怪獣超無法惑星   作:フルメタル・ミサイル

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 とりあえずまた一章が長くなったので中編・後編に分割。今回は最強クラスのレイオニクスと惑星アシヨシ最強怪獣の一角の激突です。
 これでレイブラッド星人後継者レース・ファーストステージは終了となります。


セカンドステージ突入! 後編

 この惑星アシヨシで最強と謳われる怪獣は現在三体いる。そして意外に思われるかもしれないが、全て野生怪獣である。何故かというと、あまりに強大過ぎてレイオニクスでも捕獲が出来ないのだ。

 無論、レイオニクスバトルの勝利のため、レイブラッド星人の後継者となるため、捕獲を試みようとした者は少なくない。しかし、実物を見た時に即座に諦める者が大半だった。中にはそれでも諦めず挑んだ無謀な者もいるが、怪獣諸共その場で殺されてしまうので成功した者はいない。

 そんな三体は惑星アシヨシの陸海空それぞれを支配している。

 陸を支配するのはスーパーグランドキング。

 空を支配するのはギラ・ナーガ。

 そして海を支配するのが――

 

 

 

 

 

 ――とある遺跡――

 

 南緯47度9分、西経126度43分の位置、絶海の海域に浮かぶ謎の遺跡。不気味な形状の尖塔や奇怪な彫刻の施された石柱が立ち並ぶそれはレイブラッド星人が用意したものではなく、いつからあったのかも分からない。

 周囲は時間に関係なく非常に暗く、まるで闇が立ち籠めているかのようだ。アシヨシの海に棲む海洋怪獣も、この遺跡周辺に近づくことだけは意図的に避けているようである。

 だがそんな不気味な場所であるにもかかわらず、時折命知らずの無謀なレイオニクスがここにやって来ることがある。

 

「う、嘘だろぉぉ!! これだけ攻撃をくらわせて、なんでダメージがないんだ!!??」

 

 この遺跡に住まう唯一の生命にして、この遺跡の主。それに無謀にも挑んだレイオニクスだったが、己の愚行を大いに後悔する。

 

「キヒャララララ!!」

 

 相棒が果敢に攻撃するも、敵には全く通じていない。最早戦いとも呼べず、状況は非常に絶望的であった。

 

「バカ野郎!! 本気でやってんのか!? 死ぬ気で攻撃しろぉぉ!!」

 

 水棲怪人 テペト星人(RB)

 

 かつて地球侵略を企み、湖の底に潜んでいた宇宙人。その姿はまさしく妖怪の河童そのものであるが肉食で、魚や鶏を食い、鋭い爪で首の頸動脈を切り裂き人間を殺害した。配下の怪獣テペトがウルトラセブンに敗れた後、彼等は宇宙船で逃亡を図るもウルトラ警備隊によって撃墜されている。

 

「キヒャララララ!!」

 

 河童超獣 キングカッパー

 

 かつて異次元人ヤプールによって作られ、ウルトラマンAに倒された超獣の別個体。ヤプールの手先のアンドロイド夫婦に操られ、家のプールに化けており、泳ぎに来た子供達の臍を奪って操り人形へと変えていた。

 こちらも河童に似ているが、全体的に派手な体色に加え、背中には甲羅を背負っている。胴体と巨大な頭部が一体化したような奇妙な体型をしており、肩幅より大きな頭頂部の皿はプールとなっている。武器は口から吐く煙幕と、手先から放つミサイル。

 

「クソッタレがぁッ!!!! 超獣の攻撃だぞ!? なのになんで効いてねえんだヨ!!!!」

 

 尋常でなく焦りながら、テペト星人は口汚く怒鳴る。

 相棒のキングカッパーは手先からミサイルを懸命に連射するも、顔面に全て直撃しながらも遺跡の主は怯みすらしない。

 

「………………」

 

 必死で攻撃する主従とは逆に、遺跡の主は微動だにしない。敵の慌てぶりを楽しんですらいるようであった。

 

「キヒャ!?」

「………………」

 

 主の命令通り死ぬ気で攻撃していたキングカッパーだが、やがて手先の生体ミサイルが尽きてしまう。慌てて両手を見つめる超獣だが、どう頑張ろうがもうこれ以上の攻撃は無理であった。

 そんな超獣の様子を見て頃合いと見たのか、重い腰を上げる遺跡の主。圧倒的な巨体だけあって凄まじい重量であり、体勢を変えようと脚の位置をずらしただけで遺跡が軽く揺れた。

 

「バォオオオオオオン!!!!」

 

 邪神 ガタノゾーア

 

 南太平洋に浮かぶ古代遺跡ルルイエより現れた闇の邪神。この惑星アシヨシでの最強怪獣の一角である。

 かつて地球を闇で染め上げ、人類を滅ぼそうとするもそれを食い止めようとするウルトラマンティガとの死闘の末に敗れた。

 凄まじい巨体を誇ると共に、他の怪獣とは大きく異なる奇怪な姿をしている。アンモナイトのような巨大で重厚な殻に、鋏状の両腕、甲殻類に似た8本の鋭い脚、体からは先端が鋏となった触手を数十本生やし、そして下顎に目が付いた顔がある。

 体から発する闇は浴びた生物を即死させ、電子機器を破壊するだけでなく、質量反応がないその性質上物理的手段では一切止められず、極めつけに地球全土を覆うほど膨大な量を放出出来る。石化光線はウルトラマンティガを石像に変え、海底へと沈めてしまった。

 

「キヒャ……」

 

 武器も尽き、ゆっくりと迫る巨体に竦んで後ずさるキングカッパー。

 

「チッ! 退くぞ!」

 

 配下の怪獣が使い物にならないと見たテペト星人は撤退を即断し、バトルナイザーに怪獣を回収しようとする。

 しかし、その前にガタノゾーアの体から闇が噴き出し、主従を包み込む。

 

「うわああああああ!!!!」

 

 闇に触れた途端、バトルナイザーからは火花が飛び散って壊れてしまう。しかし、もうそんなことを気にする余裕などなく、テペト星人は苦悶の絶叫を上げながら闇に覆われ、跡形もなく消えてしまった。

 

「キヒャ!?」

 

 闇によって体の至る所が爆発に襲われながらも、主人の死を見た河童超獣は背を向けて逃げようとする。けれども、遺跡から海へと逃げ切る前に海中から触手が何本も飛び出して縛りつけ、キングカッパーを軽々持ち上げる。

 

「バォオオオオオオ」

「キヒャララララ!!??」

 

 雁字搦めに縛られた上、逆さにされて頭の皿から水が溢れてしまい、キングカッパーは弱って身動きが取れなくなった。さらにそこへ邪神から放たれた紫色の光線が命中、そのまま河童超獣は石像へと変化してしまった。

 

「………………」

 

 ガタノゾーアはゆっくりと後ろを向くと、キングカッパーの石像を触手で持ち上げながら運ぶ。そうして遺跡の奥、地下へと続く巨大な穴の前まで辿り着く。

 

「♪」

 

 邪神は穴の中を嬉しそうに覗き込む。中には大量の石像が無造作に放り込まれていたが、それらはこのキングカッパー同様、愚かにも邪神に歯向かうも力及ばず敗北し石像に変えられた怪獣やレイオニクス達。

 邪神は無謀な挑戦者達を石像に変えた後、蒐集品(コレクション)としてこの穴の中に集めていたのである。

 

「………」

 

 邪神は穴の中にキングカッパーの石像を投げ入れようとする。

 

「ッ!」

 

 しかし、今回の戦利品は穴に入れられる前に、突如飛んできた光線が命中。哀れ、超獣の石像は木っ端微塵に砕け散ってしまう。

 

「バォオオオオオオンン!!!!」

 

 折角得た戦利品を破壊され、怒った邪神。下手人は誰かと振り返る。

 

「フッフッフッフッ!! お楽しみ中のところ失礼……」

 

 すると遺跡の端、波打ち際から怪獣が上陸しているのと、その隣に同じく降り立った宇宙人が目に入った。

 

「私はメフィラス星人。単刀直入に申し上げますが、貴方には私の怪獣になっていただきます」

 

 悪質宇宙人 メフィラス星人(RB)

 

 高度な知性とウルトラ戦士と互角以上の戦闘能力を持つ宇宙人。(必要に迫られない限りは)暴力を嫌う紳士的な態度・言動を取っており、あえて地球人の心に挑戦するようなやり方で地球侵略を行おうとした。

 漆黒の体色だが顔面は銀色で、ずんぐりとした体躯をしており、尖った両耳、青い目、口部分に発光体がある。手から放つグリップビームは硬質な体を持った礫岩怪獣グロマイトを一撃で爆殺する威力を誇る。

 

「ギャァァァァァァ!!!!」

 

 暴君怪獣 タイラント

 

 かつてウルトラ兄弟に倒された7体の怪獣・超獣・宇宙人の怨念が海王星で結集、誕生した合体怪獣。迎え撃ったウルトラ兄弟を次々と倒した凄まじい戦闘能力を持つ。

 頭はシーゴラス、両耳はイカルス星人、両腕はバラバ、腹部はベムスター、背中はハンザギラン、両脚はレッドキング、尻尾はキングクラブを組み合わせたものとなっている。各怪獣の能力に加え、口からは火炎、腹からは冷凍ガスを放出し、防御力もウルトラマンAのメタリウム光線が直撃してなんともないほど。おまけに宇宙を高速で飛行する能力までも兼ね備える。

 尚、この個体は他の個体と違い右手が鉄球、左手が鎌という元となったバラバと同じ配置となっているのが特徴である。

 

「ブォオオオオオオ!!!!」

 

 先ほどの連中は雑魚だったが、今回は違うらしい。それを如実に感じ取った邪神は、今回は戦う気になった。

 

「どうやらやる気になっていただけた御様子。ですが、私のタイラントは先ほどの雑魚とは違って強いですよ~?」

 

 この口ぶりからすると、どうやらメフィラス星人は先ほどのテペト星人とキングカッパーの戦いを遠くから見ていたらしい。連中を噛ませ犬にすることで戦力分析をしたのか、鼻持ちならないほどに余裕気な態度である。

 

「バォオオオオオオンン!!!!」

 

 怒りのままに、前に進むガタノゾーア。その巨体が一歩進む度に遺跡が揺れる。

 

「ギャァァァァァァ!!!!」

「……ッ!」

 

 しかし、邪神がこちらに到達する前に、なんとタイラントの方から襲いかかった。

 暴君は右腕の鉄球を振り上げ、ガタノゾーアの頭におもいきり叩きつける。すると少しは効いたのか、ガタノゾーアの動きが止まる。

 

「冷凍ガスです!」

 

 主人の指示に従い、タイラントは追撃として腹の吸引アトラクタースパウトから冷凍ガスを噴射。ちょうど腹の目の前にある邪神の顔にモロにかかったため、嫌がったガタノゾーアは思わず後ずさった。

 

「ブォオオオオオオ!!!!」

 

 これ以上の顔面への攻撃を鬱陶しがったガタノゾーアはタイラントに体当たりをくらわせる。だがなんと、暴君怪獣はガタノゾーアの巨体とまともにぶつかりながらも一歩も引かず持ちこたえる。

 

「フッフッフッフッ!! 私のタイラントをそんじょそこらの雑魚怪獣と一緒にされては困りますよ~~」

 

 邪神相手に恐れることなく自慢げにそう語るメフィラス星人。

 

「バォオン!?」

 

 拮抗状態の中、それを打破しようとタイラントは右手の鉄球で邪神の顔を何度もぶん殴る。

 

「そろそろですかね…」

 

 傍目にはガタノゾーアが怯んでいるように見える。しかし、これはまだ小手調べ。敵がまだ本気の攻撃は行なっていないことは、先ほどの攻防を眺めていたメフィラス星人には分かっていた。

 よって、ある程度こちらが優勢になったところで、敵はいよいよ本気を出すであろう。

 

「バォオオオオオオンン!!!!」

「きた!」

 

 そして、すぐそのタイミングは来た。殻の前面が光ったかと思うと、ガタノゾーアはそこから闇を放出する。

 しかし、タイラントは事前にメフィラス星人に指示されていた通り、それを視認した瞬間飛び上がって躱すと共に、今度は殻の上に跳び乗ったのだった。

 

「!?」

 

 キングカッパーの時と違い、闇を軽々躱され驚くガタノゾーア。それにかまわず、レッドキングの強力な足で殻の上を踏みつけまくるタイラント。

 原始的な攻撃だが、ティガのパワータイプ並のパワーである上、あちらと違って3分の活動限界などもないため、手数いや足数ではこちらが上回る。

 

「ブォオオオオ」

 

 殻の上は圧倒的な巨体故の死角だが、対抗手段がないわけではない。ガタノゾーアは先ほど同様触手を何本も伸ばし、タイラントを捕まえようとする。

 

「アロー光線!」

 

 触手が四方八方から迫るが、タイラントは耳からアロー光線を放ちながら1回転すると、触手の先端は皆光線を浴びて炎上。慌てて邪神は触手を引っ込めて海に漬け、消火する。

 

「ギャァァ!!」

 

 一旦攻撃の手が止んだため、タイラントは好機とばかりに両足での踏みつけを繰り返しつつ、口からの火炎とアロー光線を照射。さすがのガタノゾーアも殻の上部が若干だが削れていく。

 

「ブォオオオオオオ!!!!」

 

 一向に敵に有効打を与えられず、かえって良いようにやられているのが腹に据えかねたのか、ガタノゾーアは激怒した。

 

「ここからですね…」

 

 今まではこちらが優勢ではあったが、油断は出来ない。敵は邪神と呼ばれるだけあり、並の怪獣とは比べ物にならない相手である。少しでも手を抜いたり余裕を見せれば、先ほどの河童コンビと同じ末路を辿るであろう。

 

「バォオオオオオオオオオオンン!!!!」

「離れなさい!」

 

 主人の指示を受けタイラントは跳躍し殻の上から離れ、主人の側に舞い戻る。その直後、ガタノゾーアは全身から猛烈な量の闇を放出、辺り一面を漆黒に染め上げた。

 

「フッフッフッフッフッフッ!!!! タイラント!! 貴方の真の力というものを神様に見せて差し上げなさい!!!!」

 

 ネオバトルナイザーを握ったメフィラス星人は全身からレイオニクスパワーを増大・放出させ、それをタイラントに流し込む。するとタイラントの全身が眩い光に包まれ、暴君は進化する。

 

「ギャァァァァァァ!!!!」

 

 暴君怪獣 EXタイラント

 

 暴君怪獣タイラントがEX進化したもの。新たにゴモラの両足が加わったことでケンタウロス体型の四足歩行となり、頭にもジェロニモンの羽飾りが加わった。さらには両手の武器も大型化している。

 進化に伴い能力全体が劇的に強化されており、特に凶暴性と膂力は圧倒的に増している。

 

「バォオオオオオオンン!!!!」

「ギャァァァァァァ!!!!」

 

 両者は同時に突進、頭をぶつけ合ったかと思えば、続けてお互い鉄球・鎌と鋏でおもいきり殴り合う。EXタイラントは先ほどは避けなければならなかった闇に呑み込まれながらも意に介さず、ガタノゾーアも光線・火炎・冷凍ガスを浴びながらも全く引かない。

 

「ぬぅ!……フッフフフフ!!」

 

 自分の怪獣がEX進化した以上“真のレイオニクスバトル”が自動発動しているため、攻撃をくらえば当然リンクしている自分にもダメージが共有される。しかしメフィラス星人はいくらダメージが来ようと倒れず、ひどい痛みを感じながらもむしろ楽しそうに笑っていた。

 

「いいですねぇ!! 強敵と戦い、完膚なきまで叩き潰す!! これがゲームの最大の醍醐味というものですよ!!」

 

 そんなメフィラス星人の狂気的とも言える愉悦はEXタイラントに伝わり、さらに凶暴性を跳ね上げる。例え邪神と呼ばれる最強の怪獣であっても、この主従の闘志は衰えはしなかった。

 

「ギャァァ!!」

 

 敵の攻撃を意に介さず、EXタイラントはゴモラの後足で立ち上がり、レッドキングの前足を邪神の顔面に執拗に叩きつける。

 

「ブオ……!?」

「今です!」

 

 さらに下顎を蹴り上げられ、一瞬その巨体が上に持ち上がる。そこへEXタイラントの右手の全力振り下ろしが頭部へ叩きつけられたことで、邪神もついに大きくよろめいた。

 この機を逃さず、さらなる追い打ちとしてEXタイラントは両手でガタノゾーアの巨体を挟み込み――

 

「ギャァァァァァァ!!!!」

「!?」

 

 なんとその怪力で20万tの巨体を持ち上げ、放り投げてしまう。ウルトラマンティガにやられた時と違い、今回は単純な力技であり、邪神も一瞬何が起きたか分からず動転。受け身が取れずにそのまま背中から遺跡に叩きつけられた。

 

「バォオオ……!」

 

 力ずくでぶん投げられたのは初めての経験だったからか、それともその巨体と重量が災いしたか。ひっくり返ってしまい起き上がるのに難儀していたところへ、EXタイラントは右手の鉄球を射出、容赦なく剥き出しの腹に叩きつける。そうして腹の殻が一部砕けて鉄球がめり込んだところへ――

 

「ギャァァァァァァ!!!!」

 

 なんと信じ難いことに、EXタイラントはそのままハンマー投げの要領でガタノゾーアの超巨体を振り回したのである。

 

「リリース!」

 

 頃合いと見た主人の指示により、EXタイラントは鉄球を引っ込める。するとそのまま勢い良く邪神は飛び、海へと放り込まれてしまう。

 

「バォオオオオオオオオオオオオオオンンンン!!!!」

 

 少なからずダメージは与えられたかと思うが、当然まだまだこれぐらいで死ぬような相手ではない。海面からすぐにその姿を現したガタノゾーアは、すぐさま凄まじい量の闇をその全身から放出。ただでさえ暗かった一帯は闇夜を思わせるほどの暗黒に包まれていく。

 

「だからどうしたというのです!!!!」

「ギャァァァァァァ!!!!」

 

 この惑星全体の危機を引き起こしつつあるにもかかわらず、メフィラス星人は怯みはしなかった。怪獣の方も同様であり、すぐさま敵の顔面をアロー光線で狙撃、爆発を起こす。

 さらにはタイラントの鼻先の角が発光、途端に大竜巻が起きたかと思うと、なんと闇を段々と散らしていく。

 

「バォオオオオオオンン!!!!」

 

 闇が一部散らされて驚愕はしたが、猛烈な怒りに燃える今はその出来事も一瞬の足止めにしかならない。

 ガタノゾーアも全ての触手を動員、束ねて巨大な柱のようにする。それを高速で伸ばし、先ほどの意趣返しの如くEXタイラントの頭頂部に叩きつけた。

 

「ギャァァ……」

「ぬぅ…」

 

 強烈な一撃を受けて、大きくよろめくEXタイラント。そして、それはメフィラス星人も同じである。彼の頭頂部からは多量の血がダラダラと流れ落ちていた。

 

「フッフッフッフッ!! 追撃がありませんね。それで終わりということですか?」

 

 頭からの血が止まらないが、それでもメフィラス星人はまたも笑った。この戦いが楽しいからだ。

 それは怒りに燃える邪神を目の前にしながら、尚も挑発したことにも表れている。

 

「そういうことならば、再びこちらのターンとさせていただきますよ!」

「ギャァァァァァァ!!!!」

 

 猛り狂う主従。まだまだ戦いを楽しめるとばかりに、その闘志は漲り燃え上がるばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか面白いな。果たしてこの中からどれだけが生き残るのだろう」

 

 ゼヴォスの投影する映像を視聴しながら、ペルフェクト星人は笑った。

 今現在、惑星アシヨシに残っているレイオニクス達。彼女が戦いを視聴した者達だけではない、まだまだ多くの強豪がこのアシヨシで今も戦い続けている。

 

「セカンドステージも、どうやら楽しいものになりそうだな」

「キュインキュイーン……」

 

 その時、ゼヴォスは何かを感知し、主人に知らせた。

 

「ふむ。もうすぐ再生、いや複製は終わるか。

 ではゼヴォス、私を奴の所まで連れて行け」

 

 命令を受けたゼヴォスは映像投影を打ち切る。そして主人を差し出した右掌に乗せると、時空の歪みの奥にある場所へと脚(?)のバーニアを噴射して飛んでいく。

 

「思っていたよりは時間がかかったな」

 

 すぐに辿り着いた女とゼヴォスは、そこにあるものを眺める。

 

「だが、それももうすぐ終わるだろう」

 

 背中から生えた複数の触手、節足動物に似た巨大な六本脚の下半身と、そこから伸びる上半身。蟹のような巨大怪獣の上からまた別の怪獣が生えているかのような奇怪で異形の姿であった。

 生命活動を停止しているのか、その目には光はなく、並の怪獣とは比べ物にならぬその巨体も今は動かない。

 

「思わぬ拾い物だったが、まぁせいぜい役立たせてもらおう。もっとも、こいつとレイオニクス達を戦わせるのはさすがにやり過ぎかな?」

 

 容赦ないはずのペルフェクト星人が冗談半分とはいえそう呟いてしまうほどに、この超獣の強さは隔絶したものであった。

 

 

 

 

 

<セカンドステージ進出者一覧>

 

“ゼットン・アズ・No.1” 変身怪人 ゼットン星人(RB)

使役怪獣:ゼットン、シルバゴン他

 

“凶獣王” 極悪宇宙人 テンペラー星人(RB)

使役怪獣:ルガノーガー、カミソリデマーガ、ヘルベロス

 

“餓鬼道” 犯罪宇宙人 レモジョ星系人(RB)

使役怪獣:メツオーガ、レッサーボガール

 

“怪獣コレクター” 宇宙狩人 ノワール星人(RB)

使役怪獣:ラグストーン、ゴルドン(プラチナ)他

 

“悲しみの歌姫” 地球原人 ノンマルト(RB)

使役怪獣:ザバンギ、ミニガイロス

 

阿傍羅刹(あぼうらせつ)” 地獄星人 スーパーヒッポリト星人(RB)

使役怪獣:ザイゴーグ、ゴルドラス、改造パンドン他

 

盗賊(バンディット)” 知略遊撃宇宙人 エンディール星人(RB)

使役怪獣:レゾリウム、インペライザー他

 

“若き英雄” 友好宇宙人 ファンタス星人(RB)

使役怪獣:ゴモラⅡ、ベロン他

 

“進化の果て” 究極進化帝王 メンシュハイト(RB)

使役怪獣:グラール他

 

“処刑人” 冷凍星人 グローザ星系人グローリア

使役怪獣:ラゴラスエヴォ他

 

“喧嘩王” 謀略宇宙人 デスレ星雲人デスルーグ

使役怪獣:グランゴンエヴォ他

 

“最凶アベック” 双体宇宙人 チェーン星人スモール

使役怪獣:チェーン星人ビッグ

 

“大元帥” 侵略星人 ジェネラル・ガルタン(RB)

使役怪獣:グルジオカイザー、デアボリック他

 

“Mr.ブラックキング” 暗殺宇宙人 ナックル星人(RB)

使役怪獣:ブラックキング(金)他

 

“ウルトラを滅ぼす者” 宇宙忍者 バルタン星人(RB)

使役怪獣:ドラコ(パワード)、X(クロス)サバーガ他

 

“円盤生物連合会会長兼ブラックスター復興連盟会長” 円盤生物 星人ブニョ(RB)

使役怪獣:円盤生物全種

 

“レイオニクスキラー” 悪質宇宙人 メフィラス星人(RB)

使役怪獣:タイラント他

 

“究極・絶対・唯一の知性” 頭脳星人 チブル星人(RB)

使役怪獣:ファイブキング他

 

“ギラスレンジャー” サーベル暴君 マグマ星人(RB)

使役怪獣:ギラス各種

 

“マッハウインド” 高速宇宙人 スラン星人(RB)

使役怪獣:ヘイレン他

 

“宇宙一の超科学力” 策略宇宙人 ペダン星人(RB)

使役怪獣:キングジョーブラックカスタム、キングジョースカーレットカスタム

 

“黄泉の国の番人” 炎魔戦士 キリエロイド(RB)

使役怪獣:ナイトファング他

 

“特級エレキングブリーダー” 変身怪人 ピット星人(RB)

使役怪獣:エレキング(ブラック)

 

“リゾートキング” 宇宙海人 バルキー星人(RB)

使役怪獣:サメクジラ他

 

“悪夢の蝋人形師” 黒い花の星人 アトラー星人(RB)

使役怪獣:ガクマ他

 

etc…




 水棲怪人 テペト星人(RB)

 かつて地球侵略のために訪れ、伊集湖の湖底に潜んでいた宇宙人の同種族。駆けつけたウルトラ警備隊を攻撃し、さらには手駒のカッパ怪獣テペトを差し向けるもウルトラセブンに倒され、自分達は円盤で逃げようとするもウルトラ警備隊に撃墜された。
 姿はまさに鋭い爪を持った河童そのものであるが、あえて言うなら皿がない。また河童のようにキュウリが好みかは不明だが、少なくとも肉食であり、村人達を湖に近づけさせず魚を喰らい尽くし、鶏小屋も襲っている。頸動脈を爪で切り裂き人間を殺害したが、戦闘能力は低い方で多くがウルトラ警備隊に射殺されている。
 本個体は他のレイオニクス同様レイブラッド星人の後継者となり全宇宙を支配しようと目論見、この惑星アシヨシにやって来た。だが、ある時最強の戦力を得ようとして愚かにもガタノゾーアに手を出してしまい、その望みを叶えることなく闇の餌食となってしまう。
 所持怪獣はテペトとキングカッパー。戦闘能力は超獣であるキングカッパーの方が上なので、そちらを主力にしていた。今回テペトは温存していたが、出していたところで結果は変わらなかったと思われる。尚、テペトはバトルナイザーが破損した際に諸共死亡した。
 ちなみにメフィラス星人(RB)には行動を監視されており、ガタノゾーアの実力を知るための噛ませ犬にされていた。正確には遠くから遺跡を見張っていたところを、身の程知らずにもガタノゾーアを捕まえようとした彼が自分からやって来たのである。

 河童超獣 キングカッパー

 かつて異次元人ヤプールが作った超獣の一体だが、材料は不明。ヤプールの手先であるアンドロイド夫婦の自宅のプールに化け、泳ぎに来た子供達から臍を奪い操り人形に変えていた。河童だけあって頭のプールもとい皿が乾くと弱ってしまい、そこを突かれてウルトラマンAに倒された。
 別名通り河童を思わせる見た目だが、胴体と頭部が一体化し嘴の生えた顔面も胴体にあるという奇妙な体型をしている。頭部は肩幅より広く、頭頂部はプールになっており、ここに水を溜めていて、溢れたら回収をする。武器は口から吐く煙幕と手から放つミサイル。
 本個体はテペト星人(RB)に使役されており、超獣だけあって並の怪獣より強かったようだが、いくら超獣でも邪神ガタノゾーアが相手では勝ち目などなかった。無謀な主人の道連れになることを恐怖し逃げ出すも、石化光線で邪神のコレクションの一部にされた挙げ句、挑発のためタイラントのアロー光線をくらい粉々になるという哀れな最期を遂げた。

 邪神 ガタノゾーア

 3000万年前に存在した超古代文明を滅ぼしたとされる、闇の邪神。ゴルザやメルバといった超古代怪獣の頂点に立つ存在である。南太平洋はニュージーランド沖に存在する超古代遺跡ルルイエより現れた。
 数ある怪獣の中でも屈指の巨体と異形が特徴。アンモナイトの殻を持ち、そこから甲殻類のような脚を8本生やし、さらには先端が鋏となった複数の触手を生やしている。前面には一対の鋏状の手と、下顎に目が付いた顔がある。体から発する電撃、殻の前部から放つ石化光線、闇の霧が武器。特に闇は世界全体を覆い尽くす圧倒的な量の上、人間が触れれば即死、かつ電子機器ならば破壊する効果がある。
 超古代尖兵怪獣ゾイガーを無数に放って世界中を攻撃後、ルルイエから現れて世界を闇で覆った。戦いを挑んできたウルトラマンティガを物ともせず、やがて石化光線で石像に変えて海底に沈めてしまった。
 しかし世界中の子供達の心に残っていた光を受け、ティガがグリッターティガとなって復活。今度は逆に圧倒され、最期はグリッターゼペリオン光線とタイマーフラッシュスペシャルを浴び消滅した。だが、のちに惑星モーン・スターでメフィラス星人(RB)(今回のものとは別人)により復活したが、倒されている。
 この惑星アシヨシにおいても四次元怪獣ブルトンの能力によるものか、住処となる古代遺跡ごと現れた。この惑星の三大最強怪獣の一角となっており、陸のスーパーグランドキング、空のギラ・ナーガに対し、惑星の海を支配している。
 そのためか、遺跡周辺の海域には他の水棲怪獣は一切近寄ろうとせず、遺跡を訪れるのは無謀なレイオニクスのみであるが、皆返り討ちにあって配下の怪獣諸共石像と化している。また、その石像を戦利品として蒐集する趣味があるようで、キングカッパーの石像をタイラントに破壊された時には猛烈に激怒している。
 テペト星人(RB)を撃破直後、現れたメフィラス星人(RB)のタイラントと交戦。敵の猛攻を受けるも、凄まじい防御力で大したダメージにはなっていなかった。EXタイラントに進化後はやや押されるが、それでも致命傷は負っていないなど、最強怪獣の評判に相応しい強さを見せた。

 悪質宇宙人 メフィラス星人(RB)

 非常に高い知性と、ウルトラ戦士と互角以上に戦える戦闘能力を併せ持つことで知られる宇宙人。その知能と美学故か、単純な暴力でなくあえて地球人の心に挑戦するようなやり方で地球侵略を行おうとした。
 初代ウルトラマンと戦った個体の他、エンペラ星人配下の最高幹部“暗黒四天王”の知将として知られる個体や、惑星ハマーや惑星モーン・スターにもレイオニクスとなった個体が現れている。ただし、レイオニクスとしての実力は個体ごとにまちまちで、本人の戦闘能力と必ずしも一致しない。
 ウルトラマンとは真逆の漆黒の体表にずんぐりとした体型。顔面は銀色で、青い目、尖った耳、口の部分に存在する点滅する発光体が特徴。超能力も多彩かつ強力で、瞬間移動や飛行能力、電撃状の光線発射能力を持つ。特に片手を突き出した状態で放つ【グリップビーム】は非常に強力で、礫岩怪獣グロマイトを一撃で瞬殺したほどだが、一方で初代ウルトラマンには胸で受け止められ無効化された。
 その実力と美学故か、態度は紳士的…と見せかけて根は尊大かつ短気で自分勝手である。また高い実力・知能の持ち主には違いないが、反面詰めの甘さや想定外の事態には弱い面も見受けられる。しかし、自分の敗北を素直に認める潔さと、また地球人の心に挑戦しにやって来ることを誓う不屈の精神を持つ。
 惑星アシヨシに現れた本個体は、ネオバトルナイザーに進化するほどにレイオニクスとして高い実力を持っており、優勝候補の1人と目されている。しかし良くも悪くも、レイと出会った頃のキール星人グランデと似た好戦的かつ非情な部分があり、極めて高い実力を持ちながらも怪獣を単なる自分の手駒としか思っていない。
 レイブラッド星人の後継者レースに対してもゲーム感覚で挑んでおり、自身の想定外の事態も含めたあらゆる要素をゲームを面白くする要素と考えている。そのためか非常に好戦的かつ自分の負ったダメージにも頓着しないながらも、レイオニクスバトルでの勝利数はRBの中でトップクラス。しかし、同時に敵をバンバン殺しまくっているため、他のレイオニクスからは非常に恐れられ嫌われている。
 強力な怪獣であるタイラントを従え、EX進化さえ可能とするほどの実力とコンビネーションを見せるが、内心では強力な怪獣だから使っているだけであって、大した情はない。しかしタイラントに対して横柄に振る舞うこともなく丁重に扱うことで、その内心を巧妙に悟らせないでいる。

 暴君怪獣 タイラント

 かつてウルトラ戦士達に敗れ死亡した怪獣・超獣・宇宙人の怨念が海王星に集結・融合して誕生した合体怪獣。太陽系の各惑星で迎え撃ったウルトラ兄弟達を返り討ち・5人抜きし、地球に赴くも戦いの末にウルトラマンタロウに倒された。
 頭は竜巻怪獣シーゴラス、両耳は異次元宇宙人イカルス星人、両腕は殺し屋超獣バラバ(何故か鉄球と鎌が左右逆になっている)、腹は宇宙大怪獣ベムスター、背中は液汁超獣ハンザギラン、両足はどくろ怪獣レッドキング、尻尾は大蟹超獣キングクラブと、体は集結した7体の強力な各部位で構成されている。
 各部位は元となった怪獣達の能力がそのまま使えるだけでなく、口からは火炎、腹の【吸引アトラクタースパウト】からは冷凍ガスを放出する。また体もウルトラマンAのメタリウム光線が直撃しても全く効かないという驚異的な防御力を誇り、他にウルトラサインを消す光線や、宇宙空間を高速で飛ぶ飛行能力を持つ。
 キール星人グランデが使役していた個体はタロウの個体より強く、レイのエレキングを殺害し、一時はレイも死亡させてしまうも、のちに復活し二度目の勝負を挑んだレイによって倒されるが、グランデは直前にリンクを切っており生存している。
 本個体はグランデの個体同様、タロウの個体を上回る強さを誇る。そして邪神の別名を持つあのガタノゾーアにも怯えるどころかこちらから襲いかかるほど凶暴で、一時は翻弄したほどである。
 メフィラス星人(RB)とのコンビネーションも抜群であるが、タイラントは親愛の情を抱く一方、向こうからは強い怪獣故に重宝されてはいるが、情と呼べるものを持たれていない事実には気づいていない。
 それと余談ではあるが、本個体は左右の武器の配置が逆(バラバと同じ配置)という珍しい個体である。

 暴君怪獣 EXタイラント

 メフィラス星人(RB)の使役するタイラントがレイオニクスパワー注入により、EX進化したもの。全能力が強化されると共に、進化に伴い姿が変化し、新たにゴモラの足が加わり四足歩行のケンタウロス体型となった。また頭部にもジェロニモンの羽飾りが加わると共に、両手の武器も巨大化している。
 必殺技はゴモラの後ろ足で立ち上がり、レッドキングの前足を叩きつける【タイラントストンピング】。そして巨大隕石に鉄球を射出し引き寄せ、地上の敵に叩きつける【隕石落とし】。
 EX進化により、進化前では回避に専念していたガタノゾーアの闇に耐えられるほど耐性が上がると共に、邪神の体重20万tの超巨体を力ずくで放り投げることが出来るほどにパワーも増している。
 この形態でガタノゾーアを圧倒していたことからも、文字通り三大怪獣と渡り合えるほどの戦闘能力を持っている。これこそメフィラス星人が優勝候補の1人と目される所以である。
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