-直哉と五条-
呪術高専東京校との代表戦。
僕は京都校の一年として参加した。
そもそも禪院の人間としては高専に入学するメリットはないに等しいのだが...
「直哉、準備できたか?」
「はいなー、いきましょかー」
直哉としてはあんな家にいるよりこっちのほうが断然楽しい。
京都校の面々は自分を禪院の人間としてではなく直哉として扱ってくれる。
それが自分としては何よりもうれしい。
...
.....
.......
スタートの合図が鳴らされる。
生徒たちが一斉に動き出し、静かだった森に複数名の足音が響き渡る。
緊張のせいか心臓の鼓動が早くなり、気分が高揚する。
しかし、そんな自分とは違い先輩たちの気分は最底辺まで沈んでいた。
それもそのはず、向こうにはあの五条悟がいる。
僕と同じ御三家の人間にして現特級術師。
五条が生まれたせいで呪霊の強さも以前より増したとのこと。
六眼の持主で無下限呪術の使い手。
御三家の人間のパイプを使って情報を得たが...うん強すぎる。
それにプラスして同じく現特級呪師の夏油傑。
呪霊を操る呪霊躁術の使い手。
一般家庭の出だと聞いているがどんな確率でこんな人間が生まれるんだろうか。
情報をまとめてみたが...
ハッキリ言って勝てる気がしない。
でも
「皆、勝てとは言わん。適当にケガしないように」
「届かなくもない」
「ん?直哉。何か言ったか?」
「ああ、届かなくもないのかなあって言っただけですよ」
「届く?誰に?」
「...五条以外任せてええ?つってもできるんは時間稼ぎですけど」
「おい、正気か?」
「届かなくもない言うたやないですか。何事もチャレンジです。失敗したらみんなで笑うてください」
「...わかった、信じるぞ」
皆から別れ一人、別行動をとる。
術式を展開し。亜音速で五条を探す。
思ったよりもすぐに出会うことができた。
一瞬目が合う。その瞬間、感じたことがないような悪寒と昂ぶりを感じ、
思わず笑みがこぼれてしまった。
「んあ、一人だけ別行動?」
「どうも、お初にお目にかかります。禪院直哉です。直線のほうの直に」
っと自己紹介をしている途中、五条くんが食い気味に
「いい、そんなん。御三家の人間でもどうせ雑魚だし、名前なんて覚えとく価値ないし」
「なはは、手厳しいなあ五条くん。でも僕はちょっと時間稼ぐだけやしお喋りでも...」
瞬間、悪寒がしたので術式を発動。右に回避。
自分がいた場所に大きな穴が開いている。
「くどい。とっととやられろ」
「ほうか、じゃあ...やりましょか」
五条との戦闘が開始される。
とはいってもこちらとしては回避するので手一杯。
なんとか攻撃したとして攻撃を無限に阻まれる。
亜音速で移動してくるのに追いついてくるなんて、化け物以上だな。
「鬼やな、ほんま」
「なんか言ったか?」
「天使みたいにかわいい言うたんです」
「きっしょ、とっとと死ねや」
「殺すんは反則ですよー」
「黙れ」
「...こっちもやられっぱなしなんで、そろそろ反撃させてもらいます!」
術式をフルで発動。
しかし向こうはと言えば
「は、無駄無駄」
と棒立状態。しかし、そんな表情も次の瞬間には崩れることになる。
服の内に忍ばせておいたあるものを発動。
拳が五条君にクリーンヒット。
吹っ飛ばされたがすぐに体制を立て直した。
どうやらこの程度で倒れてくれる特級ではないらしい。
しかし、精神的にはかなり動揺を誘えた。
「が、あ。てめえ、その縄!」
「これ、術式を乱す黒縄。こっそり発動させてもらいました。いやー、これ手に入れるの大変でしたわ。家の力フルパワーでなんとかかんとか」
「この狐が!」
今までのプライドに傷をつけられたのか、ビキビキと額に青筋を浮かび上がらせ、身の毛もよだつような殺気がぶつけられる。
「狐で結構。でもまあ、ちゃんと届きましたね」
「はあ!?」
「ああ、こっちの話です。それじゃあ、逃げる!!」
「おい待て!」
術式を発動し亜音速で逃げ、たまに縄で術式を乱す。
満身も満身。ボロボロになりながらもなんとか終了までの時間を稼いだ。
もうすっかり黒縄も二の腕ほどの長さしか残っていない。
時間にして15分。
結果は...
『勝者、京都校!』
こっちの勝利だった。
特級が2人相手にいて勝利。
ははっと乾いた笑いが漏れる。
もはや腕さえ上がらない。
「細い糸やったけど、何とか掴めたな」
術式を解き、肩の力を抜く。
さて、僕も戻ろう。
そう思った瞬間、体が吹き飛ばされる。
呪力での攻撃をモロにくらい、後ろにあった木に勢いよく背中を打ち付ける。
こんなことをしてきた相手は間違いなく
「五条くん、もう団体戦は終わったで。おっちょこちょいやなあ」
「黙れ、逃げ回っている途中、散々煽ってきやがって。このまま帰れると思うなよ」
はて、記憶にないな。せいぜい『クソグラサン』や『白髪畑』と言っただけだが。
しかしこのままだとまずいな
「...頭に血上りすぎです。もう少し冷静に」
もう一度悪寒。なんとか腕でガードしたが今度も大きく吹き飛ばされる。
こっちはもうそんなに暴れる元気が残っていないというのに...まったく。
薄れゆく意識の中、夏油くんらしき人物が五条くんを止めに入る。
よかった、これで安心だ。ゆっくり目を閉じ、そのまま意識を遠のかせた。
結局僕が起きたのはその2日後。代表戦が終わった後だった。
個人戦では負けたことで今年は引き分け。
個人でもよい結果を残せなかったことを謝られたが、こっちとしては皆に大きな怪我がなくてよかった。
ちなみに試合外での一方的な戦闘ということで五条くんは停学になった。
とはいっても任務や五条家の介入もあり3日程度で済んだらしい。
部屋を去ろうとする先輩に一言。
「ちゃんと届きましたよ、言うても一瞬ですけど」
もっとも、そのしばらく後、自分の手がたった一人の大親友に届かなかったことを僕は知らなかった。
...
.....
......
「ナオヤンすっげー!」
「ほんとすげえよな、あいつ」
東京校で虎杖くんの様子を見に来たが...なにやら2年生と1年生が恥ずかしい話をしていた。
どうしよう、ここで『みんなどうしたん?』っと行ったものなら、全員からそれについての話を聞かれそうだ。
正直自分としては恥ずかしいことこの上ない。
特に虎杖くんが僕の真似をして『届きそうにない』とか言ったところから。
よし、このまま何もなかったことにして帰ろうそうしよう。
後ろに下がろうとした瞬間
「おーいみんなー、ここに直哉くんがいまーす!」
「んな、五条くん!?いつの間に」
後ろから肩をがっしりつかまれ
「話に夢中になりすぎ。最初からいたよ」
ドドドドドと大きな足音ともに
「おい直哉!話聞かせろよ!」
「俺ももっと聞きたい!」
「俺も。今後の参考になりそうなんで」
「しゃけ」
拝啓、天国の甚爾くん。僕はすっごく帰りたいです
-直哉と東堂-
京都校のOBとして皆がどんなことをしているかの監督、もとい真依ちゃんをからかいに京都校に赴いた際。
「2年東堂葵、ケツとタッパが大きい女がタイプです!!」
なにやら奇妙な人間と出会った。
こんな人間と学びをともにしている真依ちゃんが心配になってくる。
しかし、男として返さないわけにはいくまい。
「禪院直哉、茶髪で微褐色の女がタイプです!」
「ほう、なかなかいい癖だ。親友とはいかないが
やはり学長に相談して停学にしたほうが良いのではないだろうか。
九十九さんからは仲良くしてほしいといわれたが。
結局あの後、ボコボコの殴り合いになり学長に僕も叱られた。なんでなん?
...
.....
.......
「ねえ硝子、やっぱりちょっと焼いて茶髪に染めたほうがいいかしら?」
「歌姫、何言ってるの?」
プロフィール
禪院直哉 27歳
階級:一級
術式:投射呪法
好きなもの:娯楽(全般)、ジャンクフード、アイス(全般)
嫌いなもの:禪院家、渋い食べ物、蟲
身長:大体180ぐらい
特技:料理(特に鍋)、スマホゲーム
領域:あり
-周囲からの評価(1~5段階で)-
虎杖 5
「優しいし、色々教えてくれた。ぶっちゃけ五条先生より先生してる」
恵 4
「手放し...ってほどではないが尊敬できる。たまにある悪ふざけがイヤ」
野薔薇 3
「真希さんが尊敬してるし、話を聞く限りすごい人。でもなんか信用できない目」
憂太 4
「入学の時に五条先生の頼みとは言え、呪術のあれこれを教えてくれた」
パンダ 5
「ノリがいいし好き」
棘 5
「しゃけ」
真希 5
「アホだろあいつ」
悟 5
「御三家の人間なのに面倒じゃなくていい。敵だとクソ」
ここから京都校をちょっとだけ
真依 5
「訊いたら撃つわよ」
東堂 5
「俺の好敵手に相応しい」
歌姫 5
「ねえ、直哉くん。ちょっとだけ染めたんだけど...」