綺麗な言峰とか呼ばれ始めた奴、番外編   作:温めない麻婆

3 / 3
運命のゼロ 2

 

 

 

 どうにも様子がおかしい。

 言峰として記憶しているものとは違うようだと『彼』は理解した。

 ────そういえば、こういうイベントがあったなと。

 

 

 おそらくはこれはカルデアで発生する面白おかしいイベント関連のものだろうと言峰は状況を理解する。

 自分ではない生前の『言峰』はいない。衛宮切嗣もいなかった。

 

 アインツベルンがマスターとして第四次に参戦している世界らしく、何かが変だと言峰は眉をひそめた。

 

 

「……藤丸立香。少し離れるぞ」

 

「分かった!」

 

「おい待て何処へ行くつもりだおい! お前も簡単に応じるな!」

 

「えっなんで?」

 

「言峰さんは偵察に向かわれるということですよね?」

 

「そんなわけあるか!!」

 

 

 マシュと藤丸の問いかけに怒声を上げる孔明。そんな様子をニヤニヤと見ながらも言峰はその場から立ち去る。

 おそらく自分がここに居ても解決できるだろう。自分が知る記憶とは違うが、孔明が協力しているのなら藤丸立香が安易に死ぬことはない。

 

 本当だったら藤丸立香と共に協力しながらも結末を見届けるつもりだった。自分がいたなら愉悦するためにちょっかいかけるつもりでもあった。

 

 しかし状況が異なってくるというのなら話は違う。

 マシュの言うように偵察も兼ねての行動だった。やるべき責任は成し遂げよう。藤丸立香が死ぬかもしれない場面に遭遇したならすぐに助けよう。

 

 そう思ってはいるが────本能的にだろうか。彼女たちから離れて一人で行動した方が面白い事態になると思えたのだ。

 

 だから言峰はなるべく姿を見せないようにしながら周りの状況を探っていた。

 出来るだけギルガメッシュから離れた位置で。襲撃を受けたならすぐ対応するために警戒して……。

 

 

 

「止まれ」

 

 

 それは、突然だった。

 背中にゴリっと何か硬いものが押し付けられる。おそらくは拳銃だろう。

 

 聞こえてきた声に、笑いが止まらない。もちろん相手に笑っているのだと悟られて警戒され逃げられるわけにはいかないと言峰は衝動を抑え肩を震わせるだけに留めたが……。

 

 身体を震わせたそれを、恐怖だと勘違いしたのだろうか。

 

 歓喜にも似た衝動。

 まさかこの場で会えるとは思っていなかったと叫びたいモノ。その殺意。

 

 

「衛宮切嗣……!!」

 

「っ────!」

 

 

 振り向いた先にいた奴はフードをかぶっていたが、明らかに嫌悪感をにじませたまま容赦なく拳銃を打ち込んできた。それに反射的によけながらも上段蹴りをお見舞いする。

 

 彼はそれを避け、距離を取った。

 

 

「いいだろう。あの時のように殺し合おう、衛宮切嗣!」

 

「僕は君の事を知らない。だが……なんでだろうな。君だけは殺さないといけないような気がするんだ……」

 

 

 それが合図だった。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む(作者:にせラビア)(原作:BLEACH)

 転生した主人公がささやかな幸せを『掴む』ために死神になって頑張る――という、とてもとてもよくある捻りもへったくれも何も無いお話。▼ 各人物との『触れ合い』をしたり、救うために『手を出す』などをします。▼ 基本的には主人公の一人称視点で描写。時々三人称視点。▼ スローテンポ進行。▼ また、こんなタイトルですが某藍染さんとは、ほぼ絡みません。▼ (劇中の時系列…


総合評価:20996/評価:8.47/完結:433話/更新日時:2026年09月11日(金) 19:00 小説情報

ペニー・パーカーに幼馴染を生やして曇ったり曇らせたりする話(作者:血袋)(原作:スパイダーマン:スパイダーバース)

 タイトルの通り。Earth-TRN704とよく似たマルチバースに、ペニー・パーカーの幼馴染としてハリー・オズボーンを生やし、お互いに曇ったり曇らせたりする話。蜘蛛だけに。▼ 悲しい事情持ちだけど明るく振る舞ってる女の子が心を赦した相手に対してだけ湿度たっぷりになるのは健康に良い。そうですよねスタン・リー御大。▼ ……えっ? スパイダーマンに幼馴染なんか生や…


総合評価:2026/評価:8.87/連載:6話/更新日時:2026年09月19日(土) 18:00 小説情報

女性向けアイドル育成ゲームでどうやって曇らせればいいんだよッッ!(作者:人生変化論)(オリジナルファンタジー/コメディ)

曇らせが好きだ。▼ので、異世界に転生した今、最高の曇らせシュチュエーションを求めようと思う。▼……これが女性向けアイドル育成ゲームの世界じゃなけりゃなァ!!殺すぞ!▼しかも俺がアイドルかよ!どうやって曇らせればいいんだこんなん!▼※なお、原作はアイドル育成の皮を被った鬱ゲーだった模様。


総合評価:3798/評価:8.4/連載:9話/更新日時:2026年08月18日(火) 12:00 小説情報

虚飾の権能を持ってTS転生した上で英霊として召喚されましたが、マスターが可愛いので満足です(作者:プラチナムウィッチ)(原作:Fate/)

ところでマスター?私に肉弾戦をやらせようとするのはやめませんか?見てください。この細腕と細脚を。


総合評価:10435/評価:8.54/連載:8話/更新日時:2026年09月06日(日) 12:00 小説情報

魔法少女の敵役、命欲しさにドノツラフレンズになる。(作者:ドノツラフレンズ)(オリジナル現代/冒険・バトル)

魔法少女の敵役俺「(死にたくねぇなあ……せや!何食わぬ顔で味方面してやろ)ハッハッハ!!しょうがないから仲間になってやる!」▼魔法少女「えっ!?貴方って最初から味方じゃなかったんですか!?」▼俺「えっ?」▼魔法少女「えっ?」▼だいたいこんな感じのお話。


総合評価:5753/評価:8.36/連載:6話/更新日時:2026年08月15日(土) 21:41 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>