出し、来幸の元へと近づく。

 そして、空蝉の羅針盤の取り寄せで、ビーチパラソルなどを取り寄せる前に、来幸に対して言った。

 

「助かった。来幸はいつも頼りになるな」

「フレイ様の専属メイドとして、当然のことをしたまでです」

 

 俺はその来幸の言葉を聞きながら、ビーチパラソルなどを設置する。

 その準備が終わった所で、エルザが手に瓶を持ちながら話しかけてきた。

 

「遊ぶより前にすることがあるでしょ。ちゃんと日焼け止めを塗っておかないと、後で疎らに焼けることになるわ。だから、はい」

 

 そして俺に瓶を手渡してきた。

 

「何だよ。この瓶」

「決まってるでしょ。こう言うときは男が塗るものなのよ。恋愛小説(バイブル)でもそう書かれていたわ!」

 

 そう言うと設置されたシートの上にエルザは寝転び、そしてブラの紐を緩めて背中を遮るものを取り除いた。

 

「いや、そんなことを言われても……」

 

 俺が思わずそう口にする。

 

 ……確かに夏のビーチで恋人に日焼け止めやオイルを塗るのは、前世の頃からやってみたいと思っていたシチュエーションの一つではある。

 だが、攻略対象のエルザ相手に、そのカードは切りたくないのだ。

 

 俺がそう思っていると、横から手に持った瓶を取られる。

 そして、その取った人物である来幸は、手にその瓶の中身を付けると、その手をエルザの背中へと這わせた。

 

「きゃっ! ちょっと、いきなり……」

 

 俺が塗ったと思ったのか、そう言ったエルザに、来幸が言う。

 

「フレイ様が塗る必要はないので、私が塗らせて頂きます」

「……はっ!? はぁ!? なんでアンタが塗るのよ!?」

「このような仕事は使用人が行うべき仕事では? 貴人であるフレイ様に行わせるくらいなら、フレイ様のメイドである私が行うのはおかしくないはずです」

「そ、それは……あんっ! ちょ、ちょっと!」

「如何したんですか? フレイ様ではなく、私の手によるものなのに、そのような嬌声を上げて?」

「なっ――! お、おま……んっ!」

「本当に見るに堪えない。誰にでも尻尾を振る発情した雌犬ですね」

「――っ!!!!」

 

 にやりと嘲笑う来幸に顔を真っ赤にして怒り狂うエルザ。

 何かに役立つかも知れないから念の為に教えてください、と知りたがったため、俺が教えたゲーム知識で、エルザの敏感で弱い場所を知り尽くしている来幸相手に、エルザは為す術もなく、その体を蹂躙されて喘いでいった。

 

 俺は見るに堪えないその姿から目を反らし、レシリアとユーナに言う。

 

「お前達は日焼け止めはいいのか? 何だったら来幸に――」

「……レシィはユーナお姉さんと塗り合うことにする!」

「……ええ、一緒に塗り合いをしましょう!」

 

 エルザの情けの無い姿をちらりと見た二人は、用意した日焼け止めを自分で濡れる場所は全て塗ると、背中などはお互いに任せて塗り合った。

 そんな二人は俺に聞こえない位の音量で何かをぽつりと呟く。

 

「「お兄様(師匠)の前で他の誰かに喘がされる何てそんな惨めな真似出来ないよ(です)……」」

「ん? 何か言ったか?」

「「何でも無い(です)!」」

 

 まあ、そんなこんなで、来幸はレシリアに塗って貰うことを頼み、シートの上でぐったりとしたエルザを残して、全員の日焼け止めの準備が終わった。

 

「さてと、それじゃあ、何をして遊ぶ――」

「泳ぎましょう!」

「お城作り!」

 

 準備が終わったので再び遊びに移ろうとすると、レシリアとユーナが再び元気よくそう言い、そしてお互いを笑顔で見合う。

 

「ユーナお姉さんは恥ずかしくないの? こう言うときは子供に合わせてくれるのが、出来た大人の女の人って奴なんじゃないかな?」

「別に子供の遊びに大人が付き合う必要はないですよ。だから、貴方はそこで一人砂場で遊んでいればいいんです。その間にわたしは師匠と泳ぐので」

「「……」」

 

 お互いに言い合った後に笑顔で硬直する二人。

 それは嵐の前の静けさだったのか、猛烈な勢いで言い合いを始めた。

 そして、その一方でグロッキー状態から立ち直ったエルザは、来幸に向かって激怒しながら言う。

 

「アンタ! なんてことしてくれんのよ!!」

「なんてことと言われても、ただ日焼け止めを塗っただけですが?」

「ただ塗っただけなわけがないでしょ! あれが! あたしの弱いところばかりを的確に狙ってきて! フレイの前でアンタに喘がされるあたしが、どんな気持ちだったか……本当にふざけるんじゃないわよ!!」

「はぁ……。そんなことを言われても困りますね……。私が普通に塗ったら、貴方が勝手に喘いだだけでしょう。言いがかりは困りますよ」

 

 そこまで言うとやれやれとした雰囲気の来幸は、海に入ったわけでもないのに、びっしょりと濡れているエルザの下の方の水着を指差して言う。

 

「海に入る前からそんなに濡らして……本当に恥ずかしい。貴方のような相手との婚約が破棄されて、心底よかったと私は実感しています」

「っ!? アンタね――!!!」

 

 あちこちで起こる諍い。

 楽しいバカンスに来たはずなのにどうしてこうなったのか。

 俺はその流れを止めるために、取り寄せでビーチバレー用のボールネットを取り出すと、それを大きな音を立てて砂浜に突き立てた。

 

 その音で諍いが中断され、全員が俺の方に目を向いたタイミングで宣言する。

 

「平和的に! スポーツで決着を付けよう!」

「「「「……スポーツ?」」」」

 

 全員が首を傾げたのを見ながら、俺は手元にバレーボールを取り出す。

 

「これは、ここ最近流行っているビーチバレーというスポーツに使うボールだ。これを使って二対二に分かれて試合をして貰い、勝った方の提案に全員が乗るということにしようじゃないか」

 

 ビーチバレーというと、こんな中世世界にそれが存在しているのかと思うかも知れないが、水着でビーチバレーをするというイベントの為に、ビーチバレーという存在自体はこの世界に存在しているのだ。

 まあ、中世時代くらいの文明レベルでも、ダウンロードコンテンツなどで現代レベルの水着を着込んでくるのはRPGではよくあることだし、集客や課金の元となる水着イベントのためには、世界観設定なんてちゃっちなものは超越してくるのが、一般的なゲームの世界観というものなのだ。

 

 俺が思わずそんなことを考えていると、エルザが聞き返してくる。

 

「……提案に乗るって何よ?」

「まずは、砂場で遊ぶか、泳いで遊ぶか、勝った方が遊びたいものに合わせる。それと、エルザと来幸の諍いも、エルザが勝てば来幸は謝り、来幸が勝てばエルザは全て水に流すこととしよう」

 

 それを聞いて、来幸が不満そうな顔をした。

 

「私にはメリットが無いような気がするのですが……」

「今言ったこと以外にも、この戦いの勝者の方針に今日は従うことにしよう。それなら、来幸にだってメリットがあるだろう?」

 

 俺がそう言った所で目をキラキラさせてレシリアが言った。

 

「お兄様が何でも言うことを聞いてくれるってこと!?」

「何でもは聞かない!! ただ、常識的な範囲でなら、俺も勝った側の提案に従って、今日は遊ぶことにしよう」

 

 俺はそこまで言った所でため息を吐くように言った。

 

「とにかく、無駄な言い合いは辞めてくれ、バカンスの気分が台無しだし、時間も無駄に消費するからな……それでどうする?」

 

 俺のその提案に四人は互いに目を合わせると頷いた。

 

「レシィはそれでいいよ!」

「私としても問題はありません」

「絶対にボコボコにしてやるわ」

「師匠の提案なら! 全力を尽くすだけです!」

 

 それを見て俺は頷いた。

 

「じゃあ、ルールを説明するぞ……」

 

 そこから俺はビーチバレーのルールを説明する。

 全員がルールを把握した所で、チームを二つに分けた。

 

「じゃあ、レシリア&エルザ対ユーナ&来幸の試合を始める! プレイボール!」

 

 その言葉とともに、来幸がサーブを放つ。

 

「よっと……エルザお姉さん!」

 

 それをレシリアが難なくレシーブし、エルザへと回した。

 

「死ね! メイド!」

 

 そしてそれを来幸に向かって殺意を込めて放つが――。

 

「無駄です。……ユーナ様!」

 

 あっさりとそれを往なしてユーナへとパスする。

 

「それ!」

 

 そして、それをユーナが敵陣の空いたスペースにぶち込んだ。

 

「ユーナ&来幸チームに一点!」

 

 俺がそう宣言すると来幸とユーナは互いにハイタッチをする。

 

「余裕ですね」

「ええ! このまま勝利しちゃいましょう!」

 

 一方でまんまとしてやられたエルザ側は、怒った様子のレシリアが、エルザへと食ってかかっていた。

 

「ちょっと! エルザお姉さん! ルールわかってる!? 何で来幸お姉さんの方に打ち込んでるの!? 敵陣の空いたスペースに打てばよかったじゃん!」

「彼奴にぶち当てて点を取った方が、一挙両得だと思ったのよ!」

「そんな上手くはいかないよ! 負けるわけにはいかないんだし! もっと真面目にやって欲しいな!」

「……わかったわよ! 次からはちゃんとやる!」

「しっかりとやってよね!」

 

 レシリアはそれだけ言い残すと自分の立ち位置に戻った。

 そして次の来幸のサーブをエルザが受け止めてゲームは続いていく。

 エルザは先程とは違い、真面目に点を取りに行っているが――。

 

 完全にユーナ達の方が優勢だな。

 

 レシリアが他の面子に比べて幼いというのもあるが、それを抜きにしても堅実に点を重ねていくユーナ達の連携が上手い。

 その為に、レシリアの幼さを考えて与えられたハンデのポイント差をあっと言う間に覆し、エルザ達が追い込まれる状況へと陥ってしまっていた。

 

「まずい……このままじゃ、負けるわ……! それならいっそ!」

 

 何か覚悟を決めた様子のエルザは、サーブを放つ瞬間にそれを叫ぶ。

 

「フレイムショット!」

「「「「!?」」」」

 

 エルザ以外の全員が驚愕で目を見開く中で、炎を纏ったバレーボールは、ユーナ側のコートへと侵入し、それに迂闊に手を出せなかった為に、それはそのままコート内に落ちていった。

 

「よし! 取った! フレイ! 得点の宣言を!」

「え? あ、ああ……レシリア&エルザチームに……って!?」

 

 そこで冷静になった俺は思わず突っ込んだ。

 

「お前! 何で魔法を使ってるんだよ!?」

 

 俺のその言葉にエルザは堂々とした様子で答えた。

 

「ルールの中に魔法の使用禁止に関する項目はなかったわ! つまり、これは合法――ルール内での行為よ!」

「そ、それは……!」

 

 俺は、そのエルザの言葉に、思わず言葉に詰まる。

 確かにビーチバレーのルール自体は、前世の頃に聞いた奴をそのまま言っているだけだから、魔法に関する規定はないけどさ……! でも、普通、レジャー用のスポーツなら魔法を使うなんてことはしないだろ!

 

 俺は内心そう思うが、ルールの中にそれが無いことも事実だ。

 だから、悩んだ末に全員に向かって告げる。

 

「レシリア&エルザチームに一点!」

「っしゃ!」

 

 エルザがガッツポーズを取り、点を取ったことを喜ぶ。

 そして、次のサーブでも当然のように、魔法を放った。

 

「フレイムショット!」

 

 そしてそれはレシーバーであるユーナへと飛んでいく。

 それを見て、ユーナも覚悟を決めた様子で叫んだ。

 

「そっちがその気なら……! アイスブレイク!」

 

 氷を纏った拳がバレーボールの炎を鎮火させ、そしてバレーボール自体を凍らせて、そのまま相手のコートへと弾き返していく。

 それは、そのままエルザ側のコートに入ると思われたが――。

 

「結界!」

「なっ!?」

 

 ネットの上に突然現れた半透明な板に弾かれて、ユーナ側のコートへと落ちた。

 そして、それをなした本人であるレシリアは満面の笑みで言う。

 

「コートに入ると思った? ざんねんでした~! レシィの結界がある限り、ユーナお姉さんのへなちょこボールじゃ、こっちのコートには入らないよ~!」

「っく……!」

「お兄様に教わってその程度とか、才能ないんじゃない~?」

「――!!!」

 

 これまで押されまくっていたことにストレスを感じていたのか、一転優勢になったレシリアからの強烈な煽りで、ユーナが人には見せられない激怒の表情となる。

 

「来幸さん。パスを貰ってもいいですか?」

「ええ、任せてください」

 

 それから、互いのやり取りが続いていくが、魔法の才はレシリアが突出しているため、先程とは打って変わり、五分の戦いが演じられるようになる。

 幾多の魔法が飛び交うビーチバレーを見て、俺は思った。

 

 おかしいな? キャッキャウフフのビーチバレーを見ていたはずが、いつの間に超次元ビーチバレーを見るはめになっているぞ?

 

 水着姿の女の子同士のビーチバレーと言う誰もが羨むイベントを見ているのに、何の色気も感じられず、むしろ殺伐感すら感じる現状に思わずため息を吐く。

 

「それなら! これでどうです!!」

 

 そうこう考えている内に、戦いの中で遂にユーナはラースの力を解放してエルザ達を攻め始めた。

 渾身の力を込められたボールは、レシリアの結界と激突し――。

 

「あっ!」

 

 それを打ち破ったものの、勢いが付き過ぎていた球は、障壁とのぶつかり合いにより、微妙に軌道が上側にそれて高く飛び上がっていく。

 

「まずっ……転移……! 無理か!」

 

 俺は咄嗟に転移で手元に戻そうとするが、超次元ビーチバレーで魔法を使うために、各々が魔力を込めていて強化されていたバレーボールは、他者の魔力で満たされているため、転移対象とすることが出来ず、そのまま飛んでいく。

 そして、それはそのままの勢いで、砂浜の端にある岩陰へと落ちていった。

 

「あ~。仕方ない。俺が取ってくる。これで続けておいてくれ」

 

 俺はそう言うと予備のバレーボールを取り寄せて、次のサーバーに投げ渡し、そのまま転移で砂浜の端へと転移して岩陰へと向かった。

 

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