ちなみに今回作中に登場するある怪獣の体色及びある部位の元ネタは、モンスターハンターフロンティア-Zに登場する『灼零龍エルゼリオン』及び『熾凍龍ディスフィロア』です。
惑星アシヨシにやって来たグローザ星系人グローリアは、自らと配下の怪獣達の能力で極寒の氷原を作り出し、そこを根城としてレイオニクス狩りをしている。そして徐々にその領域は広がりつつあり、犠牲となるレイオニクスは増える一方である。
だが奇妙なことに、その縄張りの東方――ちょうど底の見えぬ深い谷を挟んだ向かい側には全くの真逆の景色と気候が広がっているのだ。
――とある火山帯――
グローリアの領域と谷を挟んで隣り合う火山帯。あの極寒地帯とはとても隣り合っているとは思えぬほどに暑い。熱帯というのも生温いほどに暑く、乾燥した灼熱の大地である。
そしてこれまた奇妙なことに、ここは最近までは火山活動はほぼ確認されていなかった。グローリアの縄張りが形成され始めた頃、同じくこの地の気候が急激に変化したのだ。
火山は時折小規模ながら噴火するようになり、溶岩や有毒の火山性ガスを撒き散らすようになった。大地は所々マグマが流れ、耐え難い熱風が吹く。それらのせいで、かつていた生命の姿は今ではほぼ無くなってしまった。
そして、この領域も向かいの極寒地帯同様、周囲を侵食しつつ徐々に広がっている。それはここを縄張りとする、あるレイオニクスの意向でもあった。
「フ~ンフ~ン」
そんな生物を拒む死の大地を、レイオニクスが1人で闊歩していた。
「しかしまぁなんとも暑い所だ! こんな所にわざわざ棲む奴はバカだね!」
忙しなくピョンピョンと小刻みに飛び跳ねながら、この地に棲む者をそう評する。
「こんなクソ暑い所まで来たんだ! 早く出~てこ~い♪」
幻影宇宙人 シャマー星人(RB)
かつてウルトラマンマックスを二度に渡って苦しめた宇宙人の同種族。3本の長い指が付いた手、寸胴な体、横に広がった頭部にギョロ目、濃い水色の体色に所々金色の模様や飾りが付いているのが特徴。
なんとも珍妙な見た目をした宇宙人だが、特筆すべきは嫌な部分を詰め込んだようなその性格。図々しい、厚かましい、饒舌で無礼で嫌味、そして何よりふざけきったその態度はDASHの面々を大いに苛つかせた。ただし、同時に非常に狡猾でもあり、油断ならない奸物であった。
彼も同様の性格であり、非常に腹立たしい性格をしている。おまけにその野望は地球征服を超えた全宇宙征服であり、自分以外の生き物を足元に這いつくばらせる気でいる。
「ギャーッハッハッハッハ!! アハハハハハハ~~~~!!!!」
熱気が立ち籠めて凄まじく暑い中でも馬鹿笑いし、軽やかにステップを踏むシャマー星人。
「あ~~テステス。レイオニクスと怪獣の皆さんコンニチワ♪
ボクはシャマー星人です! 今日はわざわざこの暑苦しいド田舎くんだりまでやって参りました。
何故かというと~~、ここに無能なレイオニクスのくせに環境破壊だけは一丁前だという奴がいると聞いてきたからで~す!」
挙げ句、拡声器を持って誰もいない周囲に大音量で演説を始める始末である。
「聞いた話だと今まで負け無しだったんだってぇ~~? そりゃそうだよなぁ。そりゃ引きこもって誰とも戦ってないなら無敵だわなぁ!
でも、そんな無敵の君も今日でオシマイで~~す♪ 何故なら今日ボクちゃんにとどめを刺されちゃうからです!
負け犬は無様さらしてマグマ風呂の中で永久にグッドナイト! ついでに怪獣も全部ゲットだぜ~~♪」
好き放題言いまくる青い宇宙人。けれども、いくら罵詈雑言を並べ立てても何も反応はない。ただ虚しく時が過ぎるばかりである。
「!」
空振りかと思われたが、やがてシャマー星人の周囲に地震が起きる。しかし、火山の噴火の予兆ではない。何故なら小規模で、かつあまりにも範囲が狭いからだ。
「アァーオォ――!!」
シャマー星人が慌てて飛び退く。それからすぐ冷えた溶岩で出来た大地を角が突き破り、怪獣が現れる。
「アァーオォ――!!」
凶暴怪獣 アーストロン
かつてウルトラマンジャック及びウルトラマンメビウスと戦った怪獣の別個体。頭頂部から鋭い刀状の一本角が生えた、直立二足歩行になった肉食恐竜のような怪獣で、その別名通り凶暴な性格。怪力の持ち主であり、口からはマグマ光線を吐く。
「!」
「ギャーハハーハハー!!」
シャマー星人はアーストロンと目が合うなり、大声で笑いながら飛び跳ねた。
「アァーオォ――!!」
それを侮辱と受け取って怒ったのかは分からない。ただ理由が何であれ、アーストロンは目の前の宇宙人を出会って早々に右足を上げて踏み潰す。
「ギャーッハッハッハッハ!! ざーんねんでしーたー!」
「ガ!?」
ところが、何故かアーストロンの右足は宇宙人をすり抜ける。何度踏みつけても手応え、いや足応えがなかった。
何度蹴ろうと踏みつけられようと、青い宇宙人はまるで霧か何かのように実体がない。足が体を出入りする度、ただその姿に一瞬僅かに乱れ、ノイズが入るだけだ。
「君のバカなオツムじゃ理解出来ないだろーね~! まぁ怪獣如きの知能で理屈を説明したところでムダだけど☆」
「!」
等身大だった宇宙人だが、見る見る内にアーストロンと同じ大きさまで巨大化する。もっとも、これ自体は別に他の宇宙人にも出来る者は多くいる。彼等が敵対する光の国のウルトラマン達もそうだ。
「アァーオォ――!!」
数ある怪獣達を差し置いて凶暴怪獣の異名を持つアーストロンである。相手が大きくなっても怯むどころか、むしろ的が大きくなって殴りやすいとばかりに頭頂部を向けて突進する。
「ギャーハハーハハー!!」
しかし、結局先ほどと同じくすり抜けてしまう。
「学習能力がない、ホントにバカな怪獣だな~! これで現代まで種が続いたんだから奇跡だね!」
それを嘲笑うシャマー星人。
「アァーオォ――!!」
相手の侮りを感じ取ってか、怒るアーストロン。
ついに奥の手のマグマ光線を口から放射、シャマー星人に浴びせる。
「おわぁぁぁぁあちゃああああああ!!!!」
これは効いたのか、熱がるシャマー星人。
「――――なんてなぁ」
「!?」
しかし、これも結局演技であった。そもそもマグマ光線も結局シャマー星人の体をすり抜けている。
「ギャーッハッハッハッハッハッハ!!!! そんなモンボクに効くわけないぢゃ~~~~ん!!
それにしてもその驚いた顔はケッサクだねぇ~~!! 他にもう打つ手はないんじゃなぁ~~い?」
「……ッ!」
アーストロンは王道な怪獣である。言い換えれば、超能力など持っていないのだ。
ようするに、この腹立たしい青い珍獣の言う通り今のこの状況には打つ手がない。
「アァーオォ――!!」
それでも凶暴怪獣の意地にかけてか怯まない。何度も自分の体を手で叩いて威嚇し咆哮する。
「そんな虚勢を張ったところでぇ~~君には何もデキないぃぃぃぃ~~~~」
「!!」
そう嘲ると、シャマー星人の体がなんとさらに大きくなる。ついにはアーストロンの4倍はあろう超巨体へと倍化した。
「ヒャハハハハ!!」
「ッ!!」
大きくなったシャマー星人は、今では膝ぐらいの高さでしかなくなったアーストロンの顔面を蹴る。凶暴怪獣の攻撃はすり抜けて通用しないにもかかわらず、あちらから攻撃した時は何故か当たり、為す術もなく転がされた。
「ゲフッ………!」
頭を蹴り飛ばされたダメージで口から血が流れ出る。かなり痛い――が、それ以上に不可解だと倒れたアーストロンはそう思った。
「アオー」
あれだけの巨体に蹴り飛ばされれば、こんな風に転がされるだけでは済まない。まず間違いなく頭が砕かれているだろう。それが分からぬ彼ではない。
「待たせたな、アーストロン」
「!」
不可解な状況に当惑していたところで聞き覚えのある声が聞こえ、アーストロンは飛び起きる。
「おんやぁ? ようやく現れたのかい」
シャマー星人の方も驚いた様子はない。むしろ、それを待っていたというような反応である。
「騒がしいから誰かと思えば……お客人のようだな……」
アーストロンの顔のすぐ横の地面から溶岩が噴き出す。そして、それはすぐに人型へと固まり、やがて宇宙人の姿へと変わる。
「もっとも……“招かれざる客”だがな……」
策謀宇宙人 デスレ星雲人デスルーグ
かつて暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人に仕えし“暗黒四天王”が1人“謀将デスレム”の同種族の宇宙人。デスレム同様、骨肉が逆転したような不気味な体、顔面のY字型の発光体、扇状に発達した巨大な左手が特徴だが、彼よりさらに一回り巨体である。
彼も他のデスレ星雲人同様火炎や火球を操る能力を持つ。さらにデスレムと同じく本体付近の時空を捻じ曲げることでそれらの軌道を自在に変化させ、変幻自在の攻撃を繰り出すことが出来る。
「キミがここのヌシかい? わざわざこんなクソ暑い所に閉じこもるとは、バカのやることは理解出来ないね!」
出会って早々、珍妙な青い巨人は周囲に響き渡るほどの大きな声で、現れた火山帯の主を侮辱する。
「そんなバカがいるこんなクソ暑い所にわざわざ何の用だ? もし訪問セールスだったらお断りだぜ」
腹立たしい言い草だが、デスレ星雲人は特に気にする様子もなく流した。
「バカなキミにも理解出来るよう、あえて説明してあげよう! ボクはキミとレイオニクスバトルをしに来たんだ!
キミをバトルで負かしてから惨たらしくブチ殺し、持っている怪獣を全部奪うためにね!」
「ほう、そうだったのか。だが、その望みは叶わないだろう」
「へぇぇ? どうしてだい?」
「お前がオレ以上のバカだからだよ」
笑い声こそ上げなかったが、デスルーグの態度は嘲笑的なものであった。
「オレの評判を聞いてやって来たのなら、お前は自己分析の出来ていない身の程知らずの大バカだ」
「こっちからわざわざやって来てあげたっていうのにその態度はひどいんじゃないの~~。
まぁ、野蛮な田舎者のデスレ星雲人如きに礼儀とか常識とか求めてもムダか~……」
もっとも、そう言われたシャマー星人の方も腹立たしい態度は変わらなかったが。
「そうだ! 礼儀知らずのキミにボクが直々に教育してあげよう! お礼はキミのバトルナイザーに入った怪獣でいいよ!」
「あいにくオレの手下達は精鋭揃いでな。仮にくれてやったところで、お前みたいなカスには使いこなせんよ」
「……カスゥゥ~~? こんな所に引き籠もる頭のおかしい田舎者はホントに礼儀ってものを知らないねぇぇ~~!」
シャマー星人は一向に挑発に乗らないデスルーグの態度に実は内心苛立ち始めていたらしい。それに加え今の発言が癇に障ったらしく、今までと違い言葉には少々怒気を孕んでいた。
「品性下劣な害獣野郎にも少しは怒りってものがあったらしいな。
少し意外だったぜ。知的生命体とは名ばかり、口だけ達者な下等動物だと思ってたからな」
そんな彼へさらに畳み掛けるようにデスレ星雲人は皮肉った。
「ああ、それと……高い所から見下ろして悦に浸ってるようだが、それでお前の身長が伸びたわけじゃねえぞ
「……無礼なヤツと
自分のお株を奪うような皮肉についに激怒したシャマー星人は、デスルーグとアーストロンへついに襲いかかった。
「アァーオォ――!!」
アーストロンはデスルーグを両手で抱え、迫り来る青い巨人から一目散に逃げた。
「アーストロン、探したいものがある。オレがいいと言うまで走れ」
「アオー!」
その最中、主人より小声で指示を受け、火山帯の中をあえて遠回りするような形で走り回る。
「ヒャハハハハ! どこに逃げるんだい! ねぇ!?」
しかしアーストロンが全力疾走なのに対し、その4倍もの身長のあるシャマー星人の方は歩幅の差もあって余裕があった。単なる小走りで平然とついてくる。
「アオー…!」
「よせアーストロン! あいつは幻影、こちらが何をしようと触れられん!」
「アオ!?」
振り返りマグマ光線を吐こうとしたアーストロンを制止するデスルーグ。
デスルーグはありとあらゆる宇宙人及び怪獣の知識を持っている博識な男であった。したがってシャマー星人がどういう存在か、そしてどういう戦法を使うのかもまた知っていたのである。
「だが、以前奴の同種が使った太陽光を利用した幻影はこの火山帯では使えん。ここでは高熱と蒸気のせいで太陽光が普通よりかなり屈折するからな………だから今回は別の方法を使っているはずだ……」
既知のシャマー星人のデータと現状を照らし合わせデスルーグは推理する。
「ヒャハハハハ! ねぇねぇどこに行くんだ~い!! ボクにも教えておくれよぉ~~!!!!」
主従が逃げる中、哄笑を上げながらシャマー星人は追跡する。
「アオ!?」
やがて追いついたシャマー星人はアーストロンの背中に抱きつき押し倒す。
「アァーオォ――!!」
無駄な抵抗と分かっていてアーストロンはもがくが、やはり体をすり抜けるだけだった。一方で、不可解にも敵はこちらを触ることが出来ている。
そして見た目よりは遥かに軽く、圧死したり呼吸が出来なくなるほどではない。だが、動けなくされる程度には力と重さがある。
「あれれ? いない?」
敵主従の捕獲は上手くいったかと思われた。ところが、いつの間にかアーストロンの手の中からデスルーグの姿が消えていたことにシャマー星人は気づく。
「ん~~、あの田舎モンはどこ行った~?」
アーストロンを押さえ込みながらもシャマー星人は辺りを見回すが、デスレ星雲人の姿は何処にもない。
「アァーオォ――!!」
「うるさいなぁ。それよりキミの主人はドコに行ったんだよ~~!」
押さえこまれながら尚もがくアーストロンを鬱陶しがりながらも、デスルーグを探すシャマー星人。
「んん~………ヤベッ、あいつもしかして!?」
しかし、ここでデスレ星雲人が何処で何をしようとしているのかようやく気づいたのか。珍しく慌て出す青い巨人。
「
(奴がアーストロンにかまっている間に本体を探さねば)
デスルーグはアーストロンがシャマー星人に捕まった際、テレポートで既に逃げていた。とはいえ、これは部下を置き去りにして自分だけ逃げたのではなく、その間に幻影を別の場所から投影しているであろう本体を探し出し叩くためであった。
「怪しいものを発見した者はいるか?」
アーストロンを始め、火山帯各所には使役怪獣達を歩哨として放っている。しかし、彼等から何か異常があったという連絡や敵怪獣発見及び交戦の報告はネオバトルナイザーに入っていなかった。
(やはり巧妙に隠れているな。バトルナイザーにも反応がない)
デスルーグのネオバトルナイザーにも近辺の敵レイオニクス及び怪獣の反応はない。かつてウルトラマンマックスと戦った個体もレーダーに反応しなかったそうなので、ふざけてきっているようでその辺の対策は実はしっかりやっているのだろう。
(しかし、オレの推測が正しければ……)
それでも探しようがあるということだ。
(そして、ここで潜める場所は限られている)
縄張りである以上、デスルーグはこの一帯の地理を把握している。まずは怪しいと思われるそれらを調べればよいわけだ。
「面倒だがやるか!」
デスルーグはテレポートでそれらの地点を虱潰しに探し始める。
「違う」
1ヶ所目…該当なし。
「違う」
2ヶ所目…該当なし。
「違う!」
5ヶ所目…該当なし。
「!」
8ヶ所目にして、怪しい箇所をようやく発見する。
「………」
そこは縄張りでもかなり外れの方で、デスルーグ及び配下の怪獣達の影響の及んでいない普通の土地との境界線に近い。だから火山活動も低調で気温の方もそこまできつくはないのだが、今日に限ってやたらと噴煙が立ち籠め視界が全く利かない。おまけについ最近縄張りの巡回で来た時と違い、地形どころか山の数まで変化しているのは明らかにおかしい。
不審に感じたデスルーグはネオバトルナイザーを取り出し、配下の怪獣達に連絡を取ろうとするが全く電波が通じないらしく、ノイズが聞こえるばかりであった。
(確かにここらは高温のせいで太陽光線は屈折するが、他の電磁波まで全て屈折しているな)
ここではあらゆる波長の電磁波が屈折している。いくら火山帯といっても、さすがに全ての電磁波が屈折することはありえない。
「……ここだな」
ようやく敵のいる場所を探り当てることが出来たようだ。
「今燻り出してやる!」
『バトルナイザー、モンスロード!』
天に掲げたネオバトルナイザーより、デスルーグ配下最強の怪獣が召喚される。
「ギュオオオオオオ!!!!」
進化怪獣 グランゴンエヴォ
かつてウルトラマンマックスと戦った溶岩怪獣グランゴンの別個体が冷凍怪獣ラゴラスを捕食し、進化したもの。下顎からのぞく2本の牙、鋭い爪の生えた四足、溶岩が冷え固まって出来たようなゴツゴツした体躯、鋭い棘の付いた長い尻尾、背中から生えた巨大な角が特徴。体色は右半身こそ以前同様だが、左半身はラゴラスにも酷似した青白いものへと変化している。
背中の角の基部にはマグマコアから変化した『シンクロコア』があり、その影響で常時体温が数千℃もあると同時に、強烈な冷気を操る能力も備えている。必殺技は背中の角から放つ冷凍光線と口から放つ熱線が合わさった【超温差光線】。
「グランゴンエヴォ! 【クラスターショット】だ!」
「ギュオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
デスルーグの指示を早速受け、グランゴンエヴォは咆哮と共にシンクロコアから生み出した熱を口へ集束後、特大の火炎弾として空に向け発射する。
放たれた火炎弾は1kmほど上空まで打ち上がったところで爆散。それから無数の小さな火炎弾に分裂し周囲3kmに落下、炸裂する。
「グハハハハハハ!! 燃えろ燃えろぉぉ!!!!」
火炎弾は噴煙を切り裂きながら落下し次第全てを炎上、破壊する。そんな地獄の如き光景を見て、デスルーグは先ほどまでの冷静さをかなぐり捨てて興奮、狂喜した。
とはいえ、事前に自分の周りの時空を捻じ曲げていたからこそ被弾しなかったが、彼も巻き込まれれば死んでいたであろう。
「ギエエアアアアアア!!!!」
そしてここより1kmほど南方向、特に噴煙が濃い場所で火炎弾に被弾した何かが悲鳴を上げ倒れた。
「! 今の悲鳴は犯人だな!」
悲鳴を聞きつけたデスルーグとグランゴンエヴォが現場に急行すると、そこには異形の見た目をした四足歩行の怪獣が倒れていた。
「ゲ……ゲアアアアウウウウ………」
蜃気楼怪獣 パラゴン
かつて地球侵略を企む宇宙怪人ストラ星人に操られ、ウルトラマンジャックと戦った四足歩行の怪獣の別個体。銀色の体色、盛り上がった頭部とそこから生えた一対の角、直立した太い尻尾が特徴。
光、電波、赤外線などあらゆる波長の電磁波を自在に屈折させ、蜃気楼を自在に起こし幻惑する能力を持つ。それだけでなく瞬間移動能力や背中の発光体からの金縛り光線を放つなど多芸な怪獣である。
主人の命令により富士山で蜃気楼を起こし怪現象や交通事故を起こしていたが、それに気づいたMAT及びウルトラマンジャックと戦闘になり敗れた。
「………」
「ゲアア……」
しかしそんな多芸な怪獣も、高速で降り注ぐ火炎弾には対処しようがなかったらしく複数被弾し、大ダメージを受けて倒れていた。体の各所が燃えたせいで口から泡を吹いて痙攣しており、とても戦うどころではなかった。
そうして、ついに能力を維持出来なくなったのか、周囲の光景はデスルーグが知るものへと戻っていく。
「えっちょっとヤダ! ヤバイまってタンマきえちゃうううう!!」
「アオ!?」
不愉快な幻影に翻弄されていたアーストロン。しかし、目の前の宇宙人の幻影がまた慌て出したかと思うと急に消滅したため驚くと同時に、主人の目論みが成功したことを察した。
「ヤ、ヤバイヤバイ!!!! マヂかよあんなのアリかよ!!!!」
無敵のはずの幻影が消えてしまい、シャマー星人は大慌てになる。
とはいえ、デスルーグが逃走してから何か嫌な予感がしていたため、直前でパラゴンの下から離れこちらに移動していた。そのおかげでグランゴンエヴォの攻撃に巻き込まれずに済んだのは不幸中の幸いであった。
「あの役立たず! あっさりやられてんじゃねーよバッキャロー!!」
しかし、こちらから一方的に攻撃出来る無敵の幻影を失ったことは事実。そしてシャマー星人はその責任をパラゴンになすりつける下衆な本性を垣間見せた。
「チッ、しょうがねー! 次はお前の出番だ~!」
「ガウウウウルルルル」
主人の呼びかけに応え、隻眼の犬のような2つの頭部を持った不気味な怪獣が唸り声を上げた。
「ギャーッハッハッハッハ!! 別にパラゴンがやられたところで問題ないもんね~! お前さえいればまた幻影は作れるからさ~~!」
力がない代わりに、極めて悪辣で周到なのがシャマー星人である。かつて同種族が幻影のトリックを見破られた途端に窮地に陥ったのを鑑みて、もう1体幻影を作り出す能力を持つ怪獣を用意してある。いや、戦闘能力的にはむしろこちらの怪獣の方が主戦力であった。パラゴンはあくまでオマケにすぎない。
「今度の幻影はデキも仕組みも違うぜ~~! 奴等が来た瞬間地獄へ送ってやるよウケケケケッ!」
先ほど以上にサイコな笑い声を上げながら、シャマー星人は飛び跳ねる。
「お前の出番だガルベロォォォォス!!」
「ガウウウウルルルル!!!!」
フィンディッシュタイプビースト ガルベロス
かつてウルトラマンネクサスと戦ったスペースビーストの別個体。両肩から生えた隻眼の犬のような2つの頭部と、胸部に目のないハクジラのような本来の頭部があり、鋭い爪の生えた長い手足と尾を持つ。両肩の頭部からは誘導能力を持った超高熱火炎を放つが、1番の武器は催眠波動で、これで幻影を見せたり人間の死体を操ったり出来る。
「お前がいればボクらは無敵だもんね~~!」
「だといいがな…」
「!!」
そういきり立っていた彼等だが、そこへいきなりデスルーグがテレポートで現れる。
「ずいぶんと探したぜ~~チビ野郎。そいつがお前の本命か?」
先ほどの幻影とは全く異なり、15cm程度しかないシャマー星人本人をデスルーグは見下ろす。
「な、なんでここが」
「お前がそいつをバトルナイザーから出したからにきまってるだろ」
「! いけねっ!」
とんだ凡ミスを犯したことに気づくシャマー星人。電波妨害をしていたパラゴンは倒れ、そのまま新しく怪獣を召喚すれば、敵のバトルナイザーに怪獣反応が拾われるに決まっている。
「ガルベロスか……フフ、なかなかイイな……」
敵怪獣を品定めするデスルーグ。最早勝ったも同然という態度で、ガルベロスを既に敵ではなく戦利品として見ていた。
「だがバァカなのはキミの方だよぉぉッ!! ガァルベェロォス、こいつに催眠をかけろっ!!」
敵がノコノコ現れ、迂闊にもこちらの能力の圏内に入った。まさに飛んで火に入る夏の虫、やはりデスレ星雲人の田舎者は知恵が足りない。
「おい、後ろ」
「え、うしろ?」
迂闊な敵にガルベロスは催眠をかけようとするも、自らの危機的状況にそぐわないデスルーグの言葉につい反応し、シャマー星人はうっかり後ろを見てしまう。
「あ」
その瞬間デスルーグはテレポートで逃げてしまい、ガルベロスの催眠術をシャマー星人だけがモロに浴びてしまう。
「!?」
『バトルナイザー、モンスロード!』
やってしまった、とばかりにガルベロスは慌てて催眠術を解く。それに意識が向いていたあまり、後ろにテレポートしたデスルーグと、彼のネオバトルナイザーの音声には気づかなかった。
「ギュオオオオオオ!!!!」
「ギャヒ!?」
再び召喚されたグランゴンエヴォが勢いのままに後ろから突進、ガルベロスを突き倒す。
そのまま倒れたガルベロスの尻尾に噛みつき、ジャイアントスイングの要領で振り回した後、何度も地面に叩きつけた。
「ガルル!!??」
こちらのお株を奪うような敵の猛犬ぶりに動揺するガルベロス。催眠術を使おうにもそれなりの集中力が求められるため、ダメージを負い続ける今の状況では不可能である。
「ガウウルル!!」
それでもなんとか両肩の犬型頭部から超高熱火炎弾を発射し、妨害しようとする。しかし、この抵抗も高熱に高い耐性を持つグランゴンエヴォには全く効かず無意味であった。
「ギャインッ!!」
やがて噛まれた尻尾が耐えきれなくなって千切れ、投げ出される。しかし不意打ちから一方的に攻撃されてかなりダメージを負っており、よろよろと起き上がる。
「ギュオオオオオオ!!!!」
「!!??――ギャイイイイイイイインン!!!!」
しかし敵の方を向いたその瞬間、待ち構えていたグランゴンエヴォの【超温差光線】が中央の頭部に命中。哀れ、光線の照射によりガルベロスはやがて木端微塵に砕け散った。
「あっ! バッ、バカ! 殺したらダメだろうが!!」
けれども、慌てたのはシャマー星人でなくデスルーグの方であった。ガルベロスを戦力に加えるつもりだったので殺さないように命令していたのにもかかわらず、グランゴンエヴォはつい勢い余って殺ってしまったからである。
「ギュ」
申し訳ない、とでも言いたそうにグランゴンエヴォは『伏せ』の体勢を取る。
「ああ~~!! 何やってるんだお前はぁぁぁぁ!!!!」
デスレ星雲人の絶叫が火山帯にこだました。
「ハヒーハヒー………クソがっ! あの野蛮な田舎モンがっ! ボクの怪獣をよくもぉぉぉぉ!!」
疲労の余り、肩で息をするシャマー星人。グランゴンエヴォの超温差光線がガルベロスに発射されたのを見た瞬間、シャマー星人はテレポートで逃げていた。元々『真のレイオニクスバトル』を行えるような実力などないため、自分の怪獣がやられようがダメージフィードバックはない。
けれども、逃げることに成功したとはいえ、これで全ての怪獣を失ってしまった。元々彼は人工レイオニクス、正規に生み出された怪獣使いではない。
バトルナイザーも超ミニサイズの特製とはいえ、あくまで自分達の科学技術で再現した劣化品。怪獣も3体までしか保存出来ず、その3体目を探してデスルーグに挑んだわけだが、結果は自分の生命以外全て失ってしまった。
「チクショー……またレイオニクスを探して怪獣を盗み出して――うわああああ!!??」
怒りと屈辱の余り、シャマー星人にはいつもの狡猾さと用心深さは失われていた。だからであろう、背後からゆっくりと這いずってきた管状の口吻に気づかなかった。
「はっ放せっ! 放せよぉぉぉぉ!!!!」
口吻は地球人を捕食出来るほどに大きいもの。それに丸ごと呑まれ、暗闇に包まれたシャマー星人が恐慌状態になるのも無理はなかった。
「シャマー星人は暗闇に包まれた途端幻影が維持出来ず、何も出来なくなるそうだな。まぁ、と言っても怪獣も機械も最早ないお前には関係のない話か」
「!! だ、だりだお前は!!」
暗闇に響く声に怯えるシャマー星人。一瞬デスルーグの仕業かと考えたが、この声は彼のものではない。むしろ、聞こえるのは女の声である。
「敗れて尚生き恥をさらす不埒な偽物め。貴様等如き弱小種族では、我が父レイブラッド星人の肉体にはなれん」
「肉体!? な、何の話だ!?」
「ああ、悪い。これはお前の知らなくていい話だ」
「ゴクッ」
女がそこまで言ったところで、口吻はシャマー星人を呑み込んだ。
「味は美味かったか?」
「ゴウー」
「あれだけ小さいと分からんか。フフッ」
別位相から伸びる口吻がユラユラと揺れるのを見て、空を漂う白いギガバトルナイザーの女はおかしそうに笑った。その笑みは美しくも、同時に残酷さが窺えるものであった。
用語解説
幻影宇宙人 シャマー星人(RB)
かつてウルトラマンマックスを二度に渡り苦しめた宇宙人の同種族。3本の長い指が付いた手、寸胴な体、横に広がった頭部にギョロ目、濃い水色の体色に所々金色の模様や飾りが付いているのが見た目の特徴。そして二足歩行のヒューマノイド型宇宙人としては極めて珍しいことに、身長15cm・体重220gと小動物並の体格で、野良猫にも勝てないほどと大きさ相応に貧弱である。
その一方で、それを補うように科学技術や狡猾さはかなり優れている。用意周到な面もあり、かなりふざけているようで油断ならない奸物である。
彼等の何よりの特徴が相手を終始侮辱した態度で、「とにかくウザい」という言葉が全てを表した無礼極まる態度・発言を取り続ける様は相手を怒らせる。これは地のようだが、一方で相手から冷静な思考力を奪い、彼等の仕掛けたトリックを気づきにくくさせる効果もある。
元がかなり小さいので巨大な幻影を投影する戦法を好む。幻影なのでこちらの攻撃は通用しないが、何故か幻影の方は光線を放ったり爆発性の屁を放ったりすることが出来る不可解な面もある。しかしその仕掛けは性質上光に依存しており、暗闇になると途端に消えてしまう弱点がある。
この個体はパラゴンとガルベロスを使役し、自身の幻影を投影させて一方的に攻撃させる戦法で戦っていた。自身の幻影を投影させたのはシャマー星人お得意の超鬱陶しい話術と態度で相手の冷静さを奪うためと、あえて自身の姿を映すことで何の怪獣を使っているか分からなくさせるためである。
実は人工レイオニクスであり、レイブラッド星人も彼の存在を知らない。そもそもシャマー星人という種族自体、狡猾さと科学技術はあっても肉体が非常に小さく貧弱過ぎるため、レイブラッド星人は彼等を自身の肉体候補として最初から除外し眼中になかった。そのため天然のレイオニクスであるシャマー星人は存在しない。
しかし、シャマー星人(RB)は自分を差し置いて宇宙の覇権を競うというレイオニクス達の存在を不愉快に感じていた。そのため遺伝子改造手術を受け、わざわざ超ミニサイズのバトルナイザーまで用意して無理矢理レイオニクスバトルに参加したのだった。
ただし、使役怪獣のパラゴンとガルベロスは他のレイオニクスから上手くバトルナイザーを盗み出して所有権を移したもの。バトル自体も何処かゲーム感覚で行なっているらしく、レイブラッド星人の後継者の座を望みながらあまり真剣に行なっていない矛盾した面があるが、さすがに己の命の危機には恐慌状態にはなる。尚、怪獣の扱いはぞんざいであり、特にパラゴンには恨みすら抱かれている。
凶暴怪獣 アーストロン
かつてウルトラマンジャック及びウルトラマンメビウスと戦った怪獣。ウルトラマンジャックが地球で初めて戦った怪獣として知られる。頭頂部に生えた刀状の一本角と長い尻尾を持った二足歩行の肉食恐竜のような王道の怪獣の姿が特徴。普段は地下に生息している模様。
別名通り凶暴な性格で、怪力と頑丈な皮膚を持ち、口からマグマ光線を吐く。一方で超能力などは持たないのでそれらに対する対抗する術がなく、音響反射装置を介して宇宙凶険怪獣ケルビムに操られたこともある。
怪獣無法惑星と化した惑星ボリスでも野生個体が複数確認されており、同じく野生のレッドキングやケルビム、エレキングと交戦している。惑星ハマーでもゼラン星人(RB)の使役していた個体が、ナックル星人(RB)のガルベロスと戦うも為す術なく殺害された。
この個体はデスルーグに使役されており、火山帯の歩哨として縄張りを警備している。そこへやって来たシャマー星人の幻影に遭遇するも、戦いにすらならず圧倒されていたところ、主人が駆けつけることになる。
主人に対しては忠実で、正面切っての戦闘には強く、また細かい指示を理解出来るだけの知能がある。一方で正統派怪獣過ぎる能力が災いして超能力や搦手を使う敵には滅法弱いため、その時は主人からのサポートが必要となる。デスルーグ曰く「自分の戦力としては3番手か4番手」で、一応可愛がられているが同時に世話が焼けると嘆いているのこと。
尚、シャマー星人はガルベロスを所持していたが、今回アーストロンと戦うことはなかった。
策謀宇宙人 デスレ星雲人デスルーグ
デスレ星雲出身のレイオニクスで、その内に秘めた闘争心から“喧嘩王”の異名を持つ。かつて暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人に率いられたエンペラ軍の中でも最強の集団『暗黒四天王』が1人、“謀将デスレム”の同種族。
デスレム同様、骨肉が逆転したような肉体、両目と鼻筋と口を合わせたかのようなY字型の顔面の発光体、扇状に発達した巨大な左手が特徴。ただしデスレムや他のデスレ星雲人と比べても体躯はさらに一回り大柄で、デスレ星雲人自体が元から長身な体型なので等身大の宇宙人の中では最大サイズ。
ちなみにデスレ星雲人は骨肉の逆転した体が最大の特徴であるが、実際に外骨格の生物であるようで、骨のない中身は非常に柔軟。外骨格を外せば体を折りたたんで小型化し姿を隠すことも可能とのことだが、それが真実かどうかは今のところ公式に確認されていない。それ以外にはデスレム同様自分の周囲の時空を捻じ曲げる能力やテレポート能力を持つ。
心の内には激しい闘争心と獰猛さを秘めており、デスレ星雲人の基準から見ても凶暴な性格。ただし普段は口数も少なく理知的で、必要ない限りはその凶暴さを発露させることがないので、むしろ冷静な性格だと勘違いしている者がほとんど。ただしそれでも毒舌家ではあり、あの不愉快なシャマー星人を逆に激怒させたというある意味快挙を成し遂げている。
策謀宇宙人という別名を持つ種族だが、デスレムと違い陰湿な策謀を好んでいない…が、必要に応じれば使うこともある。本人曰くデスレムのように頭を使うのは苦手とのことで、力押しのやり方が好きとのこと。
しかし普段は凶暴さを押し隠し、あの不愉快なシャマー星人の挑発にも最後まで乗らずに冷静に行動したように、単に謀略が苦手なだけで知性自体は高い。ただし、使役怪獣には逆に脳筋が多く、彼等が要所要所で失態をさらすことには頭を抱えてもいる。
同種族のデスレムはエンペラ軍の最高幹部の1人であるが、彼はエンペラ軍とは無関係のフリーの悪党である。他のレイオニクス同様、レイブラッド星人の後継者として選ばれ全宇宙を支配する野望を持つが、一方でデスレムを故郷の英雄として大いに尊敬している。ただしデスレムの主君のエンペラ星人についてはデスレムのことを都合良く使い潰したとして嫌っている。
惑星アシヨシに来る前に別の星でのレイオニクスバトル優勝者である、いわゆる『予選突破組』。惑星アシヨシに来る前、灼熱の惑星アペヌイでのレイオニクスバトルで唯一勝ち残った。だが、それでもレイブラッド星人の後継者になれる水準ではなかったので、このアシヨシにやって来てレイオニクスバトルを続けている。
アシヨシに来てさらに研鑽を積んだ現在の彼は、ネオバトルナイザーを持つ強豪として悪名高きレイオニクスとなった。ある火山帯周辺を己と怪獣達の能力で灼熱の気候に変え、そこを縄張りとして居座っている。ちなみにグランゴンエヴォはアペヌイで入手した相棒であり、1番信頼を寄せている。
尚、同じく暗黒四天王に所属した同種族がおり、経歴もよく似ているが属性が正反対なグローリアとはライバル関係に当たり、抗争を繰り返している。お互いを激しくライバル視していて仲は悪いが、一方で本人の戦闘力及びレイオニクスとしての実力、使役怪獣の強さ自体は互いに認め合ってもいる。
進化怪獣 グランゴンエヴォ
かつてウルトラマンマックスと戦った四足歩行の溶岩怪獣グランゴンの別個体が冷凍怪獣ラゴラスを捕食し、その影響で進化したもの。鋭い爪の生えた四足や棘の付いた長い尾、長い双牙の生えた下顎、背中から生える長い一本角といった特徴は同じだが、左半身がラゴラスと同じような青白い体色へと変化している。背中から見えるマグマコアは『シンクロコア』へと進化しており、高熱と冷気の両属性の力を操るようになった。
デスルーグがかつて灼熱の惑星アペヌイでレイオニクスバトルをしていた時に捕まえたもので、現在の彼の配下では最強の怪獣。デスルーグが相棒と呼ぶほど信頼を寄せており、グランゴンエヴォもまた主人に深い忠誠を抱いている。ちなみに進化したタイミングは惑星アシヨシにやって来て野良のラゴラスを倒して捕食した時である。
戦闘能力は極めて高いが、進化前よりさらに増した数千℃の体温により並の怪獣ではまず近づくことすら出来ない。冷凍光線と熱線を合わせて発射し温度差により破壊する超温差光線、口から巨大な火炎弾を空中に撃ち出し炸裂させ、無数の火炎弾を降り注がせる【クラスターショット】が必殺技。
グローリアのラゴラスエヴォとはライバル関係に当たる。お互い敵の同種を捕食した関係もあって憎み合っており、出会う度に殺し合う仲だが、実力は互角でいつも決着が付かない。
蜃気楼怪獣 パラゴン
かつて宇宙怪人ストラ星人に操られ、ウルトラマンジャックと戦った四足歩行の宇宙怪獣の別個体。左右にまっすぐ長い耳(?)が伸びた大きな頭部、コメカミから生やした牛のような双角、背中に生えた突起、直立した太い尾が特徴。
光を始めとするあらゆる波長の電磁波を屈折させることが出来、それを活かして蜃気楼を起こして幻惑する能力を持つ。また電磁波を操る力は単なる視覚妨害に限らず、ミサイルの誘導や光線すら捻じ曲げることが可能。おまけにそれ以外にも突起からの光線攻撃や瞬間移動能力、羽ばたきによる風起こしすら可能と、防御・回避・撹乱に関してはずば抜けた怪獣である。ただしグランゴンエヴォの放った火炎弾は威力と攻撃範囲が凄すぎて防ぎようがなかった。
この個体もストラ星人(RB)が使役していたが、彼からバトルナイザーを盗み出したシャマー星人(RB)が所有権を移してしまった。そしてバトルナイザーを失ったストラ星人はソリチュラの餌食となってしまう。バトルナイザーで操られているせいで逆らえてはいないものの、前の主人に懐いていたのもあり、シャマー星人には恨みを抱いている。
シャマー星人からも軽く扱われており、面従腹背とはいえ反抗まではしなかったにもかかわらず、終始ガルベロスのオマケ扱いであった。尚、幻影については効果範囲自体はこちらの方が広い。
フィンディッシュタイプビースト ガルベロス
かつてウルトラマンネクサスと戦ったスペースビーストの別個体。両肩から生えた隻眼の犬のような2つの頭部、胸部から変えた目のないハクジラに似た凶悪な本来の頭部、鋭い爪の生えた手足と長い尾が特徴。スペースビーストの中でもビースト・ザ・ワンの核の残留細胞の割合が多い上級ビーストで強力な生命力を持ち、ネクサスに何度倒されても蘇っているほど。
犬のような頭部からは誘導可能な超高熱火炎弾を放つが、1番の武器は同じく犬のような頭部から放つ催眠波動。これで幻覚を見せたり、死体を操ることが可能。
この個体はかつてシャマー星人(RB)が他のレイオニクスからバトルナイザーを盗み出し、所有権を奪ったもの。同じく忠実に従っているが、前の主人が結果的に死に追いやられ恨んでいたパラゴンと違い、特に今の主人に不満はないらしい。
シャマー星人の方からも主戦力と見なされており、事実戦闘能力に関してはパラゴンより上。しかし催眠波動の仕組み上、向こうの蜃気楼より効果こそ強烈だが効果範囲自体は狭い。