転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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気づけば二日前のUAから4倍、お気に入りの数は5、6倍となり日間ランキング9位になっていて驚きました。

多くの方の応援で嬉しくなってまさかの三日連続更新です。



私アレーティア、今帝国に来たの!

 

 

 フールーダの意識がようやくこちらに帰ってきました。なんであんなに呆けていたんでしょうね?

 

「すまないのぅお嬢さん。あまり現実味がない回答で驚きのあまり魂消てしまったようじゃ。齢はとりたくないのう」

 

「いえいえ、お気になさらず。お年を召しているようですしそういうことがあっても仕方ないでしょう」

 

 気遣いの出来る女エルフ。それが私です。前世ではどうだったか、ですか?…きっと出来ていたと思いましょう。正直あまり覚えていませんので。

 

「おお、そういえば自己紹介をしておらんかった!私はバハルス帝国でしがない魔法詠唱者(マジック・キャスター)をしているフールーダ・パラダインという者じゃ」

 

「私はアレーティアと申します。先日、エルフの国から旅に出たエルフです」

 

 ここで出来るだけ友好的な関係を築いてフールーダから色々と情報を聞き出せたら嬉しいんですけどねぇ。今の世界の情勢なんて森にずっといたせいで何も知らないので世間知らずもいいところですが。森で交戦した陽光聖典のニグン隊長が存命していることから確実にナザリック陣営が転移していないことは明らかですが、情報を得ることは大事です。原作何年前か知ることで自分に出来る行動も自ずと見えてくるでしょう。多分。

 

「なるほど、エルフの国から…ふむ。あのエイヴァージャー大森林からここまで来るのに相当な距離だったであろう。今エルフと戦争しておるスレイン法国をよく迂回してこられたものじゃ」

 

「…ええ。なにしろ森の外のことは何も分からないままに飛び出してしまったので大変でした。スレイン法国を迂回出来ていたのは幸運としか言いようがありませんね」

 

 あっぶない!!あの森スレイン法国に近かったんでした!!一歩間違えれば自分で法国に行って粛清待ったなしでしたね!幸運に感謝です。

 

「そして、その先でアンデッドの大群に遭いそれすらも退けたと。いやはや、これだけの数のアンデッドに加え…恐らくこれらを支配していたであろう未知の高位アンデッドをも倒したアレーティア殿は英雄の領域を間違いなく超えておられるな」

 

「いえいえ、たまたまです。相手がそこまで強くないアンデッドばかりでしたし、コレに関しては油断と隙しかなかったので不意をついた一撃で倒せたのはまさに幸運…思えば私は幸運に救われてばかりですね」

 

 一応本当です。あのナイトリッチとかいうアンデッド、油断なくかかってきていればそれなりに苦戦したはずです。ナイトリッチが身につけていたマジックアイテム──大半は〈土竜叩き〉の衝撃で壊れているが──かなり希少性が高いものが多くこの世界基準では強力そうでした。これらも使用されていたら流石にあのままでは厳しいので私もマジックアイテムを解放したでしょう。今回は武技だけで済みましたがマジックアイテムも解放すれば大抵の敵も何とかなるはずです。

いや~宝物庫から色々パクってきた甲斐がありました!今頃クソ親父は私に渡したマジックアイテムを失ってしまい困っていることでしょう。ざまあみなさい!

 

「そうかそうか。…アレーティア嬢、尋ねたいことが増えたのじゃが構わないかね?」

 

「はい、構いませんよ。」

 

「これからどちらに向かうつもりかね?聞けばエイヴァージャー大森林を出てから旅をしていると言っておったが行く宛はあるのかね?」

 

 行く宛…正直考えていませんでしたね。思えばここはカッツェ平野。近隣にある国といえばリ・エスティーゼ王国とバハルス帝国、そしてスレイン法国あたりでしょうか。他にも聖王国や竜王国、評議国、都市国家連合といった地名は思いつきますが今後のことを考えると法国はもちろん王国と聖王国は論外。竜王国は原作にもほとんど出てきていない国だから行ってみたい気も…いや、駄目ですね。あの国は法国から六色聖典の支援を受けていたはず。つまりバレれば全員敵になる可能性があります。なので泣く泣く却下。そうなると評議国か帝国か都市国家連合のどれかになる…。

 

「そうですね…特に考えてはいませんがエルフを敵視していない国にでも行ってみましょうかね。あの森での戦争で正直敵意を向けられすぎて嫌気が差しているので、落ち着いた場所で暮らすのも悪くはないでしょう。」

 

 この答えにフールーダの眼がキラリと光ったような気がした。

 

「左様ですか。で、あれば是非我が帝国に招待させていただきたいのですが、いかがでしょう?」

 

「招待?」

 

「はい。聞けばまだ今後のことは決められていない様子。それならば帝国に拠点を持ち、少し落ち着いてから今後のことを考えればよいのではありませんかな?もし招待を受けてくださるなら私が責任をもって衣食住を提供させていただきます。勿論、お断りされても構いません。その時はこちらから貴方が望むものを下賜しましょう。私が陛下に掛け合って許可をいただきましょう。」

 

「…少々条件が良すぎるのでは?私はそんなに大それたことはしていませんよ?それに皇帝陛下に許可を取らずに事後承諾でいいんですか?」

 

「何をおっしゃる!これほどの成果を上げることは私でも、アダマンタイト級の冒険者でもきっと出来ませんぞ!それも一人でやったというのならそれはもう伝説に語られてもいい偉業!帝国の危機を救った英雄に対する褒賞はこの程度でも足りますまい。陛下も必ずや良い返事をしてくれるでしょう。」

 

 …うまい話には裏があるとはよく言うがどうなのでしょう。正直、拠点を得られるのは非常にありがたい。これでも元王族。森から逃げ出したはいいものの基本的な生活は一応お姫様みたい――実際姫なのだが――な暮らしをしていただけに野宿や食材の現地調達ということには慣れていないのです。前世でも経験はありませんからね。

 それに帝国なら今後原作が始まったとしても直接的な被害はアウラとマーレの襲撃とジルクニフの頭髪ぐらいで実質ナザリックの次ぐらいに安全な国かもしれません。裏があったとしても私の能力なら切り抜けられる自信はあります。漆黒聖典とか白銀の鎧とかが来ない限りは、ですが。なので…

 

「…分かりました。私もそういった拠点があれば今後活動しやすくなるのは間違いありませんしね。WIN-WINの関係でいきましょう。」

 

「ういんういんとやらが何かは分からぬが招待を受けてくれるということでよいのですな?」

 

「あ、そうでした。こちらにはそういった言葉はないのでした。双方に得のある関係でいましょう、という意味なので招待を受けさせていただきます。」

 

 私とフールーダは小さな手と皴が刻まれた手で握手を交わし交渉成立をさせたと思うと…

 

 

 気がつくと帝国に居ました。転移魔法ですね。あれ?カッツェ平野にいる弟子や騎士たちは放っておいていいのです?というよりもう招待されるのですか?もうちょっとこう、打ち合わせとかをですね。皇帝に無許可でこの褒賞決めたでしょう?先に相談しなくていいんです?

 

「陛下、遅くなり申し訳ありません」

 

 そんな私の内心なぞ知らんとばかりにフールーダは話を進めています。というよりこの前にいる少年って一体誰?陛下?もしかして!?

 

「ああ、構わないとも。それでカッツェ平野の一件はどうなったんだ。他の騎士たちはどうしたんだ?」

 

「あのアンデッドの大群は私共が現地にたどり着く前にこちらの御仁がたった一人で全て片付けておりました。ご紹介します。さあ、前へ。」

 

 前に出て挨拶するように促されています。…正直気は進みませんがフルネームを名乗っておくとしましょう。こういう場合隠しておくと面倒なことになるでしょうし。

 

「初めまして陛下。アレーティア・ホウガンと申します。家名は嫌いなのでアレーティアとお呼びください。」

 

 作法とかは知らないので深々とお辞儀をします。お辞儀は大事だってどこかの闇の帝王が言っていました。それに倣います。

さて反応は…あれ?無い?いや、固まっていますね。どうしたのでしょう。

 

「…じ、爺。嘘だろう?このような私と変わらない年頃の少女が千は超えるというアンデッドの大群を片付けたと?冗談だろう?」

 

「いいえ陛下。事実です。念のため嘘を見抜く魔法を使用し聴取しましたが一切の嘘はございませんでした。それに…彼女はエルフです。見た目にそぐわない年齢なのでしょう。それ故、高い能力を保持しているものと思われます。」

 

 おや?私もしかして年増だと思われています?

 

「そ、そうか。私はジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス、バハルス帝国の皇帝だ。国を代表し礼を言おう。よくぞこの一件を解決してくれた。」

 

 やっぱりジルクニフでした!となると何年前なんでしょう?しかし、そのことを気にする前に先に一つ訂正しなければなりません。

 

「勿体ないお言葉です。それと…私はまだ12…いやもうすぐ13歳ですので誤解なきようお願いしますね?」

 

 

 ビシッ!と空気が固まったような音がした気がします。二人を見れば本当か?という視線を向けるジルクニフと嘘はございませんと目で答えるフールーダが見えます。その後で二人そろって改めて私をジッと見つめてきます。あまりじっと見られると困るのですが…。

 

 

 

 





フールーダとジルクニフの口調、違うと感じたら申し訳なく…!

次回はちょっと時間かかります、多分。

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