転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
最近11年ほど続けていたアプリがサービス終了しました。
最期の瞬間までログインしていましたがそのアプリの世界には転生出来ませんでした。当たり前ですね(笑)
今回死ぬほど難産でした。 原作キャラ再現出来てるといいな……。解釈違いなどあったらすいません。
さて、状況を整理しましょう。
現在、ログハウスにて私は武装解除をした状態で手錠をされています。
それを見たモモンガ──アインズ様は仮面で顔が見えませんが「えっ?」って言葉が漏れています。 おい支配者ムーブはどうしたんだ。これぐらいのことで動揺してたらこれから先やっていけないぞアインズ様。
同時に、恐らくアインズ様の身辺を警護するためにセバスに加えてアルベド、コキュートスまで来ています。 流石にこの時点ではヴィクティムまでは連れて来ない様ですね。第八階層は色々と物騒らしいので、転移したばかりでいきなり動かすことは出来なかっただけかもしれませんが。
「お待たせしてしまい申し訳ない。 私がこのナザリックを支配する者──アインズ・ウール・ゴウンだ」
「………」
「……どうされましたか?」
「いえ、セバスさんからはこの墳墓を治めているのは『モモンガ』様と聞いていたので……代理の方でしょうか?」
あ、アインズ様が固まってしまいました。 多分、セバスも主人の自己紹介を終えていたことを報告していなかったんじゃないですかね? ましてやこの時点でアインズ・ウール・ゴウンを名乗るだなんて思ってもいなかったでしょう。見事なすれ違いですね!
アインズ様の後ろで近衛として来ているだろうセバスがばつの悪い顔をしています。そりゃそうでしょう。
アルベドはセバスを睨みつけて「何モモンガ様に恥かかせてくれてるんだコラ」みたいな顔してます。 怒った時のラナーと同じぐらい怖いんですけど。
コキュートスは……よく分かりません。だって表情が変わらないんですもん。
「……ああいや、そういうわけではないのです。 確かに私の名はモモンガと言いますが、このアインズ・ウール・ゴウンという名は……このナザリック地下大墳墓を共に築き上げた全員を指す名前なのです。
つまるところ──アインズ・ウール・ゴウンこそが、このナザリックを統べる者として相応しいと思い、そう名乗らせていただいたのです」
……なるほど。流れこそ違いますが、概ね原作通りですね。 カルネ村で名乗りを上げた時もこんな感じだったと思います。
「そういうことなのですね。分かりました。
私はアレーティアと申します。この地──エ・ランテル近郊をバハルス帝国皇帝陛下より賜り治めている者です。此処に来たのは何もなかった草原に突如現れたこの墳墓の偵察に来ていました。その時の話はセバスさんからお聞きになっているとは思います。
……ところで私はモモンガ様、アインズ・ウール・ゴウン様、どちらの名前でお呼びすれば良いのでしょう?」
多分モモンガ呼びはアルベドがブチ切れますよね……。 EDの和訳がかなりヤンデレしてるって話でしたし。
「ではアインズ・ウール・ゴウンでは長いのでアインズと呼んでくださいアレーティア殿」
「分かりました、ではアインズ様と呼ばせていただきますね。 それでは早速話を──」
「その前にセバス、アレーティア殿の手錠を外せ」
「ア、アインズ・ウール・ゴウン様!?それは──」
「お前たちもアインズで構わん。 お前たちの言いたいことも分かるが……ここは話し合いの場だ。
アレーティア殿は侵入者ではなく客人として扱う。そうなると、場においてアレーティア殿が拘束を受けたままというのはな……」
アルベドが抗議の声を上げましたが、アインズ様によって諌められました。 意図としてはこの世界がユグドラシルではないことはセバスの報告によって把握している中で、初めて接触した私を拷問、尋問するよりも友好関係を築いた方が利になると判断したからでしょうか? 序盤の内はかなり──いや、元々慎重なアインズ様ですから、あまり敵を作りたくないというのもありそうですけど。
「……アインズ様がそう仰るのであれば。 セバス、御客人の手錠を外して差し上げて。 ただ、武装の方は話し合いが終わり次第……ということで構いませんね?」
「ええ、それで皆様が納得していただけるのなら勿論構いません。」
現状武装を取り戻したところで、アインズ様、アルベド、コキュートス、セバス、ナーベラルの四人を相手にして勝てるとは全く思いませんからね。ナーベラル以外全員レベル百ですし、装備も私より上のものばかりです。
……
「承知しました。 では、失礼します」
手錠が外されて腕が自由になりました。
前世でも経験したことのない体験をしただけに、罪を償って出所した人間の気持ちが僅かに理解出来た気がします。 実際、留置所で手錠が掛けられたままなんてことはないんですけどね。多分。
「ありがとうございます。 ではまずこちらをご覧ください」
そう言って私が取り出したのは自作の地図です。帝国全土ではなく、あくまでエ・ランテル周辺のですが。 流石に帝国全土の地図をいきなり見せる訳にはいかないので、最初はこの周辺だけでも分かればナザリックにとっては十分な収穫でしょう。
「この地図の中心にあるのが私の治める城塞都市エ・ランテルです。
ここから……この墳墓があるのが大体この辺りになります。少し離れた場所にトブの大森林、更に北にあるのがアゼルリシア山脈で──」
大雑把に周辺地理を説明し終え、ふぅと息を吐き一仕事終えた気分になりました。
少なくとも周りにこちらを警戒している守護者たちがいるので緊張しました。 下手なことをしてなければいいんですけど。
「それでなんですけど、この墳墓がある場所には元々何もない平原だったはずです。 それなのに今日突然この墳墓が現れた……何か心当たりはありませんか?」
「……アインズ様を疑っているように聞こえるのだけど?」
「いえ、そのようなことは。 ただ、こうした情報は共有した方がよいと思ったので」
地雷を踏みぬきそうになりましたがセーフ!セーフです!!
「やめよアルベド。 正直なところ、我々にも原因が分かっていないのが現状です。 私たちの認識では墳墓の外は毒の沼地だったはずなのです。だというのに、外に調査に行かせたセバスからは見渡す限り草原が続いていると」
「なるほど、つまりこの墳墓ごと別の場所に転移してしまった──という認識で構いませんか?」
「そういうことになりますね。 ちなみにですが──『ユグドラシル』という言葉に聞き覚えはありませんか?」
──おお、まさかアインズ様から切り出してこようとは。 タイミングを窺って私から切り出すつもりでしたが丁度良かったです。
ここからは原作知識と
「ええ、知っていますよ。 ということは貴方達は『ユグドラシル』の世界から来たということですね?」
「……何故そう思ったのですか?」
「私の知り合いに『ユグドラシル』を知っている者がいるからです。 とある国の口伝では百年に一度、異世界から神が降臨するという伝承まで残っています」
「神……ですか?」
「その国では神と呼ばれているようですが、私の知り合いは"ぷれいやー"や"えぬぴーしー"と呼んでいましたね」
この言葉にアインズ様は明らかに動揺した様子が見受けられました。 転移したのが自分たちだけではないということを理解した上で、今後どうするべきかを考え始めているのでしょう。
確かこの頃──少し先だった気がしますが、アインズ様はかつての仲間の面影を残すNPCたちのために、プレイヤーの集まりがあるのなら仲間に入れてもらおうとしていたはずです。
それが逆にこうしてプレイヤー関連の情報を持つ相手と早々に遭遇できたのは運がいいと思うか、それとも話が出来すぎていると思うかのどちらかでしょう。
「……アレーティア殿、お聞きしたいのだが……その神と呼ばれる存在は今どうしているのでしょう?」
「私の知る限りですが、全ての神が姿を隠しています。 有名な名前では八欲王と六大神と呼ばれた方たちですね」
「ユグドラシルでは聞いたことがないな……。 ちなみにですが、我々は今後どういった扱いになるのでしょう? もしその八欲王、六大神という存在が私と同じ世界から転移してきたのなら──」
「そうですね、ではここで一つ警告を。 知り合いの話によれば降臨した"ぷれいやー"や"えぬぴーしー"はこの世界にとって味方になるか、敵になるかで分かれると言います。
前例を挙げるのならば八欲王は敵になり、六大神は味方になったというのが分かりやすいですね」
ここで六百年前に降臨し人類を救った六大神の話と、五百年前に降臨し世界を歪め悪逆の限りを尽くし大陸を支配して、最後は互いのものを奪い合って滅びた八欲王の話を語りました。
この話を聞いてアインズ様は何を思ったでしょう。世界征服なんて面白そうとか思わないでほしいんですが。
「つまり、今後の動向次第でどちらにもなりえるということです。
……この世界に生きる私としては是非とも我々と手を取り合って生きていただきたいのですが」
これは本音です。ナザリック地下大墳墓のNPCは大半がカルマ値がマイナスに偏っていますが、主人であるアインズ様はこの時点ではまだ『鈴木悟』という人間が占めています。 時期が経つにつれて──世界征服発言とシャルティアの洗脳を機に支配ムーブに移行しますが、現状そのどちらも起きていません。
なので自分たちがどの様な存在なのかを先に伝えることで、軽率な行動を慎んで貰えればそれだけで被害はグッと減るでしょう。
「……と、いきなりこんなことを言われても困ってしまいますよね」
「い、いえ、そんなことはないです。 ただ──幾つか懸念点が」
するとアインズ様は嫉妬マスクを外し──素顔である骨の顔を露わにしました。同時にガンドレッドも外し、肉の無い骨の腕までも。
「私はこの通りアンデッド……この場にいるアルベドは悪魔、コキュートスは見ての通り蟲人。他にもこのナザリックには人間以外の異形種が数多く存在します。 そんな我々が、受け入れられるものなのでしょうか?」
ああ、この質問は尤もですね。 ユグドラシルでは異形種は人間種のプレイヤーにPKされてもPK扱いにならず、忌み嫌われていたんでしたね。丁度いい経験値稼ぎにもなっていたとか。
それを嫌ったたっち・みーさんがアインズ様──モモンガを救い、集まった九人で立ち上げたのクランがアインズ・ウール・ゴウンの前身でしたね。
つまるところ、この世界でも異形種はそういった扱いをされるのではないかという懸念があるのを心配している様です。
しかしながら、私はそれに対する用意をしてきました。 私の領地であるエ・ランテル周辺の村々ではそれぞれ知性あるモンスターたち──トレントやドライアド、亜人に分類されるゴブリン 、オーガなどと共存に成功した村が幾つかあります。 お陰で十分以上の労働力を確保でき、豊かになる村が増えています。
これはアインズ様が原作でやろうとしていたことの先取りにはなりますが、共存出来るという証明にもなりえます。
「正直に言えば難しい話でもあります。 この世界では神が降臨するまでは人間は他の種族にとっての獲物でしかなかったそうです。それ故に全ての亜人やモンスターを排斥する人間至上主義を掲げている国もあります。
ただそれと同時に他種族と共存している国家もあります。 私が仕えているバハルス帝国では現在、ドワーフやエルフといった人間種からゴブリンやオーガ、クアゴア、ウォートロール、果てにはドラゴンまで共存出来る環境を整えるような政策をしており、その実験としてエ・ランテルをはじめ、他の村々でも共存に成功している実績があります。 勿論、まだまだ課題はありますが」
ここで私は一度言葉を切り、大勝負に出ます。 吉と出るか、凶と出るかは分かりませんが、このために私はこのエ・ランテルを発展させてきたのですから、臆してはいけません! いざ!
「百聞は一見にしかず、と言います。 よろしければ私がエ・ランテルとその村々を案内させていただきますが、如何でしょう? 護衛が必要ならばこちらで手配します」
さあ、どう来る!? 平静装ってますけど心臓バックバクです! 色良い返事をどうか……どうかッ!!
「……大変魅力的な提案です。 私としても、この世界をこの目で直に見てみたいと思っていたところです。 アレーティア殿、こちらからも是非ともお願いしたい」
……や、やったーーーーッ!!
勝った!第三部完ッ‼︎!
「お待ちください、アインズ様」
あ、あれ?風向きが変わった?
「その調査……我ら守護者も同行させていただけないでしょうか?」
………………え?
「理由を聞こう、アルベド」
「はい。 御客人の提案通り、この世界を知る意味でも領内を案内していただくまではいいのですが……アインズ様の安全が保証出来ません」
「セバスからアレーティア殿はお前たちに匹敵すると聞いているが、彼女が共をするのは不服か?」
あ、そんな報告まで受けていたんですね? 守護者と同等の実力評価をいただいていたみたいです。 となると、私のレベルは百なんでしょうか? 嬉しい反面、これで強さが打ち止めになるのは寂しくなりますね。もっと上を目指したかったんですが……ってこんなこと考えて現実逃避している場合じゃありません。 成り行きを見届けなければ。
「はい。 失礼ながらご客人とは初対面。アインズ様を任せられるほどの信用がありません。
御身の安全を考えるのであればせめて護衛として守護者か僕を共にお連れください。 守護者を最低一人、しもべであればレベル八十以上のものを複数選出します」
げぇっ!? 人数増やすの!?正直やめてほしいんですけど!?
百歩譲ってアウラ、マーレあたりならエルフだしなんとかなりますけど、これでシャルティアを連れて行くなんてことになったら、ヤバいことが起こりそうで嫌なんですけど!? 具体的には世界級アイテムに支配されそうで。
少しばかり抵抗を……。
「護衛なら私一人でも大丈夫だとは思いますけど……心配でしたらアルベドさんもご一緒にどうでしょう? それならアインズ様の安否もその場で確認出来ますし……」
「それは…………………そうね、素晴らしい案ね。アインズ様と二人で視察、これは最早デートなのでは?くふーっ!!」
あ、私情に流されましたね。やったぜ。
正直アルベドはデミウルゴス並みの知能を持つので遠慮したいんですけど──ああ、そうだ!アルベドの対応はラナーに任せましょう!それがいい! 天才には天才をぶつけるんです!そうすれば、私はアインズ様に専念出来ますから!
「では、決まりということで。 早速案内を──と思ったのですが、こんな時間です。 急な話でもありますし、一度日程を見合わせましょう。 アインズ様の予定は如何でしょう?」
「そうだな……ナザリックの設備や他にも確認したいことがあるのを考慮して……三日後の昼間はどうでしょう?」
「三日後ですね、承知しました。 その時になりましたらこの墳墓の方に迎えを出しますので、取次をお願いできますか?」
「分かりました。 ではこのログハウスにメイドを常駐させておきますので、そちらにお願いします」
こうして、話し合いは概ね穏やかに終わり、装備していたものも取り上げられることもなく普通に返してもらえました。 まあ、装備していたのはそこまでレア度の高くないものだったので警戒する必要もなかったかもしれませんが。
「見送りまでありがとうございます」
「いえ、お気になさらず。 しかし、ここからどうやって帰るのですか? 何もない平原ですし、街道もありませんが……」
「ああ、心配には及びません。
「え?」
今の私は戦士状態なので魔法は使えません。 もしかすると〈
なので文字通り跳んで帰ります。
「ではアインズ様。 三日後にまた会いましょう」
足に力を籠め──武技を併用し一気に地面を蹴り跳躍すればあら不思議! ナザリックが一気に小さくなり、かなりの距離を跳びました。その勢いで空気を蹴り、ある程度離れたところで魔法戦士化し転移の魔法でエ・ランテルへと帰還しました。
○
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○
「アレーティア様、こんな深夜に何処へ行かれていたのですか? ラナー様が怒っていましたよ」
「ああ、ルミリア。 明日から忙しくなりますよ──って、え?マジ?」
「はい。 今夜は子供はクライム殿が面倒を見てくれるから、久々に付き合ってくれるって言ったのに……と、笑顔で言っていたので間違いないかと。 アレーティア様、心当たりは──あるみたいだな」
「……ねえルミリア。 一緒に──「あら、旦那様?」 ひいっ!!」
恐る恐る後ろを振り返れば、そこには満面の笑みを浮かべたラナーの姿が。 満面の笑みを浮かべていますが騙されてはいけません。あれは割と本気で怒っている時の顔です。
「ねえ旦那様、アレーティア様? 私、約束していたはずなのだけれど」
「えっと、その、ラナー? 忘れてたわけじゃないんですよ?本当に。 ただ、そう、世界の命運がかかった戦いに乗じていただけで」
「……………」
「……すみませんでした」
「………まあ、いいですよ。
なんか察してくれたっぽいです。もしかして心まで読まれてるんじゃないですかね? 私がラナーに知恵で勝てるわけがないので素直に降参します。全面降伏です。
「く、詳しい話はこれからするんで助けてもらっていいですか?」
「ええ、勿論ですとも。 この生活を守るためですもの、クライムのため、貴女のため、私は全力を尽くしますよ」
本当にラナーを味方につけて良かったと心の底から思います。これからのことを思うと頼もしすぎます。
後は裏切ったりしないように願うしかありませんね。 要求は大体叶えているので不満は……無いといいな……結構仕事を押しつけている感はあるので、反省しなければいけません。
そんなことを考えながら、ラナーと一緒に私室へと向かっていくのでした。
アレーティア
結構必死だった。アルベドとデミウルゴスはある意味天敵。(作者にとっても)
パンドラズ・アクターは割と打ち解け合える気がしている。
ラナーとロクシーには頭が上がらなくなっている。でもジルクニフとツアーは振り回す。
モモンガ──アインズ様
原作主人公。アインズ・ウール・ゴウン……ううっ、素晴らしい響きだ。とは流石に言わない。
アレーティアを警戒しつつも、この世界の情勢などを知るために外に出る決心をした。
なお、最初に会った現地人がアレーティアというバグのため、またユグドラシルプレイヤーが存在するのがこの時点で確定したためかなり慎重に事を薦めようとしている。
アルベド
愛するモモンガとのデート(部外者多数有)が確定。
この後シャルティアを煽って喧嘩しそう(偏見)
書く前に原作を読み返して、くふーっ!って言わなくなったなと今更気づいた。
ラナー
子供が一人産まれた。相手は言わずもがな。 ジーニアスを有効活用して搾り取ってる。
それはそれとしてアレーティアとの時間も大切にしている。
アレーティアとの最後の会話から大体の事情を察した。
今年は後1、2回は更新出来たらなと思っています。
感想、高評価などいただけると励みになりますので、よろしくお願いします。