転生したらオバロ世界のエルフだった件について 作:ざいざる嬢
お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。
めっっっっちゃ難産でした()
言い訳ですね。申し訳ない。
その分、期待に応えられる内容になっていると思いたい!
(書いてるうちに当初の予定と内容が全く変わってしまった件)
あ、恒例の(?)オリジナル要素たっぷりでお送りします。
「
背部に接続している大剣、刀、槍を浮遊させ
それと同時に虚空──
取り出したのは星剣ゾディア。私の持つ剣で最強に相応しい剣。
「行クゾ」
「上等!」
コキュートスがなんらかの
それに対し私は全武器射出で迎え撃ったものの──壁のようなナニカに阻まれた。
「ドウヤラソレハ飛ビ道具トシテ扱ワレルヨウダナ。 我ラ守護者ハ飛ビ道具ニ対スル耐性ヲアイテムナドニヨッテ獲得シテイル」
「嘘でしょ!??」
真実マジッ!?原作でのツアーとパンドラズ・アクターとの戦いでは効いていたはず! ツアーの鎧と同じように始原の魔法も付与してあるし……。
パッと思いつくのは原作ではパンドラズ・アクターは飛び道具対策をしていなかった。もしくはツアーと私の違いか?
ツアーの鎧とこの鎧の違いと言えば
情報が足りない!でも、射出による攻撃が無意味と分かった今、運用方法を変える!
「ムゥウンッ!!」
「〈
転移によってコキュートスの一撃を躱し、背後へと回る。
当然、コキュートスからは見えているだろうが、この際関係ない。
星剣ゾディアに魔力を込めルーン文字を浮かべ──
「〈
「〈
炎を纏った高火力の一撃を叩き込む──が、氷柱に阻まれてしまい、直撃は防がれたものの吹き荒れる炎までは防ぎきれなかったようです。
「クッ……〈
人の腕ほどの大きさを持った鋭い氷柱が私目掛けて何十本も撃ち込まれる。それを浮遊する武器たちを操作し打ち払う。
氷弾が止めば次はこちらの番とばかりに空いている手に大剣を持ち、両手で武技〈双剣斬撃〉を繰り出すが、これは向き直ったコキュートスの大刀で防がれる。
本来ならここで浮遊する武器たちを追撃させ、攻め込むのがセオリーですが──
「全武器投射!」
「効カヌト言ッタハズダ! ソレニ──」
驚くべきことにコキュートスは高く跳躍し、投射した武器全てを躱し落下と同時に大刀を上段に構えそのまま勢いよく振り下ろしてきました!
「〈不落要塞〉、〈能力超向上〉!」
〈不落要塞〉と〈能力超向上〉でその一撃を凌ぎ、再びにらみ合います。
「ヤハリナ、武器ヲ操作スルトソノ場カラ動ケナクナルヨウダナ」
やっぱりバレてますよね。
この白金の竜鎧の武器操作は
訓練次第ではツアーの様に同時に動かすことも可能らしいですが、未だ私でも簡単な操作しか出来ず動かすことに注力してしまうんですよね。
それは格下相手なら何の問題もありませんが……。
「ソノ鎧ハアインズ様モ興味ヲ示シテイタ。 ダガ、現状貴公ヲ縛ル鎖ト化シテシマッテイルゾ」
「いいや、そんなことありませんよ? こうして、手元にいつでも交換できる武器があるので、色んな武器で戦えますからね」
浮遊する武器たちを回収し、再度構える。
星剣ゾディアに再び魔力を込める。
先程使った武技〈燃ゆる巨人の剣〉はかなりの痛痒を与えたように見えました。原作でもコキュートスが熱さに耐性を持っていないのはお風呂回で確認済み。
……これでお風呂と炎は属性が別で、実は完全耐性を備えているとかいう事実がなければ十分通じるはず。
アインズ様なら痛がる振りとかするんでしょうけど、コキュートスは良くも悪くも実直な性格だからそんなことはしない……というより出来ないんじゃないですかね?
なら──
「全武器射出!」
「ソレハ効カヌト言ッタダロウ!」
投射が効かないと判断したコキュートスは避けもしない──だからこそ、これが隙になる。
「全武器、ルーン起動!!」
「ナッ──!?」
投射した武器は全てマジックアイテム。起動すればそれぞれに刻まれたルーンがそれに合った効果を発生させる。
刀は風を、槍は雷を、大槌は重力を。それぞれそれに因んだ魔法攻撃をコキュートス目掛けて放つ。
流石にこれは予想していなかったのかコキュートスは全てまともに受けてしまった。
「グゥッ──見事ダ。 ダガ──「まだ終わってない!」」
表情が変わらないコキュートスの顔は人の顔をしていればきっと驚愕しているでしょう。
そう。確かに私は武器を操作している間は動けない。
けれど──
最後に投射した大剣の柄を持ち、引っ張られるように移動すれば移動できない問題は解消されます。
それとは別に多数の問題はありますが、この際それは気にしません!
「武技──」
「サセヌ! 〈燕返し〉!」
「チィッ──!」
武技は特殊技能によって防がれてしまいましたが、それでも肉薄するという目的は果たせました!
〈燕返し〉を受け──防ぎきれず少々傷を負いましたが──そのまま大剣を操作し、コキュートスとすれ違うようにその場を離脱。
「先程トハ見違エタナ。良イ動キダ」
「ありがとうございますって言った方がいいですかね? ……それより、そこ
「ムッ? コ、コレハ!? グウゥッ!?」
コキュートスが突如苦しみだす。観客に理解出来ているものは一人としていないだろう。
それもそのはず──コキュートスの体に直接ルーン文字を刻んだんですから。
「
「ナルホド……ルーントイウ技術、マタヒトツ価値ガ上ガッタナ。
ダガ、コノ程度ノ傷デハ私ハ止メラレヌゾ」
「承知!」
いつの間にか猛吹雪は収まっていて、辺りに残るのはその影響を残した氷や雪だけになっていた。
再びコキュートスへと肉薄し、近接戦を仕掛ける。
対してコキュートスもそれに応じる。ハルバードを両手持ちし、それを回転させ旋風を巻き起こす。
「〈斧槍嵐刃〉」
コキュートスを中心に巻き起こされた嵐からハルバードの像を残した竜巻が複数出現し、それぞれ私目掛けて飛来してくる。
なのでそれぞれの竜巻に向かって武器を投射し対消滅させる。
そのまま移動を開始。ゾディアから明けの明星に持ち替え再び接近。
対してコキュートスは複腕に持っていた武器を虚空へ戻し新たな武器を取り出しました。
「月輪上弦・下弦! 今ココニソノ
月輪上弦・下弦と呼ばれた双剣は淡い月光のような光を纏い幻想的な風景を醸し出していますが──
「シャアッ!!」
コキュートスが双剣を振るうとまるで三日月のような斬撃が無数に襲い掛かってきました。〈穿つ氷弾〉よりも心なしか手数が多い!
「武技〈乱撃〉!」
それに対し私は武技で応戦。放たれる三日月の刃を悉く打ち消して前進します──が
「〈大上段・袈裟斬り〉」
複腕を動かしている傍ら両腕で構えを取っていたコキュートスはそのまま特殊技能をぶっ放してきました。
振り下ろすだけ、というシンプルな攻撃ですが特殊技能なので多分普通に振るうよりも速いです。
この距離で躱すことは困難。ならばこれも迎え撃つ!
「武技〈渾身の一打〉! オラァッ!!」
「セイヤァッ!」
つばぜり合いが始まったものの、圧倒的に不利なのはこっちです!
なんせ私の両腕はこのつばぜり合いで塞がってしまっていますが、コキュートスは自由な腕が二本と尻尾が一本あります。
「〈羅刹〉」
「ぐううああっ!!」
防げずマトモに受けてしまいました。
痛みで僅かに緩んだ隙を狙い〈大上段・袈裟斬り〉がそのまま直撃──することはなく、なんとか逸らすことには成功しました。
「マダマダ行クゾ! 〈レイザーエッジ〉」
「
大剣を操作し、防ぐ。
「フム、厄介ダナ」
「それはこっちの台詞ですよッ!」
反撃とばかりに跳躍し、私の十八番をぶっ放す。
「〈星砕き〉」
「〈
巨大な氷壁に阻まれたものの〈星砕き〉はこの程度では防げない。氷壁を砕き、コキュートスへ直撃し大きなダメージを与えられたはず。
「ヤルナ……ダガッ!」
「うおおっ!?」
コキュートスの口元から鋭い何かが発射され、仰け反ることでなんとか回避しました。
追撃にと再度発射されたソレを回避し、再び距離を取る。そして、発射されたものの正体は意外なものでした。
「これは……毒針、ですか?」
「ソウダ。正確ニハ毒を針状ニ凍ラセタ物ダガ」
コキュートスって毒も使えたのか……知らなかった。
まあ私に毒の類は通じないんですけど、受けて気持ちのいいものではないので避けるに限ります。
「認メヨウ。貴公ハ強イ。我等守護者ニ匹敵スルホドニナ」
「──惜しみない称賛の言葉、ありがとうございます」
意外なことにコキュートスから短いながらも
ただ、そんな感傷に浸っているわけにはいきません。何故なら、コキュートスはまだ構えているのだから──。
「故ニ、コレヨリハ一切ノ手加減ハセヌ。
──存分ニ斬リ合オウゾ」
ゾクッ!とした殺気──いや、闘志が私を圧倒する。まるで首元に刃を突きつけられたような、そんな感覚に襲われながら──私は笑っていた。
私は無言で再び構え、全力の
○
○
○
「おいおいおい……こりゃあ……」
「速すぎて見えない……わね」
観客席の主な来賓は聖王国の聖王女、帝国の皇帝、帝国の有力貴族や一部の商人だ。だが、当然そういった立場にあるものは護衛を連れてきている。その誰もが主人に選ばれた実力者ぞろいだ。
加えて、この場にはオリハルコン級以上の冒険者チームも招かれており、この観客席にいるそういった実力者たちは周辺国家でも上から数えた方が早い。英雄の領域にまでは到達していなくとも、それに準ずる実力はある。
そんな彼ら、彼女らはアレーティアとコキュートスの戦いを観て──誰もが速すぎて見えない。レベルが違うという感想を抱いた。
ものすごい速さで何かが起きている程度の事しか理解できなかった。それが、人外の領域というのをその眼で理解させられた。
この戦いを真の意味で観戦できているのはナザリックの者を除けばアンティリーネ、元漆黒聖典第一席次、鎧の眼から観戦している
そして──。
「なんって戦いだ……!」
ここに持てる全てを使ってこの戦いの凄まじさを観戦している戦士がいた。
鮮血騎士ブレイン・アングラウスだ。
彼は戦いが始まった矢先から武技とマジックアイテムを用いて決して見逃さないとばかりに血眼になって観戦していた。
武技〈神域〉はかつての武技〈領域〉の感知領域を倍に拡大している。自身を中心に発生する
だが、それでも足りず〈能力向上〉、〈能力超向上〉をも併用しようやくブレインはアレーティアとコキュートスの戦いを観ることが出来た。
「お、おいブレイン!お前何をして……!?」
隣に座していたガゼフがそれに気づき、鮮血騎士たちもそれに遅れて気づく。
ブレインがこの戦いを観るための反動としてか、武技に必要な集中力を限界まで費やしているせいか眼と鼻から流血しているが、そんなことは今のブレインにとって些細なことだった。
同僚のロバーデイクが治癒の魔法を使おうとするが、それをブレインは手で制した。
「おい、お前ら。俺になんて構うんじゃない」
「何を言っているのですか!?今貴方は──」
「そんなことをするぐらいなら武技を使うなり、支援魔法を使うなりしてこの戦いを目に、脳に、魂に焼き付けろ!!
こんな戦い、二度と見れないんだぞ!?」
その剣幕に思わず誰もが身震いする。実力としては上位にあるアンティリーネや元第一席次すらも、その鬼気迫る様子に一瞬気圧された。
「今俺は伝説を見ている……。見ろ、武技も使っていないのに斬撃が空を飛び、炎を纏い、嵐を起こしている!
ああ、そういうマジックアイテムやスキルを使ってるかもしれない。それだけのことが出来る相手はかの魔導神の従属神だ。神とも言える存在ならそれぐらいできてもなんら不思議じゃない。
だが、戦っているのは俺たちと同じ人間の……アレーティア様だぞ!?強いのは知っていたさ。今の俺でも到底及ばないほど強いってことだけはだ。
けれど、あの人が本気で戦うところなんて見たことがなかった……こんな、こんな神話の如き戦いを繰り広げられるまでだとは……!」
ブレインは戦士としての高みを目指し続けた。コキュートスという魔導国の従属神たる武人は人間という種族では決して敵わないと思わされる強さを持っている。天候を操り、魔法を扱い、持つマジックアイテムはどれも強大で見たことがないほど高価な代物だ。とてもブレインでは勝てる相手ではない。
しかし、エルフとは言え同じ人間種のアレーティアがそれと同等に、対等に渡り合えているという事実に改めてブレインはアレーティアに尊敬の念を抱いた。目指すべき頂点いつか超えるべき高みとして。
ブレインに触発されてか、ガゼフや他の鮮血騎士だけでなく招待された冒険者たちも見えずとも、この戦いの熱を感じるべく戦場へと目と体を向けた。
それを見てか、魔導神はアルベドへと指示を出す。
そして、その意を汲んだアルベドはシモベたちに指示を出し、観客席にいる人間たちがある程度問題なくこの戦いを最低限度観戦出来る程度の支援魔法を使用させた。これによって観客の多くがこの戦いを微かではあるが目にすることが出来た。
武器がぶつかり合うことで生じる火花が戦いを彩る。どちらも退くことがない接戦。だが、しばらく──数十秒も経つと互角に見えた戦況が動き始める。
「……押され始めている?」
誰かがポツリとつぶやいた一言。どちらかが押されているという発言。追い込まれているのはアレーティアか、コキュートスか。
そして、遂に鮮血が舞う。 ──アレーティアの肩口付近に目に見える傷が生じていた。
「ドウシタ?コノ程度カ?」
「……まさか!」
言動こそ軽いものの、アレーティアは段々と誰が見ても分かるように追い込まれていく。
武器を操作し、手数を増やしてもコキュートスはそれに易々と対応する。
そこには目に見えて分かるほどの技量の──経験の差があった。
仕切り直しとばかりにアレーティアは一度後方へと退いた。
対するコキュートスは追撃はしないものの、構えを解くことはなかった。
「本当に、さっきまで手加減してくれていたんですね……!!」
「ソウダ。 ダガ、何故貴公ガ今押サレテイルカ分カルカ?」
「……単に私よりコキュートスさんの方が強いからでは?」
「イイヤ違ウ。 貴公ガ
コキュートスのその宣言にアレーティアは苦笑いを浮かべる。
今回のこの神前試合はあくまで訓練であり、ナザリック──魔導国と粛清騎士の力を見せつける舞台だ。
その為、アレーティアは戦士としての訓練を受けることを望んでいたので、かつての
しかし、相手は
「ヒトツ、コノ場デ言エルノハ多クヲ扱エルガユエニ、多クノコトヲオザナリニシテイル。 言ウナレバ、無駄ナモノガ多イノダ。
私ハ武人武御雷様ニ武人デアレト創造サレタ。 命ジラレルママニスベテヲ切リ捨テル一振リノ剣トシテ、私ノ全テハ武器ヲ扱ウコトニ特化シテイル。
対シテ貴公ハドウダ? 確カニドレヲトッテモ一流ニ近イガ、突キ詰メテイナイ。ユエニ全テヲ武人トシテ捧ゲテキタ私ニハ勝テヌ。 ソウイウコトダ」
コキュートスの言葉に思わず思考が真っ白になる。
アレーティアは全てを得ていた。
ユグドラシルプレイヤーは何か一つに特化した職業構成の方が強い。もちろん欠点も生じるが、それをプレイヤースキルやマジックアイテムで補うなどして対策している。 アインズ──モモンガもロールプレイ重視とはいえ、死霊系に特化しており
だが今のアレーティアは何か一つの極める程、特化していなかった。ただただあらゆる技能を再現し会得できるが、扱えるだけで極めていない。必要なことを、必要な時に、必要なだけ使える。それ以上がなかった。
ゆえにアレーティアは自分の未熟さを認識し、頭が真っ白になるほどの衝撃を受けた。 そして──嗤った。自分が如何に井の中の蛙だったのかを自覚して。
突然笑い出したアレーティアを見て観客席が騒めく。
だが、アレーティアはそれを一切気にせず、ひとしきり笑い終えた後浮遊する武器を全て鎧へと戻した。
その手には星剣ゾディアではなく
「……コキュートスさん、ありがとうございます」
「……ドウヤラ、定マッタヨウダナ」
「そうですね。 私は余計なことを考えすぎていたって身に染みて分かりましたよ。
──私は頭脳担当じゃないのに」
──〈
アレーティア
スペックは守護者以上。実力は守護者未満(現状)。
本気でなく、全力を出せば基本初見だと勝てる相手はほぼいなくなる。
今回は戦士縛りをしているので基本的にいくつかの技能が使えない。そしてアレーティアの弱点として経験が不足しているので、単純に自分より技術が上だったりするとあっさり負ける。
ちなみにナザリックでアレーティアの全力に対処できるのは守護者で言うとデミウルゴスとアウラ。次点でシャルティア。(作者談)
コキュートス
武器戦闘最強の守護者。実は魔法剣士。セバスには弱いらしい。
戦闘におけるモデルはモーゴット、レラーナ辺り。
良い腕してるのにそれを活かせていないアレーティアにアドバイスをした。
武人として設定されただけあってか武芸に秀でていて、スキル無しの戦いなら間違いなくアレーティアは勝てない。
弱点は防御力が低いことと、炎属性やお風呂。お風呂に負ける程度の炎耐性は持っている(偏見)
近日中にもう一話更新します。
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