冥府の如し深淵より這いあがる絶望の龍   作:178

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冥淵と契りし者

日本のとある山奥の村

 

そこはネットのマップから見つけるのも難しく、あまり人気のない場所

 

僕はそこで生まれた

 

でも

 

親や村の人たちは僕をいじめた

 

殴られたり、蹴られたり、夜を外で過ごすことがいっぱいあった

 

そのたびに僕は《何故僕が生きているのか?》《生きている意味があるのか?》と思い続けた、なんなら崖っぷちに行って落ちようとした

 

けど できない 死んじゃいけない そんな気がした

 

僕はある日、僕は村のはずれにできた"大穴"に行った、この日はそこで死のうと思った

 

いざ落ちようとすると、穴から蝶のようで蛭みたいな紅い生物が僕の前に現れた《

 

それは僕を歓迎するかのように僕の周りを飛び回った

 

村には僕の居場所なんてほとんどない

暇なときは大穴に行って過ごしていた

僕にとってそこは憩いの場だった

 

数日後、村の空を見るとちょくちょく蝶を見るようになった

 

 

それからまた数日後、村人に変異したような腫瘍ができて死んだ人が出た

それから僕への虐待はエスカレートしていった

どうやら変死は僕のせいにされているようだった

 

それからも大穴に行ったら蝶の数が増えていた

 

 

 

数日後の夜

 

 

 

村が襲われた

村人は叫びをあげながら死んでいく、醜く命乞いをする奴、罵詈雑言を言って死んでいくやつ、いろんな最期を迎えた奴がいた

 

襲撃者は全員蝙蝠のような翼を付けた人たちだった、手からは光る玉を出して建物を壊したり、人を食っていた

 

僕は目の前で自身の親が死んでいくのを見て逃げた

 

親が目の前で死んでも悲しくならなかった、ただ生きたいと思った

 

僕が走ると、後ろから草木をかき分けて追いかけてくる音がする、決して振り向かず只々走った

 

気が付くといつもの大穴に来ていた

 

「おいおい!そっちは逃げ場はねぇぜ!ガキィ!」

 

後ろを向くと、そこには羽を生やした大男がいた

 

「たく地味にてこずらせやがって、お前ら人間は俺ら悪魔に食われればいいんだよ!」

 

そう言うと悪魔と名乗る男はこっちに飛んでくる

 

僕はすかさず後退したら

 

ミシミシ…ボゴォ!!

 

足場が崩れ、大穴に落ちてしまった

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「…落ちてる」

 

僕は落ちた、底の見えない大穴に、光さえも届かない深淵に

 

自分は死ぬ、あと数分で地面にたたきつけられて死ぬ

 

「…まだ、やりたいことあったな」

 

村を出て、そこでただ普通の生活がしたかった、それだけの願い

 

「哀れな人の子よ」

 

何かが聞こえた、上も下も右左も解らない空間で、その声がはっきり聞こえる

 

「汝、今時までの生涯で、内なる心は黒く染まっているように見える」

 

貴方は?、そう聞いた

すると暗闇の向こうから黄色く光る二つの目らしきものが現れた

 

「我は深淵に潜み、汝を魅入りしモノ、汝が来るのを待っていた」

 

僕を?どうして?

 

「汝は我と契約するのに相応しい存在、我が眷属に見守らせ、力をためていた」

 

契約?

 

「我と契約すれば、汝の命を狙う輩を殺してやろう」

 

あの悪魔たちを?

 

「然り、だが契約にはそれと同等の条件がいる」

 

条件?

 

「汝の体に我を住ませろ、それが条件、さすれば汝の内側なる深淵の力を見出してやろう」

 

あの悪魔を殺して、この村を出て、平穏な生活ができるなら…村に思い入れはない、親は死んだ、何も残すことはない

 

「…わかった、契約 する」

 

「いいのだな?」

 

「うん」

 

「クハハ!いいだろう!」

 

僕の横に大きな手のようなものと目の前には青く光る逆さまな星型が現れる

 

「最後に我が名を教えてやろう!我が名は冥淵龍ガイアデルム!人がそう名付け、人が深淵の悪魔と呼ぶモノである!」

 

僕はこの日、ガイアデルムと契約した

 

この時最後に見た光景は、周りがオレンジ色に輝きまるで太陽の中にいるようだった…

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ッチ!あ~あ、落ちちゃった」

 

この悪魔先ほどまで人間の子供を追いかけていた、だがその子供は奈落に落ちてしまったのだ

 

「よ~う!お前まだ食ってないのかぁ?」

「うるせぇ!馬鹿なガキがこの奈落に落ちてったんだよ!」

 

そこにもう一人の悪魔が現れ、茶化す

 

「そんなことより、何人か生きてるやつ捕まえたからよぉ、そっち行けばよくね?」

「…そうだな」

 

「我に その報しらせはもたらされよう

 

機は満ちたりと

 

我は吉兆に応えよう 集え 我の元へと

 

供されし命を喰らい 脅威は凄まじさを増して

 

ついにその威容を顕現するであろう!」

 

 

 

ドゴ――――――――――ン!!!

 

「「!?」」

 

詩のような声と共に突然の大きな音に、二人は振り向くと大穴は赤く光り、大量のキュリアが放出されていた

 

そして中心部からは禍々しい鎧、顔と胴は底が見えない光の深淵、背中には大きな腕のようなマント、臀部には尻尾が生えていた人型の何かが現れた

 

 

 

「契約完了!!」

 

 

 

人型はそう言うと悪魔の方に近づいてくる

 

「何だこいつ!?」

「分からねぇ!でもヤバいのは分k」

 

人型は高速移動で悪魔に近づき、頭を取ってしまった

悪魔の切断部からは大量の血が噴水の如く噴出される

 

「ひ!ひいいいぃいいぃぃ!?」

 

そぐそばにいた悪魔は腰を抜かし動けなくなる

 

「所詮今どきの悪魔はこれほどのものか」

 

「くっくるなぁ!」

 

人型…いや、冥淵の鎧は悪魔に近づく

 

「ふむ、単体では力を満たせそうにはならんが、少しは足しになるだろう」

 

冥淵の鎧は悪魔に手を向けると、キュリアが悪魔に群がる

 

「ぐああぁ…ヤ…め…r…」

 

あっという間に干からびてしまった

 

「外に出る前にキュリアをある程度出していたが、もういいだろう」

 

「では、我が契約者の住んでいた村へ出向くとしよう」

 

村は既にキュリアに埋め尽くされ、生け捕りの村人も、悪魔も全員吸いつくされてしまっていた

 

「すでに全滅していたか」

 

冥淵の鎧佇んでいると、空中に吸い終わったキュリアが飛んでいた

 

キュリアは宿主を見つけると胴装備の光に飛び込んでいった

 

全キュリアがいなくなった後、鎧は黒ずみ、中からは十歳前後の少年出てきた

 

「…終わった?」『あぁ、既に』

 

燃える家屋の村の真ん中に少年は佇む

 

周りからはパチパチと日が舞い上がり、それは自分を否定し続けた物を消し去るように激しく燃えた

 

「ねぇ」『何だ?』

 

少年は問う

 

「さっきのおっきい腕みたいなマント出せる?」『?無論だ』

 

少年の首元から大きな腕が生える

 

『暴れ足りなかったか?』

 

悪魔もまた問う

 

「ううん、違う」

 

少年はそう答えると自身の小さな手で大腕を抱いた

 

『何を?』

 

 

 

 

 

 

 

「誰かの手に包まれるなんてことは、無かったから」

 

 

 

 

 

少年は覚えている中では抱擁されることも無かったのだ、だからこそ例え相手が悪魔であっても、感じてみたくなるものなのだ

 

『…』

 

悪魔は何を言うでもなく、ただじっとその光景を見ていた

 

(変わった人の子だ)

 

悪魔はただ、そう思うだけだった

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

翌日、少年村の真ん中で倒れて寝ていたところ救急隊員に保護された

 

どうやら山火事の通報があったらしく、山奥ということでなかなか手出しができず、遅れてしまったとのこと

 

少年二酸化炭素を大量に吸ったと考えられ救急車で病院まで連れていかれた

 

少年が眠りから覚めると、白いベッドの上にいた

 

少年にとっては何もかもが新しく見えた

 

看護婦が少年が起きたのを確認すると、先生を呼びに行った

 

先生が少年の部屋に来た

 

「こんにちは、体は痛くないかい?」

 

「…痛くない」

 

「そうか、それならよかった」

 

先生は椅子に座る

 

「君、名前は?」

 

「…名前は…淵原 深也(ふちはら しんや)

 

「深也くん、どうして君はあそこで倒れていたんだい?」

 

「…」

 

少年深也は覚えているが、言わない方がいい気がしてきた

 

「覚えてない」

 

「そうか」

 

それから医者は色々質問をしてきた

 

Q:体の傷は何?

 

A:村人や親にいじめられた

 

Q:病院は知ってる?

 

A:初めて聞いた、村に医者はいたがここまでじゃない

 

などの質問にあい疲れているのか眠たそうにしている

 

「おや?疲れてしまったかい?じゃぁ次で最後にしよう」

 

医者はそう言いながら近くのテーブルに置いてあった何かを取り出した

 

「現場では、君が力強く握っていた物なんだが、誰がくれたんだい?」

 

医者はそう言うと深也にそれを渡した

 

深也はこれに見覚えがある、あれはあの悪魔の腕とほぼ一緒のガラのマフラーであった

 

「これは…大事な人がくれた物」

 

「大事な人…それってぇ…いややっぱいい、さっきこれが最後って言ったからね」

 

始めて自分をその手で包んでくれたあの手、そのマフラーはそれと同じ温かさを感じた

 

(…我は奴らに叩かれまくって少し丸くなってしまったか…?まあいい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ニュースです!、朝4時に山火事の通報があり、その場にあった集落が全焼、生前者は一名とのことです』




主人公が来ているのは冥淵纏鎧シリーズです

何かガイアデルムのいいフォントありませんかね?よければ教えてください(o*。_。)oペコッ

因みにこれからガイアデルムは深也と過ごしていくうちに丸くなります

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