転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
お待たせしました。お楽しみいただければ幸いです。
どうも、アレーティアです。
陽光聖典との戦いからかれこれ一週間が経ち無事森を脱した私は今……
絶 賛 迷 子 で す !
……はい、今までこのクッソ広い大森林から出たことが無くて、外の情報も入ってこない閉鎖された空間から、クソ親父の手から逃げ出す!っていう思考オンリーで動いてましたから。よくよく思えばオーバーロードの地理とか頭に入ってないんですよ。
辛うじて王国の隣に帝国があって、南の方に法国があるっていうようなアニメで見たシーンぐらいしか記憶にないです。
聖王国とかドワーフの国ってどこでしたっけ?
さて、そんなポンコツ晒している私ですがここで迷子になっていること以外の現状確認をしましょう。
私、TS転生者ことアレーティアは御年13歳になる少女です。
見た目こそエルフという種族のせいか育ちづらい印象がありますが、前世の少年少女と同じぐらいの背丈はあります(推定125㎝)。
アウラとマーレは78歳で子供の見た目だからエルフはある程度成長したら一度成長が止まるものなのですかね?他のエルフに話を聞いてみたかったんですけど、あの城にいた他のエルフは私とは目も合わせてくれず、会話があってもクソ親父の側近が部屋に来て「王がお呼びです」とか義務的なことしか話さなかったので知ることが出来ませんでした。
この頃はまだこの世界がオーバーロードの世界だと知らず、普通に異世界に転生したんだなと思っていた頃でした。
話を私の容姿に戻します。ここからが重要。
何を隠そう、私はエルフの王の血を引いており初めて『王の相』というのを持って生まれた神の子…らしい。
ここ何年も話していない母曰く、クソ親父は産まれた私を一目見て飛び跳ねる勢いで歓喜したとか。
ようやく王の相を持つ子供が生まれたと城を駆け回りルンルンだったとか。そんな姿見なくてよかった。
ここだけ見ると自分の子供が生まれて喜ぶ父にしか見えないですが、私がコイツをクソ親父と呼ぶには十分な理由があります。あるんです。
……最初の6年はよかった。大事にするあまり母と一緒に城の一番広い部屋に実質軟禁されていましたが両親からの愛情は受けていたと思います。
だがしかし、現実は非情である。6歳になったある日、私はクソ親父に突然マジックアイテムを装備させられ戦場に放り出されました。
はい、小学校デビューならぬ戦場デビューです。
当時の私はまだクソ親父をお父様と呼び慕っていただけに、何故戦場に放り出されたのか意味が分からなかったのをよく覚えています。
独りで心細く泣きそうになっている私のもとにクソ親父が来ることもなく、やってきたのは見たこともない人間の戦士たち。
見つかるや否や襲い掛かってくる見知らぬ戦士たち!やばいと思いその場を逃げ出す私!
……とはいえ、まだ6歳の私に逃げ切る体力もなくダメ押しとばかりに仲間であろう
この
挙句抵抗しないのをいいことにコイツ、私で魔法の的当てゲームをし始めました。一緒にいた戦士もノリノリで逃げられないように逃げ道を塞いでいました。本当にこのクソ野郎共と悪態をつきたくなりました。
この時コイツの撃った魔法…確か
よくある魔法名ではありそうですが、この後の会話で第一位階がどうとか、もっと強い魔法を撃てとか、こんなエルフに第三位階魔法なんて勿体ないとか、もっと痛めつけてから殺すとかいろいろ言っていましたがそこは省略。
そう、位階魔法と来ればピンとくる人はピンとくるのではないだろうか。ちなみに私はまだこの時はオーバーロードの世界と確証は得ておらず、もしかしたら…?というぐらいに留めていたんですが。
それに命がかかっている非常事態。とっさに思いついた魔法をいくつも口にした。
もう思いつく限り魔法の名前を言いまくりました。結果ですけど…当然ながら発動しない魔法もあり、逆を言えば発動した魔法もあったのです。
がむしゃらに魔法を言いまくったので何が発動したのかは分かりませんでしたが、結果的に私を囲んでいた連中は皆死んでいた。こうして私は生き残ったのでした。
そんなところでようやくクソ親父が現れ、満面の笑みを浮かべて抱きしめてきた。
抱きしめられた私はひたすら困惑していましたが、この後の発言で私の中の優しかったお父様は死んだ。
「まさか生まれつき魔法の才まであるとは!流石は私の
「命がかかった極限状況で強者と戦うことこそが最も早く強くなれる手段だったが、想像以上だ!初陣でここまで強くなれるとは!」
「逃げ出した時は何事かと思ったが、まさか自分で自分を更に追い込むとは思わなかった…。よほど強さに貪欲なのだな。私は嬉しいぞ」
「さあ、今日のところは城へ戻り身体を休めなさい。私の大事なアレーティア」
「お前のために、いずれもっと厳しい戦場へ連れ出してやろう。…?ああ!震えるほど嬉しいのだな!こういうのを確か武者震いと言うんだったな!流石アレーティアだ!」
「いずれお前は私の伴侶となり、この世界を支配するエルフ達の頂点に立つのだ。こんなに嬉しいことはないだろう?」
ドン引きだわぁ!!
はい。この後に記憶を掘り返して原作の幕間にチラッとだけ出てきたエルフ王がコイツだと悟り、私は色んな意味で絶望しました。ここがオーバーロードの世界だと。さらに親がとんでもないクズにも勝るクソだったと。
近親相姦上等とか勘弁してほしい。私、前世男ぞ?むしろ女でも嫌ですわ。誰が好き好んで実の親に抱かれなければいけないのか。
つまるところ、戦争の原因はエロフ兼クソ親父ことエルフの王が漆黒聖典の一人を騙して孕ませたのが原因。
挙句、何人もの女エルフを使い捨てるがごとく産ませては戦場に出し間接的に殺してきた人でなし……いや、暴君という方が正しいですね。
そんな奴が自分の父だと誰が思ったか。……ちょっとしか出てなかったから気づかなかったんです。同時に、だから他のエルフがクソ親父と同じ王の相を持っている私に近寄ろうとしなかったのだと察してしまいました。
そんなこんなでここから6年、地獄のような日々を生き抜いてきました。
戦場に出ては格上とばかり戦わされ、それが終われば城でマンツーマンで色々なお勉強。極めつきに寝ている私のベッドにコッソリ入ってきては身体の肉付きやら何やらを確認される。キモイ、マジでキモかった。
戦場で成果を上げるたびに抱き着いてくるのもやめてほしかった。……戦場で生き抜いた結果か、知らぬ間に幾つかの武技を使えるようになったときは抱きしめるどころかキスされた。え?どこにされたか?聞かないでください。
これでお分かりいただけたでしょう。要は我慢の限界だったんです。
あそこに居続ければいずれ死ぬか、捕まって奴隷にでもされるか、クソ親父に抱かれて子供を産まされ続けるかというどれもこれも碌な未来がありません。故に私は逃亡を決心したのでした。
余談ですが最初は
…正直、あの時どうして魔法が使えたのかは私にも解かりません。これが転生特典のチートだったりするのでしょうか?神様とか会っていませんが。
もしくは
あれは確か魔法による診断が必要だったはず…?
ブレインとかは持ってるけど無自覚に使っていたという設定があったのは覚えています。最後に読んだ巻ですし。
自覚していることといえば
まあ解からずとも現状困ることはないのでいずれどこかで
そう思いながら私は宛てもなく迷子という現実から目を逸らして歩き続けるのでした。
説明回でした。
小説って書くのが大変ですね。書くとわかる大変さ。
前話の誤字脱字報告ありがとうございました。私自身、国語力に自信がないので変な表現があったらお手数ですが教えていただけると…。
次回は今週中に更新できればなぁと。
カッツェ平野である人物と出会う予定です。