転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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月初めだからギリギリセーフ(アウト)

大書庫難しくてクリアできないから、寄り道して無名の王倒したりしてました。絵画世界はまだノータッチ。

……もうすぐELDEN RINGのDLC配信ですね(また遅れそうな顔)



カルネ村防衛戦

 

 

 

「諸君、準備はいいな?」

 

「ははっ!!」

 

 エ・ランテル領内に侵入した六大神信仰過激派の一団はしばしの休息を挟んだ後に再び襲撃する準備を整えていた。

 中でもこの一団を率いる指揮官の装備は一新されている。これらはアンドレの村を襲撃した際に奪ったマジックアイテムだった。

 アルベリヒ、アンドレの装備品はどれもこれもが一級品のマジックアイテム──アレーティアが彼らのために用意したもの──だ。 散々手こずらせられたため、腹いせにその首を刈り取り晒してやったが、それだけに飽き足らず装備品を奪い去ることで傷ついた自尊心を癒すに至った。

 そうして、得たマジックアイテムによってこの一団が強化されたことは間違いない。より大きな力を持って穢れた異教徒を浄化出来ると彼らは高揚していた。

 

 

「これより、更なる浄化作業を開始する! 先程は少々手こずったが、各地に散った同胞が集まった今!我らを阻むものなどない! この村を浄化した後に、一度撤退し本国へと凱旋する! そして我々こそが正しいのだと証明するのだ!」

 

「「「「「おおーっ!!!」」」」」

 

 

 彼らの士気は高い。既に浄化された村々は四つになり、次に襲撃するカルネ村はこの近辺では最も大きい村であることが分かっており、他の村とは違いモンスターだけでなく亜人も生活しているという噂を支援してくれた商人たちから聞いている。

 亜人は強い。中には人間を好んで食べる種族も多い。それこそゴブリンやオーガなどがそうだ。そんな野蛮なものと共存しているなど六大神が許すはずがないと、裁きを下し浄化するのだと各々が身勝手な意思を持ち襲撃という名の浄化へと臨んだ。

 彼らは自分たちの教義を疑うことはなかった。この浄化を終えた後に本国へと帰還すれば我々が正しいことが認められ、歓迎されるに違いないと。

 黄金によって誘導された思考は当人の思惑を外れ暴走し──自らを含む全てが破滅することをまだ彼らは知らない。知らないまま、決して帰ることの出来ないカルネ村(死地)へと向かった。

 

 

 

 ◯

 

 ◯

 

 ◯

 

 

 

『──奴らが移動を始めました』

 

「ご苦労様ですティラ。 貴女はそのまま監視を継続し状況を報告してください」

 

『ははっ』

 

 伝言板での通話を切り、ラナーはふぅとため息を吐く。 襲撃された村の特定はエ・ランテル領内の地理を完全に把握しているラナーにかかれば容易いことだ。騎士たちを召集し、神殿勢力──既にアレーティアを慕うエルフの神官によって掌握されている──にも協力を仰ぎ、生き残っているかもしれない村人の治療や死体の弔いを任せる。

 そして、ラナーはというとティラから受けた報告によって次に襲撃されるであろう村を特定し、迎撃態勢を整えた。

 襲撃先はカルネ村。この村はかねてよりアレーティアが発展に力を入れており、領内でもかなり特別視されていた。管理する騎士もわざわざ鮮血騎士から選出するほどだ。つまり、この村が落とされるのは本当にマズイということでもある。

 

(カルネ村の場所とアインズ様が住まわれる墳墓が近いから、本来最初に接触するのはこの村だった可能性が高いですね。 でも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?)

 

 ラナーはナザリック地下大墳墓の持つ戦力や、その支配者であるアインズや階層守護者についてアレーティアから詳細を聞いていたが、その情報源までは聞いていない。 ただ、アレーティアの様子から数年以内に起こる何かに備えていたということしか知らない。聞いた当初も疑問に思ったが、恐らく生まれながらの異能(タレント)によるものか、神にしか扱えないと言われた第十一位階──超位魔法による予知、予測、予言の類だろうと当たりをつけ納得することにした。

 

(いずれ真実を話してほしいですけどね)

 

 ラナーも数年前からアレーティアが備えているその時までに法国を最低でも帝国に逆らえないように従わせる策を巡らせていた。

 スレイン法国は周辺国家で最も長く続いた国であり、どの国も持っていない技術や六大神が遺した特級のマジックアイテムなどを保有しているという。 現にティラが身につけている装備のほとんどが今の帝国の技術では──アレーティアを除いて──作れないほどの性能を持っていた。これらはかつての王国との戦争で粛清騎士の動向を調べるべく帝国拠点に潜んでいた人物、漆黒聖典第十二席次〈天上天下〉が所持していたものだ。

 

 余談ではあるが、第十二席次はアレーティアによる蘇生と殺害による生と死の繰り返しを体験したことにより、法国内部の情報を知る限り余すことなく白状しデス・ナイト警備の下で魔法省地下の牢獄で獄中生活を送っている。

 

 そんなマジックアイテムを多数保有している法国は人間至上主義国家であり、現状エルフやドワーフに限らず友好的な亜人やモンスターとの共存を始めた帝国との折り合いは悪い。

 ただ、法国の上層部は王国に現れたエルフの姫を最大級に警戒しているため積極的に敵対しようとしてはいないが、一般市民はそうではない。 法国が堕落し切った王国を併呑しなかった理由の一つとして、隣接することになる評議国を滅ぼすという方向に民意が動きかねない危険性があるためだった。

 そんな懸念があった中、王国を併呑した帝国で行われた──三国の貿易の要所であるエ・ランテル領内で他種族と共存を始めてしまったために国民の不満は日々募っていった。それをラナーは利用して法国の国力を低下させる手を幾つか打った。

 

 その内の一つが六大神信仰のあれら過激派を適度に動かし法国内部を混乱させてからエ・ランテルへ侵攻させ返り討ちにすることで、法国の発言力を奪うものだった。 しかし、思いの外愚か者が多く集まってしまった結果、予想外の暴走をしてしまった。

 結果、アレーティアの機嫌を損ねることになってしまい、ラナーは内心慌てていた。

 幸いなことにまだ自分が仕組んだことだということはバレていないが、万が一のためにもこの状況を挽回する必要があると判断し、全体の指揮を自ら担うことにした。

 

 そして現在、カルネ村に集められた戦力は過剰とも言える程だった。

 騎士の数は百人に満たないものの、それに加えられる戦力は騎士たちを容易に上回るだけの力を持っている。

 カルネ村を治める鮮血騎士の一人、ルミリア・リイル・アーチゾルテ。 博愛の精神を持つ神官、ロバーデイク。 英雄を超えた領域に突入したとされている戦士、ブレイン・アングラウス。 旧王都にてガゼフと共に多くの騎士、戦士を鍛え上げている元奴隷エルフの女戦士、アセロラ。 現在、過激派の監視をしているためこの場にはいないが、帝国でも右に出る者がいない暗殺者集団〈イジャニーヤ〉の元統領、ティラ。 そして、帝国最強と称されるアダマンタイト級冒険者チーム〈蒼の薔薇〉。

 集められた戦力は誰もが英雄の領域に突入しているか、もしくは近しい者ばかり。集められたメンバーだけでも小国を落とすことも容易いだろう。

 

「イビルアイさん、突然の申し出にもかかわらず召集の協力をしていただきありがとうございます」

 

「なに、依頼だから気にするな。 私たちとしてもアルスに恩を売る機会でもあるしな」

 

 本来旧王都にいるはずのアセロラや領内を巡回しているロバーデイク、ブレインがこの場に集められたのはイビルアイの〈転移(テレポーテーション)〉による協力があったためだ。 本来ならば、召集の際に所定の位置へ向かいアレーティアかフールーダが迎えに行く手筈になっているのだが、アレーティアは現在魔法の使用を制限しているためその手段が取れず、フールーダも研究に夢中なのか連絡が取れず、第三の手としてイビルアイに白羽の矢が飛んだのであった。

 

「本当ならゴ・ギンやサフォロンも召集したかったんですけど、闘技場の試合を外すわけにはいかなかったのが残念ですね」

 

「……いや、流石に戦力が過剰過ぎるだろ。 相手がやったことがやったこととはいえ、そのコンビが出てきたら同情するぞ」

 

 ウォー・トロールのゴ・ギンとフロスト・ドラゴンのサフォロンは別種族であって強い。 普段は互いにどちらが上かで鎬を削っているが、数回訓練の中でコンビを組んだ時は鮮血騎士も、特別に参加した〈蒼の薔薇〉も悲鳴を上げる羽目になった。 ライバル同士であるためか互いの手を知り尽くしているため、阿吽の呼吸で襲いかかってくるのだ。挑戦者からすれば悪夢でしかない。

 

「……あの二人を相手するのはもう御免ね。 ドラゴンや巨人と戦うのは英雄譚ではよくあることだけれど、手を組んで立ちはだかったなんて聞かないわよ」

 

 その時のことを思い出してかラキュースは顔を青くしている。英雄の領域へと入門した彼女だが、あそこまでの戦いは体験したこともなく、当時まだリグリットがいた頃の〈蒼の薔薇〉全員でイビルアイに挑んだ時の方がまだ楽だったと思った。

 

「まあ貴重な経験が出来たと思えよ。 あれが冒険の一幕だったら俺たちはとっくに死んでるぜ?」

 

「そうなったらガガーランを盾にする」

「分厚い筋肉で全てを防いでくれるはず」

 

「お前らさり気なく人を肉盾にするんじゃねぇ!! いくら俺でも無理があるわ!」

 

 〈蒼の薔薇〉のメンバーによる寸劇が行われ現場の空気が少し軽くなる。 そこへ村からとある人物が訪ねてきた。

 

「よう!姐さんの嫁さん!」

 

「あら、ゼンベルさんではありませんか。 どうかしましたか?ところでそれ呼びづらくありませんか?」

 

「いやいや、そんなことねぇって。 おっと、本題なんだが俺たち〈竜の牙(ドラゴン・タスク)〉も是非とも戦いに加えてもらえればと思ってよ」

 

 

 ゼンベル・ググー。 彼は蜥蜴人(リザードマン)であり、本来ならばトブの大森林の瓢箪をひっくり返したような形の湖の南側にある、大湿地に集落を作って住んでいる。

 アレーティアは多くの亜人、モンスターを受け入れるに当たってなるべく温厚かつ意思の疎通が可能なものを選んでいた。現状、原作のようなゴブリン 、オーガなどの受け入れは出来ていないもののアゼルリシア山脈で得た縁、蜥蜴人のゼンベルのことを思い出した。 元々ゼンベルはドワーフのバザルとも友好な関係を築けていたため〈竜の牙〉に戻って族長となった後ならば部族丸ごと移住を勧めることが出来るのではないかと考えたアレーティアは捜索を開始。無事再会し、二つ返事で受け入れたという。

 最初こそカルネ村の住民と蜥蜴人の間には壁があったが、〈竜の牙〉が保有している蜥蜴人の四至宝のひとつ〈酒の大壺〉がキッカケで打ち解けることが出来た経緯がある。 今やこれもカルネ村の収益のひとつになっている。

 

「それは願ってもないことですが……危険ですよ?」

 

「元々俺たち〈竜の牙〉は強さこそが全ての部族だ。そんな俺たちがこういう状況で力を振るわないでどうするってんだ? それによう、普段俺たちは村の連中には世話になってるんだ。ここで恩を返さなきゃ、俺たちはただの恩知らずになっちまう。だからよ、頼むぜ」

 

「私からもお願いしようラナー様。 彼らと村人は打ち解け始めてはいるが、まだ壁はある。だが、これがキッカケで真に受け入れ合うことが出来るはずだ」

 

 ゼンベルとルミリアによる懇願にラナーはしばらく思案を巡らせる。そして──

 

「──分かりました。元々はあなた達の村ですから、その方がいいかもしれません。 ですが、被害が出れば……どうなるか分かっていますね?」

 

 暗に被害が出たらアレーティアが怒り狂うであろうことを伝える。現に今回の一件にマジギレしているアレーティアの激昂具合を知っているルミリアは一瞬たじろぐが、ゼンベルと視線を交わし決意を固めた。

 

「決意は固いようですね。では迎撃、及び殲滅戦への参加を認めます。 後で配置を伝えますのでしばらく待機していてください」

 

「ははっ!」「応ッ!」

 

 こうして、迎撃戦に蜥蜴人の参戦が決まり──決戦の時を迎えることとなった。

 

 

 

 ◯

 

 ◯

 

 ◯

 

 

 数時間後──

 

 

「奥義!暗黒刃超弩級衝撃波(ダークブレードメガインパクト)!!」

 

「「「「ぎゃああああああッ!!」」」」

 

「に、逃げろ! 勝てるわけがない!勝てるわけがない!!」

 

「〈蒼の薔薇〉がなんでこんなところに!? 旧王国領が活動拠点ではないのか!?」

 

「なんだあれ!?ぼ、木刀!? めちゃくちゃ伸び──げひゅっ」

 

「な、なんで木刀で鎧を着た同胞が真っ二つに斬れるんだ!?」

 

「……そりゃあ、お前たちよりも俺の方が強いからに決まってるだろ」

 

 

 襲撃者たちは見事に返り討ちにあっていた。

 それもそのはず、カルネ村に集められた戦力は人類でもトップクラスの精鋭ばかり。六色聖典の一員でもない襲撃者程度では相手にすらならない。

 

 

「クソ!!エルフ風情が……たわらばっ!?」

 

「エルフ風情? それを言ったらお前たちは人間以下の畜生だろ」

 

 大剣を振るうアセロラの武技──ガゼフから教わった〈四光連斬〉により次々と襲撃者は倒れていく。 それだけでなく、逃げ惑う襲撃者の首をティラが、ティアとティナの三人──元イジャニーヤの頭領たちが刈り取っていく。

 

「おうお前ら!蜥蜴人の力を見せる時だ! 行くぞおおおおッ!!」

 

「「「「「おおおおおッ!!!」」」」」

 

 ゼンベルを筆頭にした蜥蜴人の集団は支給された装備を手に襲撃者へと襲いかかる。 中でも目覚ましい活躍をしているのがゼンベルだ。かつてアレーティアから餞別に渡されたルーンが刻まれた槍を手に暴れ回る。その槍捌きは達人のもの。原作において餞別にドワーフから斧槍を貰い受けていたゼンベルだが、それを使うことはほぼほぼなかった。

 しかし、アレーティアから貰った槍を得たゼンベルは修行僧の教えを授けてくれたバザルから「その槍を扱えないなんてことがあってはならん!」と槍術に関する修行を強制的に開始され、見事槍を扱う術を得たのだった。

 

「醜い蜥蜴人が人間に歯向かうなど──!!」

 

「おい、私の友人たちに何をするつもりだ」

 

「えっ──」

 

 蜥蜴人に悪態を突いた襲撃者は直後、身体が三つに分かれて絶命することとなった。

 かつての四騎士が一人〈剣舞〉ルミリアはレイナースに敗れ一線を退いたものの、その実力は衰えることなく寧ろ上がっている。

 ルミリアは戦場を駆け、相対した敵を次々に斬り裂いていった。

 

 

 

「く、くそ! お前たち!天使を召喚し殿とする! 一度退くのだ!」

 

「は、ははっ!」

 

 このままでは全滅しかねないと指揮官は撤退を選択した。 数体の火の上位天使(アーク・エンジェル・フレイム)を召喚し、前線を撹乱するように指示を出し自身らは馬に乗り敗走した。

 

「なっ!? 我々を置き去りに……!?」

 

「どこ見てるんだよォ!?」

 

「ぐわぁっ!」

 

 余所見をした隙を見逃すガガーランではない。ガガーランと対峙していた襲撃者は呆気なく制圧された。

 指揮官たちを欠いた襲撃者達の末路はと言うと、アレーティアの指示により必殺を命じられている鮮血騎士によって殺されるか、ラナーの依頼により蒼の薔薇、カルネ村自警団らに敗れ捕らえられた。

 ただ、指揮官たちが撤退したと同時に逃亡した者もいたため、全滅とはならなかったが……逃げた先が安全だとは限らないことを彼らはまだ知らなかった。

 

 

 

「……追うか?なんならまだ俺の射程圏内だが──」

 

「いえ、必要ありません」

 

「必要ない? ……ああ、そういうことか」

 

「必要ないってどういうことなのラナー?」

 

「ラキュース。 私の夫が──粛清騎士があれだけ激昂して自らの手を下さないなんてこと、あると思いますか?」

 

「……納得したわ」

 

 

 

 ◯

 

 ◯

 

 ◯

 

 

 

「はぁ、はぁ、クソッ」

 

 陽が落ち夜が近づく中、なんとか逃げおおせた指揮官含む数十名は疲労の色を隠せずにいた。 しかし、その歩みが止まることはない。まだあの異教徒共が追ってきているかもしれないという恐怖感に駆られているからだった。

 

「まさかあれだけの戦力を用意していたとは……我々の作戦が読まれていたのでしょうか?」

 

「そんなはずはない……我々の作戦は完璧だった」

 

「しかし、現に……」

 

「うるさいッ!あれは偶々だ!偶々あれだけの戦力があの村に集結していただけだ!そうでなければ他の浄化した村にもいなければおかしいだろ!?」

 

 そう、偶々だ。自尊心の強い彼はそう思い込むことで指揮官は心の平静を保とうとしていた。 

 

「これからどうしましょう? 本国へと帰還しますか?」

 

「………むぅ」

 

 本来ならばあの村を浄化して本国へと帰還し、凱旋するはずだったが手痛い反撃を受けたことによりそれは難しいものとなっていた。

 しかし、指揮官はそこから思慮を巡らせ──「見つけたぞ愚か者ども!!」

 

「なっ──!?」

 

 突如、何者かの声が聞こえたと同時に現れた火の上位天使たちが過激派たちへと襲いかかった。 馬に乗っていた者は落馬し、天使によって取り押さえられた。加えて他の者も抵抗も許されず何らかの魔法を受け拘束された。

 

「な、何をする!?何者だ貴様!」

 

「何者か、か。 お前は六色聖典から除籍された時に殺しておくべきだったな」

 

「なっ!? まさか聖典か!?なぜ我々にこのような仕打ちを!?」

 

 指揮官はこの狼藉を働いた相手が本国から派遣された六色聖典だと理解はしたが、何故取り押さえられたのかが理解出来ない。 そんな彼の前に激情を隠さずに姿を現したのは、かつての部隊の隊長だった。

 

「久しぶりだな、ファナック。 いやはや、その過激すぎる思考から除名されたお前がいつかやるかもしれないと思っていたが、これだけの規模で事を荒立てるとはな。 あの時お前を殺しておかなかったことが私の最大の失態だ」

 

 目の前の男──陽光聖典隊長ニグンは忌々しげに指揮官──ファナックを睨みつけると淡々とこの後のことについて語り出す。

 

「今回の件で法国は帝国に対して宣戦布告したようなことになってしまった。布告状も無しにだ。これがどれだけ卑劣な行いか分かるか?周辺国家からの追及も免れないだろう。 ……だが主犯であるお前たちを拘束し帝国へと差し出せば多少は風向きが変わるかもしれん。法国も帝国と戦争がしたいわけではないからな」

 

「我々を帝国へ差し出す……だと!? 馬鹿な、我々は六大神の教えに則り異教徒を断罪しただけではないか!?」

 

 ファナックは叫ぶ。己の正当性を。悪いのは自分たちではなく、亜人やモンスターなどと共存するという許されざる生活を送っていた帝国だと。

 だが、ニグンの険しい表情は何一つとして変わらない。寧ろより一層険しくなり、深いシワが刻まれている。

 

「お前たちが何をしたのか分かっているのか!? この一件で帝国が報復に動けば間違いなく粛清騎士が動く!粛清騎士が動けば場合によっては法国が滅びる可能性すらあるのだぞ!」

 

 ニグンは知っている。粛清騎士の強さを上層部から知らされている。あの英雄部隊──漆黒聖典の第十二席次がロクな抵抗すら出来ず殺されたことや王国との戦争で当時周辺国家最強の戦士と呼ばれたガゼフ・ストロノーフすら相手にならなかったこと。更にはフロスト・ドラゴンを支配下に加えていることなど。その強さは最早英雄などという言葉では足りない逸脱者、超越者の類であるということを。

 しかし、ここで持っている情報の差異があった。 ファナック含む過激派はラナーによる巧みな情報操作により、粛清騎士は強大なマジックアイテムを使い王国との戦争で勝利した程度にしか把握していなかったのだ。それに、元聖典のファナックは如何に粛清騎士と言えど、漆黒聖典には勝てないだろうとたかを括っていたところもあった。

 

「粛清騎士などただマジックアイテムを使ってのし上がっただけのこと! 六大神の加護を得ている我々が、法国が負ける道理はない!」

 

「ええい、減らず口を……! お前たち、こいつの口を塞げ! そしてこれからエ・ランテルへ──」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、見つけた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゾッとする声が聞こえたと同時に重苦しい重圧が彼らを包み込んだ。冷や汗が止まらず、身体が震え出す。口は乾き、声を発するのも難しい。

 その重圧を放つのは──

 

 

「初めまして、スレイン法国の皆さん。 私はアルス・ティアーズと申します。

 

 この度はよくもやってくれたな。報復に来てやったぞ」

 

 

 バハルス帝国最強の存在、粛清騎士アルス・ティアーズ辺境侯が完全武装をして現れた。

 

 





アレーティア式拷問最上級──生と死
拷問を超えたナニカ。
質問に答えない、反抗的な態度を取った、アレーティアの逆鱗に触れた相手を躊躇いなく殺し、異能込みで強引に蘇生し再び殺すを繰り返す。更にその際に幻術にかけて身体がアンデッドへと変貌していく様に錯覚させ、死に続ければアンデッドになってしまう恐怖感を与えながら生と死を繰り返すことによって、精神をぶっ壊しながら全ての情報を吐かせるある種究極の拷問。ついでに言えば生き返る度にレベルも少しずつ下がっていく。
別名〈黄金体験葬送曲〉
ナザリックにおいて、死はこれ以上の苦痛を与えないという意味で慈悲であるが、アレーティア相手だと死すら救済にならない。アレーティアの気が済むまで永遠に続く。
体験者 〈天上天下〉、クレマンティーヌ、カジット、エルヤー(現在進行形)
別枠  〈愚か者〉、オラサーダルク



アレーティア
過去最高に激おこ。
わー、原作通りニグンと陽光聖典がいるから法国の仕業だなー。絶許。

ラナー
やらかしたもののなんとか挽回している。
実は後方で支援効果のあるスキルを使用している。

アセロラ
鮮血騎士のエルフ戦士。普段は旧リ・エスティーゼ領でザナック候やレエブン侯の補佐などをしている。
王国での一件で縁が出来たガゼフと良い感じの仲になっているかもしれない。

ルミリア
カルネ村を任されている鮮血騎士の一人。
以前より強くなっているが、レイナースにはリベンジならず。
ゼンベルと気が合う仲になった。

ゼンベル
まさかのカルネ村在住。原作よりレベルが2か3高い。
閉鎖的なリザードマンと村人との間をルミリアと一緒に取り持っている。
「酒飲めば大体仲良くなれんだろ」

カルネ村
薬草栽培、ポーション開発などで村の収益が上がっている。(ンフィーレアの功績)
原作とは違い村の中心にアレーティアが池を作り、実験的に魚の養殖が始められている。
また〈酒の大壺〉から湧き出る酒を時間をかけて人が飲んでも美味いと言えるレベルにまで上げたことによって村の財源は更に潤い、リザードマンも美味い酒に喜び打ち解けるキッカケになった。
たまにデカいハムスターが現れる。

陽光聖典、過激派の皆さん
粛清騎士からは逃げられない!!



DLC出るまでに次は更新したい……!

感想、高評価いただけると嬉しいです!よろしくお願いします!



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