転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
これからは自分で色々と調べたり書き出したりしないといけないなと思いつつ、原作Kindleでも全巻買って良かった。いつでも確認出来るから便利ですね。
ついでに番外編も連載に向けてプロットがなんとなく出来上がってきたんで、とりあえずこちらの完結目指して頑張りますね。
(つ、疲れた……!)
アインズは大仕事を終え、ナザリックへと帰還していた。
事の発端は、この新天地で出会った新たなる友人であるアレーティアに手を貸してほしいと言われたのがキッカケだった。
手始めに世界級アイテムである熱素石を差し出し、更にはプレイヤーが去ったギルド拠点であり現国家を献上するとまで言われて、美味い話には裏がある、と慎重になったものの得られる対価は確実にナザリックの強化に繋がり、アインズの目的──この世界に来ているかもしれない仲間探し──を果たすのにはうってつけだったため、受け入れた。
その結果、一国の王を飛び越え神になることになってしまった。
(一体全体どうしてこうなったんだ!? いやまあ、確かにプレイヤーは神として崇められることもあるとは聞いてたけどさ! 一介の営業サラリーマンが何でこんなことしないといけないんだ!?)
この世界に来てから、振り回されてばかりだとアインズは頭を抱えながら、アインズは激動の日々を思い返した。
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ユグドラシルのサービスが終わったかと思えばナザリックごと異世界に転移し、NPCたちが自我を持った。それも、かつての仲間たちの面影を残して。
ただ、NPCたちは皆ギルド長であるアインズを讃えていて、過分な評価に困惑するしかなかった。
そんな矢先にナザリックへの侵入者──もとい、ナザリックが転移した地を治める領主アレーティアと出会った。
彼女から得られた情報が無ければ、今頃この世界の情報収集をするためにNPCたちを各地に派遣することになっていたかもしれない。
そして、彼女の領地でこの世界に触れ、ユグドラシルに通ずるものがあると確信しつつ、ユグドラシルにはなかった技術などに心を弾ませていたのだが──楽しかったのはここまでだった。
アレーティアの領地が襲撃されてしまい、多くの村が焼き払われ、怒りと悲しみを堪える彼女を見て、アインズは昔を思い出した。
かつて、ユグドラシルを辞めようとしていた頃、たっち・みーが手を差し伸べてくれたことを。 『誰かが困っていたら、助けるのは当たり前!』と『正義降臨』の四文字を背負った正義感の強い彼のことを。
アレーティアから多くの恩を受けたアインズは、その恩を返すべく協力を申し出た。結果、襲撃犯たちは無事捕えられ、そこでアレーティアという個人の実力を知った。
アインズからするとアレーティアという人物は謎が多い人物だ。レベルは推定でも九十以上はあると推定しているが、
後日、彼女が拠点としているエ・ランテルに動きが見られ、どうやら情報系魔法に何らかの対策をしていたようなので、ぷにっと萌え直伝「誰でも楽々PK術」にあった対策方法でアレーティアを監視することにした。
良い関係は築けているはずだが、万が一敵対することになれば厄介な相手になることは間違いなかったため、悪いと思いながらも情報収集のためと割り切った。
そして──戦争、というより強襲が行われると察したアインズは守護者を全員召集し、アレーティアについての考察をすることにした。 設定上、アルベドとデミウルゴスはナザリック最高峰の知恵を持つため、自分にはない考えを期待してのことだ。勿論、他の守護者からも何らかの意見があるかもしれないと期待し、いざ戦いを観戦すれば──。
「ちょ、超位魔法、だと!?」
いきなりの超位魔法の発動。ユグドラシルならば的になってしまい集中狙いされるためやらない行為だが、アレーティアはためらうことなく発動した。
「超位魔法が使える、ということはアインズ様や他の至高の御方と同じ領域に立っている、ということでしょうか?」
「……その可能性は高い。 お前たち
「そうなると、この世界の人間はアインズ様に匹敵する可能性があると?」
「いえ、私は先日彼女の街にアインズ様と視察したけれど、彼女を除けばどれもこれもムシケラも同然だったわ。
……彼女の嫁に当たる人物はとても興味深かったけれど」
「ぐぬぬ……ッ!!」
「シャルティア、あんた少し落ち着きなさいよ」
「こ、これが落ち着いていられると思いんすか!? アルベドだけズルいでありんす!!」
「ズルいって……シャルティアさぁ、アルベドはアインズ様の護衛としてついて行ったんだよ?」
「分かっているでありんす!分かっているでありんすけど……!」
話が段々と脱線してきてしまったため、アインズは両手を叩き守護者たちの意識を自身に向けさせた。
「話を戻すぞ。結論を出すにはまだ早いということだな。 もしかすると、彼女だけが超位魔法を使えるという可能性も大いにある。その証拠に、スレイン法国は誰もアレーティアを攻撃していないからな」
もしも超位魔法を使える人物が法国にもいるのなら、ああも何もしないということはありえない。 ならアレーティアだけが使えると考えた方が自然だった。
そして発動した超位魔法〈
(超位魔法の実験はまだ済んでいないけど〈天上の剣〉は宇宙兵器と呼ばれるだけの威力はあるよなぁ。開戦の狼煙としては悪くない気はするぞ)
少し呑気にそんなことを考えていると、監視している〈
(まさか、な)
『誰でも楽々PK術』における防衛策は取ってあるし、ここは世界級アイテムにも守られているナザリックの中。それに気づけるわけがないと思っていると、当の本人から「ところでアインズ様、もしかして〈遠隔視の鏡〉で私のこと観てたりします?」と伝言板に連絡が来た。
アインズは身震いした。同時にやらかしたと激しく後悔し、謝罪し監視を止めようとしたが、本人からむしろ見て感想を聞かせてくれと言われる始末。
(穏便に済んだのは良かったけどさ……この守護者たちのアレーティアに対する敵対心はどうにかならないかなぁ)
守護者たちはアインズを殺し得る可能性を持つアレーティアをかなり警戒している。直接会う時は守護者を最低でも一人か二人同伴させることを全員が進言するほどに。
アインズとしてはアレーティアの人柄的に、自分の大切にしているものを傷つけなければ敵対することはないと判断しているが、守護者たちはアインズの身の安全を確保するために今回の戦いから対策を練ろうと皆真剣だ。
そして戦いが始まり──
(いやいやいやいや!? なにその鎧!?パワードスーツ……いや、パワードスーツにあんな武器を浮遊させて操るなんてギミック無かった。
もしかすると、俺が知らないだけでそういうパワードスーツがあったかもしれないけど、それにしてはパワードスーツとは違うように見えるし……)
アレーティアの鎧の性能は破格だ。ただ、相手もそれなりに食らいついてはいるが、様子を見るに自己強化などはしていないように見えた。
「……ドウヤラ、アレーティア殿ノ相手ハ余リ戦イヲ経験シテナイヨウダナ」
「それはどういうことでありんすか?」
「アレーティア殿ヲ見テイタガ、戦闘が始マル直前ニ何ラカノ強化魔法、モシクハ特殊技能ヲ使用シタ様子ガ見ラレタ。
ダガ、相手ハ局所的ナ強化ハシテイルガ、ソノ場凌ギニナッテイル。
ソレ故ニ長期的ナ強化ヲシテイルアレーティア殿ガ終始有利ニ戦イヲ進メラレテイル」
ユグドラシルのPVPにおいて、基本的なステータス向上の強化はもちろん、相手の戦闘スタイルや自身の弱点を補うカット率の上昇、弱体効果付与など、如何に自分が有利に戦える状況を作り出せるかが重要になる。
アインズもかつての仲間と切磋琢磨し、PvPにおいては勝率は五分五分──中の上から上の下ぐらいに位置している。 加えて、ぷにっと萌えから状況判断能力なら一番と称されたアインズはコキュートスの解説に静かに頷く。
「なるほど。つまり、現状アレーティア殿の方が有利なのは間違いないんですね。
と、なると問題はあの鎧ですね。あの鎧は鎧ではなくこの世界独自の武器、と考えた方が自然だと思いますがどうでしょう?」
「ソノ可能性ハ大イニアル。 ソレニ、アノ多種多様ナ武器ノ使イ分ケ方カラ『ウェポンマスター』ヲ習得シテイルト思ウ」
「『ウェポンマスター』は確か……コキュートスとエントマが習得していたな。 コキュートス、お前から見てアレーティアはどういう職業構成だと思う?」
「恐ラクデスガ、鍛冶職ヲ習得シテイルノデアレバ何ラカノ特殊技能デ武器ニヨル攻撃ノ強化ヲシテイルカト。 例エバ以前、武人建御雷様ガ武器ノ耐久度ヲ消耗シテ威力ヲ上ゲル職業ガアルト言ッテオリマシタノデ、特殊ナ鍛冶職ナラバ武器ノ消耗ヲ抑エツツ、攻撃ヲ上ゲルコトガ出来ルカモシレマセン」
コキュートスの発言にアインズはかつての仲間である武人建御雷を想起した。
たっち・みーを倒すため、武器の強化や自身の職業構成の見直しなど弛まぬ努力を重ね──その前にたっち・みーが引退してしまったため叶うことがなくなってしまったと寂しそうにしていたことを思い出した。
(というか、守護者たちからそんな話が聞けるとは思ってもいなかったな。 これが終わり次第、NPCたちから皆のことを聞き出すのもいいかもしれない)
そんなことを考えつつも、戦いは続く。
追い詰められていく敵は遂に切り札を切った。
それはアインズが持つ最強のスキル──The goal of all life is deathだった。
あまりの出来事にアインズも焦り、アレーティアを救出──蘇生すべく動き出すが、無慈悲にも十二秒という時間は過ぎ去り──アレーティアは死んだ。
そう、死んだはずだった。
「──は?」
アレーティアは自力で蘇った。 誰も蘇生させていないのに。
勿論、蘇生アイテムや〈
しかし、問題はアレーティアがそのどれでもない方法で蘇ったことだ。アイテムや魔法による即時蘇生ならあのように斃れることはない。
「……アインズ様、何かご存じなのでしょうか?」
何が起きたかナザリック最高の智者であるデミウルゴス、アルベドですら理解出来ず、唯一何が起こるかを知っていた至高の御方へと恐る恐る尋ねる。
「……ああ、あれは私の切り札のスキルだ。
効果は……発動後に使用した即死効果を持つ魔法や特殊技能を強化し──発動後十二秒経過した時点で相手を即死させる。耐性を持っていても無視して、な」
アインズは苦しげに自分の切り札の説明をした。 守護者たちが万が一反旗を翻した時に対策されないためにも教えたくはなかったが、既に知られてしまったため、そして知っている反応をしてしまったため隠すことが難しくなったため、素直に明かした。
それを聞いた守護者たちはアインズの持つ力に畏敬の念を抱いた。流石は我らを支配する──至高の御方のまとめ役だと。
そして同時に、何故アンデッドでもない人物がその力を行使することが出来たのか、という疑問が浮上した。
だが、無情にも時はその疑問に更なる疑問、謎を押し付けてきた。
アレーティアが召喚した
激しい戦いが繰り広げられ、アレーティアが取り出した新たな武器と剣技──おそらく武技──によって、勝敗は決した。
更にその後、本人からすれば何の気なしに発動した〈死せる勇者の魂〉がアインズ、守護者共に背景に宇宙を背負うほどの困惑を齎した。
「……………お前たち、この戦いでアレーティアという人物が理解出来たか? 正直に答えよ。ちなみにだが、私は理解出来なかった」
ユグドラシルではあり得ない光景がいくつもあり、この世界ではユグドラシルでの常識が通用しないと思い知らされたアインズは支配者然とした態度ではなく、一個人として守護者たちに問いかけた。
「………正直に申し上げますと、情報が足りなさすぎます。この戦いだけでアレーティアという人物を理解するのは極めて困難かと存じます」
デミウルゴスが黙する守護者たちを代表して答える。守護者たちそれぞれは険しい表情をし、アレに勝てるかと思案をめぐらせていた。
「だろうな。 彼女たち程の実力者がどれだけいるかは不明だが、情報は集めるべきだ」
その後はアレーティアと戦っていた程の強さを持つ敵はおらず、かろうじてエインヘリヤルと良い勝負をしていた青年も倒れ、この報復戦はアレーティアら帝国の勝利で幕を下ろした。
同時に現時点でのナザリックのアレーティアに対する警戒レベルは最大になった。
次回もナザリックの話になります。
アインズ様が神になるまでで終わりますかね。
そこからはアレーティアに振り回される神と皇帝がメインになるかな?
感想、高評価よろしくお願いします!