転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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エルデンリングやったり、書くにあたって調べ物したり、溜めてたアニメ一気見したり、マレニアにフルボッコにされたり、ファルムアズラの極悪さに苦しめられたり、色んな作品読んだりしてたら更新が遅れる始末。

でも、良いインスピレーションは受けています。
作品に反映出来たらいいなぁと思いつつ更新です。

今回はあとがきの設定解説が地味に過去最長です。



エ・ランテル観光その2 〜マリア・ローゼ・シーナ〜

 

 

 ナザリックへアインズ様を迎えに行ってから数時間、無事何事もなくエ・ランテルへと到着しました。

 

「あれが私の治めている城塞都市エ・ランテルになります」

 

「あれが……アルス殿、城壁に等間隔に設置されているあれは何でしょう?」

 

「あれは迎撃用のマジックアイテムですね。日に何度も使えませんが、周辺国家が攻めてきたところで返り討ちに出来るであろう想定で設置してあります。

 ──あ、アルベド様、一ついいでしょうか?」

 

「なんでしょうかアルス様」

 

「恐らく供回りでついてきている僕の方々にはここまでだと伝えていただきたいのですが」

 

 お、アルベドが固まってしまいましたね。多分見抜かれていているとは思わなかったんですかね?

 実はナザリックを出てからずーっと姿を隠しているナザリックの僕がいました。──名を八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)。ナザリック御用達の護衛モンスターですね。十五体ぐらいでしょうか? カサカサカサカサとついてきているのが私にはハッキリ見えていました。

 

「……アルベド?」

 

「……万が一に備えて八肢刀の暗殺蟲を十五体追従させていました。 アインズ様の許可なく(しもべ)を動かしてしまい申し訳ありません」

 

 十五体で合ってたみたいです。 やったぜ。

 

「いいや、守護者統括として私を守るためにしたことだろう? ならば構わないとも。

 ただし、次からは事後報告でも構わないから一報を入れてくれ」

 

「アインズ様! ああ、勿体なきお言葉!」

 

 アインズ様は余程致命的なミスをしない限りは基本的に寛容ですね。 あのフィリップのやらかしの責任を押し付けられそうになったヒルマを許したぐらいですし。

 まあ、あれは特殊な事例だった気もしますけど。

 え?アルチェル?あれはミスじゃなくて、自分から進んで地雷を踏んだからああなったわけで……。

 

「ところで、何故八肢刀の暗殺蟲に気づいたのか聞いてもいいですか?」

 

「私はかつて皇帝陛下の直属の護衛をしていまして、その際にとある暗殺組織がこういった隠蔽を得意としていたので見抜けるように鍛え上げたのです。

 一応、その八肢刀の暗殺蟲でしたか? それらが不用意な行動をすれば即座に対処できるようにはしていましたが」

 

 確かレベル的には五十ぐらいだったはず。オラサーダルク程度なら一蹴出来ますね。それに……

 

「そしてエ・ランテルに入る前に声をかけさせてもらった理由なのですが、この都市でそういった隠蔽能力を持つものが発見されると防衛装置が作動するようになっていまして……」

 

「……それは我々に話していいことなのでしょうか?」

 

「この程度なら構いませんよ。では、その八肢刀の暗殺蟲がこのままこの都市に入ろうとした場合についてお答えしましょうか。

 まず、この第一城壁の一部のマジックアイテムが起動し、隠蔽を暴きます。 次に迎撃用のマジックアイテムが起動し、敵を殲滅します。ここまででドラゴン程度なら撃退、もしくは討伐出来るのは確認済みです。

 これを突破された場合、次に第二城壁の防衛機構が作動します。申し訳ありませんが、ここからは秘密ということで」

 

 なお、第二城壁については発動すると割と取り返しのつかないことになるのであまり発動したくないんですけどね。

 私と同じ世界出身の人がいたら『地鳴らし』で大体伝わると思います。流石にあれ程の規模ではありませんけどね。

 

「なるほど……防衛にはかなり力を入れているのですね」

 

「ええ。元々このエ・ランテルは難攻不落とされていましたが、万が一ということもあるので。 人によっては過剰だと言うでしょうが、多くの種族が暮らすこの都市ではこういった力が抑止力になるんです」

 

 余談ですがエ・ランテル内の治安はめちゃくちゃいいです。 それもこれも全部ラナーによる采配が大きいですが、細かなところはクライムを始めとした騎士達が治安を維持しているからですね。クライムがラナーの夢が叶ったと喜んでいたのが懐かしいです。 最近は搾り取られたり、子供の世話をしたりとで忙しそうですが。

 

「というわけで、八肢刀の暗殺蟲の方々はここまでで、後は我々にお任せいただければと」

 

「まあ仕方ありませんね。 アルベド、ナザリックへ帰還するまで八肢刀の暗殺蟲には待機を命じよ」

 

「かしこまりましたアインズ様」

 

 そうして八肢刀の暗殺蟲はエ・ランテル外にて待機となりました。 本来、あらゆる種族を受け入れると謳っているのならば受け入れるべきなんですけど、今回はあくまでエ・ランテルの観光がメイン。異種族を受け入れるにあたっては理解が必要なので誰でも受け入れるというわけにはいけないのが世知辛いですね。

 まあナザリックの僕達は基本的に知能が人並み以上にあるので受け入れても問題はないとは思いますが、ナザリック至上主義なところがあるのでそこだけ……。

 

 気を取り直して、エ・ランテルへと入ります。 本来ならば、検問所で様々なチェックを受けないといけませんが、この都市の主人である私には不要なので顔パス……というより馬車で誰か分かるので素通り出来ます。

 馬車はそのまま私の城へと進んでいき、何事もなく到着しました。

 一応道中でアインズ様が気になりそうなところを走っていたので、この後はパンフレットと合わせて気になっていそうなところを重点的に案内しましょう。

 

「着きました。ここが私が暮らしている城です。 まずは私共の自慢の庭園にご案内させていただきます」

 

 まず、モンスターや亜人と共存しているという現場を見せることが大切です。

 今は陽が昇っているので太陽下では視力が無くなる亜人のクアゴア達は基本的には昼間は表に出ていません。この時間帯は暗所──地下神殿へと繋がる避難経路を警備してもらっています。

 地下神殿はかつてカジットらズーラーノーンによる拠点となっていましたが、現在は掃討済みでクアゴアの住居になっているのと、地下を拡張し万が一に備えての避難所も兼ねています。

 一応神殿なので神官なんかがいたらいいなと思い、リユロにそういうことに興味がありそうな配下を集めさせて神官としての職を得られないかを実践中です。

 そして、肝心の庭園ですがこちらはドライアードやトレントなどのモンスターによって管理されています。ナザリックの第六階層では確かそういったモンスターが多くいるはずなので、共通するものとしてはいいかなと。

 

「ほう……管理が行き届いているようですね。この庭園の管理をモンスターがしているのでしょうか?」

 

「その通りです。勿論、人の手も入っていますが大部分は森精霊(ドライアード)の力で管理されています。 例えば、あの辺りの花なのですがこの辺りではあまり見られない品種だったのですが、森精霊の力を借りることによって栽培に成功し、こうして庭園を彩ってくれています」

 

 ナザリックからすれば第六階層あたりでやっていそうなことですけどね。いや、まだこの時点ではしていないんだったか……?記憶が朧げですけど些細なことです。 こうしてモンスターと共存出来ている光景が大切ですから。

 ほら、アインズ様も顎に手をやって何やら思案しているみたいです。もしかしたら、原作通りに他のプレイヤーに会った時にこういうことをしていると喧伝出来れば敵対は防げると考えているのかもしれません。

 

 すると、ラナーが森精霊に声を掛けて幾つか花を摘んでもらったようです。何に使うんでしょう?

 

「アインズ様、よろしければ見るだけでなく触れて香りなどを楽しんでみては如何でしょう? あちらにテーブルを用意してますので小休憩を兼ねて是非」

 

「……ええ、そうさせていただきましょう」

 

 この感じは多分「俺に花についての知識も無いけど大丈夫かなぁ」という感じですね。まあ気持ちは分かりますし、アインズ様の現実世界のことを思えばまあそうだよなと思わざるを得ません。

 確かディストピアな世界でアーコロジーにしか草花は咲いていないんでしたっけ?ガスマスク付けないと出歩けないぐらいに大気も汚染されているとかだったような……この辺りはかなりうろ覚えです。

 ただ、ユグドラシルではその辺りが再現されているはずですが、そういうジャンルに手を出すことはなかったのでしょう。ぶくぶく茶釜さん、餡ころもっちもちさん、やまいこさんの女性たちはもしかすると詳しかったりするのかもしれませんが。

 

 場所は庭園中央にあるテーブルへと移り、席へと着きます。 念の為、メイドエルフ達にお茶を用意させました。アインズ様は飲めませんが、こういうのは心遣いが大事です。原作でアインズ様もザナックと対談した時に自身は飲まないのに自分の分の水も用意していましたからね。

 とはいえ、今回用意した茶葉も領内にある村で森精霊が栽培に協力しているものなので無関係ではありません。

 さて、テーブルには籠に摘まれた花々が幾つか置かれています。どれもこれもこの庭園で育ったものばかり……ではありませんね。幾つか領内の村でのみ栽培しているものもあります。

 

「現在、この庭園で育てている花はこの辺りですね。 それぞれ手にとってみてください。 アルベド様もどうぞ」

 

「それでは、まずこれから……(うーん、やっぱり何も分からん!)」

 

 なんか副音声が聞こえた気がしますがここはスルーで。

 

「……私が使っている香水より香りは弱めのようね。でも不思議と心が落ち着くというか……」

 

「そちらは植物系モンスターから採れる花ですね。 あの辺りに森精霊と一緒にいるのがそうです。危機に瀕すると辺りに高濃度の匂いをばら撒きます。それを嗅ぐと一時的に思考が鈍くなるので、そこを狙って攻撃するという生態なのですが、森精霊を介すことによってそういった事態を防いでいます。

 また、この匂い自体も高濃度でなければ日常生活では害をもたらすほど強いものではないので、精神を落ち着かせる効果を持つ芳香剤としても使われています」

 

 ラナーは詳しいですね。私はそこまで知りませんでした。

 ただ以前神殿で元奴隷達の精神を落ち着かせるのに使ったマジックアイテムに使われていることだけは知っていましたけど。

 

「ふむ……香りは良いのですが、そういった状態異常は我々には効かないのでなんとも……」

 

「あくまでこの香りにはそういった効果があるとされているだけなので、気休め程度に受け取りください」

 

 それからラナーによる花の紹介を幾つかした後、アインズ様が個人的に気に入ったという花の香水と種を渡してこの場での案内は終わりました。

 余談ですが、この香水をプレゼントする案自体は私の発案です。 原作でもアルベドの香水の匂いは悪くないと言っていたので(ベッドの香りと同じとは気づいていませんでしたが)飲食を楽しめないのであれば、せめてこういった嗜好品があってもいいのではと思ったので、森精霊との協力を取り付けた後にそれなりに力を入れて開発しました。

 私はこういうことに詳しくはないので、レイナースを始めとした女騎士やエルフ、ロクシーにも色々と助けてもらいました。 最終的にラナーがそれらをまとめ上げてくれたんですけどね。これが真の天才かと。

 

 あ、さり気なくラナーがアルベドに何か手渡していますね。 え!? しかも握手まで交わしてる!? 何が、何があったの!? この短時間でそこまで距離を縮められるものなの!?

 

「アルス殿、よろしいでしょうか?」

 

「んえ? あ、はい、少しぼーっとしてました。 なんでしょうか?」

 

「実はここに来る途中の……パンフレットでいうところのこの辺りにある商店の並びが気になりまして。 次はここを見てみたいと思うのですがよろしいですか?」

 

「ええ、もちろん構いませんよ」

 

 アインズ様が指差した場所は生活に役立つマジックアイテムが多く並んでいます。

 冒険者などが好む系統のマジックアイテムはもう少し奥に行かないとありませんが、この辺りのマジックアイテムはユグドラシルにはない類のものが多いので気になるのでしょう。

 

 ラナーとアルベドも話を終えたようだったので、次なる場所へと案内を始めるのでした。

 

 

 

 この裏で私の逆鱗に触れる事態が起きているとは知らずに。

 

 

 

 

 ◯

 

 ◯

 

 ◯

 

 

 

 

 巫女姫からの報告でスレイン法国上層部は火の付いたような喧騒に襲われていた。

 

 それは一部過激派の若者達が決起し、エ・ランテルへ武装し侵入したという報告だった

 それは同時に帝国と粛清騎士への宣戦布告にもなる。それだけはなんとしてでも避けなければならない。

 以前、王国での革命騒動の際に目撃されたエルフの姫のこともある。皇帝に謁見し、事の重大さを伝えはしたがあまり深刻には捉えられなかった。 むしろ、返ってきた反応は何故かとても冷ややかなものだった。

 逆に皇帝からは秘密結社ズーラーノーンの幹部たる高弟を捕らえ本拠地を突き止めたため、法国で対処しろと言われる始末。

 法国がそれを断れなかったのは高弟の一人が漆黒聖典の裏切者である第九席次であり、更には叡者の額冠すら帝国の手に渡っていたためである。 裏切者を切り捨てても構いはしなかったが、叡智の額冠は別だ。 法国の秘宝の一つのため、可能であれば回収したい。 なので、これを受理し漆黒聖典を動員し先日それらが解決したのだった。

 その矢先に今回の騒動が察知された。 あまりにも時期が悪すぎると頭を抱えるしかない。

 

「あの愚か者達が出立したのは二日ほど前とのこと……。 今から追っ手を出してもとても間に合うとは……」

 

「この際仕方あるまい。 転移による移動で先回りし愚か者共を仕留めるしかない」

 

「動かす部隊はどうしましょう?」

 

「風花も水明も帝国からは離れている。 火滅は元よりエルフ国への侵攻に出ている。ならば──」

 

「今動かせるのは陽光聖典のみ。 竜王国への支援から帰ってきたばかりで悪いが彼らに向かってもらうしかあるまい」

 

「事は迅速に運ばなければ。 帝国にも謁見を求め万一に備え弁明するべきであろう」

 

 こうして法国も自国の失態を防ぐべく動き出したが、動き出すのが致命的に遅かった。 これがあと一日でも早ければまた違った結果があったであろうが、最早手遅れだったことに気づかず、また悪手を指してしまったことにも気づけなかった。

 

 

 

 





エ・ランテル
アレーティアの魔改造により、防衛面に関しては周辺国家最高クラス。帝都アーウィンタールを鼻で笑えるレベル。
都市の周囲を三重の城壁で囲っているのは原作と変わらないが、第一城壁には外敵を阻む機構が備え付けられたマジックアイテムが多数配備されており、オラサーダルクなどの竜王が攻めてきたとしても突破は困難。欠点は冷却時間が長いため、波状攻撃には弱い。
なお、第一城壁はあくまで時間稼ぎであり、その間に住民達をクアゴアが住居としている地下神殿へと避難させるのが目的。
住民の避難が済んだところで第二城壁の機構が発動する。城壁の大部分が巨大なゴーレムと化し、騎士団や魔法省が合流し数と質で圧倒する。
この時出てくるゴーレムの最低レベルは二十五。最高で五十相当。更にルーンで強化されている。
そして、第三城壁はただ単に頑丈。アレーティアが本気で殴ってようやく崩れるぐらいに頑丈に強化されていて、上空からの侵入に備えて結界系統のマジックアイテムが配備されている。文字通り最後の砦。
第二城壁が起動した時点で全ての通路が封鎖されるため、その頑丈さも相まって侵入は困難極まる。
この時点でアレーティアや鮮血騎士が集結出来る様になっているが、おそらく第一城壁の段階でアレーティアが一人で全てを片付けてしまうため、あくまで保険である。
万が一、第三城壁まで突破された場合は都市内の至る所に設置してある防犯用のガーゴイルやゴーレム、クアゴア氏族や冒険者などが襲いかかってくる。
恐らく、デスナイト三百体ぐらいなら対応出来る。ゲヘナ、聖王国クラスだと厳しい。〈隕石落下〉されたら第二城壁ぐらいまでは一気に壊れるため、即アレーティアが出張ることになる。

ラナー、アルベド
アレーティアの気づかないところで握手するぐらいに親交を深めている。
なんでそうなったかは、多分その内語ります。
シレッと状態異常が効かないことをアインズから聞き出せている。

アレーティア
ええ……?私の嫁頼りになり過ぎなんですが……。

アインズ様
エ・ランテルのパンフレットを見ながらあれもこれも気になって仕方ない。 心境的には多分初めて遊園地に来た子供みたいな。

スレイン法国
急いで事態の解決を図ったが遅すぎた。何故なら既に被害が出ている。

陽光聖典
亜人集落の殲滅などが主な任務の特殊部隊。
この事態で一番動かしてはいけなかった部隊。


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