転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
前回の感想のほとんどがニグンさんを哀れむ声で改めて人気の高さを知りました(笑)
カッコいいニグンさんを見たい人は今すぐオバマスをプレイしましょう。
ラナーから連絡を受け敗走した襲撃者たちを皆殺しにすべく、アインズ様とアルベドと共に現地へと向かうと──そこにはなんと! あのニグンの姿が! 周りには彼の部隊陽光聖典のメンバーが私の獲物を取り囲んでいる姿が見て取れます。
恐らくですが、目的を達せなかった工作員を叱責しているのでしょう。ついでに言えばこの場で口封じが何かをしているのかと。
まあ、そんなことさせないんですけどね。この際全員ぶっ殺してやりましょう。その後生き返らせて全部吐かせればいいんです。
「初めまして、スレイン法国の皆さん。私はアルス・ティアーズと申します。
この度はよくもやってくれたな。報復に来てやったぞ」
今の私は
一先ず戦闘態勢へ。 虚空から
「ま、待ってほしい!アルス・ティアーズ辺境侯殿!!」
ん?この感じだと命乞いでしょうか? 最高位天使(笑)召喚しないの?
「この度の件、我々としても予期せぬ事態だったのです! 我々は本国よりこの愚か者たちを誅伐すべく、誠に勝手ながら貴殿の領内へと出動したのです!」
「……その愚か者たちと言うのは我が領内の民を虐殺し、あまつさえ村全てを焼き払った者たちで合っていますか?」
「そ、その通りです。 本国としても今回の一件は全くの不本意なのです!」
「………で? これからどうするおつもりで?」
「は、はい! この者たちは帝国へと引き渡させていただきます。帝国の法で罰を与えていただいて結構です。
加えて、この度の一件のお詫びとして本国より賠償金の支払いは確実にあるものと思われます。 その他は私では確約出来ないためなんとも言えないのが実情ですが、それでも出来うる限りのことをさせていただけるように私が直訴します! なのでどうか……」
……反応を見るに裏はなさそうに見えます。まあ見えるだけですね。
「なるほど。 しかし、六大神の教えでは人間以外は全て排除すべきではなかったのですか?」
「それは……ッ!」
「加えて言えば……その話自体、貴方が助かりたいがために吐いた嘘ということもありますよね? ニグン・グリッド・ルーイン。六色聖典の一つ、陽光聖典のリーダーであり普段は亜人集落の殲滅を主とした任務についているのですから、今回の一件は陽光聖典が裏で動いていたというのが真実ではありませんか?」
「な、何故私の名を!? いや、そんなことより、そのような任務を裏で働いた事実はありません!我々は──」
「その事実は全員拷問して吐かせればいいことですから。 その愚か者だけじゃなくて、貴方たち陽光聖典も含めて、全て」
原作でガゼフ一人殺すために動いていたんですから、今回もそれぐらいのことはしているでしょう。
目的は恐らく私。人間至上主義国家の隣で評議国と似たようなことを始めた私のことを法国は疎ましく思ったのでしょう。これを機に法国は帝国に戦争を仕掛け……
私にケイ・セケ・コゥクによる魅了支配は通じませんが、それが通じなかったとしても次の矢として神人が二人控えていますから十分に勝機はあるのでしょう。 本当に法国は余計なことしかしませんね。昔も今も、私を苛立たせてくれます。
「それに……私は貴方たち陽光聖典とは因縁がありますからね」
「は?」
私は目元を隠しているバイザーを取り外し、スキル〈
それを見たニグン含む陽光聖典は信じられないものを見たとばかりに目を見開き、後退りしていきます。
「およそ十年ぶりですか? 最後に会ったのはあの大森林で戦った時でしたか?」
「お、お前は……まさか、本物なのか?」
「……あえて言いましょう。
粛清騎士アルス・ティアーズとは──エルフ国王女アレーティア・ホウガンである、と」
改めて真実を知らしめてあげればニグンの顔色は段々と青ざめていき、己の末路を悟ったかのように決意を固めた顔へと変わっていきました。
これは……?
「全隊員に告ぐ! 散開し撤退せよ! なんとしてでも本国まで生きて帰れ!俺は殿となる!」
「ニ、ニグン隊長!?」
「早くしろ! 一人だけでもいい!生きてこの真実を伝えるのだ!
ああ、そういう発想に至りましたか。 まあ構いませんが。ここで正体を明かしたのはもう素性がバレてもいいと判断したから。 この掃除が終わったら──私直々にスレイン法国を滅ぼしに行きましょう。
何かと原作でもナザリックの怒りを買う行動をしてしまう国ですから。いっそ無くなってしまった方が都合がいいです。
「逃すと思いますか──ッ!?」
陽光聖典へと襲いかかる直前──空間に突如亀裂が入り、瞬く間に元に戻りました。これは確か……原作でもあったシーンですね。ふと透明化して一緒についてきているアインズ様たちの方へと振り返ると『私が原因です』とジェスチャーをしているアインズ様の姿が。可愛いかよ。くふー!
ニグンたちはそれどころではなく、天使を召喚しなんとしてでも時間を稼ぐとばかりに魔法まで行使してきましたが──
「ふんっ」
明けの明星を一振り。それだけで召喚された天使──
避けて、躱して、少しずつ近づき──近づくにつれて絶望の表情を浮かべるニグンを憐れみながら──
「ぶげらぁッ?!」
思いっきり、それでいて死なない程度に顔面に拳を叩き込んでやりました。ワンパンです。
「ニグン隊長!」
「振り返るな! ニグン隊長の決意を無駄にするな!なんとしてでも本国にこの事実を伝えるのだ!」
彼らの中で私エルフの王女の扱いってどうなってるんですかね? ここ数年は大人しくしてたんですけど。(当人談)
すると、真っ先に逃げた隊員たちが私の罠にかかったようです。
「な、なんだ!?壁が、見えない壁があるぞ!? さっきまでこんなものはなかっただろ!?」
「こ、これでは逃げるなんて……!!」
予めアインズ様提供の〈
このマジックアイテムはかつてツアーにやられた〈世界断絶障壁〉をパクっ……参考に作ったもので、本家のようには行きませんが物理的に通れなくする結界を貼れます。欠点は結界は筒状になっているので天井がないことですね。ある程度の高さまでいくと逃げられてしまいます。後は私ぐらい力があれば結界を破壊して脱出することも可能なので、その点も追々改善したいところですね。
とはいえ、効果は抜群。突然の事態にパニックになっている様ではそんなことにも気づけないでしょうし、どうすることも出来ないでしょう。
「さて、逃げろと命じたようですが……陽光聖典の隊長ともあろう者が、帝国貴族なら誰もが知っている常識を知らないんですか?
粛清騎士からは逃げられないって」
そもそも全員生きて返すつもりはこれっぽっちもありません。 死体にさえしてしまえば後は蘇生出来ますし、生かしたまま捕えるより遥かに楽ですから。それに私もスッキリしますし良いこと尽くしですね! さー殺るぞーっ!
「あまり全力を出しすぎると結界が壊れてしまいますから──武技〈地砕き〉」
高く跳躍し、振りかぶった明けの明星を思い切り地面へと叩きつける! ただそれだけの武技ですが、その規模は桁違い。私の正面から行き止まりの結界まで届くほどです。その衝撃で捲れ上がった大地ごと数十名の陽光聖典が撥ね上げられ、絶叫が辺りへと響き渡りました。
ただ勘のいい者もいたようで〈
「これで終わりなわけないんですよね。 武技〈地揺らし〉+
叩きつけた明けの明星を地面に押し込むように衝撃を与え、更にルーンによる強化付与により炎をエンチャント。 そうすると、地面から炎の様な衝撃波が噴き出し空中にいた陽光聖典をも襲うこととなります。 これは流石に予想していなかったのか〈飛行〉の扱いが上手いと思われる者以外は全員餌食になりました。早くも残りは片手で数えられるほどにまで減ってしまいました。
「ば、馬鹿な……!? たった二回の攻撃で……!!」
おや?ワンパンチでノックアウトしたと思ったニグンが意識を取り戻した──いや、元々意識は失っていなかったみたいですね。朦朧とする中なんとか意識を失わないように踏みとどまっていて、ようやく覚醒したというのが正解みたいです。 そんなニグンですが、この有様を見て絶望的な顔をしています。
「十年前は
数少ない生き残りの陽光聖典へと虚空に魔力でルーンを刻み疑似的な〈
「これで全滅です、ニグン隊長殿。 これよりこの場へ騎士を動員し死体も全て回収した後に、捕虜として扱わせてもらいます。 あなた方には聞きたいことが山のようにあるのでご覚悟を」
「……何も話すことなどない。殺すがいい」
自暴自棄でしょうか? いや、情報を与えないために死を覚悟したようにも見えます。 ですが、私の前には無駄です。
「ええ、そうしましょう。 最後に言い残すことは?」
「……」
「なにもない、ということですね。 では──」
明けの明星を振りかぶり、ニグンへとトドメを──
「……後は頼んだぞ、イアン」
○
○
○
「これでお終いですね」
目の前には私が作り出した悲惨な光景と無惨な死体ばかり。 後方には透明化を解除したアインズ様とアルベド、そして今回私が何度殺しても飽き足らないであろう元凶をとりあえず死なない程度に全身の骨をバキバキに折るに留めて放置しています。殺してもいいんですけど、殺す前に最後首を落としてやろうと思っているのでまだ殺しません。
「お疲れさまでしたアル──アレーティア殿」
「労いの言葉、ありがとうございますアインズ様。 並びに、折角のアルベド様とのダブルデートを台無しになってしまったことを深くお詫びいたします」
「え、デー「ダ、ダブルデートだなんてそんなッ!」ト?」
よし、食いついた。ここからが勝負ですね。アインズ様は現状人間の時の感性が強いのであまり不快には思っていなさそうですが、アルベドはデートが中止になってしまったので、これが尾を引いてしまうと今後厄介なことになるかもしれませんので、リカバリーを図っていきます。
「お詫びとしてはなんですが……こちらのペアリングを受け取ってはいただけませんか?」
取り出したのは簡素な造りの指輪。 ただルーンで
「これは……指輪? それに刻まれているのはアルファベットの
「いえ、それはルーン文字の
「ラブルーンですってえええええ!?」
うっさ!? 興奮しすぎでしょアルベド……。この時期のあなたはそのテンションを隠していたでしょうに。
「あー、アルベド、少し落ち着いてくれ」
「ん゛んッ……失礼いたしました。 少しばかり高ぶってしまいました」
「話を戻します。本当なら今日の観光が終わった最後にお渡ししたかったのですが、このようなことになってしまいましたので……」
「ま、まあそうですね。 これから色々な処理もあるでしょうし、仕方ありません。 ……ところでどうしてペアリングを?」
「それは記念品のようなものです。 特に魔法的な効果はありませんが、縁起がいい贈り物として我がエ・ランテルでは家族やパートナーへの土産に買っていく方が多いんです」
「パ、パートナー……! くふーっ!」
ほんっとチョロいなこのサキュバス。 まあ今だけですよ、こんなアルベドの姿見れるの。冷静さを取り戻したらその知性も戻りますし、そうなったら最強の敵になってしまいますから。
「また次の機会を用意しますので、その時はまた歓迎させてください」
「ええ、その時を楽しみにしています。 その時はナザリックか私に直接〈
おや?アインズ様の前で刻印魔法以外の魔法を使った覚えはないのですが、カマかけですかね?
「ははは、私は〈伝言〉は使えないので、こちらをお持ちください。 伝言板というマジックアイテムです。一日の回数制限がありますが〈伝言〉と同じようなやり取りができます。 これは私が持つ伝言板としかやり取りできませんが、直接連絡を取るには魔力も使いませんし便利かと」
「そんなマジックアイテムもあるのですね。 しかし、それなら〈伝言〉の方が便利では?」
ああ、アインズ様は〈伝言〉をユグドラシル時代──現代における通話機能として認識していたんですっけ。 だから原作でもフールーダやアインザックが〈伝言〉を疑うのか理解出来ていなかった気が……。 ここは合わせて説明した方がいいですね。
「ええ〈伝言〉は確かに便利な魔法ですが、逆に便利すぎて頼りすぎてはいけない魔法とされています。 かつてガテンバーグという〈伝言〉を多用していた国があったのですが、三つの虚偽の情報で国は混乱し内乱が起きてしまい、更にはモンスターや亜人に攻め込まれてしまい滅んだという歴史があります。 それ故に〈伝言〉を信頼しすぎてはいけない。必ず裏を取れ、という教訓が残されているのです。
ですが〈伝言〉が便利な連絡手段なのは事実ですので、そういった虚偽の情報を防ぐべく開発を続けているのがこの伝言板なのです」
「なるほど……この世界にもオレオレ詐欺みたいなことがあったんだなぁ。 分かりました。では連絡をお待ちしております」
「ご理解いただけて何よりです。 最後に……アルベド様に個人的なお話があるのですが構いませんか?」
「私に? アインズ様──」
「許可する。 まあ、女同士でしか話せないこともあるだろう」
「ははっ」
「ではこちらへ」
アインズ様から少し離れ、アルベドと対峙します。 さっきまでのヒドインさが嘘のようにこちらを警戒しています。
「一体何の用なのかしら?」
「用がある、というよりは意思表明をしておいた方がいいと思いまして」
「意思表明?」
「ええ、もしかすると
「……確かに
うわっ、やっぱりなんかしてたよ私の嫁さん。 あの短時間で仲良くなっていたから何かあるとは思っていましたけど!
それはさておき、本題に入らなければ。 アインズ様は流されやすいところがあるので、後々のためにもこうして守護者の一人と友好的な関係を築くことは必須事項。特に原作でもデミウルゴスたち他の守護者にバレないように何やら暗躍していましたから、
「確かにそうですね。 なので、時間をいただければアインズ様に献上させて頂きたいものがあります。 それは──」
献上するものを告げればアルベドは一瞬大きく目を見開き、すぐに妖絶な笑みを浮かべました。
「──! なるほど、そういうことね。 いいでしょう、それが成されるのであればあなたを信用してもいいわ。 なにしろ彼女の旦那様ですもの」
「ありがとうございますアルベド様。 ああ、それと先程のペアリングを出していただいても?」
「ええ、構わないわ」
差し出されたペアリングにちょっと一手間加えます。 多分これで気に入ってくれるはず。
「……終わりました。こちらをどうぞ」
「ッ! こ、これは!」
お気づきになりましたか。 そう、やったことと言えば単純でペアリングに名前を書き加えただけです。
【モモンガ ᚷ アルベド】
こんな感じに書き加えるだけでカップリングに見えます。ライバル視しているシャルティアは絶対に持っていないものですから、これで大いにマウントを取れるようになったのではないでしょうか。
「私はアルベド様の恋路を応援しますよ。 ラブルーンの指輪、大事になさってください」
そう告げれば、顔を赤らめながら憎々しげに私を睨むアルベドが。 まあ、照れてお可愛いこと。
「……あなた、とんでもない食わせ者ね。 いいわ、あなたにも期待しているわ。アインズ様のために精々頑張って頂戴」
「ええ、もちろんです」
こうして女同士の会話は終わり、二人をナザリックまで送り届けて別れました。
次の機会はもっと私の作ったエ・ランテルを楽しんでもらいたいですが、その前に邪魔なものを片付けなければ。
ラナーに連絡を取り、陽光聖典の亡骸と
──スレイン法国を滅ぼすために。
あ、余談ですが陽光聖典と
偉大なる御方の観光を邪魔したのは万死に値するので、まあ当然ですね。
アルス・ティアーズ=アレーティア・ホウガン
回帰だけが秘密を暴く。(自分でバラした)
あのシーンは多分ラダゴン戦のBGMが流れる。
しれっと腹違いの姉と同じムーブをしている。やはり姉妹か……。
〈地砕き〉→〈地揺らし〉の武技コンボは英雄的殴打か初代エルデ王のアレをイメージしてもらえれば。
ニグン
粛清騎士の正体を知って驚愕。およそ十年ぶりの因縁の再会でもある。
アレーティアが帝国と王国を陰から支配して法国をエルフ国と挟み撃ちをする形で戦線を広げるつもりだと勘違い。
とはいえ、目的はなんとか果たせた。これからが地獄なだけで。
過激派たち
アレーティアの拷問を受けた後、ナザリックへの移送が確定。
もう絶対に助からない。 アルベド、デミウルゴス指揮の下多くの実験(意味深)に付き合わされる末路。
アインズ
透明化してアレーティアの暴れっぷりを観戦してた。一応隠れていたので声は出さずあたふたしながら身振り手振りで「私が原因です」と伝えた。可愛いかよとはアレーティア談。
なお、アレーティアの実力にあんぐり口を開けて驚いている。
武技ってなんだろう?スキルかな?……え?何あの攻撃、知らない。 ルーンってあんなことも出来……はぁ!?〈連鎖する龍雷〉!?いやいや、あの人生産職と戦士職の職業レベル構成じゃ……うーん、分からん!!
アルベド
ラナー、アレーティアと接触。ラナーはまた別件。
アレーティアのことはガチで警戒しつつも、有用で従順ならまあ可愛がってやらんこともないぐらいな感じ。
シャルティアにマウントを取れる最強アイテムを手に入れたことで割とご満悦。
シャルティア
自分の知らないところで恋敵に一歩リードされてしまった。
スレイン法国
原作通り巫女姫まで爆殺されている。
なんちゃって世界断絶障壁
アレーティアがそれなりに力を入れて作ったマジックアイテム。実はツアーから提供された素材を使っている。
始原の魔法には至らないものの、オンリーワンの性能を持っている。ただ、本家と違い物理的に壊せる上に囲うことしか出来ないので使い方に注意。レベル八十もあれば壊せる。
一応立体としての使い方と面としての使い方がある。面で使った場合簡易的な盾になるため護身用としても最適。
刻印魔法
熟練度が上がりルーン文字のみで擬似的な魔法の行使が可能になった。しかし本家には劣る。あくまで本質は付与強化。
戦士時にも使えるため割と重宝している。
DLC前に更新出来た!
次の更新も早めに出来るといいなと思いながら闇喰らいのミディールと戦ってきます。
感想、高評価いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!