転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

53 / 112

更新遅れました。
単純に忙しかったのと、しばらく読む専してました。
後、最近この小説を書くキッカケになった作品が久々に更新されたので感無量でした。私も頑張らないと。

今更ながら、五十話超えていたんですね。
逆に言えば五十話書いてるのにまだ原作に合流していないと言う……。
あと少し!あと少しだから!


……多分。



王国の長い夜 その1 〜対峙する最強と最強〜

 

 

 どうも、アレーティアです。

 いやー、念願叶ってドラゴンライダー……もとい、竜騎士ごっこが出来て感無量ですね!エ・ランテルから飛んできた甲斐がありました。

 

 サフォロンの背に鮮血騎士であるアセロラに元奴隷エルフ達。そして、ガゼフにザナックを乗せて突撃しました。

 ドラゴンに乗って襲撃なんて、元でも男心を刺激する一大イベント。興奮しないわけがありません。

 ガゼフは乗り気でしたけど、ザナックはそうではなかったのが不思議でなりませんね。それでも乗せましたけど。

 

 他の鮮血騎士や帝国騎士達は〈転移門(ゲート)〉で既に王都に忍ばせてあります。魔力めっちゃ使いましたが生まれながらの異能(タレント)で回復出来たのでチャラです。

 確か魔力は基本的には自然回復しかしない……なんてシステムがユグドラシルにはあった気がしますが、私はプレイヤーではないのできっと当てはまらないのでしょう。

 

 それと同時期にレエブン侯が他の元王派閥でもあった有力貴族達をまとめ上げ、王都を包囲する手筈になっている……とラナーが言っていましたね。

 ここで帝国の手勢だけが手柄を挙げてしまえば、王国貴族達は何もしなかったから領地没収……なんて脅しをかけたとか。

 王国貴族からしたら、王国の民でもない者に王国を好きにされてたまるかと奮起しました。何もしなければただの腰抜けに成り下がりますからね。

 それに、今回レエブン侯が声をかけたのは間違いなく優秀な──恐らく原作十四巻でも生き残った──貴族達です。ちゃんと仕事をしてくれれば領地も爵位もそのままにすると約束しているみたいです。

 

 思えばレエブン侯には滅茶苦茶警戒されましたね。

 なんせ化け物(ラナー)化け物()が手を組んでいる訳ですから。何を企んでいるのかと。

 なので、ちゃんと話し合いをして蟠りは無くなったと……いいなぁ。

 いや、ラナーがレエブン侯の大事な大事なリーたんを人質にだなんてそんな……ははは。

 

 

 さて、そろそろ目の前に話を向けましょうか。

 目の前にあるのはバルブロに逃げ惑う王国貴族(粗大ごみ)

 私の後ろにはサフォロンと鮮血騎士とガゼフ。

 隣にはダイエットに成功して凛々しくなったものの、ドラゴンライダーダイブの影響で泣きが入っているザナック。

 中々に愉快な場面ですね。

 

「革命だと……!?」

 

 バルブロが理解出来ないとばかりに狼狽えているのが見えますね。

 ほら、ザナック。貴方の出番ですよ。え?心が落ち着かない?仕方ないですねぇ。〈獅子のごとき心(ライオンズ・ハート)〉使ってあげますから、頑張ってくださいな。

 

「お久しぶりです兄上。いや、バルブロ陛下とお呼びするのが正しいですか」

 

「き、貴様、ザナックか!?生きていたのか!?」

 

「生きていたのは私だけではありませんよ。この通り、ストロノーフ戦士長も存命です」

 

 そう言えばガゼフは鮮血騎士達と同じ鎧を着ています。剣もレイザーエッジ程ではありませんが、私が打った剣を渡しているのでそれなりに強化されたはずです。

 私の見立てなら指輪の力込みならブレインと互角でしょうか?

 

「なんだと!?クソッ、話が違うではないか!!

 ……だがまあいい。俺は王になったのだからな。

 そして、アルス・ティアーズだったか。お前達の行為は立派な侵略行為に他ならない!あの戦争で交わした契約には『王国への侵攻を禁ずる』というものがあったはずだ!それを無視したこのような暴挙!許されるはずがない!」

 

 バルブロの演説(笑)に合わせて他のこの場に残った貴族達も何やらギャーギャー言ってますが気にしていません。だってこの契約って……

 

「ええ、その通りですね。しかしながら──その項目は私とガゼフ・ストロノーフとの間で交わされた決闘の決まりでして

 

「……は?」

 

「なので今の王国にはガゼフ・ストロノーフがいないので、それを守る義理がないんですよ。記録に書いてませんか?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()──とか」

 

 多分、交渉の記録にも残っていないでしょうね。あれだけの惨敗を喫して、せめてもの希望のために、帝国が王国への侵攻はしないと言った私の言葉だけを都合よく解釈したんでしょう。

 まあ、ガゼフがいてもいなくてもアプローチの仕方が変わるだけなんで、結果は変わらないんですけどね!

 

「つまるところ──あなた方が毛嫌いしていたガゼフ・ストロノーフは、王国を帝国の侵攻から防ぐ城壁という役割を果たしていたんですよ。

 それを理解せずにクーデターを起こして王位を簒奪……実におめでたいですね」

 

 嘲笑と共に拍手してあげます。まあ笑っても私の目元はバイザーが覆っているので口元しか見えないでしょうが。

 お、煽られたのが分かったのか顔を真っ赤にしていますね。すぐに真っ青にしてやります。

 

「兄上、終わりです。貴方に王国は任せられない」

 

「何を言うかと思えば!舐めるなよ!確かにドラゴンは恐ろしい存在だろう!だが──こちらも戦力を隠していたのだから!」

 

 すると、会場に武装した兵達──いや、アレは兵ではありませんね。八本指の手勢です。それが会場に流れ込んできました。

 全員そこそこの強さはあるみたいですが、騎士団の方が上です。

 むしろ六腕がいないのが謎ですね。拠点でも守っているんでしょうか?

 

「〈転移門(ゲート)〉」

 

 私の前方に転移門を開けば、四騎士候補の精鋭騎士を筆頭に帝国一軍の騎士達が現れます。

 これにはバルブロも驚いたのか冷や汗をかいています。顔も青白くなってきていますね。よしよし。

 

「帝国騎士団、鮮血騎士に命ずる!これは戦争にあらず。狂った王国を救うための聖戦と知れ!愚王バルブロと八本指、それに連なるものに鉄槌を下せ!」

 

「「「おおおおおおッ!!!」」」

 

「なんのこれしき……!迎え撃て!生かして返すな!!」

 

 強気なこと言いながら逃げる準備してるんじゃありませんよ。情けない。

 とりあえず、この合図を機にバルブロ率いる八本指とザナック率いる革命軍withバハルス帝国の戦いが幕を開けました。

 

「ではアセロラ。これより貴方がこの場のリーダーとなり、王城をくまなく探し、捕えられている者や奴隷がいないか探してきなさい。

 それと、()()()()()()()()()()──」

 

「承知しました。あの男に関しては特に念入りに地獄を見せてやります」

 

 これでよし。アセロラ率いる鮮血エルフ騎士達は八本指の手勢をものともせず、会場を後にしました。

 ザナックとガゼフは……。

 

「辺境侯、私は兄を追います。ただ一つお願いしたいことが……」

 

「バルブロを殺さず捕えることですか?それなら構いませんよ。

 今回の一件、革命を成功させて終わる話ではありませんからね。ケジメをつける人間が必要です」

 

 元から今は殺す気はなかったので丁度いいです。

 この一件が終わったら、公開処刑するつもりなので。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「後、可能であれば宝物庫の確認を。どさくさに紛れて盗んで逃げようとする愚か者がいるかもしれませんから。それ以前に既に引き出されてる可能性もありますが」

 

「今の兄ならそうなっていてもおかしくありませんね……。では、そちらには戦士団を幾人か向かわせるとします。では、いくぞ戦士長」

 

「ははっ。粛清騎士殿、ご武運を」

 

 ガゼフも転移してきた戦士団と合流し、バルブロを追っていきました。

 今の彼らならザナックを任せても大丈夫でしょう。ガゼフもまだ甘いとはいえ英雄の領域には入門しましたし。

 

「サフォロンは上空で待機。指示はラナーから届くはずなのでそれに従ってください」

 

「わっかりましたぁ!!」

 

 サフォロンも元気いっぱいに飛んでいきました。

 流石にサフォロンを暴れさせるような真似はしません。正直サフォロン一匹でも十分すぎる気もしますが、あくまで帝国はドラゴンをも従えているという事実をアピールしているだけですので。

 スレイン法国辺りが色々口出ししてきそうな気がしますからね。

 

「さて、私も動くとしますか──」

 

『残念だが、そうはいかないよ』

 

 

 

 は?私の後ろに誰かいる?

 ──まさか!?

 

 

『ついてきてもらうよ、世界移動』

 

 

 

 ○

 

 ○

 

 ○

 

 

 

 時は少し遡る。

 ツアーとアズスは王国郊外から遠見の魔法で、これからやって来るであろう粛清騎士を警戒していた……のだが、予想外の事態が起きていた。

 

「おいおいおいおい!ドラゴンに乗って堂々と襲撃してくるとは聞いてねえぞ……!?」

 

『まさか霜の竜(フロスト・ドラゴン)を従えているとはね。過去にドラゴンを従えていた"ぷれいやー"はいたが、この世界の出身でそれを成し遂げた人物を見たのは初めてだよ』

 

 アズスとツアーの予想では、粛清騎士は軍を率いて堂々と王都に攻め込むか、転移して襲撃するかのどちらかだと考えていた。

 だが蓋を開けてみれば、既に軍は王都全域に転移しており、王都を包囲するように王国軍が配備されている上、目的の粛清騎士は凄まじいまでのスピードでドラゴンを駆り、王城に突撃するとは思ってもいなかった。

 これでは粛清騎士を分断するのは困難だろう。

 

「どうする……?」

 

『約束通り機を見て粛清騎士は抑えるよ。君は君のすべきことをするといい』

 

「……すまないなツアー」

 

 

 

 

 

 そして、現在。

 粛清騎士が一人になったタイミングを見計らい後方へと転移し、不意をつき、そのまま王都郊外へと転移させた。

 遂に対峙した。この世界における異分子(イレギュラー)に。

 見れば目元こそ見えないが、驚愕した表情を浮かべている。

 

『世界断絶障壁』

 

 始源の魔法による大結界。これによって粛清騎士は世界の守り──世界級(ワールド)アイテムを所持していなければ、この場から逃れることは出来ない。

 つまり、彼女が王国との一件に手を出すことは、この鎧(ツアー)が敗れない限り不可能となった。

 

「これは──」

 

『この結界からは逃れられない。すまないね、出来ればこのまま大人しくしてもらえると助かるんだが……』

 

 これは本心だ。彼女はあの八欲王に連なる血筋の持ち主ではあるが、他の竜王は兎も角、ツアーとしては味方につけることが出来れば心強いと思っていた。

 なので、手荒なことをしてしまったことをまず詫び、そこから対話する流れに持っていこうとしていた……のだが。

 

「……〈魔法最強化(マキシマイズマジック)隕石落下(メテオフォール)〉」

 

『──なっ!?』

 

 粛清騎士が発動した魔法は、かつての"ぷれいやー"も使っていた第十位階魔法に相違なかった。

 それを躊躇いもなく使い、隕石が結界と衝突する。

 凄まじいまでの轟音が周囲一帯に鳴り響き、隕石は結界を破ることなく砕け散った。

 

「──チッ、魔法も弾くのか。原作にはそんなこと書いてなかったよな……」

 

 憎々しげに呟いた粛清騎士はこちらに向き直り、何かを呟くと身に纏う装備が変わっていた。

 顔を隠すバイザーは取り払われその相貌──王の相とも呼ばれる左右で異なる色の瞳が頭部を覆う兜と共にこちらを見据えている。

 鎧も際ほど着けていた鎧よりも魔法の力が込められた鎧が、指には指輪が。どれもこれもが明らかにこの世界で作られた物でないと思える程の魔力を秘めている。

 そして、両手に握る青と赤の双剣はかつて見たことがあるルーン文字が刻まれており、ツアーから見ても中々の代物だ。あれらはユグドラシルのアイテムなのか?と考察はしつつ、交戦の意思がないことを告げようと──

 

「私が大人しく殺されるとでも思ったか、白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)?」

 

『なっ──』

(何故知っている!?まさかインベルンの娘が話したのか!?)

 

 困惑するツアーを置き去りに粛清騎士は言葉を続ける。

 

「法国と言い、遂には貴方まで私を殺しに来るとか……あのクソ親父相当やらかしたんだな……。私自身恨まれるようなことした覚えがないっていうのに。

 まあ──全部返り討ちにするけど

 

 すると、粛清騎士の姿が二つになる。

 新たに現れた粛清騎士は造られた存在故か装備や肌、髪や目に至るまで全てが白く染まっていた。

 

 これはツアーも知らない。かつて戦った"ぷれいやー"に、このような能力を使う相手はいなかった。

 

「〈死せる勇者の魂(エインヘリアル)〉。

 行きますよ、昔手を抜いて死にかけたことがあったんで、出し惜しみは無しです」

 

『待っ──』

 

 エインヘリアルと呼ばれた白き虚像がツアーに向け接近し、すかさずそれを浮遊する武器の一つである大剣で受け止める──が、あまりに重いその双剣の二振りによる一撃は大剣を弾き飛ばし、そのまま鎧にダメージを与えた。

 

『ぐぅ……ッ』

 

 そのまま防御する暇も与えないとばかりに白き虚像はツアーに肉薄する。浮遊する武器を二つ手に取り、なんとか応戦するも手数の速さはどうやら虚像の方が上の様で耐え忍ぶのが精一杯だ。

 

 そして──ツアーの目に信じられない現象が映る。

 

 後方に待機している粛清騎士を中心に、ドーム状に魔法陣が幾つも展開され、常に形を変えて渦巻いている。

 これはツアーも知っている。恐らく、かつての戦いで"ぷれいやー"と戦った真なる竜王ならば誰もが知っている──この地では第十一位階魔法と呼ばれているそれを、粛清騎士は発動していた。

 

(まさか彼女は"ぷれいやー"なのか!?いや、そんなことは──)

 

 そんな思考がツアーの頭をよぎるが、それはあり得ない。

 何故なら彼女の出生は知っているからだ。忌まわしき八欲王の孫に当たる彼女はエイヴァーシャー大森林にいるエルフ王より血は薄いはず。

 それに"ぷれいやー"の血を引いて、神人としての力を発揮する者は数あれど、第十一位階に至った者は過去一人としていなかった。

 

 だが、そのツアーの知識を、記憶を嘲笑うが如き存在が目の前にいる。

 

「〈天上の剣(ソード・オブ・ダモクレス)〉は世界断絶障壁に通じないでしょうから、こちらで確実に貴方を倒します」

 

 白い虚像による足止めをツアーは掻い潜ることが出来ず、第十一位階魔法──超位魔法の発動を許してしまう。

 同時にツアーは深く後悔した。接触の仕方を間違えた、と。

 

 

 

「超位魔法───

 

 

 

指輪の戦乙女たち(ニーベルン・Ⅰ)〉」

 

 

 

 





アレーティア
ツアーが十四巻の如く殺しに来たと勘違い。初手隕石はご愛嬌。
ザイトルクワエ戦の反省から、もう油断はしないと〈死せる勇者の魂(エインヘリアル)〉+〈指輪の戦乙女たち(ニーベルン・Ⅰ)〉とか言うアインズ様も真っ青な鬼コンボを叩き込んだ。
指輪の戦乙女たち(ニーベルン・Ⅰ)〉については次の戦闘描写で詳しく。
ちなみにキャラクター紹介で伏せられていた職業はワルキューレ/オールマイティ。武器特化していないのでシャルティア等には劣る。
この日のタレントの使用残数は二回。

最近思ったのは攻撃手段と言うか、とりま〈隕石落下〉使う辺りONE PIECEの藤虎とどっこいどっこいなんじゃないかと訝しむ作者(笑)

ツアー
鎧で参戦。完全にタイミングが悪かったし、世界断絶障壁を使ってしまったのが運の尽き。〈次元封鎖〉なら許されてた。
本人に交戦意思はなく、隔離した上で話し合いをしようとしていたものの、完全に裏目に出た。
正体まで見破られた上にプレイヤーじゃないのに超位魔法使ってくるアレーティア相手に軽くパニックに陥っている。
アレーティアの存在が情報の暴力過ぎる。
この後アレーティア+エインヘリアル+〈指輪の戦乙女たち(ニーベルン・Ⅰ)〉を相手にするとか言うクソゲーが始まる。

キュアイーラムvs鈴木悟戦とどっちがマシだろうか……。

余談ではありますが、世界断絶障壁さえ使わなければ話し合いはしてくれたアレーティア。


世界断絶障壁
原作に結界外の魔法がどうなるかは明記されていなかったので、内部、外部からの魔法も断絶すると言う設定にしました。
鳥カゴより多分マシ。

感想、高評価いただけると大変励みになりますので、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。