転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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聖王国ルートどっかのタイミングで書こうか検討中。
このルートだとカルカ様とケラルトがジルクニフポジションになるかな?
基本的にデケム親のアレーティアには振り回される被害者が多数生まれます。
対して番外編のあけみちゃん親のアレーティアはとても良心的。はちゃめちゃなことはしないし、基本常識的。
ちゃんと教育された上に年齢も違うから仕方ないと言えば仕方ない。
共通してるのはどっちも法国嫌いという点。



交渉前にガツンと一発殴りつけて、差を理解させろってデミウルゴスが言ってたから!

 

 

 謁見の日。私はいくつかの手土産と切り札を持ってナザリックへと臨んだ。

 勿論私一人だ。本音を言えばラナーを連れて来たかったが、この時点で何があるか分からないため、エ・ランテルに置いてきた。万が一私に何かあればラナーが解決してくれると信じてます。

 

「アインズ様、アレーティア・ホウガンが謁見を希望しております」

 

「よくぞ来たアレーティア殿。 君の来訪を歓迎しよう」

 

「お久しぶりです、アインズ様。 先日は私の戦いを観覧していただきありがとうございます。後ほど、意見、感想をいただければ幸いです」

 

 玉座を見れば守護者が全員──第四階層守護者ガルガンチュアを除いて──横並びに勢揃いしている。 その一段下にプレアデスとセバスまでもが控えており、周囲を窺えばどう見ても高レベルのモンスターがズラリと並んでいた。恐らく各階層守護者の筆頭戦力でしょう。

 正直に言って、ここで敵対になった場合私の死は確実だ。物量とレベル差で押し切られる。一対一ならまだ何とかなりますが、多対一では敗北は必至だ。

 

「さて、アレーティア殿。 今回我々が君の提案を受け入れるにあたって話し合いがしたい、ということでこの場を設けたのだが、一体我々に何を望んでいる?」

 

 この話し合いは舌戦になるとほぼ間違いなく負ける自信がある。

 なにせ営業マンのアインズ様とナザリック最高の智者であるアルベドとデミウルゴスがいるのだ。私程度ではお話にもならない。

 仮にジルクニフでもこの場に威圧されてしまって、すべての条件を呑ませるのは難しいでしょう。ラナーだったら可能かもしれないけど。

 そんな私がナザリック相手に有利に話し合いができるのはこの一回だけだ。

 

「その前に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、領土とは別に差し上げたいものがあります」

 

「ふむ? それは一体なんなのだ?」

 

「……こちらです、アインズ様」

 

 私が懐から取り出したのは──見た目はただの石。守護者たちやシモベたちもそれを見て「あんな石ころを差し出すなど……」「至高の御方を馬鹿にしているのか」といった様々な憤りとも思える反応を見せる。

 ──だが、ただ一人。それの正体を知る人物だけは驚愕の表情──顔に肉が無いが──を浮かべていた。

 

「なっ!?」

 

「アインズ様?どうなされたのですか?」

 

 アルベドがいち早くアインズ様の様子が変わったことを察していた。続いてデミウルゴスもこれがアインズ様がそれほどの反応を見せる程のものだと理解したようだった。

 

「……アレーティア殿。まさかそれは……その石の名は」

 

「アインズ様のお言葉を遮ることをお許しください。 私に協力してくださるのなら世界を一つ──世界級(ワールド)アイテムであるこの熱素石(カロリックストーン)を差し上げましょう

 

 玉座の間が騒めく。守護者はおろか、シモベたちまでもがそれに慄いた。

 アインズ様でさえ驚愕を隠しきれていない。如何に、この世界級アイテムというものの存在が重大なものかを物語っている。

 

「ほ、本当にいいのか?」

 

 あ、支配者ロールが剥がれてる。そこまで?

 

「ア、アインズ様いけません! これは罠です! あれが本物という確証はありません!」

 

 珍しくデミウルゴスが取り乱している風に見える。

 対してアルベドは驚いてはいるものの、私と直接話した仲だからか今のところ静観してくれている。

 他の守護者たちはどうするべきかと悩みつつもその場で指示を待っている。

 ──シャルティアが私に襲い掛かろうとしているのは気のせいだと思いたい。奪い取ろうとか考えていないよね?

 

「確認するだけなら一度手渡しても構いませんよ。 ただし、私の目の前で、という条件でですが。

 勿論、守護者の方々がお近くに来てくださっても構いません」

 

 流石に確認のため手渡して、受け取った瞬間に殺して奪い取る──なんてことをさせないため条件を付ける。

 

「……いいだろう。 アルベド、デミウルゴス。付いてこい」

 

「アインズ様!? ──かしこまりました」

 

「かしこまりました」

 

 そうしてアインズ様自ら近づいて熱素石へと手を伸ばし〈道具上位鑑定(オール・アプレイザル・マジックアイテム)〉を発動し、そして──。

 

「……ははっ、本物だな。 間違いなくこれは世界級アイテムの熱素石だ」

 

 アインズ様直々の本物証明をいただいた。 これで実質私が優位に立ったのは間違いない。

 究極的に言えば、この提案を断れば損をするのはナザリックとツアーだ。逆に断らなければ多くのメリットが得られるのは間違いない。

 

「アレーティア殿、協力するとして対価に本当にこれを貰ってしまってもいいのか?」

 

 警戒しつつも、期待が隠せていない。世界級アイテムの魅力は凄まじい。

 それに、熱素石を見たことでかつての仲間との記憶を想起しているからか、機嫌も良さげだ。

 

「ええ。勿論です」

 

「……熱素石の価値を知らない、ということではなさそうだな」

 

 ここで二の矢を打ち込む。私という存在を。

 

「当然知っていますが……残念ながら私の力ならこれを十全に扱うことは出来るのですが、これに見合った物が無いので使えなかった、と言えば伝わるでしょうか?」

 

 そう。私も実を言えば熱素石を使った武器、防具、マジックアイテムを作ろうと画策したことがあった。

 しかし、この熱素石の前ではこの世界程度の素材では十全に活かせないという世界的限界があったのです。

 それを理解したとき、私はこれをナザリックへの貢ぎ物にしようと決めたのでした。

 そして同時に、熱素石を使ったアイテム製作が出来るという情報を遠回しに伝えることが出来ました。

 これによって、私の価値はグンと上がった……はず!

 

「ちなみにだが、これを入手した経緯は?」

 

「……それは大変貴重な情報だということはアインズ様も理解しておられるのでは?」

 

 これが三の矢。原作──ユグドラシルでもあった熱素石の再入手方法。

 ユグドラシルにおける熱素石の入手方法はアインズ様も知ってますが、この世界では入手方法が変わっているかもしれない、という疑念を植え付けました。

 現状、私も完全に把握できておらず、状況だけを説明することになりますが、それでも世界級アイテムに繋がる貴重な情報です。

 

「……そうだな、その通りだ。情報とは独占してこそ価値がある」

 

 そう言ってアインズ様は玉座へと戻っていきました。

 ここまでこの熱素石だけで優位に立つことに成功した。後は受け入れられるかどうか。

 

「先の件だが──内容次第だが受け入れよう」

 

「ありがとうございます、アインズ様」

 

 よし、ここまではいい。

 

「では、協力していただきたいことをお話しさせていただきます。

 まず一番重要なことから率直に言いましょう。

 ──アインズ様、どうか我らの神になっていただけませんか?」

 

「……………………え?」

 

 

 

 ◯

 

 ◯

 

 ◯

 

 

 

 アレーティアとの会談が終わり、玉座の間に残っているのはアインズと守護者たち──ヴィクティムは監視のため第八階層に戻っている──とセバスだけだった。

 

「さて、これから忙しくなるぞ」

 

「……アインズ様、本当によろしかったのですか? あれら全ての条件を呑むなど」

 

「ああ。あの条件を呑んだとしてもナザリックにとってのメリットが大きかったからな」

 

 今回アレーティアが協力してほしいと頼んだことはいくつかあったが、その中でも重要なものがスレイン法国に成り代わる新たな国家の建国だった。

 

(いきなり国を興せとか、神になれとか無茶振りすぎないか?こちとらただの営業のサラリーマンだっていうのに)

 

 アレーティアの我々の神になって発言には守護者もシモベとなるモンスターたちもどよめいたが、すぐに「至高の御方に相応しい地位」だと盛り上がり、引くに引けなくなってしまった。

 

(あれはアレーティアさんの狙いのひとつだったのかな? 多分最初の接触の時に守護者たちNPCの反応を見ていたから、それを参考に喜びそうな提案をしていたと思うのだけど)

 

 この世界ではプレイヤーは神や王として君臨していた話は聞かされていたアインズは、まさか自分もそのひと柱になるとは考えてもいなかった。

 ギルドとしてのアインズ・ウール・ゴウンは悪名高く、この世界に他のプレイヤーが現れれば敵対は免れないだろうという予想をしていたが、その辺りはアレーティアとその協力者が全面的に対処してくれるという契約のもと受け入れることとなった。

 

「……アインズ様がそうおっしゃるのであれば、きっと何か深いお考えがあるのでしょう。 では、我々守護者一同アインズ様がこの世界を統べる神として君臨するため、粉骨砕身で仕えさせていただきます」

 

(なんだか嫌味を感じる言い方をされた気がするけど……ん?この世界を統べるって何言ってるんだ?)

 

「それに伴い、重要なことを決めないといけないわ」

 

「重要なこと、でありんすか?」

 

「ええ、そうよ。 アインズ様が神として君臨するのはいいとして……ただの神ではこの世界の神と同等と考えられるのではなくて?」

 

「確かに、アインズ様がその六大神とか八欲王なんかと同等なはずないもんね」

 

「ぼ、僕もそう思います」

 

「ソノ通りダナ」

 

「少なくとも、スレイン法国の神だった六大神などという愚物をアインズ様と同列に語るわけにはいかないね。もっとアインズ様に相応しい呼び方を考える必要があるかと思います」

 

 守護者たちの中で真っ先に議論すべき内容。それはアインズという神の呼称だった。

 デミウルゴス、アルベドの提案に守護者たちから賛成の声が上がる。

 

「どうでしょうか、アインズ様?」

 

「異論はない。好きにせよ」

 

 アインズは六大神に倣って四十一神や異形神なんかでいいんじゃないかと考えていた。

 ただ、かつてのギルドメンバーからはネーミングセンスがないと言われていたため、ここは守護者たちに任せる判断を下した。

 

「では私から。 アインズ様の美貌を讃えて、美貌神がいいと思いんす」

 

 シャルティアの案におお、という感嘆の声が守護者たちから上がる。

 

(アインズ・ウール・ゴウン美貌神? いや、語呂が悪いから美貌神アインズ・ウール・ゴウンか?)

 

「はーい!アインズ様の強さをアピールするべきだと思います!強大なる神で強神がいいです!」

 

 なるほど、と沸く声が聞こえる。

 

(強神アインズ・ウール・ゴウン?)

 

「あ、あの、僕もいいですか? えっと、アインズ様は優しい方ですし、そこを皆さんに知ってもらった方がいいと思うんです。 あ、あの、ですので慈愛神とかは、どうでしょう?」

 

 マーレの案に守護者たちが首を縦に振っている。

 

(慈愛神アインズ・ウール・ゴウン?)

 

「私としては──そうですね、アインズ様の崇高なる賢知と至高の御方のまとめ役という栄誉を讃え全能神がよろしいかと愚考します」

 

 デミウルゴスの案に納得と守護者たちが頷く。

 対してアインズは人知れず頭を抱える。

 

(全能神アインズ・ウール・ゴウン? それだけは勘弁してください)

 

「セバスは?」

 

「私はシンプルに神でいいと思っていましたが……そうですね、アインズ様はたっち・みー様のように困っているアレーティア様に手を差し出されたこともありましたので、正義神というのはいかがでしょう?」

 

 守護者たちからなるほど、という声が上がる。

 

(正義神アインズ・ウール・ゴウン? どっちかというとそれはたっちさんが名乗るべきなんじゃ?)

 

「では私の出番ね。 至高の御方々の頂点に立つ御方なのですから、至高神が良いですわ」

 

 感嘆のため息が守護者たちから上がった。

 

(至高神アインズ・ウール・ゴウン? どれもなんというか……凄いな)

 

 守護者たちに任せたはいいが、どれもこれも自分を過大評価していやしないか?とアインズはひとり思う。

 そんな中、全員の視線が未だ提案していない守護者に集まる。

 

「それでコキュートスはどうなのかしら? 私の至高神の後だと厳しいかもしれないけれど、アインズ様に相応しいものがあるかしら?」

 

「……フム。 アインズ様ハ今後法国ダケデナク多クノ者タチヲ支配サレル事トナルダロウ。 故ニ、魔ヲ導ク神──魔導神ガ良イカト思ウ」

 

 守護者たちは即座に反応しなかったが、一斉にアインズへと視線を向ける。その瞳にあるのはこれ以上の名はないという無言の同意だった。

 

「……よかろう。コキュートスの意見を採用する。 建国した暁には──()()()()()()()()()()()()()、魔導神アインズ・ウール・ゴウンを名乗ろう!」

 

 守護者たちからの賞賛を一身に受けながら、アインズは練習していた支配者らしい振る舞いで敬意の声を抑えた。

 

「では各員、アレーティアからの報告を待ち、その時に備えよ!」

 

「はっ!」

 

 

 

 

 ○

 

 ○

 

 ○

 

 

 

 会談という名の打ち合わせも終わり、エ・ランテルへと帰った私はひとつ大きな仕事をやり遂げた達成感を覚えています。

 これで、私の安全は保障されたも同然。加えて言えば、余程の事がない限りナザリックがこの世界に牙を剝く──ということも無いでしょう。

 

「後はさっさと法国を統治して、ナザリックへと差し出すだけ。 ここまで長かったな……」

 

 万が一、敵対することになった場合はもう私がツアーの支援を最大限受けた上でナザリックに挑むしかなかった。

 勿論、私ごときでは全階層攻略など天地がひっくり返っても無理ですが、最大限の嫌がらせぐらいはできる。場合によってはアインズ様の心をへし折るぐらいの嫌がらせが。 ……まあ、その必要はなくなったので安心です。

 

 今後はアインズ様を神にした国家の支援をしながら、いよいよあの一件を片付けようと思います。

 その為にはまずやっておかないといけないことがあります。

 

 

 

 場所は変わって、エ・ランテルにある私の居城のとある一室。 具体的に言えばラナーのために作った隠し部屋に彼女はいました。

 

「ここでの暮らしはどうですか、()()()()()?」

 

「…………」

 

「そんなに睨みつけなくてもいいじゃないですか。 私は仲良くしたいんですよ?」

 

 

 これからの計画にはお姉ちゃんはいてもいなくても変わりませんけど……きっとお姉ちゃんも恨みを持っているはずなので、一緒にやりたいんですよね。

 

 

 

 

 ──クソ親父への報復を。

 

 

 

 





アレーティア
初手世界級アイテムとかいう掟破りを発動。無事目論見は成功し、更に次の計画を進めている。

魔導神アインズ・ウール・ゴウン様
世界級アイテムに釣られてしまい契約してしまった。
今後振り回されることが確定した瞬間でもある。
でも原作に比べて比較的穏やかに過ごせるかもしれない。

デミウルゴス
アレーティアの張った罠に気づいて忠言したものの、聞き入れてもらえなかった──が、これもアインズ様の想像も出来ない何かの策なのかと自分を納得させた。

アンティリーネ・ヘラン・フーシェ
ラナーの愛の巣にて拘束中。実はこの部屋にはそういった拘束系のアイテムが数多くそろえられている。


次回から新章『神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国編』が始まります。
その次が最終章になります。
なんと、帝国ルートでは聖王国編はありません。カルカ様が聖棍棒になる未来もないわけです。結婚できるかどうかは別として……。

感想、高評価貰えますとモチベーションがググッと上がるので、よろしくお願いします!

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