転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
最終章スタート!
帰郷前のあれこれ
そうだ、帰郷しよう。
そう思ったのはナザリックが転移してきて、神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国が建国され、諸々の事情が解決してすぐの事でした。
あの舞踏会でアインズ様にエルフ国に帰郷しようと思っているのですが一緒にどうですか?というお誘いをしました。
私が知る原作の最後は『滅国の魔女』。次巻予告が『構想中』の三文字と副題の『半森妖精の神人』ということだけ。エルフ国でどのようなことが起きるのか、私は知らずに前世の生を全うしました。
分かることといえば、
後は休暇と称してアウラとマーレを連れてエルフの友達を作ろうという現実逃避に走ろうとしたぐらいですか。
ただ、この世界では既にお姉ちゃんの出自は明らかになり、法国は消滅しています。なんなら、原作で明らかになっていなかった
あのベヒーモスだけが厄介なので──いや、今の私と新調した
…………ただ、あの
とりあえず、アインズ様からはスケジュール調整をするからまた連絡するという返答を貰ったので、その間に準備を進めておきます。
……もちろん、今回はちゃんと報告してから行きますよ!?
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「帰郷するのか……」
「はい。 まあ、アインズ様と一緒になんでもう少し先になりますが」
ジルクニフに報告に行けば難しい顔をしています。どうしたんでしょう?
「…………あの女から例の計画は聞いていないのか?」
「例の計画?」
なんでしょうそれ。初めて聞いたんですけど。
「あの女、本当に何も伝えていないのか……。何か考えがあるのかもしれんが、まあ構わんだろう。
近々、聖王国でとある事件を起こすらしい。その際、魔導国と帝国は裏で手を結び、聖王国を手に入れよう……という計画だ。詳細はあの女の方が詳しいから、報告がてらそっちから聞け。 あまり不用意なことを言うとうるさいからな……」
え?まさかもう聖王国編始まるの!?早すぎでは!?
いや、まあ前倒しで王国と法国潰した私の言えた義理ではないんですけども。
「分かりました。後でラナーに聞いておきます。 それに伴ってなんですが、帰郷する際にエルフ国出身で帰りたいエルフがいれば連れて行きたいんですが、構いませんか?」
「構わない……と言いたいところだが、もしもそのままエルフ国へ帰るという者がいるのなら仕事の引継ぎなどはしておけ。 この城でも結構な数のエルフを雇っているしな」
そういえばそうでしたね。
原作では帝国でも奴隷として売られることもあったエルフですが、この世界の帝国では結構手厚く保護されています。
その手の法が出来たのが私が粛清騎士として働き始めた頃だったので、当時の私のご機嫌伺いのようなところもあったんでしょうけど。
「一応……一応確認しておくが、アレーティア。お前はどうするつもりなんだ?」
「私ですか?」
「そうだ。 お前は父との関係が悪いと言っていた。それなのに帰郷するということは──王位を簒奪するためか?」
「…………」
「その気持ちが分からないわけでもない。 俺とて父の──先帝の崩御を機に愚かな皇后や兄弟たちを処分してきた。お前の話を聞くのであればエルフ王は
国を、民を想うのならば王は身勝手を振るうべきではない。 そして、その血を継ぐお前が帰郷するということは王位を奪うということに他ならないと……そう思ったんだが」
「…………」
「ああ、その顔を見て分かった。 そこまで考えていなかっただろお前」
「…………そ、そんなことないですよ?」
「なら余所見するな!俺の眼を見て言え!!」
くっ、まさかこんなところでジルクニフの過去とダブるとは……。正直、あの
いや、ぶっちゃけ原作の流れならエルフ国も魔導国になるかなーって安直な考えをしていましたけども。
「はぁ……まあ元々お前が継承してもおかしくない国だ。 どうするかはよく考えろよ。たとえその血を忌み嫌っても、お前を慕う
この時のジルクニフからはなんだかいつもと違う何かを感じました。
言葉にするのは難しいんですが、例を出すなら……先人の教えを受けた的な……。
まあ境遇がダブったと私が感じたということは、その逆も然り。ジルクニフも私に何か思うところがあって、自分の経験からアドバイスをしてくれたのでしょう。そう思うことにします。
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○
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「帰郷ですか? 構いませんよ」
なんかラナーからは普通に許可出ました。 あれ?なんか計画があるのでは?
「あ、もしかして聖王国の件のこと聞いていましたか?」
「ええ、ジルクニフから……」
「それなら問題ありません。 魔導国のアルベド様と計画を詰めていて、もうすぐ決行予定ですから」
「……ちなみにどういう作戦なのか聞いてもいい?」
「いいですよ。 原案は私たち帝国からで、魔導国主導の計画なのですが──」
ラナーの聖王国で行われる作戦の概要を聞いて私が思った感想は──。
「そこまでするの!? というか、
「そうみたいですよ。 旦那様が
あ、聖王国編がこんなに早く起きちゃうの私のせいかー、そうかー……。
聖王国の皆さん。先に謝っておきます。ごめん。
でもこの計画に使うとか私聞いてなかったから……。色々とナザリックの依頼でマジックアイテムを作っていた弊害がこんなところに出るとは。
「本当は帝国が聖王国を属国に出来るようにクライムと結ばれた時から種を蒔いていたんですけど──」
「え゛!?そんな早くから動いてたの!?」
「ええ。ついでに皇帝陛下の正妃に聖王女カルカ様をと……そうなるように動いていたのですが」
あー、ラナーなりに正妃がいないジルクニフのことを考えて動いたつもりだったんですかね?
でも、事前に相談は欲しかったと思いますよ?
「聞くところによれば、聖王女様は独自に美容魔法というものを開発しているとか。 そのことをフールーダ様に話したら是非にと」
フールーダ、お前もか。
まあ、フールーダは魔法狂いで生活魔法なんかに強い関心を持っているのでそうなっても仕方ないですね、はい。
原作のことも考えれば、まあ協力してもおかしくないですし。
「実際にこの前お会いしてみたら、
ん?何か言った気がしましたけど空耳かな?
そういえばカルカ様は優しすぎて強い政策が取れないって欠点がありましたね。だから原作でもジルクニフが嫌いだったとかそういう設定があった気が。
ランポッサⅢ世も優しいというかなんというか……環境が悪かったのもありますけど、王には向いていない性格だと思いますね。そういう点で似た者同士というラナーの評価も分からなくもないですね。
「聖王国は大きな痛手を負うことになりますが、最終的には王国のような堕落はなくなり魔導国との軋轢もなくなるのでそこまで心を痛める必要はありませんよ」
「必要な犠牲ってやつですね……。でもこれ聖王国滅びません?本当に大丈夫です?」
「現場の指揮はデミウルゴス様が執ることになっているので、そこは問題ないかと」
問題大ありでは? 聖王国がもうダメだぁ……お終いだぁ……状態になってしまうのでは?
……でもここで私が騒いだところでどうすることも出来ないんですよね。
まあ、作戦の結果的には原作より被害はデカいけど、結果は原作よりマシだと思うんで……。
「ああ、そうでした。 作戦中は旦那様が帝国にいると少々不都合になるので、万が一の場合は不在とさせていただきますね」
「……そういうことですね。私がいたら作戦が破綻しかねませんからね」
「後は帝国も基本的には聖王国への支援は消極的なものになる予定です。理由付けとして竜王国へ対ビーストマンへの助勢ということで騎士団の半分を派遣する流れになっていますので」
そんなところまで決まっているのか……。竜王国は原作でもあまり触れられなかった国でしたけど、最新刊では王国へ魔導国が送った書状に竜王国の国璽が押されていたことから、なんらかの関係が築けたのではないかと考察しましたね。
元々は竜王国へは法国が陽光聖典を派遣して支援していたということもあり、この世界では法国が亡くなってしまったので竜王国としては頼れる先が帝国しかなかった……という感じでしょうか?
その内魔導国も関与しそうですけど、今は聖王国に集中というところですかね。
「作戦は最低でも一年掛かるものと考えているので、エルフ国への帰郷はゆっくりで構いませんよ? 多分、旦那様が想像している以上に大事になりますから」
この時、私はラナーのこの言葉を漠然としか理解していませんでした。
……まさか、あんなことになろうとは。
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○
ところ変わって後日、帝国領内のエルフ達に向けて帰郷に関する周知事項を広めました。
内容としては『私がエルフ国へと帰郷するため、同じく帰郷希望者や身内の捜索などのために同行を希望する者は書面にて参加希望を届けること』というようなものです。
もちろん細々といくつか条件はありますが、その辺りは省略。
それから早三日……
「なあアレーティア様…………これは」
「言わないでルミリア。 私もまさかこんなにもなるなんて思ってもいなかったの」
私とルミリアの目の前には山のように積み上げられた参加希望書が。 普段私たちが見る書類よりも多い気がするんですけど!?
「…………ロータス神官長を筆頭に神殿を預かるエルフは全員参加を希望しているようだが、他にはメイドや騎士も……おお、アセロラからも来ているな。 …………これ全員は無理なのではないか?」
「みんなやっぱり帰りたかったのかなぁ」
「いや、そうじゃない。 そうじゃないと思うぞアレーティア様」
ルミリアがそれとなくフォローしてくれていますが、奴隷になる前の生活に戻りたいという気持ちは分からなくもないです。
彼ら彼女らには元々の生活があったのですから、それを奪われて奴隷として調教されて諦観の日々を送っていたのですから、帰れると分かれば帰りたいと思うのが自然ではないでしょうか?
帝国内で働いているエルフの多くは元々エルフ国で暮らしていたのに、法国が攻め込んできたことにより奴隷にされた者がほとんどです。
それも百年規模で行われていたのでその数も多く、更に言うとハーフエルフの奴隷も多かったりします。理由は……言わずとも分かりますよね。どいつもこいつも頭エルフかよ。
帝国でも所有している悪徳貴族が多かったので、片っ端から粛☆清したのはいい思い出です。スカッとしましたから。やりすぎてジルクニフに怒られましたけどね。
まあ、そんなこともありエルフの奴隷というのはとても多かったんですよね。法国が無くなってから奴隷制度がなくなりエルフの奴隷も解放され、今はナザリックの第六階層で仕事をしている者が多いとは聞いています。 魔導国になったといっても、そこに暮らす国民が変わるわけではないのでまだしばらくは市井に暮らすのは難しいということですね。
もしかすると、アウラとマーレを見てかのエルヤーの奴隷エルフのように仕えようとしているのかもしれませんけど。
「一応、今回は戦闘が出来る者に限りましょうか。 なにも、一度に絞らなくてもいいですし」
エイヴァーシャー大森林はとんでもなく広いですし、結構強力な猛獣がいたりします。あの白いゴリラみたいに。
……あの白いゴリラまだ生きてますかね?やたら強くて、当時勝ちきれなかったのはよく憶えているんですけど。
もしも生きていたら再戦を願いたいですね。あいつ逃げる間際にうんこぶつけてきたの絶対に許さんからな……!!アレのせいで嫌々クソ親父と風呂に入ることになったんだからな……!!
アレーティア製作のアレ
聖王国編必須アイテム。
これが無いとそもそもこの作戦が成立しないというシロモノ。
聖王国陥落作戦最終段階において使用される予定。
アレーティアのコメント
「ぶっちゃけやり過ぎたと思ったけど、手が止まらなかった。後悔はしていない」
アインズ様のコメント
「──(絶句)」
ジルクニフ
アレーティアの帰郷に関して、色々と思うところがありアドバイスした。
実のところアレーティアがエルフ国の女王になるのならそれは構わないスタンス。
家族仲が拗れてなければエルフ国との友好の証に公に求婚できたのにとか考えたりしたこともある。
ラナー
間接的に王国、法国、聖王国を滅ぼしに動いていた女。
ナザリックが来ないラナールートに入った場合、聖王国をボロボロにして属国にした上でカルカを聖王女の地位から引きずり下ろし、ジルクニフに嫁がせるつもりだった。その為にフールーダとも手を組んだりしていた。
今回はアルベドとの契約を果すため、聖王国陥落作戦の帝国サイドの実務を担い、得ていた聖王国の情報を全て提供した。
アレーティア
帰郷に向けて色々と調整中……と思いきや、まさかの参加希望者の多さに絶句。
とりあえず、今回はその中から非戦闘員を除いた者を選出する予定。それでも多い。
エルフ達
アレーティア様が、王女様があの国に帰られる!?遂に女王になるのですね!お供させてください!!
という勘違い発生中。
王女様から受けた恩を返し、故郷の文化の発展のため職業問わず全員が立ち上がってしまった。
なお、アレーティアは原作の奴隷エルフたちがナザリックの暮らしになれてあの生活には戻れないという風になっていることを当然知らない。さらに言えば、帝国内のエルフたちもそれと同じになっている。
違うのは故郷の原始染みた生活水準を上げていい国にしたいという志があるということ。
なお、アレーティアはそこまで考えていない。