転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
多分効果はエラッタ前より強い(妄想)
今回場面転換が多いので、もしかすると読み辛いかもしれません。
「いよいよですか」
鮮血騎士たちとガゼフの鍛錬を終え、エ・ランテルに帰ってきた私はラナーと夜のテラスで話し合っています。
話題はと言えば王国のことです。
鮮血騎士も全員──一体を除いて──集まり、帝都からも騎士団を一軍動かすだけの準備も整い、後は王国の八本指の手にかかっていない貴族達を纏め、ザナックを旗頭に襲撃すればいいだけです。
「ええ、レエブン侯には他の貴族への説得に回ってもらうことになりました。お兄様も納得されましたし、後はゴミを処理するだけです」
「蒼の薔薇はどうするんです?いてもいなくても変わりませんけど」
「彼女たちには合流し次第、住民の避難に協力してもらおうかと思ってます。後は、手が空き次第、王都にある他の八本指の拠点を襲撃してもらおうかなと」
「ほぼほぼ鮮血騎士たちだけで十分だと思いますけど、仮にもアダマンタイトですし、役に立たない訳ありませんからね」
改めて戦力差を考えると圧倒的ですね。
王国は数こそいるものの、質が悪い兵士や騎士。裏社会最強の"六腕"に八本指の配下たち。
それに比べてこちらは、騎士団一軍総勢一万に加え、万が一に備えて神殿勢力から高位の神官含む神官達に、最精鋭である私の鮮血騎士たち。また、ここにレエブン侯の親衛隊に蒼の薔薇が加わり、極め付きに私がいます。
正直やりすぎな気もしますが、これぐらい圧倒的な戦力で叩き潰さないと、王国の民からの信頼を勝ち取れないと思うんですよね。
まあ、この辺りはラナーとザナックがどうにかする予定なので任せてしまいましょう。
「それで、王都への移動に関してですけど」
「ああ、それについてはもう決まってます」
「え?」
「実は──」
私はもうウッキウキで
ジルクニフなら却下していたでしょうけど、ラナーならOKしてくれると信じてますから!
一通り話し合えると、ラナーが一度深呼吸しました。
背景に一瞬宇宙が見えた気がするのはきっと気のせいでしょう。
「なるほど……分かりました。後は私やお兄様、レエブン侯で指示を出せば、ある程度の不備は解消出来るかと。
それでなんですけど……クライムはどうするのですか?」
ここでクライムの事を話題に出すのは、ある意味でこの作戦が一番手柄を挙げられる場面だからですね。私がどうクライムに手柄を挙げさせるのかを気にしているんですね。
「ティラが潜入して得た情報によれば、バルブロが王に即位した記念パーティのようなものが開催されるそうで、八本指の手がかかった貴族の大部分が集まるそうです。
それに加えて、八本指の長達も堂々と王城で会議を行う予定だとも。
なので王城へ襲撃した際に、貴族達はともかく八本指の長達は間違いなく真っ先に逃げ出します。
逃げる場所は──
「──なるほど、そういうことですか」
ラナーがデミウルゴスみたいな事言ってます。
ということは、全て理解してくれたでしょう。安心ですね。
「そういうことです。なのでクライムに関しては先に──」
「分かりました。そのように伝えておきますね。
そして、これが終われば──」
「ええ、貴女の願いを叶える土壌は整うことになります」
もうラナーが待ちきれないとばかりに眼を──アイドルみたいに輝かせてますね。
夢が叶う直前でもありますし、そうなっても仕方ないですね。
「後はラナー次第です。あの部屋にしばらく呼んでまぐわうのも自由になりますが、あまり情事に耽りすぎないでくださいね?」
「当然です!ああ、でも何からしようかしら?まずは初めての交換から──」
完全に自分の世界に入ってしまいましたね。もう表情がだらしない笑みになってるんですよ。ほら、口から涎が垂れてる……。
「ラナー? ラナー? おーい、空想に耽るのもいいんですけど、そろそろ戻ってきてください」
「……お恥ずかしいところをお見せしました」
ホントですよ。中々見られない表情が見れた点については、ファン冥利に尽きますが、正直イメージぶっ壊れましたね、はい。
でも、原作書籍十四巻のあの表情程の衝撃とまではいきませんでしたね。
アレはちょっと震え上がりましたね。ブラクラを思わせると言うか何というか……。
「ところで、その時になったら是非ご一緒しませんか?」
「へ?何でです?」
「いえ、どうせなら三人で初めてを交換し合うのも──」
「ラナー、貴女疲れてるんですよ。そろそろ休みましょう?」
何が悲しくてクライムとラナーの三人でベッドインしないといけないんですか……。
元は男ですから、そういうことに興味がないのかと言われれば、二人の情事に興味がないことはないですけど、そこに混ざれというのは……。
本人ラナー公認みたいですけど、見る人によってはカップリングに間男打っ込む暴挙ですからね?地雷案件でしょう。
と言うか、何で突然そんなこと言い出したのか……。
やはり、仕事を振り分け過ぎたせいですかね。仕事減らしてあげたいのは山々なんですけどねぇ……。彼女の代わりはジルクニフぐらいしかいないので……。
そんな事を考えながら、今日はラナーと寝所を共にする日なので、仲睦まじく(?)就寝しました。
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リ・エスティーゼ王国
この日、バルブロ王子が正式に王に即位した事を示すための式典が行われた。
国民達は歓声を上げたものの、その声音には希望や期待といったものは感じられず、覇気がないものだった。
それもそのはず。王国は──特に王都は八本指や貴族達の横暴な振る舞いや悪政により国民達は疲弊し切っており、王が変わったところで何が変わるわけでもなく、反乱を起こす余力すらなかった。
そんなことも露知らず、王になったバルブロは自室になった──かつてはランポッサ三世が使っていた部屋で、酒を楽しんでいた。
(やっとだ。やっと俺は王になれたんだ!)
王になったという満足感がバルブロを満たす。今日ほど心躍った日はないだろう。
──あの日、八本指からの接触を受け、王位を簒奪するという提案を受け、確実に王になれるというただ一点のメリットを飲み、クーデターを起こした。
父と弟、そして忌々しい平民である王国戦士長ガゼフも仕留められたと報告を受け、最早己の覇道を阻むものは王国内に何もないと言えた。
父は頑なに俺を認めなかった。
弟は憎く、そして目障りだった。
戦士長は平民の分際で、この王宮を闊歩していた。
全員、自業自得だ。ざまあみろ。俺は全員殺して、王位を掴んだのだ!
協力者である八本指からは見返りを求められると思ったが、意外にも俺の側に仕えさせてくれればそれでいいと奴らは言った。欲のない奴らだと思ったが、有能なことに変わりはない。俺の力になるのであれば、まあ多少目溢ししてやってもいいだろう。
この後は即位した記念のパーティーが開かれる。多くの貴族が、俺の即位を祝い、忠誠を誓う場所だ。
この場も八本指が全て準備を整えたと言う。働き者の部下を持つことが出来て気分がいい。
なんだったら働きに応じて貴族位をくれてやってもいいかもしれない。
「失礼します、バルブロ王。準備が整いましたので、どうぞ」
「そうか!」
ああ、気分が良い。今日は最良の日に違いない。
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ロ・レンテ城の会議室。ここはかつて、王と貴族とで国の方針を決めるべく、幾度となく答弁が行われていた場所だったが、今から行われるのは同じようで全く異なる会議だ。
そこに集まった九人──八本指の各部門の長と議長が席に着いた。
各々が自らの護衛を背後に控えさせていて、それぞれが王国でも有数の実力を持っていることが見て取れる。
中でも、八本指の警備部門の長である"闘鬼"ゼロは別格の強さを持っているが、今の彼はこの八本指でも急成長した部門と言える。
先日のクーデターで活躍したエルヤー・ウズルスを始め、帝国から流れ着いた多くの
バハルス帝国は冒険者、請負人の仕事の大部分を占めるモンスターの討伐を騎士団だけで補えるほどの勢力を抱えており、最早冒険者組合は最低限しか機能していないと言える。
それにより仕事を失った冒険者はいくつかの選択を強いられた。
生活の安定を求め騎士団を目指すか。
それとも故郷に戻って畑を耕したりする生活に戻るか。
魔法学校に入学して教養を身につけ文官を目指すか。
帝国を離れ、他国の冒険者組合にホームを移すか。
請負人となり、大金を稼ぐか。
元々帝国に多かった請負人達は、悪行を許さないとされる粛清騎士を恐れ他国に移動するか、引退して元の生活に戻る者が多かったが、ゼロはこれを利用して請負人達を取り込み、一気に勢力を拡大させた。
結果として帝国の情報を得ることも出来たので、今のゼロの立場は八本指でも一つ頭が抜けていると言っても過言ではないだろう。
とはいえ、八本指も一枚岩ではないので他部門からの妨害を警戒する必要があるが、現状それはないと判断出来る。
──リ・エスティーゼ王国の完全支配。
裏を支配していた八本指が王国の混乱に乗じて、バルブロ王子を唆しクーデターを成功させた事により、八本指が手を出せる場所が一気に広がった。
それにより、各部門での仕事が増えることが確実になったため、一度示し合わせをするべく今回の会議が開かれたのだった。
「ヒルマ、あの王子──いや、王のご機嫌取りはどうだ?」
「問題ないよ。目の前に美味しい餌をぶら下げてあげれば、喜んで飛びついてくる。後はその内薬を盛って、女を使って操り人形にしてやればいい」
麻薬部門の長であるヒルマ・シュグネウスは元高級娼婦だ。男の扱い方に関しては理解しており、その経験を活かして相手を欲望の海に溺れさせることなど造作もない。
「そうか。お前が一番肝心な部分を担っているんだ。失敗は許されないぞ?」
「分かってるよ。だから邪魔だけはしないでほしいね」
「安心しろ。なんだったら六腕を常に控えさせてやる」
「それで私からふんだくろうって魂胆かい?要らないよ」
目論見を見抜かれたからか、ゼロはその後は何も言わず目を閉じた。
「あら、そうしたら私の方に力を貸してほしいわ」
発言者は奴隷売買部門の長であるアンペティフ・コッコドールだ。
彼もこの事態に乗じて大きな力を手に入れようと画策していた。
「最近六腕になったっていう彼、出来れば貸してほしいのよ」
「ほう?」
「エルヤー・ウズルスだったかしら?彼の連れてるエルフの奴隷、かなり便利だって聞いたのよん。だから、裏ルートで大量に仕入れようと思っているの。
多分、彼も売り場には詳しいと思うから」
「なるほどな。いいだろう。だが……」
「分かってるわよん!取り分はちゃんと支払うわん」
こうして王国の闇はますますその力を増し、王国そのものを飲み込まんとばかりに膨らもうとしていた。
しかし──
ドオオオオオオンッ!!!!
「!?」
「な、なんだ!?」
「……襲撃か?今更?」
その闇は轟音を合図に、鮮血帝の剣によって祓われることになることを彼らはまだ知らない──。
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案内された会場には、既に多くの貴族が集っているようだった。
この場に義父であるボウロロープ侯がいないことが惜しまれるが、近々息子が当主を引き継ぐというらしい。亡き義父も安心出来るだろう。
「皆様、これよりリ・エスティーゼ王国の王に即位された、バルブロ・アンドレアン・イエルド・ライル・ヴァイセルフ様が御入場されます」
扉が開けば、煌びやかな光景が目に映る。普段使われる時と差異はないはずだが……。
(ああ、そうか。俺が王になったからか)
王になるとどうも見える世界も変わるらしい。父も同じ世界を見ていたのだろうか?
──いや、違うな。父と俺では違う世界を見ているはずだ。
なにせ、俺は父を超えるのだから。
そのための策は色々考えてある。手始めに冒険者共を徴兵し帝国へと攻め込むのだ。
あの戦争では粛清騎士とかいう身分も不確かな奴に大敗したようだが、それは兵の質が悪かったせいだ。
あのクーデターの時に、あのガゼフ・ストロノーフも腕のいい戦士と何名かのエルフに囲まれ倒されたと聞く。
ならば、一般の兵より強いとされる冒険者を徴兵出来れば、王国の軍事力はグンと上がるだろう。
それと、エルフだったか。王国ではあまり見ないが、アレは法国で取り扱われている奴隷が多いと言う。八本指にその手の伝手を持つ奴がいたから、そいつに集めさせて部隊を作るのもいいかもしれんな。
思案を巡らせ、これからの王国を思い描く。それは素晴らしい光景になるはずで──
ドオオオオオオンッ!!!!
「なっ、なんだ!?何事だ!?」
突如鳴り響く轟音。それは会場の壁、天井を崩しながら現れた。
──それは人では敵わない存在だった。
人となど比べるまでもなく、大きな姿をしていた。
見える首は長く、規則正しく揃った鱗がアイスブルーの輝きを放つ。
顔や腕には冒険者が身につけるような防具が特別に作られたのか、本来ならば身につけていないであろうそれを纏っている。
そして、極めつきは翼だ。人には無い、空を駆るための大きな翼。
──このロ・レンテ城にドラゴンが突撃してきたのだ。
あまりにも突然の事態に誰も動けない。声を上げることもできない。
やがて、突撃された際に生じた煙が晴れ──
「し、死ぬかと思った。死ぬかと思った」
「だから大丈夫だって何度も言ったじゃないですか」
「そう思えなかったんだ!インパクト重視だとしても勘弁してくれ!!」
ドラゴンだけでなく、人影が複数現れた。
全員が血を思わせるような──一人を除いて──真っ赤な鎧を着けている。
「さて、初めまして王国貴族の皆様方。
私は粛清騎士。王国より割譲されたエ・ランテルを治めています。
今日この場に来た理由は──我が領土に亡命して来たザナック殿下にお力添えするためです。
これより──革命を起こします」
リ・エスティーゼ王国最後の日が始まる。
アレーティア
ドラゴンライダーダイブ!
待望のドラゴンライダーに成っている。その為、突入時に若干のバフが掛かっている。
日に日にラナーのイメージが崩れていくのが悩み。
ラナー
もうすぐ願いが叶う元王女様!
初夜からそういうプレイをしようとする辺り、中々にふしだらな女でもある。
初めての交換会では何を交換する気だったのか……。
だらしない顔は四期のリリネットみたいな感じだけど、あそこまでは酷くない。
バルブロ
王になった。ただそれだけ。
八本指
勢力的には大分強化されている。朱の雫、蒼の薔薇だけではどうにもできないぐらいの影響力は持った。
ザナック
被害者。無理矢理サフォロンに乗せられて急降下ダイブジェットコースターを体験して死ぬかと思った。
感想や高評価などいただけると、生きる活力になりますので、どうぞよろしくお願いします。