怪獣超無法惑星   作:フルメタル・ミサイル

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 今回登場のレイオニクスと怪獣のチョイスは皆さん予想出来なかったと思う。急に思いついたネタだけども。
 それと今回の一部レイオニクスと怪獣のアイデアは不死身のケダモノ様から頂きました。


壮絶なるティグリス

 レイオニクスという人種は凶悪で冷酷非情、自分勝手で欲深く、他者を蹴落とし殺害してでも自分だけが利益を得ようという連中である。けれども、中にはその例に当てはまらない善人も存在はする。

 そういった稀少な例外となる者達は出身種族や暮らす星自体が存亡の危機、まさに風前の灯にある場合が多い。自らがどうしようもないことに苦しんでいるからこそ、人に対して優しくなれるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――とある山の麓――

 

「う~~ん………」

 

 やや涼しめの風が吹く気持ちの良い朝。寝間着のままUFOから降りてきた男は眠気覚ましに伸びをした。

 

「爽やかな朝だ」

 

 友好宇宙人 ファンタス星人(RB)

 

 赤一色の眼に、体毛の一切ない黄色いしわくちゃの肌をしたヒューマノイド型宇宙人。別名通り善良で友好的な性格の種族であり、ウルトラマン達にもそう認知されている。

 かつてウルトラマン80=矢的猛が地球防衛の任に当たっていた際、地球にやって来た宇宙人である。しかしそれは反乱を起こした労働用アンドロイドの化けた偽物であり、本物は既に自らの生み出したアンドロイドに滅ぼされ惑星を乗っ取られたのだという。

 ――そうアンドロイド達や他の星の住人にはそう思われていたが、実は逃げ延びた者達がおり、彼等はアンドロイドの魔の手を避けるため他星に移住していた。そして彼も逃げてきた者達の子孫というわけである。

 

「ん~~。この爽やかな風と穏やかな日差しがたまらないな」

 

 昨日の夜から十分な睡眠を取ったため、体はまだ固い。涼しめの風を中和する心地良い日差しに照らされながら、男は軽い柔軟体操を始める。

 

「ん」

 

 5分ほどで終え、UFOに戻ろうとするも、途中で足を止めて振り返る。

 

「そういえば、あいつらは何処だ?」

 

 相棒達のストレス発散で外に放ったまま昨日は寝てしまったため、バトルナイザーに戻していなかったのを思い出したからだ。

 

「まだ地中にいるのか…」

 

 辺りを見回すも、その姿はない。

 

(今この状態で襲われたら、ひとたまりもないな…)

 

 徐々に頭が目覚めてきたところで、現状のまずさに気づく。

 

「キヒャララララ」

「おっ」

 

 その場で立ちすくんでいたところで、彼の立つ20mほど先の地面が隆起。そこから相棒の内の1体が咆哮を上げながら帰還する。

 

「キヒャララララ」

 

 古代怪獣 ゴモラⅡ

 

 かつてウルトラマン80と戦った古代怪獣の別個体。あのレイも使役していたゴモラ…に似た全く別の種族の怪獣である。

 一見確かにゴモラに酷似してはいるのだが、特徴的な三日月状の角の下にさらに逆三日月型の角を生やしているのが最大の相違点。また皮膚の質感を始め、よく見てみると違いは結構あるが、地底の移動能力や怪力を持つ点はゴモラと同じ。ただ超振動波は使えないが、代わりにロケット弾や光線などの発射能力を備えており、どちらかと言えば飛び道具主体の遠距離戦型の能力を持つ。

 このゴモラⅡはファンタス星人達の現在住む新ファンタス星で暴れていたところで、ファンタス星人達が現戦力でどうにか捕獲したものを、レイオニクスバトルに臨む彼が譲り受けたもの。

 

「もしかして、私が起きるまで待っててくれたのか?」

「キヒャララララ」

 

 主人の問いかけにゴモラⅡは頷いた。

 

「そうか。ありがとう」

 

 こうしたやり取りが成立するぐらいに、怪獣達と主人の仲は良好であった。友好宇宙人と呼ばれるファンタス星人だけあり、怪獣達への扱いも手厚かったため、彼等とは強い絆を育んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――彼もレイブラッド星人の遺伝子を持つレイオニクスであるが、他の者達と違い、別に大それた野望を抱くわけでも、血生臭い戦いを好んでいるわけでもない。むしろ他のファンタス星人同様、善良で友好的な人柄である。では、そんな彼が何故この惑星アシヨシにわざわざやって来て危険なレイオニクスバトルに日々臨んでいるのだろうか?

 

 

 

 

 

 ――レイブラッド星人の後継者の座を望む者は、レイオニクスバトルに最後の1人となるまで勝ち続け、自身の実力を証明しなければならない。いくら彼が善良で戦いを好まぬ温厚な性格とはいえ、仮に最初から最後までずっと闘いを避けて隠れ潜んだ結果最後の1人になったとすれば、レイブラッド星人は彼のことを後継者として認めないだろう。

 故に、あえて死地に赴き、心を鬼にして他のレイオニクスとその怪獣を打倒するーーとはいえ、出来得る限り相手の生命を奪わず、実際にはバトルナイザーを破壊するに留まっていたが。やはりそこは良くも悪くも彼のファンタス星人としての性質が出ていた。

 

 

 

 

 

「出かけるか」

 

 かつて地球にやって来た主人の名を騙るアンドロイド達の宇宙服とは真逆の、民族衣装らしき灰色のローブに着替えたファンタス星人。バトルナイザーに相棒達を回収すると、朝食の携帯食料を頬張りながらUFOを離陸、発進させた。

 

(今日は何処に行くか)

 

 行くあては無い。ただ気ままに星を彷徨き、出くわした敵のレイオニクスや野良怪獣をバトルで打倒するだけだ。

 前者なら怪獣を奪うか逃がすかした後バトルナイザーを破壊して放り出す。そして後者なら命まで取らず見逃すか、見込みがあるなら戦力に加えるというわけである。

 選択肢は増えているが、やっていること自体は他のレイオニクスと大差ない。

 

「………………」

 

 とはいえ、そんなことを繰り返す毎日を楽しめるほど彼は好戦的ではなかった。

 荒廃してしまったファンタス星人達の新しい故郷を救うためとはいえ、競い合うレイオニクス達のほとんどが邪悪な野望を秘めた凶悪宇宙人とはいえ、戦いを繰り返す日々は彼の心身を少しずつ疲弊させつつあった。

 

 

 

 

 

 ――とある森――

 

 出立地から1時間ほど飛んだ地点にある森。そこにUFOは着地し、ファンタス星人は降り立った。

 

「うん、悪くないな。何日かここに留まるか」

 

 特に深い理由があるわけではない単なる好みの問題だが、このファンタス星人は森や河原といった自然の豊富な場所をなんとなく好んでいた。とはいえ、そういった地には怪獣が生息している可能性が高く、それを目当てに他のレイオニクスがいたりする。そのためレイオニクスバトルをしたいならうってつけである。

 

「あとはレイオニクスがいればいいのだが」

 

 無論、野良怪獣もレイオニクスも必ず出会えるわけではない。そこは運次第である。

 

「………………」

 

 ファンタス星人は色々と考えながら、森の中へ足を踏み出した。

 

 

 

 

 

「なかなか良い所だ。気に入ったよ」

 

 この森は樹木は豊富だが、下草があまり生えておらず、こちらに寄って来る虫もそこまでいないのでファンタス星人にはなかなか歩きやすかった。地球で言うならヨーロッパの森林に近い。ちなみにアジアの森は下草も多くより動きにくいという。

 

「あそこで休むか」

 

 森を歩いていく内、倒木によって開けた所を見つけた。星人はそこに腰を下ろし、休憩を取る。

 

(ファンタス星も、新ファンタス星も、以前はこのように豊富な自然がそこかしこにあったのだがなぁ)

 

 休憩を取るも、そこで故郷の現状を思い出し、ため息をつく。

 彼も知らぬほどの遥か昔に反乱を起こした労働用アンドロイドに乗っ取られたファンタス星は、アンドロイド達による主人達への粛清と、その後の他の星への侵略活動及び敵からの報復による戦争で荒廃してしまったという。自分は当時を知らぬのであくまで伝聞だが、今ではファンタス星人がもう住めぬほどに環境が悪化しているということだ。

 一方、アンドロイドの魔の手から逃れた今のファンタス星人達が住む新ファンタス星だが、こちらも散々な目にあっていた。レイブラッド星人の差し金によるものか、かつての惑星ボリスのように四次元怪獣ブルトンが新ファンタス星に現れてからというもの、次々と怪獣が送り込まれてくるようになったのだ。けれども、今のファンタス星人の文明による防衛力では対処に大きく手間取るというのが現状だった。

 そして、これには理由がある。かつての惨劇からの戒めとして科学技術への過度な傾倒や機械に労働を頼り切るということを辞めた結果、文化面で自然回帰や自然環境への調和の流れが生まれた。だが、これらの反面科学技術の進歩が停滞し、それに伴い戦闘兵器が以前より陳腐化し防衛力が低下、怪獣には相当苦戦するようになってしまったのである。

 

「おーい」

「!」

 

 倒木に腰掛けながらボーっとしていたところで、聞き覚えのある声にファンタス星人は反応した。

 

「近くには誰もいない」

 

 現れたのはなんと人語を喋る人間大の怪獣であった。

 

「……んだけど、メチャクチャアヤしい場所があった」

 

 酔っぱらい怪獣 ベロン

 

 青緑色の体表に、クワガタのような角が側頭部に付いた二足歩行のワニのような怪獣。何処となくユーモラスというか間抜けな見た目をしているが、人語を喋ることが出来るほど知能が高い。しかし1番の特徴はどうしようもないほどに酒好きというか酒乱という点で、地球に迷い込んで来た際はウルトラマンタロウや地球人へ大いに迷惑をかけまくった。 

 本来はファイル星人のペット兼用心棒兼移動手段として知られる怪獣なのであるが、この個体は何故か新ファンタス星に現れたのをこのファンタス星人が捕獲したものである。信頼関係はゴモラⅡ同様良好であるが、長期間禁酒させられていることにだけは大いに不満を持っている。

 

「それはどんな感じだ?」

「不自然なぐらいに大きい穴だった。怪獣が中に潜んでいるかもしれない」

「そうか……当たりかもな」

 

 考え込みながらも、ファンタス星人の目は鋭くなった。

 

「そこに案内してくれ」

「分かった」

 

 ベロンは主人の命令を了承した。

 

 

 

 

 ベロンの言う場所は森から歩けば数時間はかかるであろう台地にあった。そのため、一旦引き返してからUFOに乗り、そこへ向かったのだった。

 

「確かに自然に出来たものではなさそうだな…」

 

 UFOのコクピット内のモニターでファンタス星人とベロンは撮影された映像を眺める。先ほどの森とは対照的な、岩と砂だらけの台地に怪獣1頭が通れそうな丸い大穴が開いている。

 

「とりあえず生命反応を調べよう」

 

 ファンタス星人はUFOからセンサーで周囲の生命反応を調べようとする。

 

「……いや、その必要はなさそうだよ」

 

 ベロンはモニターを指差す。大穴の周囲が不自然に震え出したかと思えば、中から怪獣の声が轟いた。

 

「シャアアアアアア」

 

 中に何がいるのかまでは分からない。しかし穴からは先端に房が付いた長大な触手が2本、UFOに向けて伸びてきた。

 

「うおっ!?」

 

 ファンタス星人は慌ててUFOの操縦桿を握って操作し、触手を躱した。

 

「追ってくるよ!」

 

 ベロンが叫ぶ通り、逃げるUFOを触手は正確に追ってきた。

 

「怪獣がいた場合戦力になるかどうか見極めに来たんだ。だから、ここで逃げてはならない!」

 

 ファンタス星人はバトルナイザーを構える。

 

「いけ、ゴモラ!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 バトルナイザーから放たれた光の玉が船を通り抜け、穴のすぐ近くに着地、怪獣の姿へと変わる。

 

「キヒャララララ」

「シャアアアアアア」

 

 2本の触手はUFOから狙いを変え、ゴモラⅡに絡みつく。

 

「ギヒャ!」

 

 しかし、ゴモラⅡはゴモラ同様怪力で知られる怪獣である。不気味な触手にも全く力負けせず、むしろ穴から引きずり出そうと引っ張った。

 

「ギヒャララ!!」

「シャアアアア」

 

 “綱引き”は数分続いたが、負けたのは穴の主の方だった。大穴の奥に引っ込んでいた巨体が今白日の下に晒け出された。

 

「シャアアアアアア!!!!」

 

 現れた怪獣の姿はなんとも異様なものであった。地底怪獣とはいっても、爬虫類なり昆虫なりといった既存の生き物と共通する要素は多々ある。けれども、この怪獣にはそれはない。あえて似た生き物を上げるとすればカタツムリやホラ貝だが、体の下面に突き出すその顔はどちらかと言えばトカゲにも似ている。

 

「シャアアアアアアアアアア!!!!」

 

 強酸怪獣 リトマルス

 

 かつてウルトラマンティガと戦った怪獣の同族。20世紀に蓄積された排気ガスの影響で生まれた怪獣で、そのせいか排気ガスを餌としている。上部の殻の前面には複数の穴が開いており、そこから強酸性の霧を出して攻撃する。

 外見は怪獣の中でも際立って異形で、カタツムリやアメフラシといった腹足類に似て、なんと四肢も尻尾もない。ただし腹足類と違い、全身の表皮は軟体どころかむしろ灰色の岩を思わせる硬質なものである。そしてカタツムリの殻にも似た上部からは房の付いた2本の長い触手が伸びており、体の下部からは爬虫類にも似た頭が生えている。

 

「強酸怪獣リトマルス…か。ゴモラ、そいつは強酸性のガスを放つ! 距離を取って戦え!」

 

 バトルナイザーの怪獣データを読み取ったファンタス星人はUFOのスピーカーでゴモラⅡに指示を下す。

 

「キヒャアー!」

 

 ゴモラⅡは両手の甲からロケット弾を捕まえた触手目がけ連射する。

 

「シャギャッ!!??」

 

 リトマルスの触手はパワー・スピードを備えどもディフェンスの方はそうでもなかったらしく、ロケット弾連射により耐えきれず先端が千切れてしまう。

 

「よしっ!」

 

 単純な戦闘能力ではゴモラⅡがリトマルスを大幅に上回っている。おまけに強酸性の霧が届かない位置からゴモラⅡは一方的に攻撃することが出来、触手も今のように破損してしまったからには打つ手はもうほぼないだろう。

 

「キヒャララ!」

「シャギャッ」

 

 ゴモラⅡは両手から拘束光輪を放ち、リトマルスの動きを封じる。

 

(これ以上の攻撃は無用だな)

 

 今のところ飼い主が出てこないため、恐らくはこのリトマルスは野良怪獣だろう。実力は十分見せつけた今、これ以上痛めつけるつもりはファンタス星人にはなかった。

 

「ゴモラ、その怪獣をこれ以上痛めつける必要はない」

「キヒャ」

 

 主人からそう伝えられ、ゴモラⅡはこれ以上追撃をかけなかった。

 

『やるじゃないか』

「「!」」

 

 そうしてゴモラⅡを回収しようとした刹那、船のモニターに通信が入り、敵レイオニクスの姿が映し出される。

 

『あっという間にこの私のリトマルスを追い詰めるとはな』

 

 宇宙帝王 バド星人(RB)

 

 かつて地球がまだ火の玉だったという遥か古代に太陽系を訪れ、当時冥王星に存在した文明を滅ぼしたという凶悪宇宙人で、宇宙の帝王を名乗るほどの傲岸不遜さを持つ。ウルトラセブンが地球を守護していた時代に地球侵略にやって来たが、返り討ちにあって殲滅されている。

 体色はくすんだ金色で、微妙にハート型の頭部にある黒一色の目と小さな口、鱗でびっしりと覆われた体が特徴である。

 

「このまま怪獣にとどめを刺されたくなければ、バトルナイザーを差し出すのだな。さすれば君と怪獣の命は保証しよう」

 

 通信を繋いできたリトマルスの主らしきバド星人に、ファンタス星人は冷徹にそう告げる。とはいえ、レイオニクスとしてはこれでも大分有情な対応である。

 

『冗談ではない。勝負はまだついていないのだからな』

 

 しかし降伏するどころか、バド星人はむしろ不気味な笑みを浮かべていた。

 

「勝ち目があると?」

『そうだ』

 

 モニターに映るバド星人の右手には、いつの間にか漆黒のガス状の物質が揺らめいていた。

 

『今からそれを見せてやる!』

 

 バド星人はいつの間にか、拘束されて痙攣するリトマルスの傍らに出現。そのままリトマルスへ右手に持つ物質を投げつけた。

 

「ギュシャアアアア」

「!? 何をした!?」

 

 途端、リトマルスは悲鳴を上げると共に段々体が黒ずんでいく。殻の上部に生える棘も漆黒に染まった。

 

「あれは暗黒物質(ダークマター)だ!」

「何!?」

 

 ベロンが操縦席からセンサーでバド星人の投げた物質を調べたところ、とんでもない回答が出たため星人も怪獣も驚愕する。

 

「奴はそんな物を持ち込んでいたのか…」

 

 暗黒物質(ダークマター)について分かっていることは少ないが、生物の異常進化や、媒体となる生物と無機物との融合などを引き起こすことが知られている。

 

「シギャアアアアアア!!!!」

 

 強酸怪獣 リトマルス(ダークマター吸収)

 

 暗黒物質を取り込んだリトマルスの全身は黒曜石の如く黒ずみ、目も真紅に変わっていたが、放つ生体エネルギーは先ほどより遥かに増していた。

 そして切断された触手も再生しただけでなく、新しく2本が生えたことで倍の4本に増えている。

 

「ギャシャアアアアアア!!!!」

「!?」

 

 咆哮を上げるリトマルスは、なんとゴモラⅡの拘束光輪を力ずくで脱出してしまう。つい数分前からは考えられないほどのパワーアップであった。

 

「キヒャララララ!!!!」

 

 拘束光輪がなくとも、ゴモラⅡのロケット弾連射はかなりの威力と速度である。かつて防衛軍の戦闘機は次々と撃ち落とされ、ウルトラマン80も追い詰められたほどだ。

 

「シャアア!」

 

 しかし命中前にリトマルスは4本の触手を地面に付け、そのまま跳び上がって躱す。

 

「速い!」

 

 ファンタス星人もこれには驚いた。先ほどとは機敏さが雲泥の差だ。

 

「距離を保つんだ!」

 

 強酸性の霧を警戒し、ゴモラⅡに間合いに入らせないよう指示する。

 

『フフフフ、いつまでもつかな』

 

 そんなファンタス星人を嘲笑うバド星人。

 

「キヒャアー!」

 

 ゴモラⅡはロケット弾や角からの光弾を放つが、リトマルスはその体型が嘘かのように躱して当たらない。4本の触手を巧みに操ることで跳躍し、あるいは地面に突き刺した触手で自身を引っ張ることで素早い移動を行なっているのだ。

 

「グルルルル…」

 

 本来格下であろう怪獣に一向に攻撃が当たらず、ゴモラⅡには段々苛立ちと焦りが募りつつあった。

 

「シギャアアアア」

 

 そんなゴモラを嘲笑うかのように、一旦攻撃がやんだところで着地したリトマルスは4本の触手をヒラヒラと動かした。

 

「……キヒャアアアア!!」

「落ち着けゴモラ!!」

 

 それに怒ったゴモラⅡは飼い主の制止も聞かず、再び両手の甲からリトマルス目がけロケット弾を連射するも、単調な攻撃パターンを学習しつつあったリトマルスにはあっさり跳躍して躱されてしまう。

 

「ッ!」

 

 しかもその時、両手のロケット弾がついに弾切れを起こしてしまう。それに戸惑い、咄嗟に手を見つめたゴモラⅡだが、その隙を敵怪獣は見逃さなかった。

 

「シギャアアアアアア」

 

 跳躍した先はゴモラⅡの頭上であった。集中力の切れた地底怪獣にリトマルスはのしかかったのである。

 

「キヒャアアアア」

「いかん!」

 

 飼い主が慌てるも既に遅し。ゴモラに向けたリトマルスの殻の穴から暗黒物質でパワーアップした強酸霧が浴びせられる。

 

「ギャアアアアアア」

 

 途端、上半身が焼け爛れ悲鳴を上げるゴモラⅡ。だが、“真のレイオニクスバトル”を発動中であったにもかかわらず、ファンタス星人の方に痛みはなかった。

 

「咄嗟にリンクを切ったのか………すまん、ありがとう……」

 

 主人にも大ダメージが共有されるのを恐れ、ゴモラⅡは咄嗟にリンクを切っていたらしい。そこに気づいたファンタス星人は愕然としながらも、感謝と詫びを告げた。

 

「ベロン!」

「ドロンパ~~!」

 

 これ以上ゴモラⅡを苦しめさせてなるものかという主人の意を汲み、ここで今まで傍観しているだけだったベロンがついに超能力を披露する。

 両手を☓字に組んで、掛け声と共に開くとゴモラⅡはテレポートし、リトマルスの背後から少し離れた場所に出現する。

 

「シギャ!?」

「キヒャアアアア!!!!」

 

 驚いて振り返るリトマルス。しかしその時既にゴモラⅡの角から全力の破壊光線が照射され、直撃する。

 

「シギャアアアアアアアアアアアア」

 

 暗黒物質でパワーアップしても尚、渾身の破壊光線は耐えきれるものではなかった。為す術なく浴び続けたところで、やがて限界が来たリトマルスは爆死し、木端微塵に砕け散った。

 

『何!? 馬鹿な!!!!』

 

 勝利を確信したはずが横槍があったとはいえ負けたため、バド星人は愕然としていた。

 

「ギュゥ~~……」

「戻れゴモラ!!」

 

 しかしゴモラⅡも限界が来て地面に倒れた。慌ててファンタス星人はバトルナイザーに回収し、最悪の事態だけは避けたのだった。

 

「もう一度だけ言う。バトルナイザーをこちらに渡せ」

 

 ファンタス星人は再び降伏勧告をする。

 

『くっ、誰が貴様なぞにわたっ』

 

 そこまで言いかけたところで、バド星人は怪獣の足に踏み潰された。

 

「いつの間に…!」

 

 気づかぬ間に現れた四足歩行の怪獣にファンタス星人は驚いた。

 

「キィィィィィィ………」

 

 宇宙鉱石怪獣 ドレンゲラン

 

 全身が宇宙鉱物で構成された、ブラキオサウルスに似た四足歩行の怪獣。所々に赤い発光体がある黒い鉱物質の肉体は巨体と質量故に鈍重だが高い防御力を誇り、長大な首と尻尾を活かした肉弾戦と口から吐く火炎放射を武器とする。

 この個体は宇宙鉱石に暗黒物質を与えることで生み出され、発生経緯のせいか以前ウルトラマンネオスと戦った個体よりも強化されている。

 

「暗黒物質を与えられておきながら敗れるとはな」

 

 ドレンゲランの背中に乗っていたのは、一見地球人にも似た男。

 

「何者だ?」

 

 ファンタス星人のUFOのモニターにバド星人に代わり、現れた男の姿が映る。

 男は紫色の僧衣のような衣装を纏い、何処か地球の仏像を思わせる姿をしていた。だが、頭髪と思われたものは盛り上がった表皮であり、額には第三の目が開いているなど、一見地球人に似ているがその実全く異なる生命体であることはすぐ分かった。

 

「私の名はメンシュハイト。暗黒物質で進化した究極の生命体であり、そして全ての宇宙を統べるべき者だ」

 

 究極進化帝王 メンシュハイト(RB)

 

 ザム星が暗黒物質の脅威に曝された際に誕生した突然変異生物達の頂点。ザム星人達を母星から追放した張本人であり、彼等に代わってザム星の盟主を名乗り、彼等を皆殺しにすべく地球まで追ってきた。

 知性は高いが性格は極めて傲岸不遜にして冷酷非情であり、宇宙を自らの思いのままに創り変えることも、意に沿わぬ生物を抹殺させることに対して何の疑問も抱いていない。その醜悪な性根に違わぬ、悪魔のような真の姿を持つが、戦闘能力は圧倒的で別名に恥じぬものである。

 本来はウルトラマンネオスとウルトラセブン21に倒される運命のはずだったが、その前の時間軸からブルトンによって拉致同然にこの時代の惑星アシヨシに連れてこられた。その直前にはレイブラッド星人の接触を受け、その遺伝子を与えられてレイオニクスとなっている。

 

「何故あの宇宙人を殺した? 彼はもう戦えなかった」

「奴が君とのレイオニクスバトルで敗北したからだ。弱者は私の部下に必要ない」

 

 ファンタス星人からの問に、メンシュハイトはそう淡々と答えた。

 

「部下だと?」

「宇宙に選ばれた私と共に、宇宙の秩序を守り、理想の未来を創り上げる権利を持つ者達だ。彼もその一員だったのだよ」

「その割にはあっさり切り捨てたが?」

「戦いに敗れ弱者になった時点で権利を失う。単純な話だろう?」

 

 ようはメンシュハイトに都合良く使われる者達だとファンタス星人は納得した。

 

「で、そんな御方がこの私に何の用かね?」

 

 あまりの傲岸不遜さに特大の嫌悪感を滲ませながら、そうファンタス星人は尋ねた。

 

「彼の代わりに、私の部下にならないか?」

 

 暗黒物質の強化がないにもかかわらず、バド星人の怪獣を倒したファンタス星人及びその怪獣にメンシュハイトは興味を持ったらしい。

 

「君はあの男よりも余程良い働きをしてくれそうだしな」

 

 ともかく、究極進化帝王の見立てではファンタス星人はそう映ったようである。

 

「それによって私に何か得はあるのか?」

「私に仕えながら、この宇宙をより良いものにするための運営に携わる。それだけで名誉なことではないか?」

「結構だ。あいにく私は名誉は欲していない」

 

 この男にこき使われ捨てられるのは明白である。まっぴらごめんであった。

 

「まさか断るとはな。君は愚かではないと思っていたが……」

「いや、私は愚か者でな。貴方に仕えられるような者ではない。

 これ以上用件がないようであれば、これにて失礼仕る」

「残念だ」

 

 善良だが勇敢なファンタス星人と傲岸不遜極まるメンシュハイトの性格からして相容れるはずもなく、両者の交渉はすぐ決裂した。ファンタス星人はこれ以上関わり合いになりたくないので、さっさとUFOで去ろうとする。

 

「キィィィィィィ!!」

 

 しかし金切り声を上げ、ドレンゲランは空中のUFOに火炎弾を連射してきた。

 

「ゴモラは戦えない! どうする!?」

「残ってるのはティグリスだけだ…!」

 

 ファンタス星人の手持ちはゴモラⅡ、ベロン、そしてティグリスである。ゴモラⅡは負傷しており、ベロンは戦闘力は低い。戦いになるのはティグリスだけだろう。

 

「いけ、ティグリス!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 再びバトルナイザーから光が放たれ、船外に飛んでいく。

 

「ガオーウ!」

 

 地殻怪地底獣 ティグリス

 

 翼のような突起や双角を生やしたサーベルタイガーのような四足歩行の怪獣。

 同族はかつて根源的破滅招来体だけでなく地球怪獣まで敵視する防衛軍の准将により地底に撃ち込まれた地底貫通弾により負傷し、怒り狂って地上に出現するも自動砲台の砲撃により死亡。その悲劇的な最期は多くの人物の心に残った。その後別の同族は根源的破滅招来体の侵略時に他の地球怪獣と共に抵抗している。

 この個体もゴモラⅡ同様何故か新ファンタス星に現れ暴れたところをファンタス星人(RB)に捕獲され、以後共に戦っている。

 

「愚かな……私のドレンゲランの強さは先ほどのゴミとは違うのだぞ」

 

 抵抗の意思を見せたファンタス星人一行に呆れるメンシュハイト。

 

「もう1度だけチャンスを与えよう。私の部下となるのだ」

「ガオーウ!」

 

 ふざけるなとばかりにティグリスは足元の石を拾い、ドレンゲランの上に立つメンシュハイトに投げつける。

 

「これが返事か」

 

 飛んできた自分と同じぐらいの大きさの石を眼前に張ったバリアで防ぐと、メンシュハイトは飛び上がり宙に浮かんだ。

 

「ガオーウ!」

「!」

『逃げろ。ここは私が時間を稼ぐ』

 

 ティグリスが天に向かって吠えると、ファンタス星人のバトルナイザーにティグリスの吠え声が翻訳され読み上げられる。

 

「ドロンパ~!」

「あっ、お、おい!」

 

 ベロンはティグリスの決死の覚悟を感じ取り、その意を汲んで術を使った。飼い主が止めようとするも、一行はUFOごと何処かへとテレポートしてしまう。

 

「逃げられたか」

 

 メンシュハイトはすぐには彼等を追いかけなかった。たかがあの程度のレイオニクス1匹逃がしたところで、自分にとって大した脅威にはならないからだ。

 

「しかし、いいのか? 代わりに君が今から私の怪獣に嬲り殺しにされることになる」

「キィィィィィィ」

 

 メンシュハイトの意思に反応し、ドレンゲランは上下に首を振る。ファンタス星人達は追いかけずとも、目の前の怪獣の方はきっちり始末するつもりであった。

 

「………」

 

 ティグリスは知能が高い。召喚されてすぐ状況を把握していた。

 この怪獣は自分より強い。まともに戦えば敵わないだろう。

 だがそれでも、主人の逃げる時間稼ぎのためにここに残った。それぐらいには彼を大切に思っている。

 

「ほう。悔いはないか」

 

 自らが殺されることを理解していて尚、凛としたティグリスの姿に、メンシュハイトは珍しく感心していた。

 

「君もすぐ殺すには惜しいな。どうだね、あの主人ではなく私に仕えないか?」

 

 この忠誠を自らのものと出来れば、それなりの力になる。メンシュハイトはそう判断し、もう1度だけ勧誘してみる価値はあると考えた。

 

「ガオーウ!」

「キィィ」

 

 しかし、ティグリスは今度は前足で怪獣に砂をかけた。顔に砂がかかったため、咄嗟にドレンゲランはその長い首に付いた顔を背けた。

 

「残念だ。君も私の創る理想の世界に必要のない野蛮な生命体だったか!」

 

 分かってはいたが、やはり無駄だった。これ以上の温情をかけるつもりはないと、宙に浮かんだメンシュハイトの体から紫色のオーラが立ち昇る。

 

「殺れ。ドレンゲラン!」

「キィィィィィィ!!!!」

 

 主人の命を受け、甲高い咆哮を上げながらドレンゲランは歩き出す。

 

「ガオーウ!!」

 

 ティグリスもドレンゲランに向かって駆け出した。

 

「キィィィィィィ」

 

 迫るティグリスにドレンゲランはハンマーのような頭突きを繰り出す。

 

「ガオッ」

 

 しかしティグリスは命中寸前に跳び上がって躱してしまう。

 

「――ギッ!?」

 

 ドレンゲランは苦悶の声を上げたが、頭突きをティグリスでなく地面に叩きつけたからではない。跳び上がった際にティグリスは前足に器用にも砂を掴んでおり、ドレンゲランの顔がスレスレに近づいた瞬間に砂を目に浴びせていたのである。

 

「キィィィィィィ!!!!」

 

 今度は多めにかかったらしい。さすがに目までは鉱石で出来ていなかったようで、ドレンゲランは悶絶する。滅茶苦茶に頭部を振り回し、その巨体もグルグルと回した。

 

「……チ」

 

 とんだ醜態ぶりに、上空から高みの見物を決め込んでいたメンシュハイトも思わず顔をしかめる。

 

「キィ!」

 

 やがてドレンゲランは頭に石を投げつけられ、思わずそっちを振り返り火炎弾を吐く。

 

「ギッ!?」

 

 そうしていたところ、今度はその反対側から体当たりをされて転がされてしまう。

 大したダメージではないとはいえ、翻弄されていることにドレンゲランはフラストレーションが溜まりつつあった。

 

「ギィィィィ!!!!」

 

 金切り声を上げ、ドレンゲランは火炎弾を四方八方に連射する。しかし負傷しているならともかく、万全の状態のティグリスの身のこなしの前にはそんなもの当たらない。

 

「ハァハァ……」

 

 乱射しまくったところで疲れ果て、肩で息をするドレンゲラン。

 いくら持久力に優れた怪獣であろうと、戦闘という極度の緊張状態を強いられる事態では体力の消耗が予想以上に大きい。ましてやただでさえエネルギーを消耗する火炎弾を無駄撃ちしまくっていては、すぐ疲れるのは目に見えていた。

 一方、ティグリスは回避し続けることは強いられたものの、敵ほど疲れてはいない。

 

「思っていたよりやるではないか。小細工とはいえ、それが有効に働いている」

「!」

 

 自らの怪獣が翻弄されておきながら、上空に浮かぶメンシュハイトはむしろ敵怪獣を称賛する余裕を見せた。

 

「いや、君もなかなかだが、それ以上にこいつが馬鹿すぎるのだな」

 

 そう宣うメンシュハイトを、大地の虎は目を細めて見上げた。その馬鹿さ加減を知りながら、何ら手助けしなかったのは自分ではないか――そう言いたげだった。

 

「このままでは君が勝ってしまいそうだ。実力差を覆したのは素晴らしいが――それでは私が面白くない」

 

 処刑を決めたにもかかわらず、生き残られては宇宙の支配者たる自身の沽券に関わると思ったのか。メンシュハイトは右手に先ほどのバド星人と同じく暗黒物質を出現させる。

 

「受け取れ!」

 

 メンシュハイトは真下のドレンゲランにそれを投げ落とした。

 

「キィィィィィィィィィィィィ」

 

 宇宙鉱石怪獣 ドレンゲラン(ダークマター吸収)

 

 疲れ果てていたドレンゲランだったが、さらなる暗黒物質を吸収することで、体力を回復するどころか、先ほど以上の圧倒的なエネルギーを得た。見た目も背中や四肢に鋭い棘がヤマアラシの如く生え揃うなど変化している。

 

「ガオーウ!」

 

 この変化に何か嫌なものを感じ、ティグリスは後ろに飛び退いて間合いをあけた。

 距離にして約400m。これなら火炎弾の連射だろうと躱せる。

 

「その判断は悪くないな。だが…」

「キィィィィィィ!!!!」

 

 ドレンゲランは首をまっすぐ天に向け火炎放射、いや最早レーザーと見紛うほどの一撃を放った。

 

「!?」

 

 レーザーは300mほど上空まで飛んだ後爆散し、無数の火炎弾となって台地全体に降り注いだ。ティグリスは懸命に躱し続けたが如何せん数が多すぎ、いくつか被弾してしまう。

 

「ガオオウ…」

 

 うめき声を上げ、地面に蹲るティグリス。甲殻は所々抉れ、黄色い血が流れ出した。

 

「フフフフハハハハハハ!! これで勝負はついたも同然だな!」

 

 ティグリスが重傷を負ったのを見て、メンシュハイトは高笑いを上げる。

 

「この私に何度も逆らったのだ。殺す前に、君には恥辱と絶望を与えよう」

「ガオーウ!」

 

 それでもティグリスは怯まなかった。右前脚にエネルギーを集束し赤熱化させ、ドレンゲランに飛びかかる。

 

「キィィィィィィ!!」

 

 ドレンゲランは特大の火炎弾を地面に向けて撃ち込む。着弾地点はそのまま大爆発を起こし、その上を跳んでいたティグリスも巻き込まれた。

 

「ガオオ……」

 

 動くことももう無理だと素人目ですら分かるほどの傷を負い、倒れるティグリス。全身からは止めどなく黄色い血が流れ出ており、最早死も間近だということは明白であった。

 

「君はよくやった。褒美にこれをやろう」

 

 残忍な笑みを浮かべ、メンシュハイトは再び右手に出現させた暗黒物質を、今度はティグリスに投げつけた。

 

「ガオオオオオオオオオオオオオオ」

 

 暗黒物質の侵食を受け、苦悶の絶叫を上げるティグリス。

 

「これで君は私の忠実な奴隷へと生まれ変わる! そうだな……最初の任務は逃げ出した君の主人を追いかけて始末してもらおうか!!」

 

 メンシュハイトの言う恥辱と絶望とは、暗黒物質によりティグリスを自身に忠実な奴隷へと生まれ変わらせ、ファンタス星人達を抹殺する刺客へと変えることであった。

 

「フフフフ! 耐えれば耐えるほど苦痛が増すだけだぞ! 諦めて暗黒物質を受け容れるがいい!」

「………ガオオ!!」

 

 しかしティグリスは耐え難い苦痛に悶えながらも、その目は闘志を失っていなかった。

 

「キッ!?」

 

 苦痛に悶える敵を眺めていたドレンゲランだったが、突如敵が立ち上がり自身に飛びかかったことに驚く。もう動けないだろうと思って油断していたこともあって反応が遅れたのもまずかった。

 

「ぬっ!? 何をするつもりだ!?」

「ギィィィィィィィィィィ」

 

 ティグリスはドレンゲランの首に飛びつきしがみついた。それを引き剥がそうとドレンゲランはティグリスごと自分の首を台地に何度も叩きつけるが、ティグリスは意地でも放さなかった。

 

「ガオオ!!」

 

 ティグリスの体内にエネルギーが集束、全身が赤熱化する。先ほどドレンゲランの放ったレーザーに匹敵するほどの熱量である。

 

「――――――!!!!」

「ギャァァァァァァァァ!!!!」

 

 そのまま熱量は臨界点を迎え、ティグリスの全身は爆散――木端微塵に砕け散った。首に密着されていたドレンゲランは自爆をまともにくらい、首と胴体前面の甲殻が破壊され内部の肉が露出、顔面も左側が砕け左目と口の左半分が抉れていた。

 

「洗脳される前に自爆しただと……ッ!?」

 

 さすがのメンシュハイトもこの結末は予想していなかったようで、驚愕の表情を浮かべていた。

 

「ギェェェェェェェェ」

 

 頭部と胴体に重度の損傷を受け、痛みで狂ったように叫ぶドレンゲラン。胴体の甲殻と肉の抉れ方からして先ほどのティグリス同様、致命傷であることは明白であった。

 

「ギアェェェェェェェェェェェェ」

 

 ドレンゲランはメンシュハイトの方を向き、悲痛な鳴き声を上げる。一刻でも早く治療をして欲しいという懇願であった。

 

「見苦しいぞ!」

 

 しかし、元よりそんな慈悲を持ち合わせている主ではない。

 

「多くの暗黒物質を与えられておきながら、こんな醜態を晒すとはな!」

「ギィィィィ………」

 

 ドレンゲランは治療をしてもらうどころか、主から口汚く罵られて絶望する。

 

「貴様のような役立たずはもう必要ない。ただの岩に戻るがいい!」

「ギィィィィィィィィィィ」

 

 メンシュハイトの両目が妖しく光ると、ドレンゲランの全身から暗黒物質が急速に抜け出ていく。

 

「――――――」

 

 哀れ、ドレンゲランはすぐに全身がバラバラに崩壊、宇宙鉱石の塊へと戻ってしまった。

 

「怪獣にこれほどの忠誠を持たせるとはな。奴に対する評価を改めなければならないようだ」

 

 エスラーの時と違い、ファンタス星人は軽視していたメンシュハイト。しかし、その評価が間違いだったことを痛感した。

 

「なるほど、あの怪獣の力か。居場所を探ることが出来ん」

 

 メンシュハイトは超能力による千里眼を発動するも、何故かファンタス星人達の居場所は分からない。どうやら、ファンタス星人と一緒にいたあの等身大の怪獣の能力によるものらしい。

 

「仕方ない。このティグリスとかいう怪獣に免じ、今はその命預けておこう」

 

 ティグリスの唯一残った残骸である翼状の突起を超能力で浮遊させると、メンシュハイトは異空間へと姿を消したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 敵の追撃を躱すため、ファンタス星人一行はなんと惑星の反対側に移動していた。先ほどの地点が北半球であったが、今いるこちら側は南極に近い位置である。

 そのおかげか、現時点では敵は追っては来ていない。しかし、ファンタス星人の顔は暗かった。

 

「………………」

 

 バトルナイザーからティグリスの反応が消えていた。彼がどうなったのかは想像がつく。

 

「すまない。私が軽率だった…」

 

 そう謝ることしか出来ない。

 

「……もしあいつの手下になって今は助かったとしても、結局君は耐えられなかったと思うよ」

 

 ベロンも慰めの言葉をかけるが、彼もまたいつもの陽気さが消え、今は落ち込んでいた。

 

「そうだな……」

 

 確かにそう思う。彼の悪を許せぬ性格では、近い内に衝突し、結局反旗を翻していただろう。

 

「ティグリス……お前の死は無駄にしないぞ」

 

 色々胸に去来するものはあったが、彼はレイオニクスバトルから逃げるつもりはなかった。

 怪獣の死も覚悟していなかったわけではない。彼の死は後で弔うが、やることは今までと変わらない。

 全てのレイオニクスを打倒することで唯一勝ち残る。そうしてレイブラッド星人の後継者となり、新旧のファンタス星を救う。これだけだ――このためにこの星に来たのだ。

 

「メンシュハイト………今はお前を倒すことは出来ない。だが、お前のような奴を野放しにしておいては犠牲者が増えるだけだ。

 首を洗って待っていろ。このファンタス星人と怪獣達が、必ずやお前を滅ぼしてやる!」

 

 そしてティグリスの仇を討つという新たな目的が出来た。その仇であるメンシュハイトを滅ぼすこともまた彼等は誓ったのである。




用語解説

 友好宇宙人 ファンタス星人

 赤一色の眼に、体毛の一切ない黄色いしわくちゃの肌をしたヒューマノイド型宇宙人。別名の通り善良で友好的な性格の種族であり、文明及び科学技術も外宇宙への移動を可能とするほど発達していた。温かめの体温を持つという特徴がある。
 かつてウルトラマン80=矢的猛が地球防衛の任に当たっていた際、地球にやって来た宇宙人である。しかしそれは労働用アンドロイドの化けた偽物であり、本物は既に自らの生み出したアンドロイドに滅ぼされ惑星を乗っ取られたのだという。
 ――ちなみにそうアンドロイドは語っていたが、実は宇宙旅行や他の星との商業などの理由でクーデター時にファンタス星を離れていた集団はそれなりに存在していた。危機を知った生き残り達はアンドロイドに乗っ取られた母星には二度と戻らず、そのまま宇宙を放浪していたが、やがて住むのに適した星を見つけそこに移住した。
 尚、アンドロイド達は自分達を使役していたファンタス星人以上に傲慢となってしまい、「アンドロイドによる宇宙支配こそが至上」などという歪んだ使命感を得て地球侵略及び地球人の皆殺しに来る有様であった。しかしウルトラマン80にその真の目的を悟られたため拘束するも脱出され、切り札である宇宙船の戦闘形態であるロボフォーを出すもまとめて殲滅されている。
 無論、ファンタス星にいる本隊は無事であったが、しばらく経ったところで今度は大量のロボフォーを率いて他の星へ侵略しに行く始末。しかもよりによって凶悪種族の宇宙人のいる星に攻撃するという愚挙を犯し、その星と戦争になってしまった結果ファンタス星は荒廃、アンドロイド達も集団としては衰退してしまったとのこと。
 惑星アシヨシにいるこの個体は『本物の』ファンタス星人であり、後述する新ファンタス星の危機を救うため、あえてレイブラッド星人の目論見に乗り種族の代表としてレイオニクスとなった。種族の中では若いが同胞の中でも知性・人格・科学技術・使命感に抜きん出ており、次代を担う逸材として期待されている。しかし一方で悪を憎み嫌う余り、そういう相手には嫌悪し頑なになってしまう面もある。
 使役怪獣達との関係も良好であり、ゴモラⅡを始めとした相棒も主人のため全力で戦うなど、レイオニクスパワーによる強化以上の強さを見せている。
 尚、余談ではあるが、本物のファンタス星人はロボフォーを使役しておらず、むしろ自身らを追い出す戦力として使われたロボフォーを忌避、あるいは憎んですらいる。そのためこのファンタス星人の使う宇宙船はあくまで星間航行用途のみのもので、ロボフォーのような変形機構や過度な攻撃能力は搭載していない。

 新ファンタス星

 新ファンタス星は故郷から生きて逃れたファンタス星人達が入植した惑星である。ファンタス星より全体的に乾燥した気候で、やや荒野が多めで生き物の数もそこまで多くない星ではあるが、知的生命体が他に存在していなかった。そのためそこまで優しい環境でこそないが、科学技術に優れたファンタス星人達にとっては比較的入植が容易な星ではあった。
 彼等は惑星各地の開拓を進めながら、ゆっくりとこの星に適応していった。やがてアンドロイドが他の星と戦争を繰り返して自滅して衰退していったのもあり、彼等は追手に怯えずこの第二の惑星で穏やかな日々を送ることが出来た。
 しかしある時、レイブラッド星人による後継者選びのレイオニクスバトルの余波がこの惑星にも波及。四次元怪獣ブルトンが送り込まれたことで他にも次々と怪獣が現れるようになり、すぐにこの星も怪獣無法惑星と化してしまった。それに伴い大きな被害を受けた都市や自然環境も少なくなく、今もファンタス星人達は怪獣への恐怖に怯えているだろう。
 ファンタス星人達はかつての労働用アンドロイド任せの自堕落な生活を反省し、再び自らが労働を行うようになっていた。その過程で文化に自然回帰の流れが生まれ、自然との調和を重視し、過度の科学・機械技術を忌避するようになったのだが、科学技術の停滞から防衛力が低下し、怪獣への組織的な抵抗が難しくなっていた。
 困り果てていたところでレイブラッド星人がファンタス星人達に接触し、彼等にもレイオニクスバトルへの参加を求めた。そこで代表としてレイブラッド星人の遺伝子を受け取ったのがファンタス星人(RB)である。種族ではまだ若くも知性・人格・科学技術面に優れた彼が種の命運を懸け、惑星アシヨシでのレイオニクスバトルに臨んでいる。
 尚、彼はアンドロイドの反乱を知らぬ世代ではあるが、荒廃したファンタス星の方も気にかけており、レイブラッド星人の後継者となった暁には新旧ファンタス星を共に復興する心づもりである。

 古代怪獣 ゴモラⅡ

 かつてウルトラマン80と戦い倒された古代怪獣の別個体。ただし同じ地底怪獣であり姿形こそ酷似しているが、あのレイも使役していたゴモラとはそもそも別種族の怪獣である。ゴモラとの最大の違いは三日月型の角の下にさらに2つの下に反り返った角が生えていることで、体の細部もよく見ると所々異なる。
 祖先の共通した近縁種か、同じ環境で暮らしたことによる単なる収斂進化で似た姿となったかは諸説あって不明だが、ゴモラと同じくウルトラ戦士を圧倒するほどの怪力を持ち、地底の移動能力も持つ。とはいえ地底移動の際は超振動波でなく別の方法を用いていると見られ、そもそも能力からしてゴモラと違い遠距離攻撃系が主体となっている。手の甲はロケット弾や拘束光輪の発射能力を持ち、また三日月角からは三日月ビームや破壊光線などを放つ。
 この個体は地球でなく何故か新ファンタス星に現れ暴れていたところをファンタス星人達が捕らえ、ファンタス星人(RB)のレイオニクスバトル参加のための戦力として譲られたもの。主人や仲間達との関係は良好であり、レイオニクスパワーにより元よりさらに強化されている。 
 襲ってきたリトマルスとの戦いでは当初は優勢だったが、暗黒物質(ダークマター)を吸収したことでパワーアップした敵には一転翻弄されてしまう。挑発に乗って隙を見せてしまった結果敵に強酸性の霧を浴びせられ負傷、窮地に陥るもベロンの助けでテレポート、背後を取り全力の破壊光線を浴びせ勝利した。しかしこれ以上戦闘続行は無理でバトルナイザーに回収され、ティグリスと交代するもこれが今生の別れとなった。仲間の死は主人共々悲しんでおり、仇討ちをするつもりである。

 酔っぱらい怪獣 ベロン

 かつてウルトラマンタロウが地球での防衛任務に当たっていた時代に出現した怪獣の同族。別名の通り凄まじい酒好きかつ酒乱であり、悪意こそなかったもののウルトラマンタロウとZATに大迷惑をかけた。ファイル星人のペット兼用心棒兼移動手段であり、彼等からはぐれて地球に迷い込んできた。ちなみに人語を喋れるほど知能が高いが、大体は酒に酔っているので宝の持ち腐れである。
 ファンタス星人(RB)の使役するこの個体は何故か新ファンタス星に現れたところで彼に捕まえられたもの。他の個体と違い等身大だが、これはファンタス星人から戦闘でなく雑用と超能力方面での役割を命ぜられているからわざと超能力で縮んでいるとのことで、本来は怪獣サイズである。そもそもベロン種は気質が臆病でとても戦闘には向いておらず、本来の彼等の飼い主であるファイル星人もあくまで専守防衛のボディガードとしてしか使っていない。
 この個体はファンタス星人によく懐いているだけでなく、知能の高さもあって宇宙船の機器も操作出来、いざとなれば副操縦士も出来るなど、意外に器用で要領が良い。ただし断酒させられていることだけは不満を抱いているが、酒を飲めば自分がどうなるかについても理解はしているとのこと。

 強酸怪獣 リトマルス

 かつてネオフロンティアスペースの地球の日本・北関東地方にある利戸間(りとま)町に出現し、ウルトラマンティガと戦った怪獣。名前は同町名から名付けられたと思われる。20世紀に蓄積された排気ガスの影響で生まれた怪獣で、そのせいか排気ガスを餌としている。
 怪獣の中でも際立って異形な体つきであり、腹足類にも似た見た目をしているが、殻の上部からは一対の長い触手が生えており、下部から生えた顔も爬虫類じみている。他にも腹足類との違いとして軟体どころかむしろ岩に似た硬質な体表があるが、1番の特徴は別名の通り殻に開いた複数の穴から強酸性の霧を噴射する点である。
 しかし強酸性霧に関しては、当時のGUTSに中和剤を作られて撃ち込まれ、無効化されたところでウルトラマンティガに倒されている。
 本個体はバド星人(RB)に使役されていたが、主人共々メンシュハイト(RB)の支配下に置かれていた。メンシュハイトの指示により、ファンタス星人(RB)達が辿り着いた台地にてレイオニクスや野良怪獣を誘い込むために主人共々待ち構えていたが、現れたゴモラⅡにすぐ圧倒されてしまう。
 しかしバド星人が主君から与えられていた暗黒物質(ダークマター)を吸収したことで大幅なパワーアップを遂げる。以前から遥かに向上した機動力でゴモラⅡを翻弄、やがて強酸性霧を当てて重傷を負わせるが、最後に入ったベロンの横槍によりゴモラⅡの全力の破壊光線を受け爆死する。
 尚、主人共々メンシュハイトからは戦力としてあてにされておらず、囮役をやらされていたのも別に死んだところで惜しくもないからであった。ちなみにメンシュハイトには内心では反感を抱いていたが、実力差も痛感していたので逆らえなかった。

 宇宙帝王 バド星人(RB)

 かつてウルトラセブンと戦った宇宙人の同族。体は鱗らしきもので覆われ、ハート型の頭部には黒一色の目と鋭い歯の生えた小さな口があり、くすんだ金色の体色をしている。
 ウルトラセブンと戦った多くの宇宙人同様、地球人を上回る高い科学力を持った種族だが、1番の特徴は『宇宙の帝王』を名乗るほどの圧倒的な自尊心である。自分達以外の知的生命体の存在を許さないという冷酷さを持ち、かつて冥王星にあった文明を滅ぼしたと自称するが真偽は不明。地球人絶滅のためにやって来たが、地球と月を磁力線で覆い尽くすバリアを張る『プロジェクト・ブルー』に妨害されたためその資料を狙い、セブンと戦ったが全滅した。
 ちなみに宇宙の支配者たる強大な存在はエンペラ星人を筆頭に幾人もいるが、彼等を差し置いてそう名乗っておきながら、頭脳も戦闘能力もイマイチな種族である。惑星アシヨシにいる本個体も身の程知らずにもレイブラッド星人の後継者となり真の宇宙帝王となる気だったが、よりによって“究極進化帝王”に出くわしてしまい、逆らえず部下にされてしまった。一応本心から従っていたわけではないのだが、暗黒物質(ダークマター)を与えられて調子に乗っていたところはある。
 ちなみにメンシュハイトからは部下として特に期待されていたわけではなく、単なる手駒の1つとして見なされていたにすぎない。そもそも“真のレイオニクスバトル”が出来るほどのレベルではないので代わりの強化手段として暗黒物質を与えられていたのだが、本人はそのことに気づいていなかったらしい。
 使役怪獣のリトマルスとの関係はそこまで良くなく、両者の間に大した絆はなかった。リトマルスは表立って逆らいはしなかったものの、それは彼でなくメンシュハイトに逆らわなかっただけの話である。

 宇宙鉱石怪獣 ドレンゲラン

 かつてウルトラマンネオスと戦ったという宇宙怪獣。全身が黒ずんだ宇宙鉱石で構成されており、その所々に赤い結晶体が光っている四足歩行の怪獣で、長い首と尻尾に小さい頭という、いわゆるブラキオサウルス体型をしている。
 体が宇宙鉱石で出来ているせいで重い上に巨体なので鈍重だが高い防御力を誇る。そして長い首と尻尾により間合いも広く、口から吐く火炎弾で遠距離攻撃も出来る。
 本個体はメンシュハイトが大量の宇宙鉱石に暗黒物質(ダークマター)を与えたことで生み出された。暗殺怪獣グラールと共に戦力として運用されているが、暗黒物質で生まれた生物の長所をかけ合わせて生まれたあちらよりさすがに実力は劣る。またメンシュハイトが想像していたよりもかなり頭が悪く、本来格下のはずのティグリスに翻弄され醜態を晒した。
 業を煮やしたメンシュハイトによってさらなる暗黒物質を投与されパワーアップし、ここでティグリスに致命傷を負わせるも向こうの自爆に巻き込まれこちらも致命傷を負う。苦悶の叫びを上げながら治療を懇願するも、その態度を見苦しいと感じた主人によって体内の暗黒物質を抜かれ、元の宇宙鉱石に戻ってしまった。

 地殻怪地底獣 ティグリス

 頭部に双角を生やし、肩に小さな翼のような突起を持った、白い甲殻に覆われた虎のような外見の四足歩行の地底怪獣。
 同族はかつて津村湖の地下1500mに生息していたが、根源的破滅招来体だけでなく地球怪獣でさえ敵視するG.U.A.R.D.の柊准将の手により撃ち込まれた地底貫通弾により瀕死の重傷を負い、地上に現れた。自らに傷を負わせた地底貫通弾の発射装置を破壊しながら基地の柊准将に迫るも、自走砲台に阻まれ斃れる。その悲劇的な最期は多くの者の心に残ることになる。のちに別個体が2体現れ、他の地球怪獣と共に根源的破滅招来体に抵抗し、破滅魔人ブリッツブロッツや破滅魔虫カイザードビシと戦った。
 本個体は地球でなく何故か新ファンタス星に現れ暴れていたところをファンタス星人(RB)が捕らえて戦力としたもの。彼との仲は非常に良く、彼を逃がすための捨て石となることを躊躇いなく受け入れ、戦いの果てに暗黒物質(ダークマター)によってメンシュハイトに洗脳されそうになるも自爆して果てた。その気高き最期はメンシュハイトを驚愕させ、主人に大いなる怒りとメンシュハイトへの復讐を決意させることとなった。

 究極進化帝王 メンシュハイト(RB)

 ザム星にて大量発生した暗黒物質による突然変異生物の頂点となる邪悪な存在で、ザム星人達を母星から逃げる原因となった。性格は傲岸不遜・冷酷非情かつ残忍であり、自身の意のままに宇宙を創り変え、意に沿わない生物を絶滅させることに何ら疑問を抱いていない。地球にやって来た際もザム星人エスラーの引き渡しを要求しただけでなく、地球人をも支配下に置こうと企んでいた。
 地球人にも似た姿を持つがこれはあくまで仮の姿で、正体は(地球での悪魔のイメージの源泉にもなったのではないかという)一対の翼に鋭い歯を生やした口をしたグロテスクで非常に醜いものである。しかしその戦闘能力は非常に強大で、2人のウルトラマンを敗北寸前まで追い詰めた。また科学技術に関しても造詣が深いようで、ザム星人探索のための小型追跡装置も自作している。
 本来はウルトラマンネオスとウルトラセブン21に倒される運命だったが、その前の時間軸から四次元怪獣ブルトンによりこの次元、惑星アシヨシに連れて来られた。白いギガバトルナイザーを持つ女に本人が語るところによると拉致同然に連れて来られたようで不満気だったが、すぐにマルチバースの存在を知る。それにより自分のいた次元だけでなく、全ての次元を支配しようと目論み、行動を開始した。
 尚、この次元に来た直後にレイブラッド星人の接触を受け、その遺伝子を与えられているが、元より非常に強大な存在であるので、レイブラッド星人の後継者レースには何の興味も持っていない。むしろ自身と同格に強大な存在である彼を敵視し、その精神体を抹殺する気でいる。そのための戦力としようとレイオニクス達を無理矢理配下にしており、バド星人(RB)もその1人であった。ただし、部下への扱いに関しては非常にぞんざいであり、忠誠を抱く者は1人もいない有様である。
 白いギガバトルナイザーを持つ女との試験は突破出来なかったようだが、脱落はしなかったらしい。本人もレイオニクスとしての自覚はなく、レイオニクスとしての腕前は自身の強大さに反して正直大したものではない。しかしレイオニクスパワーはなくともダークマターによる強化及び怪獣を生み出す力を持っており、不興を買った使役怪獣をあっさり殺してしまうのはこの力で新しく怪獣を生み出せるからである。
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