荒島 真己のスキキライ   作:平均以下のクソザコ野郎

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今回はリーゼロッテの苗字が出ます(今更)


ツヅ・キモノ
ゴア・イサツ(前編)


 

【挿絵表示】

 

 

 

「さみィなここは...」

「情けない人ですねぇ」

「もこもこだったお前に言われたくねーわ」

「ははは、すまないヴァルトシュタインくん、ユスティーナくん。君たちの帰省に我々も乗っかってしまって」

「構いませんよ、叶先生。荒島だけでは少々心もとない所でした」

 

日本から飛行機でおよそ14時間。

荒島が運転するレンタカーに同乗する叶、リーゼロッテ、ヴィルヘルミーナの3人は、リーゼロッテの実家へと向かっていた。

 

「なんだこの18歳...俺様に喧嘩でも売ろうってのかァ?」

「ステイ、荒島くん」

「ワンッ」

「見ろリーゼロッテ。あれがかわいそうな大人だ」

「犬の鳴き真似がお上手ですねぇ...」

「クゥーン...」

 

そんな漫才じみたやり取りの後、荒島が問いを投げかける。

 

「あれ、でも俺がなんでドイツまで?叶先生の手伝いって訳でもないですよね?俺聞いてないし、私用って言ってましたよね」

「そうだね、僕がドイツに行くのは昔からの友人に会いに行くからだよ。その友人の住居が、ヴァルトシュタインくん達の実家と近い所にあると言うから、同乗させてもらったんだ」

 

あの時は若かったなぁ、と1人思いにふける叶を横目に、リーゼロッテが口を出す。

 

「あぁ、荒島さんがドイツに行くのは私がお父様に荒島さんの事を手紙に描いたからですね」

「何してくれてんだお前」

「普段の日常を半月ごとに書いて送っていたら、"ぜひその青年に会わせてほしい"と」

「で、オッケーしちゃったの?」

「はい」

「俺を通せよ。俺を。そういうのは普通本人に確認取るんだよ」

「荒島さんならまぁ許してくれるかなーって。静さんも結構こき使ってるじゃないですか」

「あの花茶ジャンキーが...」

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

「行きたくねェ〜...!!!!!!!」

「ほらヴィルヘルミーナ、足持ってください」

「合点」

「マジでごめん!行くから!行くからそれで運ぼうとすんな!身長差考えろ!!」

 

叶と別れた後の、リーゼロッテの実家前。

手首と足首を持って運ばれようとする荒島を雪の上に放り投げ、リーゼロッテがガンガン、とドアについているドアノッカーを鳴らす。

荒島の目には、単なる大きめの一般的な家屋にしか見えない。

想像とは違ったな、と1人思っている時に、ガチャ、と扉を開けて出てきたのは、リーゼロッテよりも背が高い少年少女だった。

 

『あっ、お姉ちゃんだ』『久しぶりー』

『また背伸びた?お母様とお父様は?』

『大きい方の家でお客様とお話してるよ』『あ、ヴィルちゃんだ』

『まだ2人続けての喋り方が抜けていないんだな、全く...』

 

2人とは離れているかつ、ドイツ語で楽しそうに話しているために中々手持ち無沙汰な荒島。

 

「....」

 

雪だるまや雪像を作っている。

 

『...あっ忘れてた、荒島さーん!うわっ」

「...おう...どうした...」

「なんだその雪だるまは...」

「いや...久しぶりの会話邪魔しちゃ悪ィかと思ってよ...暇だったし...」

 

そう言った荒島は、スコップでゴモラの雪像を作る手を止めて、リーゼロッテ達の元に歩いていく。

 

『誰?』『誰ー?』

『この人は、えーと...荒島さん自己紹介」

『俺は荒島真己。お前らの姉ちゃんと同じ場所で働いてるお兄さんだ。好きな怪獣はゴモラ。よろしく』

「えっすご...荒島さんドイツ語できたんですね」

「な訳。挨拶と自己紹介とあと簡単な意思疎通の単語覚えてきただけだ」

 

リーゼロッテの弟妹は、2人で顔を見合わせてヒソヒソと話す。

 

『『ごうかーく』』

「んん?」

 

2人は荒島の両手を掴むと、玄関まで引っ張ろうとする。

 

「あ、待てコラ!靴脱がせろ、ちょっと」

「あはは、随分気に入られましたねぇ荒島さん」

「私は私の家にも行ってくる。また後でな、リーゼ」

「リーゼロッテ、なんなんだこいつらは!?」

「騒がなくっても大丈夫ですよー、ただ懐かれてるだけなので!さぁ、暖かいスープでも飲みましょうか。荒島さんはアイスでいいですね?」

「いい訳ねェだろ!レモンティーよこせ!」

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