転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
今回から何人かオリキャラ出るかもしれませんがそこまで重要なキャラじゃないんで覚えなくても結構です。
ついでに四騎士の不動が登場しますが口調とか性格とか知らないんで完全想像で書いていますのでご了承ください。
オバマスだとセリフとか貰えてるみたいなんですけどオバマス進められてない…。
いまいち進め方を理解していない残念な私です。
ジルクニフから帝国四騎士選抜遠征のメニュー作成を任されたアレーティア。その日から早半年。
多くのことがあったが一番大きな出来事は先日起こったイジャニーヤの襲撃だろう。
暗殺者の集団が深夜の皇城に忍び込み皇帝暗殺を企てるがアレーティアにより全員半殺し状態で確保された。しかし加減せず武技を放ったため皇城の一画が破壊されてしまい修繕のことなどを考えジルクニフの胃にも大ダメージが与えられた。
捕らえた後の尋問でこの集団が暗殺集団イジャニーヤのメンバーと発覚。雇った貴族たちを聞き出し、後に粛清騎士と選抜された帝国四騎士による貴族の大粛清が行われることとなった。
この貴族の伝手を利用しイジャニーヤを帝国の組織に組み込めないかとジルクニフは思案を巡らせたが、ようやくアレーティアが訓練内容をまとめた文書を提出したため先送りとなった。
「かなり時間をかけたようだがこの訓練内容なら問題なかろう。後で将軍たちにも目を通させるとしよう。」
「ありがとうございます!」
訓練内容を考え半年かけて提出したアレーティアは何かから解放されたような清々しい顔をしていた。それもそのはず、慣れない作業を半年近く行っていたせいで無意識にストレスが溜まりイジャニーヤの襲撃の際ストレスを発散するがごとく武器を振り回し大技の武技、
何という事でしょう!
煌びやかな皇城の一画──廊下の一部が崩れ落ち空と帝都と階下が見渡せる開放的なスポットになっています。これは
慣れないことをさせるものじゃないとジルクニフは反省し、今後はアレーティアに担当の書記官を就けようと心から思った。
その後、無事将軍たちからも了解を得たアレーティアはジルクニフが選んだ40名を連れて意気揚々とアゼルリシア山脈へと遠征に向かった。
…ここでジルクニフは勘違いを一つしていた。アレーティアがイジャニーヤとの一件でストレスを発散出来たと。実際は違う。ストレスは発散出来たが彼女は
その結果、帝国四騎士候補の騎士の面々は地獄を見ることになる。水を得た魚の如く動き出したアレーティアが止まるまで果たして彼らは耐え切れるだろうか。
アレーティアと選抜された40名の騎士たちは馬に乗り荷車を引きアゼルリシア山脈の麓のトブの大森林へと辿り着いた。ここからは一ヵ月程、帝国四騎士に相応しい実力を身につけるための実践訓練が行われると聞いていた。
しかし、到着して間もなく、アレーティアが姿を消してしまう。何事かと思い騎士たちは辺りを見渡す。その中には未来の四騎士が二人…バジウッド・ペシュメルとナザミ・エネックの姿もあった。
「チッ、あの粛清騎士サマは何処に行っちまったんだか。ナザミ、お前見てたか?」
「いや、さっぱりだ。」
「だよなぁ。ったく、散々問題起こすやつだから今回も何かやらかすんじゃないよな?陛下も何考えてんだか…。」
「…そうならないことを祈るばかりだ。だが今回は陛下と将軍方が訓練内容を確認したうえでの遠征だ。余程のことがない限りは問題ないと思いたいが…。」
二人は会話をしながら野営地で作業を続ける。一ヵ月の間ここに留まるので入念に準備は整えてきている。そんな中、大森林からけたたましい音が聞こえた。
グギャアアアアアアアア!!
「な、なんだこの音は!?」
「も、モンスターか!?かなり近いぞ!」
「うろたえるな!陣営を組み構えろ!」
各々がこの非常事態に対応するため動き出す。そこには当然バジウッドとナザミも含まれており武器を構える。
「…なあ、ナザミ。俺すっげえ嫌な予感がしてるんだが。」
「奇遇だな。俺もだ。」
二人の予感は的中することになる。しばらくすると現れたのは巨大なトカゲ。八つの足と石化の魔眼を持つ強大なモンスター、ギガントバジリスクがそこにいた…のだが。
グギャアアアアアアアア!?
「あっはっは!おいこら逃げるんじゃありませんよ!お前はこれからの訓練で使うんですから大人しくなさい!!」
両方の魔眼を短剣で使い物にならない状態にした
「はーい、皆さん!野営地は出来たようですね!では早速!このギガントバジリスクとの戦闘訓練を開始しまーす!!」
「お、お待ちください粛清騎士殿!訓練内容にモンスターとの戦闘が記載されていないのですが!?最初は粛清騎士殿との一対一の模擬戦の後個別指導と団体訓練に切り替えると…」
勇気ある騎士の一人、トーマス・アルトランドが
「いや、こんないい獲物がいるのに使わないなんて勿体ないじゃあないですか!大丈夫です!危険な魔眼は潰してますし猛毒もさっき全部吐かせましたから今は身体のデカいただのトカゲです!それに怪我をしても陛下に大量に用意していただいたポーションがありますしいざとなれば私が手を出すので死にはしません!」
「し、しかしそれではこの訓練内容の意味が!」
「臨機応変に対応するのも騎士の務め!さあ来ないならこちらから行きますよ!〈
グギャアアアアアアアア!!
アレーティアのスキルによって強化されたギガントバジリスクがその巨体を揺らし騎士たちに襲い掛かる。呆気にとられた騎士の大半は動けずにいた…がこの場面で真っ先に動いた男がいた。
「武技〈重要塞〉!バジウッド!」
ナザミ・エネックである。主装備としている大盾でギガントバジリスクの進撃を受けきる。そしてナザミの次に動いたのはバジウッドだ。
「おう!武技〈斬撃〉!おうお前ら!ボーッと突っ立ってないで動け!それでも陛下に選ばれた騎士なのかよ!?突っ立ったまま死ぬ気か!?」
「そ、そうだ!ここで臆して何になる!俺たちは四騎士候補!ここで騎士の誇りを見せるんだ!」
「そうだ!我々は帝国を守る剣と盾!ここで立ち止まるわけにはいかない!」
「いくぞおおおおお!」
「「「「うおおおおおおおおおおお!!!!」」」」
ナザミとバジウッドが最前線に立ち、続いて他の騎士たちが剣を、槍を、弓を振るう。混戦しているように見えるがこれでも彼らはジルクニフによって選ばれた精鋭の騎士。次第に連携を取り波状攻撃を繰り広げる。しかし、ギガントバジリスクも抵抗する。石化の魔眼を潰され視野を失ってはいるがその巨体によって引き起こされる一撃には弱っている様子は見られず油断した騎士は吹き飛ばされてしまうだろう。それを許さないのがこの男、ナザミだ。武技〈重要塞〉を駆使し〈流水加速〉によってギガントバジリスクの一撃が放たれる場所に先回りして攻撃を防ぐ。その攻撃を受けた隙にバジウッドが分厚い鱗を断つように〈斬撃〉を放つ。こうした攻防が数十分繰り広げられそして…。
グ…グギャア…
ズウゥゥン!という大きな音を立ててギガントバジリスクの巨体は遂に倒れた。大きく消耗したものの騎士たちは無事勝利を収めることができたのだった。
「やった…やったぞ!あのギガントバジリスクを俺たちが倒したんだ!」
「オリハルコン級でも厳しいと言われるギガントバジリスクを…倒せたんだな。」
「あーもうクタクタだ。初日からこんなイレギュラーがあっていいのかよ…なあナザミ。」
「………。」
「ナザミ、おいどうし……落ちちまったのか。そりゃあ仕方ないよな。お前が一番体張ってたんだから。」
バジウッドはナザミを起き上げ野営地へと向かっていった。こんなところで雑魚寝するよりもキチンとした場所で休ませてやりたかったからだ。そんな男の友情を知る由もなく無慈悲な声がかけられる。
「皆さんお疲れ様です!正直厳しいかなって思ってたんですけど無事倒せて何よりです!では続きを始めましょうか!」
その発言にバジウッドは騎士たち全員の内心を代弁をするように恐る恐る答える。
「…あの、粛清騎士サマ?この戦いで流石に全員疲れ果ててる。今日は流石にやめにしないか?臨機応変な対応が必要って言ってたろ?」
「ああ、疲れたんですね!失礼しました!全員にポーションを…いや、これ使うと戦った意味がなくなっちゃいますね。私も使わせてもらえなかったし…。」
「だ、だろ!?だから今日のところは…」
「では一時間休憩の後再開しましょう!予定通り私と一対一の模擬戦をして個別指導とまいりましょう!」
「いや聞けよ!!」
この後一時間後にギガントバジリスクの時とは違う騎士たちの悲鳴が飛び交いこの日の訓練は終わった。
そしてバジウッドは思う。時折見る陛下が腹を抱えてうずくまっている理由って
アレーティアが大分キャラ変わってない?って思いますが解放された結果がこれです。
嫌なことから解放された後ってこんな風になりませんか?最高にハイってやつです。地味に狂化自分にも使ってませんかねこの娘。
次回でこのバハルス帝国、アレーティアが来てからの日々は一旦終了予定。