エロゲー世界で悪役に転生したので、自分だけのヒロインを見つけます   作:グルグル30

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 今回の話はちょっとエッチな感じになっているのでご注意ください。

 また、四章では説明ばかりで話が進まないという感想があったので、本章ではできるだけ話を分割せずに一話にする形にしています。
 その為、これから三話ルートの話が続きますが、一応はストーリーが進展する形にはなっていると思います。


ルイーゼルート

 

「まぁ! 景色が……! これは転移……?」

「ま、そんなところです」

 

 俺は転移に驚くルイーゼの言葉にそう返す。

 そして、直ぐに彼女から離れるために矢継ぎ早に声を掛けた。

 

「では、俺はこれで、次からはエルフに絡まれないように注意しなよ?」

 

 一刻も早く……一刻も早く……ここから離れなければ!

 

 俺の中で、早くこの場から立ち去らないと、と焦燥感が強くなっていく。

 何故なら、俺が知る中でルイーゼは、逆レイプロリドラゴン並に……いや、それ以上に危険な能力を持った恐るべき存在だからだ。

 

☆☆☆

 

 ルイーゼはエデルガンド帝国の皇女として蝶よ花よと育てられた少女だ。

 その為、腐敗した帝国にあっても善性を保っており、だからこそ、日に日に腐敗を強めていく自国の惨状を嘆く状態にあったのだ。

 そんな彼女は留学先のルーレリア学園で、貴族であるフレイの悪事によって散々な目に合いながらも、必死で立ち向かっていくアレクを見つける。

 悪に負けず、自らの信念を貫こうとするアレクに、腐敗した国を変えたいと願うルイーゼは徐々に惹かれていくようになり、アレクがフレイとの決闘に勝ち、見事に悪を挫くと、ルイーゼはアレクを自分の騎士にと勧誘するのだ。

 アレクはその誘いを受けて、ルイーゼの騎士となり、エデルガンド帝国の傘下になるというのが、ルイーゼルートの始まりだ。

 

 そうしてルイーゼの騎士となったアレクは、その持ち前の信念の強さから、正義感はあったものの、それを貫く力が足りていなかったルイーゼを導き、エデルガンド帝国の問題を解決して、徐々に仲を深めて行く。

 だが、情勢は悪化し、ついにエデルガンド帝国は、フェルノ王国へと宣戦布告を行い、人族国家同士での戦争が始まることになってしまうのだ。

 

 ルイーゼルートは、この戦争が始まった段階で現れる選択肢によって、最終的にはエデルガンド帝国の皇子との戦いになって、それに勝利することでルイーゼが皇帝になるという結末は変わらないが、二つのルートに分岐する。

 一つ目のルートは、そのままエデルガンド帝国の方針に従って、フェルノ王国を攻める将として活躍し、実績を作ることで内部から国を変えて行く英雄ルート。

 もう一方は、エデルガンド帝国の方針に反対し、仲間達とともに国を変えるためにクーデターを起こして内乱を発生させる反逆者ルートだ。

 

 どちらのルートでも、ルイーゼは民集を導く指導者として活躍し、自派閥の集団を率いていくことになる。

 そのため、クリスティアルートのように、ルイーゼと愛し合って行為を行うことになるシーンは、ルイーゼが皇帝となるまで存在していないが、それでもルイーゼルートはクリスティアルートと違い、エロゲープレイヤーからも称賛された人気のルートになっている。

 なぜ、そのような状況になっているかと言うと、ルイーゼルートはクリスティアルートと違い、エロイベントが数多く用意されていたからだ。

 

 例えば、アレクが行軍中に湖へと水浴びに言ったら、ルイーゼが既に水浴びをしていて裸を目撃してしまうと言う事や、転んだルイーゼを支えようとしたら、一緒に倒れ込んでしまい、何処がどうなったのか、ルイーゼの胸をわしづかみにしながら、股間に顔を埋める状態になるなど、何処のリ○さんだよ!? と言わんばかりに、ルイーゼとのラッキースケベイベントを起こしまくるのだ。

 

 そうしてラッキースケベの被害に遭うルイーゼだが、アレクがわざとやったわけではないと知っているため、恥ずかしながらも何度もそれを許す。

 そうして、様々なラッキースケベや交流を重ねていく内に、ルイーゼの仲で徐々に、アレクは頼りになる騎士から、一人の男へと変わっていくのだ。

 

 ルイーゼとアレクとのエッチシーンで、ルイーゼの裸を見て緊張するアレクに「わたくしの肌を見たのは初めてではないでしょう? それどころかもっと凄いことも……殿方にそのようなことをされたのはアレクが初めてですわ。責任を取ってくださいまし」と笑顔で言った姿を描いたCGでやられたプレイヤーも多かったとか。

 

 まあ、そんなこんなで、ファンの間ではルイーゼはトラブル皇女と呼ばれ、インフィニット・ワンでもトップクラスの人気を集めることになったのだ。

 

☆☆☆

 

 そう、此奴はトラブル皇女!

 だからこそ、此奴は危険人物なんだ!

 

 俺はそう強く思う。

 普通の男ならラッキースケベイベントを羨ましがり、それを起こしてくれるルイーゼの存在は有り難いものなのかも知れないが、俺だけのヒロインを見つけるまで清い体でいたい俺としては、厄介以外の何者でもない存在だ。

 

 下手に関わって、ルイーゼとラッキースケベを起こしてしまえば、それを俺だけのヒロインが見てしまい、俺の事を諦めてしまうことに繋がりかねない。

 だからこそ、彼女をエルフの手から救い出すという目的は達成したのだから、直ぐにこの場から離れて、二度と出会わないようにしたかった。

 

 そんな思いで俺が離れた時、後ろから声がかかる。

 

「待ってくださいまし……。――ああっ!?」

 

 制止の言葉と同時に悲鳴のような声が聞こえ、俺が思わず振り向くと、そこでは何も無い所に躓いて、ルイーゼが転びそうになっていた。

 

「まずっ――!」

 

 俺は咄嗟に転移を発動させてその場から退避しようとするが――。

 

「はっ!? 転移が発動しない!? いや、それどころか体が――!」

 

 エロゲスライムの能力封じを受けた時のように転移は発動せず、それどころか麻痺にでもかかったように体が自由に動かせなくなり、まるで流れに従うかのように、ルイーゼの転倒に巻き込まれてしまう。

 

 嘘だろ――!? 状態耐性リングだって装備してるんだぞ!?

 

 俺の驚愕を余所に事態は進行する。

 気付けば俺は――ルイーゼの胸をわしづかみにし、そしてルイーゼの股間に顔を埋める状態になってしまっていた。

 

 っ!? いや、おかしいよね!? 俺の方へとルイーゼが倒れてきたんだぞ!? 俺がルイーゼの下敷きになることはあっても、俺がルイーゼの上に乗って胸を掴んで、股間に顔を埋めるなんてそんな状態になるはずないだろう!?

 

 当事者である自分でもどうしてこうなったのかわからない。

 まるで物理法則を無視した現象に俺は驚愕を隠せない。

 

「んっ! あっ! そ、そこの上で動かないで……!」

 

 状況を理解出来ずにパニックになった俺が動いたため、水着越しに女の子の大事な所に振動を感じたルイーゼが思わずそう呻く。

 

「す、すまない……!」

「あんっ! 喋らないで……! く、くすぐったい……!」

 

 俺はそれに対して返答をしたが、その返答によって更に敏感な部分に刺激を受けたルイーゼは、喘ぎながら俺にそれを止めるように呟いた。

 

 俺は慌ててそのまま顔を起き上がらせる。

 咄嗟の事だったので、そのまま胸に手を突いたまま、上体を起き上がらせてしまい、そのことによって更にルイーゼが呻く。

 

 俺は事ここに到って、ルイーゼのやばさを再認識していた。

 

 此奴……ゲームと同じようにラッキースケベを起こしやがる!?

 しかも相手の能力や動きを封じて、物理法則まで無視して、ラッキースケベの結果を作り出すとかどんな異能力だよ!? 

 それまでの状態をガン無視して強制的にラッキースケベにするとか、俺なんかよりもよっぽど神様っぽい能力を持っているじゃないか!?

 

「姫様!? お前! 姫様に何をしているのです!!」

 

 俺がその事実に気付き、恐れ慄いていると、何処からか声が聞こえた。

 ちらりとその方向へと目を向けると、凄まじい怒りの形相をした水着姿のエルフの少女が、身体強化された体でこちらへと走ってきている。

 

 俺はそれを見て、命の危機を感じ、再度転移を発動させようとするが――。

 

「まだ無理!? ふざけんな! 理不尽制裁までが! ラッキースケベかよ!」

 

 俺がそう叫んだ時、エルフの少女の蹴りが、俺の腹へと命中した。

 

「死ね! 変態男!!!」

「がはぁ――!?」

 

 身体強化によって生み出された脚力は、俺のあばらを何本もへし折り、俺を空高く蹴り飛ばしてくれた。

 

 空中を漂いながら、俺は血反吐を吐き、思わず思う。

 

 し、死ぬ……。マジで死ぬ……。

 こんなに死ぬと思ったのは、ラースにボコられた時以来だ……。

 

 理不尽制裁ってヒロインによって滅茶苦茶吹き飛ばされたり、洒落にならない方法で制裁されるけど、現実化したらマジで致命傷になる一撃だよな……。

 

 漫画などではギャグのように、エッチな主人公への制裁によって、主人公がヒロインによって吹き飛ばされるが、そりゃ実際に吹き飛ばされる威力で蹴られたら、普通はあばらの一、二本は折れるよなと思う。

 

「フレイ様!?」

「え!? フレイ!?」

「師匠!?」

「お兄様!?」

 

 そうこうしている内に、吹き飛んだ俺は自分のシートの所に近づいたのか、来幸達の声が聞こえ始めてきた。

 だが、それも直ぐに違った驚愕の声に変わった。

 

「――あっ!」

「あっ!」

「あっ!」

「あっ!」

 

 俺がその反応を不思議に思って、そちらに目を向けると、俺が飛んで行っているせいで、ものすごい勢いで近づく、落下地点にある卵が目に入った。

 

「あっ!」

 

 同じように俺が驚愕の声を上げるのと同時に、俺はその卵へとぶつかり、卵の殻を突き破って顔を中へと埋め込んだ。

 卵の中にある暗闇の中で、何かがこちらを見たのを感じた瞬間に、俺の意識は闇へと墜ちていった。

 

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