転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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前回、多くのコメントありがとうございました。
多分過去一でコメント貰っていたんじゃないかな?ものすごく嬉しかったです。

後、突発的に行ったアンケートも多くの投票をいただきありがとうございました。


アレーティア、帰国する 〜私の能力っていうのは、私自身が…龍玉になることだ〜

 

 

 はい、ザイトルクワエとの激戦を終えた私は今!

 

 

「ぐわあああああ!!」

 

「あ、陛下ごめん、転移場所ズレた」

 

「へ、陛下あああああ!!」

 

 

 

 ジルクニフの真上に転移しました。他意はありません。絶叫を上げているのはトーマスですね。もうすぐ四騎士を退くとはいえこういった事態を未然に防ぐのが──いや、こんなの気づけるの私ぐらいでしたね。そもそも転移魔法を使えるのは本当にごく一部の強者たちだけですからね。帝国では私とフールーダぐらいです。

 どうしてこんなことになったかと言えば、生まれながらの異能による強化が終わり、疲れが限界でとりあえず報告も兼ねてジルクニフの私室に転移すればいいやって雑な思考で転移した結果、偶然ジルクニフを下敷きにしただけです。ワタシ、ワルクナイ。

 

「あ、陛下報告です。なんとか薬草見つけて採ってきました。後色々と報告したいことが山ほどありますです」

 

「その前に俺の上から降りろおおおおおおおお!!」

 

 おっといけない、下敷きにしたままでした。反省。

 

 

 

 ◯

 

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 ◯

 

 

 はい、恒例の正座でお説教スタイルでの事情聴取です。慣れたものです。いや、慣れちゃいけないんですけど。

 

「それより全身鎧(フルプレート)はどうした?顔隠しが出来ていないが誰かに見られたか?」

 

「いえ、全身鎧については後程まとめて説明しますので。顔については……その場にいたドライアドには見られてしまいましたが、そこから私に繋がることはないでしょう」

 

 ドライアドの言うことですし、直近とはいえそこまで特徴を捉えたとしてあの場所までたどり着くのも中々難しいはず。それに名前も伝えてしまいましたが私の存在が粛清騎士と結びつくことはないはず。粛清騎士はフルネームを大々的に広めていませんからね。問題ありません。

 

「それと、こちらが例の薬草です。ただ、残念ながらもう採取できません。これが最後です。」

 

「何故だ?まさかだが薬草の生えた場所を消し飛ばしたなんて言わないだろうな?」

 

「まあそうなんですけど」

 

 そんな冗談で言ったのに本当にそれが起きてて「何やってくれてんのコイツ」みたいな目で見ないでくださいよ。ちゃんと理由があるから!最後まで聞いてそれから怒るか怒らないか決めてください!

 

「順を追って説明します。事の経緯は──」

 

 こうして私はこの激闘のことをなるべく簡潔に説明しました。

 かつて世界を切り裂いて現れた世界を滅ぼせる魔樹ザイトルクワエに病を癒す薬草が生えていたこと。採取しようとしたら目覚めてしまい世界のために戦ったこと。一度死にかけたこと。その時全身鎧が見るも無残なことになってしまった事。使うなと言われた〈大厄災(グランド・カタストロフ)〉を使ったこと。そうしてザイトルクワエを倒したこと。余波で周囲一帯に底が見えない大穴が出来たこと。

 

 隠さず全部話しました。そうしたらものすごく顔が青ざめていました。何故?

 

 

「……よもや無敵だと思っていたお前が死にかけるとは、世界を滅ぼせる魔樹ザイトルクワエ、それほどの強敵だったか」

 

「無敵は流石に言いすぎです。私が勝てない相手なんて案外いるものですよ」

 

 例えば白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)本体とか。鎧は原作で弱点らしい属性は分かっているのでやりやすいと思います。

 

「粛清騎士殿でそれなら私達では相手にすらならなかったでしょうね……」

 

 本当ですね。最後形態変化して移動出来るように見えたので〈大厄災〉を叩き込んだのは正解でした。多分根源の星霊(プライマル・スターエレメンタル)がいてもあのまま戦っていれば大森林への被害はもっと大きかったと思います。

 

「そういえば陛下、ここからは出来れば二人だけで話したいことがありまして……」

 

 そうするとジルクニフとトーマスは目を合わせ小さく互いに頷きトーマスが退室していきました。アイコンタクトが出来るとは素晴らしいものです。

 

 

 

「で、なんの話だ?二人きりとなるとお前の何かしらの秘密に関してだと思うが」

 

「その通りです。実は私は生まれながらの異能(タレント)を持っていまして、ただその能力が分かっていなかったんです。今回、それがなければ間違いなく負けていました。なので、これを機に自分のことを熟知しなければと思いまして……」

 

 チラリと顔色を窺えばジルクニフの表情は真剣そのものでした。今ジルクニフの頭の中ではきっと色々な可能性を考慮して何が最善かを導き出しているのでしょう。流石は帝国の頭脳、歴代最高の皇帝です。

 

 

「条件が二つある。一つは生まれながらの異能を調べる際、私とフールーダが立ち会いどのような能力であってもその場の人間のみの機密とすること。もう一つは……今まで避けていたがお前の身の上話を聞かせてくれ。それを踏まえた上で今後の対策を考える」

 

「勿論構いません。陛下の寛大な心遣いに感謝を」

 

「よせよせ、普段通り楽にしろ。むしろそう畏まられると寒気が走る」

 

「なんてこと言いやがりますか陛下」

 

 これでも最大限感謝の意を伝えたつもりなのに!

 

 

 

 

 ○

 

 ○

 

 ○

 

 

 

 さて、翌日時間を空けてもらい、私の生まれながらの異能調査を始めるため帝国魔法省に来ました。勿論ジルクニフも一緒です。

 全身鎧は壊れてしまいましたが以前使っていたバイザーが残っていたのでそちらを今は装着しています。鎧は着けずに動きやすい格好をしています。まあ、これ一つ一つがマジックアイテムなんですけど。

 イジャニーヤから奪った……もとい、回収したアイテムの中にあった変装グッズの一つだとか。便利なものもあったものですね。その内量産して暗部とか作りたいです。

 

 

「以前よりもフールーダの弟子が増えているか……?」

 

「フールーダさんも第七位階に到達してそれに触発されたのか弟子の人たちも一層気合を入れて学習しているみたいですから。」

 

 第七位階を使える人間は限られていますからね。もう十三英雄はきっと超えていると思いますが、当の本人が死の騎士(デス・ナイト)を支配することを目標にしているので認めてません。

 あ、デス・ナイトですが原作通りカッツェ平野に現れたのを私が少し前捕獲してきました。フランベルジュを叩き折って盾をもぎ取り、後は〈重力反転(リヴァース・グラビティ)〉で持ち帰りました。今では魔法省の奥で原作通り鎖でグルグル巻きにしています。

 

「あ、粛清騎士さ……ま!?」

 

「アルシェさんですか、お久しぶりです。その後はどうですか?」

 

「い、いえ、お陰様で平和に暮らせています。それよりも粛清騎士様、一つお聞きしてもよろしいですか?」

 

「ええ、構いませんよ?」

 

 すると辺りを見渡してからアルシェは私の耳元でとんでもない爆弾を落としてくれました。

 

「もしかしてですけど、第十一位階魔法とか使えるようになりましたか?以前よりも視えるオーラが増しているのですが……」

 

 

 

 げっ、バレた。バレてしまったので正直に言います。あのザイトルクワエとの戦いを終えてからその感覚はありました。例えるなら殻が一つ破れたような、限界を一つ超えたような。その時とある名前の魔法──聞き覚えはあるけれど使われたことはない──が頭の中に浮かびました。これが恐らく超位魔法なのだろうと漠然としながら受け止めました。

 ただ、生まれながらの異能のほうが重要だったので後回しに……と思っていたのが裏目に出てしまいましたね。魔法省に来ればアルシェとフールーダにその眼でバレてしまうことを失念していました。

 とりあえず、この場は誤魔化さねば……!

 

「アルシェさん」

 

「は、はい!」

 

 ここで無詠唱化した〈伝言(メッセージ)〉を発動。この世界では〈伝言〉が原因で滅んだ国があるので信用度は低いですが目の前にいる相手からなら疑う余地はないでしょう。

 

『アルシェさん、目の前にいる私です。この件は絶対に秘密にしてください。後々陛下とフールーダさんには伝えますが国家機密になる可能性が高いので。いいですね?』

 

『ひっ!わか、分かりました!!!』

 

 

 

「一体何のことでしょう?私には覚えがありませんけど……」

 

「いえ、すいません。私の思い違いだったみたいなんで、気にしないでください。」

 

 

 ヨシッ!これでアルシェからバレることはないので、後はフールーダの口を塞ぐだけですね、少なくとも私とジルクニフと三人でいる時にその話はしてほしいです。

 

 

 それから、高弟の一人に──この人が生まれながらの異能を調べる魔法を使えるらしい──案内されフールーダの部屋に来ました。

 

 

「邪魔するぞ爺」

 

「これは陛下、それにアレーティア嬢もよく来られ……んん!?アレーティア嬢、も、もしやもしやもしや!!」

 

「その話は後でしますから落ち着いてください!!目が血走っていて怖いですから!!」

 

 ほんの一瞬前まで普通だったのに私見た途端にこれですか!?ああもうこんなことなら戦士状態で来るべきでした!戦士状態なら魔力隠せたのに……このアレーティア一生の不覚です。

 

 

「……おや?オーラが視えなくなりましたな?魔法を封じましたかな?」

 

「へ?いやまだ魔法使える状態ですよ?そんなはずは……」

 

 ……またよく分からないうちに何かが起きているらしいですね。さっさと済ませましょう。

 

「では、始めさせていただきます。まずは生まれながらの異能があるかどうかから一応確認させていただきます。〈異能鑑定(アプレイザル・タレント)〉」

 

 おお、人に使う鑑定魔法ですか。〈道具上位鑑定(オール・アプレイザル・マジックアイテム)〉を彷彿とさせる魔力光がその手に現れています。

 

「やはり生まれながらの異能の反応はありますね。では続けてどういった能力なのかを調べさせていただきます」

 

「その前に爺、アレを」

 

「既にこちらに用意してございます」

 

 フールーダが取り出したのは……マジックアイテムのようですね。占いでよく見る水晶玉みたいですね。これは一体?

 

「これは目の前にいる相手の言葉の真偽を判断するマジックアイテムだ。嘘をつけば水晶玉の色が赤く光り真実ならば青く光る。それでその言葉の信憑性を裏付ける。まあ、それだけのアイテムだから然程重要視されるアイテムではないが、裁判や尋問では時折使われることがある」

 

 なるほど、嘘発見機みたいなものですか。

 思えば原作では魔導国は犯罪に対して精神を操作する魔法で調査を行う、と書いてあった。これは〈支配(ドミネイト)〉や〈魅了(チャーム)〉などで犯罪をでっち上げて犯罪者を作り出したり濡れ衣を着せたりできるため、その様な魔法で審判を行うことは野蛮であり劣っているとされていたはず。

 そういう手段より真偽を判断するマジックアイテムの方が重宝されるのはそうしたことを防ぐためなのでしょう。誰も彼もが善人な訳ではありませんからね。

 

「では改めて……〈異能効果探知(ディティクト・タレント)〉」

 

 さあ、これで私の生まれながらの異能の能力が遂に判明します。一体どういう能力か……全く想像できませんが果たして?

 

 

 

 

 ……あれ?固まって動かなくなってます?どうしたんでしょう?

 

 

 

 

 

「どうしたんじゃ?能力が分からなかったのか?」

 

「い、いえ!そのようなことは!ただ……こんな能力初めて見ました。思わず何度も疑ってしまうぐらいに。間違いなく大陸で誰も持ったことがないタイプの能力です」

 

「そこまでか。では……どういう能力だ?」

 

 ゴクリ、と高弟が唾を飲み込む様な音が聞こえました。それぐらいに緊張している、ということですね。

 

 

「粛清騎士様の能力、それは──一日に三度ほど願いを叶えられる能力です

 

 

 

 へえ、願いを叶える能力ですか。それは珍し……い………。

 ん?どこかで聞いたことがある様な気が?願いを叶える?

 あ、ジルクニフもフールーダも信じられない、というような顔をしています。多分私も同じような顔をしているのでしょうね。高弟がちょっと笑ってます。何わろてんねん!

 

 

「願いを叶える……だと?!」

 

「なんと、そのような能力……知れ渡れば危ういことになりますぞ!」

 

 確かに、願いを叶える能力とだけ聞けば物凄く都合がいい能力。ただそうした能力には何かしらの欠点があるはず……。

 

「この能力のデメリットなどは分かりますか?」

 

「い、いえ、申し訳ありません。そこまでは……」

 

 恐らく魔法ではそこまで分からないのでしょうね。これは検証が必要です。なので……

 

I wish(私は願う)……私にザイトルクワエを倒した時の力を」

 

「アレーティア、お前何を!?」

 

 するとあの時の力が漲る感覚が全身に表れました。ステータス等が見れないのが残念ですが、あのザイトルクワエを倒せるだけの支援効果(バフ)が掛かっているのは間違いないです。

 では次に……

 

I wish(私は願う)……」

 

「待て待て待て!勝手に事を進めるな!!」

 

 ジルクニフにインターセプトされてしまいました。残念、ジルクニフの体調を整えてあげようと思ったのに……。

 

「ダメですか?私の能力なんですから色々試そうかと」

 

「いきなりやるやつがあるか!一言相談してからやれ!」

 

「そんなに怒らないでくださいよ、将来禿げますよ?」

 

 あ、そうだ。ジルクニフの頭髪の安全だけは保ってあげたいですね。ナザリックが来て振り回された結果ストレスで禿げるのが確定しているらしいので。

 

「……む?あ何かしたか?頭に何か違和感を覚えたが……」

 

「へ?」

 

 今私は何も願っていな……あれ、もしかして?

 

「陛下、もしかしたらこの能力……私の意思を読み取って自動で発動する可能性があります」

 

「……ちなみにだがお前は声に出さず何を願った?」

 

「将来陛下が禿げなければいいな、と」

 

何故私が禿げること前提なんだ?!歴代の皇帝に禿げた皇帝はいなかったぞ、なあ爺?」

 

「ええ、歴代皇帝に仕えていますが禿げた方はおられませんでしたぞ?」

 

 また髪の話してる……。

 でもこれで願いが叶っているのならジルクニフの頭髪の未来は安泰ですねきっと。

 

「まあ禿げないと思うんで大丈夫でしょう。さて次は……あれ?」

 

 体感的にもう今日は願いが叶わないのが分かります。でも叶った願いは二つだけのはず。

 ……あれ?もしかしてアレも?

 

「フールーダさん、今私魔法を使える状態なんですけどその眼で見えます?」

 

「……いいや、未だあのオーラは見えぬよ。まさかじゃが」

 

「ええ、恐らく私の魔力が能力で見えなくなっています。しかもこれ、そうだったらよかったのに、と思ったぐらいで取り分け願った訳ではないんですよね……」

 

 これは非常に扱いが難しい能力ですね……任意、自動で発動する生まれながらの異能。確かにこれなら能力を自覚していなかったあの頃でも使えるわけです。魔法が急に使えるようになったり、クソ親父が教える魔法を片っ端から覚えられたり、急速に強くなったりと例を上げればキリがありません。

 ただ、意識してないと自動で私の願いを叶えてくるんでいざという時に使えない可能性もありますね。

 

「アレーティア、その能力知ったからには必ず制御……もとい自分のものにしろ。お前に私の願いを叶えてもらおうとは思わんが、その能力は誰もが欲しがるものだ。だから気をつけろ。そして、この能力については先程通り国家機密扱いとしこの四人のみで留めろ」

 

「「「ははっ!!」」」

 

 

 こうして一先ず、私の生まれながらの異能についての調査は終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ ダイジェスト風味

 

「ところでアレーティア嬢、最後に視たあのオーラ……」

 

「多分超位魔法……もとい第十一位階魔法です。私も使うのは初めてなのでまた開けた場所に行きましょう。何が起こるか分かりません」

 

「ではこの前騎士団が捕まえた邪教集団のアジトを的に使いましょう。あそこなら比較的開けた場所にありますし人里もありませんからな」

 

 

 

〜移動中〜

 

 

 

「では発動」

 

「おお、これは一体!?これほどの魔法陣が展開されて……それもどれもがすぐに形を変えてしまう……すごい、すごいぞおおおおおお!!」

 

「もしかしたらこの発動時間も能力で短縮出来たりするのかな……今度調べてみましょう。さて、発動しますよ。超位魔法──」

 

 

〜発動後〜

 

 

「アレーティア嬢これは……」

 

「フールーダさん、これバレたら怒られますかね……?」

 

「いや、あの〈大厄災〉よりも被害はないから大丈夫だとは思うが……」

 

「でもまた地形変えちゃってるんですよね……まあ、名前からしてこうなることを予想しておくべきでした……宇宙兵器とはよく言ったものです」

 

 

 

 

 

 





異能鑑定(アプレイザル・タレント)
異能効果探知(ディティクト・タレント)〉──オリジナル魔法(?)。原作にあると明記されているのでこんな感じかなと命名。

アレーティアの生まれながらの異能(タレント)──自動発動もしてしまう。ただそのお陰で自覚が無い時何度も助けられている。
詳しくはキャラクター紹介で書く予定。

アレーティアの超位魔法──原作で名前も出ているので察しがいい方は気づけるはず。


年内に王国との戦争出来るのだろうか……?
先に番外編出すかもしれません。
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