転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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試合まで行かんかった……(ネタバレ)

登場人物を増やしすぎた私のせいですね。すいません。
聖王国まで絡めようとしたら伸びちゃったんです。許してください。



神前試合

 

 

 

 神前試合当日、帝国、魔導国共同での帝都の闘技場で行われた御前試合は大衆が盛り上がる中、無事に成功を収めた。

 最も盛り上がったのはかつてのリ・エスティーゼ王国御前試合の再演──ガゼフ・ストロノーフとブレイン・アングラウスの決戦だった。

 元々は個人的な対決で済ませるつもりが、あれやこれやの内に神前試合に持ち越されることとなってしまったが、それでも二人に不満はなかった。

 次々と繰り広げられる剣戟、武技の応酬に観客どころか参加者たちすら興奮が冷めやらず、十数分と続いた戦いはブレインの魔樹の根(ルート・オブ・イヴィル)による奥義〈秘剣・指切り〉により決着が着くこととなった。二人の戦いはこの闘技場で繰り広げられた戦いの中でも上位に並ぶほどの戦いであったと言えよう。

 

 だが、この裏を知る者たちにとってはここまでは所詮前座であり、これからがメインだった。

 

 

 

「粛清騎士と魔導国の守護者とやらの一騎打ちねぇ……まさかそんなイベントに招待されるなんてなぁ」

 

「そうね。ただ、こうして見ると招待されているのは結構バラバラというか……」

 

 ラキュースたち"蒼の薔薇"は招待状に書かれた集合場所──帝都にある粛清騎士(アレーティア)の持つ屋敷へと訪れていた。

 そこには既に幾人かの招待客が集まっており、誰も彼もが帝国、もしくは周辺国家における有力者であるのは明らかだった。

 

「あの旗は聖王国の……まさか聖王女まで招待しているのか?」

 

 イビルアイが少し驚きの反応を見せる。

 ローブル聖王国は四大神信仰を掲げる国家であり、神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国が建国し六大神信仰が破棄されたことで折り合いが悪くなっていた国だ。帝国ともその関係上、少々険悪な──聖王女は強気な態度を取れていないが──ものになってしまっている。

 聖王国として最も許せないのはアンデッドを神として信仰していることだ。

 元々四大神信仰では土、水、火、風をそれぞれ統べる神がこの世界を作り出し統治しているという教えがされている。これは王国や帝国などの近隣諸国も同じだ。

 しかし六大神信仰では最初に光と闇があって、そこから四大神が生まれたとされ、四大神に加えて上位の神として()の神、()の神があり、それらを六大神とし信仰している。この一件だけでも六大神信仰と四大神信仰は相容れず、教義的に仲が悪いとされている。

 

 そんな中、法国が滅び新たに建国された神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国では六大神などおらず、それは忌まわしき八欲王によって歪められたものと明言し、新たに国教としてアインズ・ウール・ゴウン信仰というものを掲げた。

 アインズ・ウール・ゴウン信仰においてはかつて四十一の神々が存在し、四十一の神々全員が手を取り合い結成された神々の集まりがアインズ・ウール・ゴウンと呼ばれており、現在は復活した一柱を除いた全てが姿を隠しているため代表として魔導神がアインズ・ウール・ゴウンを名乗っている、という話だ。 そしてアインズ・ウール・ゴウンという神々は全て異形の存在であるとされていた。

 異形であるが故に疎まれたアインズ・ウール・ゴウンはおぞましき八欲王や他の神々によって力を失い、存在を隠されてしまい、歪んだ形で歴史に名を遺されてしまったと魔導神は語った。

 その後は魔導神がこの世の生きとし生けるものを導くと、偽りの六大神信仰を廃止を宣言し──多くの国民の反感を買ったものの神としての格を、力を見せつけ、今では多くの国民に受け入れられつつあった。裏で帝国の協力があったとされるが、それでも信頼を勝ち得たことに変わりはなかった。

 そういう経緯があり、六大神信仰は否定され存在は薄れつつあった。

 同時に六大神信仰を否定するという事は四大神信仰をも否定するものとして、聖王国は抗議の文を魔導国と帝国に送りつけたが、どちらも聖王国が望む答えは得られなかった。

 

 そんな関係の聖王国をわざわざこの場に招待したという事は、この一騎打ちで聖王国に格の差を見せつけるのが目的なのだろうとイビルアイは推測した。

 イビルアイや"蒼の薔薇"の見立てでは仮に聖王国と帝国が戦争をすることになったとしても帝国に負けは無いと断言できる。何故なら過去王国三万の兵をひとりで蹂躙し、十三英雄であった"白金"をも破った粛清騎士がいるからだ。

 聖王国にも優秀な冒険者や聖騎士はいるが、粛清騎士にはとても敵わない。加えて言えば帝国最高位の魔法詠唱者(マジック・キャスター)フールーダ・パラダインに加え、四騎士最強"()()"ナザミ・エネックやそれに準ずる鮮血騎士たちもいる帝国に聖王国では太刀打ちできないだろうとも。

 

 対して魔導国は謎に包まれている。今回の御前試合に出ていたのも元は法国の者ばかりで、主神であるアインズ・ウール・ゴウン魔導神の配下──守護者は誰も出場していない。故に、この場でそれぞれの国の主要人物にのみその力を見せつけようという魂胆だろうと推測した。

 

「お? まさかお前たち"蒼の薔薇"も招待されていたのか」

 

 声をかけてきたのは鮮血騎士ブレイン・アングラウス。隣にはかつての周辺国家最強の戦士であるガゼフ・ストロノーフがいた。

 

「ブレインさん、それにガゼフ戦士長も! 先程の戦い、お見事でした!」

 

「ありがとう、ラキュース殿。 だがもう俺は戦士長ではないんだ。ガゼフと呼んでくれ」

 

「何言ってる?お前はザナック辺境伯自慢の()()だろう? もっと胸を張れよ」

 

「お前に負けたばかりではあまり胸は張れんな」

 

再戦(リベンジ)はいつでも受け付けるぜガゼフ。 ……尤も、俺たちはまだ一勝一敗。まだ互いに勝ち越しちゃいない。次で完璧にお前を超えてみせるぞ」

 

「そうか、ならば次は挑む者(チャレンジャー)として胸を借りるとしよう」

 

 二人の間には互いに認め合った戦友としての絆のようなものがあった。だからこそか、互いに気安い関係を築けているのかもしれない。

 

「ところでだ、気づいているか? ここには帝国だけじゃなく周辺国家でもかなり上澄みの奴らばかり集められている。勿論腕っぷしだけじゃなく政治的にも、な。

 単純な強さだけで言うなら俺たち鮮血騎士にアダマンタイト級冒険者チーム……あそこにいるのは〈銀糸鳥〉か。聞くところによれば〈漣八連〉も来ていると聞いてる。

 他にもあそこには聖王国の聖騎士たちがいるのに加えて……一番ヤバいのはあれだろうな」

 

 ブレインが指差す方へと目を向ければ──そこには白金がいた。白金の如く輝く全身鎧が。その隣には帝国の紋章を着けている黒い全身鎧の人物がなにやら話しているようだった。

 それを見て思わずイビルアイが声を上げそうになるが、なんとか押しとどめる。

 

(なんでここにいるんだツアー!?)

 

 ブレインたちは知り得ないが、そこにいたのは紛れもなく白金の鎧(ツアー)だった。それも、以前と少し形状が変わっているが、あんな鎧を持っているのはこの世界で白金の竜王(プラチナム・ドラゴンロード)か粛清騎士ぐらいだろう。

 思わず駆け寄ってどういう魂胆か問いただしたくなったが、肝心の白金はその隣にいる黒い鎧を着た人物と話し込んでいるようで、間に割って入るのは憚られた。

 

「……隣の黒い鎧は誰だ?知っているか?」

 

「ん?ああ、あれは──」

 

「ラキュース!来ていたのね!」

 

「ラナー!それにクライムも久し振りね!」

 

 今度は粛清騎士の妻であるラナーと専属の護衛騎士であるクライムがこの一団に挨拶に来ていた。

 クライムと久々に会ったガガーランはかつてのように話しかけようとしたが……とあることに気づいた。

 

「おう、クライム!久し振りだな。 ……ちょっと見ない間に男になったか?」

 

 そう、ガガーランから見てクライムからかつての少年っぽさが抜けていたように見えたのだ。彼女の言葉を借りれば童貞を卒業した、ということだろうと。

 だが純朴さは変わっていないようでクライムは単に褒められたものと解釈し「ガガーラン様にそう言ってもらえるとは……日々の鍛錬に励んでいた甲斐がありました」と少し頬を赤らめ照れた様子でいた。

 

「……もうすっかり育っちゃった」

「……まさか、ね」

 

「二人ともどうかした?」

 

「「なんでもない」」

 

 ティアとティナは何かを察知したようだったが、何も言わなかった。 同時に、自分達と同格かそれ以上のナニカの存在を察知したためさり気ない警戒を怠らない。

 これが鮮血騎士であり元イジャニーヤの頭領であり姉妹でもあるティラのものだと気づくのは、この神前試合が終わってから知ることになる。

 

 

 それからしばらく、互いの情報交換や顔合わせなどで時間は刻々と過ぎて行き──

 

 

 

「皆さま、大変お待たせ致しました。 これより会場の方へとご案内いたします」

 

 眼鏡をかけたメイドと赤髪のメイド、そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が現れた。

 

「わた……妾たちは魔導国の遣いの者でありんす。これより会場へとお前たちを転移させるでありんす。 なので順に〈転移門(ゲート)〉を通り、会場に着いたら案内に従って移動するでありんすえ」

 

 そう言い切った後に白い令嬢が〈転移門〉と口にし、黒い次元の裂け目が現れる。これに誰もが警戒を隠せなかった。

 転移の魔法でこのような現象が起きるなど聞いたことがないためだ。

 

 なので、この場で一番初めに動けたのはこの〈転移門〉を知る者たちだった。

 

「じゃあ、一足先に行かせてもらうぜ。 向こうでまた会おう」

 

「ラキュース、"蒼の薔薇"の皆さん、またあちらで」

 

 ブレイン、ラナーを皮切りに続いて鮮血騎士たちが転移門の中へと消えていく。

 それに倣って次はアダマンタイト級冒険者たちが。そして、意外なことに次に続いたのは聖王国の者たちだった。

 

 そうして、次々に転移門の中へと招待客は向かい──通った先にあるエ・ランテル郊外にある訓練場へと辿り着いたのだった。

 

 

 

 ○

 

 ○

 

 ○

 

 

 

 

 時は少し遡る。

 

 数日前、ローブル聖王国首都ホバンスにとある使者がやってきていた。

 

「カルカ様!お逃げください!」

 

「いいえ、逃げません。 相手は帝国と魔導国の使者なのでしょう?その使者が謁見を求めているのに、応えないわけにはいきません」

 

「し、しかし……こ、こんな使者を認めていいものか……!?」

 

 こうして聖王国の首脳陣が慌ただしくしているのには当然理由がある。

 それはこの使者にとある問題があったからだ。

 

 亜人ならばまだよかった。武装した騎士でも問題なかった。だが──

 

 

 

 

 グオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!

 

 

 

 

 首都ホバンスの上空を飛んでいるのは帝国、魔導国の国旗を掲げたフロスト・ドラゴンが七体。しかもその内の二体は明らかに大きさが違う。推定でも青年期(アダルト)は超えている。

 ドラゴンなど準備を万全に整えた英雄が戦いを挑み、それでも勝てずに死んでいく相手。それが七体も首都上空を飛んでいる。言ってしまえば聖王国滅亡の危機だ。

 

 だが、一向にドラゴンたちは地上に降りてこず、代わりにフロスト・ドラゴンの背に乗っていたであろう人影が〈飛行(フライ)〉の魔法を使ったのか減速しながら聖王国の地に降り立った。

 

「バハルス帝国の使者、アンティリーネ。それと……」

 

「はーい!神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国から来ました!アウラ・ベラ・フィオーラでーす!」

 

「お、同じく神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国から来ました。マーレ・ベロ・フィオーレです……」

 

「聖王女様に帝国からの親書を届けに来たのだけど……謁見を願えないかしら?」

 

 

 降り立ったのは黒い全身鎧の人物と、二人の闇妖精(ダークエルフ)の子供だった。

 一見、全身鎧の人物はその装備の放つ存在感や装飾、造りからかなりの代物であることが解かり、恐らくフロスト・ドラゴンを従えているのはこの者であると推測できた。

 しかし、二人の闇妖精の子供は一見強そうには思えないものの、〈飛行〉らしき魔法を行使したことから最低でも第三位階の魔法を扱えるだろうと推測し、エルフの種族上見た目と年齢がそぐわないということもあるためこちらも警戒を怠らないようにと指示を出す。

 使者たちからは謁見を望まれているが、これは拒否権の無い申し出だ。断れば、このフロスト・ドラゴンたちにホバンスを襲わせることだって出来る。これは交渉ではなく目に見える脅迫だった。

 聖王国は帝国、魔導国の使者を受け入れるしかなかった。

 至急、謁見の間を用意し使者を迎える用意をする。

 

(帝国と魔導国はあの強大なフロスト・ドラゴンを支配下に置いているということ? それを戦力としてアピールして聖王国を従えようとしている……そういうことかしら?)

 

 忙しなく用意を進める中、聖王女カルカ・ベサーレスは両国の意図を掴もうと思考を巡らせる。

 現状、アンデッドが統治する魔導国は受け入れ難いが、これだけの戦力を抱えている国だ。敵対することは愚かなことと思えた。

 国民を思うのなら一時的に従うということも考えざるを得ない。だが、国民の理解を得る必要もありそれに乗じて貴族たちが反発し、聖王国内で内乱が起きかねない。カルカは頭を抱えたくなる気持ちを必死に隠しながら支度を済ませ、謁見の間へと向かった。

 

 

 

「ローブル聖王国、聖王女カルカ・ベサーレスです。 それで、皇帝陛下と魔導神から親書を預かっている、という話を聞きましたが……」

 

「初めましてカルカ・ベサーレス聖王女様。私はアンティリーネと申します。帝国において皇帝陛下の守護を任せられています。

 こちらは魔導国守護者のアウラ・ベラ・フィオーラ、マーレ・ベロ・フィオーレでございます。

 ではまずこちらの皇帝陛下からの親書をお受け取り下さい」

 

 全身鎧の人物──アンティリーネと名乗った人物が懐から羊皮紙を取り出し、文官へと手渡した。

 文官からそれを受け取り、文書を読み上げる……と、そこには予想外のことが書いてあった。

 

「神前試合の……招待状?」

 

「ええ。 まずは帝国と魔導国内で取り行うこととなりましたので、御国とも友好を築くため是非に、と」

 

「貴様ら、我々を侮辱しているのか!?」

 

「姉様!」

 

 怒鳴り声を上げたのは聖騎士団団長であるレメディオス・カストディオだ。それを諫めるのは妹であるケラルト・カストディオ。

 二人は姉妹であったが、レメディオスはお世辞にも賢いとはいえず、その分野はケラルトが担当していた。

 

「こんなフロスト・ドラゴンを嗾けるような真似をして友好だと!?しかも、お前以外の二人は子供じゃないか! 子供を差し向けるなど、カルカ様を馬鹿にしているのか!?」

 

「姉様!気持ちは分かるけど落ち着いて!」

 

 レメディオスの行為は褒められたものではないが、この場にいる聖王国の者の総意でもあった。聖王国を軽んじてはいないかと。

 すると、アウラがムッとした顔で答える。

 

「あのさ、私たちはこう見えても七十六歳なんだけど? まあ、種族(エルフ)的に言えばまだまだ子供だけど、それでもあんたたちよりずーっと年上なんだけど?」

 

「えっと、あの、僕もそう思います」

 

「それに、至高の御方に創造された私たちがわざわざアインズ様のお言葉を伝えに来ているのに馬鹿にしてるってさぁ。 そっちの方がよっぽど私たちを馬鹿にしてるんじゃない?」

 

 瞬間、アウラとマーレから不穏なものが発せられた。殺気などではなく、ただ不機嫌だというのを察せさせられるその雰囲気はたちまち謁見の間を支配し、この場にいる者に不安を感じさせた。

 同時にこの二人が見た目通りではないことを理解したカルカは即座に謝罪の言葉を口にする。

 

「部下が失礼いたしました。 私共としても魔導国の情勢や内情などを知らぬため、侮るような態度を取ったことを謝罪いたします」

 

「カルカ様!?」

 

 聖王女ともあろう者が使者に対して頭を下げている様を見てレメディオスは思わず声を出して驚く。並びにケラルトを含めた首脳陣もだ。

 王が頭を下げるということは、実質国が頭を下げるということになる。それを理解しているはずのカルカがそうするというのはそれだけ信じられないことでもあった。

 

 それに対しアンティリーネは「やっちまったよ……」と内心溜息を吐いていた。まだアレーティアよりマシか?などと考える余裕があったのはここだけの話だ。

 

「アウラ様、マーレ様。聖王国の方々はあなた方が神に創造された存在であることを知らないのですから、その辺で済ませてもらえませんか?

 それに、この地に魔導神様も()()()()()()()()()()()()()()()()()とおっしゃっていたではありませんか」

 

「……それもそっか。 ごめんね、聖王国の皆さん」

 

 無礼とも言える態度でアウラが謝罪を口にするが誰もそれを咎めない。

 何故ならこの場における最上位に位置する存在が二人の闇妖精であることを今のやり取りで理解したからだ。

 神によって創造された存在──即ち従属神であると。

 聖王国の教義的にその存在を認めるわけにはいかないものの、それを今表立って否定すればどうなるかは目に見えている。

 

「さて、場の空気も戻ったことですし返答をいただけませんでしょうか?」

 

「……もし、この招待を断ったら?」

 

「それなら仕方ありませんので、我々は帰国します。 ただ……今後、皇帝陛下と魔導神が一堂に揃うということは難しくなるでしょうね」

 

「なるほど……」

 

(三国による対談を狙っている?それとも何か他に意図が?)

 

 確かに、この招待に乗れば皇帝と魔導神と直接対面することが出来る。向こうも聖王女であるカルカを無碍には出来ないだろうし、今後の動向について聖王国と話し合いたいことがあるのは明白だ。

 特に宗教関連。この一点はカルカとしても異を唱えたいところだった。

 そして、羊皮紙の内容を再び吟味し──

 

「分かりました。伺わせていただきましょう」

 

「カルカ様、それは……」

 

 配下の忠言をカルカは手を向け抑えた。この返答を撤回はしないと。

 

「ただし、色々と準備がありますので二日ほどお待ちいただいても構いませんか?」

 

「それは当然のことです。我々も押しかけてしまっていますから。 では、二日後またお迎えに参ります」

 

 そう言い、謁見は終わり使者たちはフロスト・ドラゴンと共に首都ホバンスを去っていった。

 だが、謁見の間から離れる者はおらず、カルカにどういうつもりだと問い詰める。

 

「どういうつもりですかカルカ様」

 

「……このまま魔導国のことを知らないまま──帝国との関係が険悪なままなのは聖王国の不利益と判断しました。

 この神前試合を機に両国の関係や内情が掴めるやもしれません」

 

「しかし、アンデッドが支配し我らの教義を否定する国ですよ?危険です。 それならば代わりに──」

 

「なりません。 私が赴きます。なので、不在の間……聖王国を頼みます兄上。」

 

 こうして聖王国は神前試合観戦の招待を受けることとなった。

 聖王国は兄であるカスポンド・ベサーレスに任せ、現地には護衛のためにと聖騎士団と団長であるレメディオス、神官団団長であるケラルトに加え、幾人かの有力貴族を連れ二日後、フロスト・ドラゴンの背に乗り帝国へと来国することとなった。

 

 

 

 ○

 

 ○

 

 ○

 

 

 

 

『お待たせしました!これより神前試合を開始します!選手の入場です!』

 

 司会のアウラがマイクを手に、合図を出し選手が入場する。

 

『この場にいる者ならその名は知っている者が多いでしょう! バハルス帝国最強の騎士!粛清騎士、アレーティア!!』

 

『そしてそして──神聖アインズ・ウール・ゴウン魔導国より、至高の御方に創造されし最強の武人!凍河の支配者コキュートス!!』

 

 

 そして現在。

 この訓練場にて神話の戦いが繰り広げられることとなる。

 

 

 

 





ガゼフVSブレイン
作中の通りブレインが勝った。二人とも英雄の領域を超えているので、その戦いは戦士たちにとって心躍るものとなった。

白銀の鎧
ツアー……だけど、中の人がいる。アズスではない。
中の人が誰なのかは多分作中で明らかになる予定。考察してみてください。

クライム
非童貞。多分正常な時のレメディオスと気が合う。

聖王国
フロスト・ドラゴン七体襲来とかいう緊急事態に割と本気で焦っていた。なんなら国家総動員令寸前だった。
なお、この後はこの後でラナーたちによるとある作戦が待っている。
カルカ様は泣いてもいい。

フロスト・ドラゴンズ
青年期を超えている二体はキーリストランとムンウィニア。他は子供たち。
アレーティアの命でお姉ちゃんたちに従っている。
なお、オラサーダルクはいつも通り叩きのめされている。もしかしたら、そろそろ死体になるかもしれない。

アンティリーネ
推定百歳以上?
フロスト・ドラゴンをアレーティア以外で唯一従わせられるため、使者に抜擢された。
アウラとマーレはアレーティアよりもぶっ飛んだことをしないので、ちょっと安心している。しかし、ナザリックを侮辱するとこの二人は躊躇いなく国を滅ぼすという事実は知らない。

アウラとマーレ
七十六歳児。まだ子供。
いきなり悪魔やら吸血鬼、異形の物を送るとマズイので使者として選ばれた。
魔導国における守護者という存在のアピール役でもある。
アインズはアレーティアとアンティリーネが二人の良き友人になればいいなとも思ってる。

アレーティア
二十歳。エルフ的にはまだ子供のはずなのにタレントのおかげか既に成人の体型を得ている。なお数百年は基本この姿のままである。
実は登場エルフの中で最も年下という事実。でも身体は大人で、中身は成人男性(異世界製)である。
次回、コキュートスとの激戦。

コキュートス
アレーティアとの対戦相手。ナザリックにおける強さは同率三位。武器戦闘最強。
原作での戦闘描写がリザードマン戦、ブレイン戦ぐらいしかないのでめっちゃ盛る予定。




最近更新するとお気に入りがガクッと減るんだけど、面白くないのかな?と不安になりつつ、心の中のジンベエが「失ったものばかり数えるな!」と叱責してくれたんで頑張ります。
ただ、その後に日刊ランキング最高6位になってたのはどうしてでしょうね……?
いや、めっちゃ嬉しいんですけども!!やったー!!
なので感想、高評価、お気に入りなどお願いします!
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