怪獣超無法惑星   作:フルメタル・ミサイル

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 今日出るキャラはまたもや地球人型のオリジナル種族です。見た目も髪型もチェンソーマンのマキマさん(より胸大きめだし三つ編みももっと長いけど)で想像して下さい。
 ていうか、マキマさんが個人的な好みにドンピシャだったから、マキマさんみたいな外見のキャラ出したいと思って急遽作ったキャラなんやがなブヘヘヘヘ。
 ただし、見た目はともかくキャラ設定自体は二転三転し、相当難航いたしましたが、今回のものに落ち着きました。ちなみに二つ名の1つから分かるように、外なる神ナイアルラトホテップの要素もちょっと入ってます。


 あと自分で言うのもなんだけど、今回のお話は各エピソードの中でも特に出来が良い方だとは思うのです。


魔性の女(ファム・ファタール)

 レイオニクスがこの惑星アシヨシでのレイブラッド星人の後継者レースへ参加した理由・事情は様々である。大抵の者は全宇宙征服のためという(邪悪な侵略者としては)ありきたりなものだが、中には危機にある母星や同胞のために戦う者も少数いる。

 そして後者よりさらに少ないのは、“第三者から何らかの報酬と引き換えに依頼、あるいは雇用されて”戦う者である。

 レイオニクスでありながらレイブラッド星人の後継者――全宇宙の支配者を目指さず、あまつさえ他者に顎で使われる。そんな屈辱を受けながら尚、優勝賞品と比べればゴミ以下に等しい目先の小さな利益を追う彼等は、ライバル達からも変わり者、あるいは愚か者として見られている。

 

 

 

 

 

 ――とある小川――

 

「………………」

 

 地球人型種族と思しき女が、大きな石に腰掛けながら、目の前の小川を眺めている。

 彼女は燃えるような赤い髪を耳後ろで長い三つ編みにしており、森に隣接した小川という環境には無い派手な色のため、その美貌と相まってよく目立っていた。

 

「………」

 

 顔は目鼻立ちが非常に整っていて美しく、胸は大きいが体躯は痩せ型で、すらりとした細く長い手足というモデル体型であり、大抵の地球人の男は一度すれ違えば必ず振り向くに違いない。とはいえ、服装自体は白いワイシャツに黒い長ズボン、黒のジャケットに黒ネクタイ・黒革靴と、オフィス街のOLそのものといった味気ないものだった。

 ただし、ビルの立ち並ぶオフィス街ならピッタリのスーツ姿も、こんな大自然の中では違和感しかない。だからこそ、髪色と共に逆によく目立つ。

 

「!」

 

 何の変化もなく、ただ時間ばかりが過ぎていくように思えた。だがやがて、人間大ほどもある茶色いウサギ型の小型怪獣スペースラビットが1匹、女の前にやって来た。

 

「報告を」

「ガウガウ」

 

 大ウサギは女に求められるがまま、唸り声を上げる。常人にはどう聞いてもただの唸り声であるが、女には意味のある言葉として伝わった。

 

「ご苦労様。よく出来ました」

「ガウ♪」

 

 笑みを浮かべた女に頭を撫でられ、スペースラビットは機嫌良さそうに鳴く。そして満足したのか背を向けると、そのままピョンピョン跳び跳ねながら去っていった。

 

「場所も分かりましたし、行きましょう」

 

 女が両手を叩くと、彼女の少し後ろで寝そべっていた黄土色をしたサイ型の小型怪獣ザイゴが反応して起き上がる。彼女が仕事道具の入った大きなケースをザイゴの背中に載せてロープで括り付け、さらにその前の位置に跨るとザイゴは歩き出し、小川から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザイゴに乗った女が森の中に入っていくと、やがて開けた場所に出たが、そこには停泊中の宇宙船があった。

 

「情報通りですね」

 

 先ほど彼女にスペースラビットが伝えた通りの位置に宇宙船があった。彼女はザイゴから降りるとケースを外して下ろし、その中から仕事道具の部品を取り出す。

 

「………」

 

 手慣れた様子で部品を組み立てていくと、やがて大型の光線銃『ウルトラレーザー』が完成する。かつてウルトラマンAが地球防衛の任に就いていた時代、ウルトラマンジャック=郷秀樹に化けたアンチラ星人が当時の防衛チームであるTACに持ち込んだ、非常に強力なレーザーライフルと同型のものである。

 

「では」

 

 主人が今から何をするか察したザイゴがそこから去った後、女は愉しげな笑みを浮かべながらウルトラレーザーを発射。大出力のレーザーが直撃した宇宙船はそのまま大爆発を起こす。

 

「うおおおおおおおおおお何だアアアアアアアアアアアアアア!!??」

 

 問答無用の先制攻撃で大爆発を起こした宇宙船。しかし幸か不幸か、中にいた棘付きのサッカーボール――ではなく、持ち主は爆発に巻き込まれ投げ出されるも、死んではいなかった。

 

「あら、残念。暗殺は失敗のようですね」

 

 そうは言うが、女は涼し気な笑みを浮かべたままで、とても残念そうには見えない。それに攻撃自体も、相手が気づいていないという意味では完璧ではあったが、それ以外は単純(シンプル)というか色々雑である。

 

「貴様か!!!! 今のは貴様がやったのか!!??」

 

 中にいたところをいきなり攻撃されて、宇宙船は木っ端微塵となった。当然、持ち主は怒り心頭であった。

 

「はい。貴方を暗殺しようとしたところ、残念ながら失敗しました」

 

 暗殺を図っておきながら、女は悪びれず堂々と失敗したことを告げる。これにはさすがの持ち主も、怒りより呆れが一瞬上回ったほどであった。

 

「そう怒らないでください。次は上手くやりますので」

 

 女は持ち主にレーザーライフルを向け、再び発射する。

 

「フンッ!」

「んっ!?」

 

 だがなんと、光線は敵に命中した途端、そのまま女の方へ跳ね返る。この時ばかりは女もさすがに驚いた表情を浮かべるも、素早く地に伏せてレーザーを躱したのだった。

 

「バリアは使っていませんね。一体どういうことですか?」

 

 バリアなど張ってはいないのは明白。にもかかわらず、レーザーが命中してもなんともない敵の丸い体をじっと見つめ、女は呟いた。

 

「知らないのか? 私達の体は特別製でね。光線は効かないんだよ」

 

 光波宇宙人 リフレクト星人(RB)

 

 かつてウルトラマンメビウスと戦った宇宙人の同種族。一見ずんぐりとした無機質な見た目だが、戦闘能力は非常に高く、初戦ではメビウスの攻撃を尽く無効化し完封したほど。

 青みがかった灰色をした、太く長い棘だらけのサッカーボールのような上半身から丸い頭と手足が生えたようなロボットのような見た目が特徴。両腕にはそれぞれ丸い盾が付いており、その先端にあるスリットから剣を伸ばしたり光弾を発射する。

 また、全身が誘電体多層膜ミラーの構造になっており、光線の吸収率がゼロである。よって光線・光剣系の攻撃をくらってもダメージを受けず、そのまま跳ね返すことが可能。さらには装甲の硬度そのものも高く、生半可な物理攻撃は通じない。

 

「なるほど」

「情報不足は、時には死に直結するよ。それを今から教えてあげようか?」

 

 宇宙船を破壊されて怒り心頭のリフレクト星人は、左手の盾の中に仕込んでいたバトルナイザーを取り出し、女に見せた。

 

「ほう、レイオニクス流の講義ですか。これは興味深い。是非ご教授願います」

 

 女が地面にウルトラレーザーを置くと同時に、持ってきた大型ケースから赤と黒の二色で彩られたバトルナイザーが飛び出し、女の右手に収まった。

 

「! 君もレイオニクスか。その割にはずいぶん無粋な真似をする」

()()()()()()()ですので」

 

 女はにっこり微笑んだが、その金色の瞳は笑っていなかった。

 

「レイオニクスハンターか………」

 

 しかし、リフレクト星人はその一言で、目の前の女が何者か大体察したらしい。そして、この女の背後には誰かがいることもなんとなく分かった。

 この女がレイオニクスを狩るのはあくまで仕事(ビジネス)であり、本人の怒りや怨恨からではない。大方、レイブラッド星人やレイオニクスの存在が不都合な誰かから依頼を受けて、こんな真似をしているのだろう。自分はただ単にその他大勢の標的の内の1人で、たまたま今回その順番が来たというわけだ。

 

「まあ、レイオニクス狩りについては、私は専業ではありませんけどね。単に今回がそういうお仕事というだけです」

「君が何者なのかは知らんが、雇い主共々後悔させてやる必要がありそうだ」

「それは無理だと思います。私はともかく、雇い主はとにかく不屈というか懲りない御方でして。後悔や諦めという概念を全く持っておりません」

 

 どこか含みがある言い方で、女は淡々とリフレクト星人に返答する。

 

「無惨に殺された君の死体を突きつけてもか?」

「はい。私はあくまで雇われの身。ただ使い捨ての駒が1人死んだだけですから、あの方は特に何も感じることはないでしょう」

 

 さらには、自分が殺されたという仮定でも、女は不快感を見せず淡々と答える。

 

「面白くないな」

 

 嫌味を尽く躱す。女のそんな飄々とした態度が非常に気に入らないリフレクト星人。

 

「仕方ない。では、せめてレイオニクスバトルで絶望を味あわせてやるとしよう!」

 

 宇宙船を壊したこの女に、この上ない後悔と絶望を与えてやる。リフレクト星人はそう決意した。

 

「いけ!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 リフレクト星人のバトルナイザーから、ついに怪獣が召喚される。

 

「ガオオオオオオ!!」

 

 変身怪獣 ザラガス

 

 かつて初代ウルトラマンが戦った怪獣の別個体で、後述の能力からその別名が名付けられた。

 茶色い体色に頭部を覆う甲殻、頭の上から前方に伸びる曲がりくねった一本角、長い尻尾など、良くも悪くもオーソドックスな怪獣らしい見た目をしている。しかし、胸の外殻の下には筒状の発光器が隠されており、ここから6000万カンデラの光量を誇る強烈な閃光を放ち、これで人間を失明させる。

 そして最大の武器が、強烈な攻撃を受けても体質変化を起こしすぐに耐性を獲得、より守備力と凶暴性が強化される能力である。これにより強烈な攻撃を受ける度に強化され、ますます手がつけられなくなる。

 

「なるほど……さすがはセカンドステージ進出者。良い怪獣をお持ちで」

 

 実体化したザラガスは木々を踏み潰しながら着地し、さらには上から女の顔を覗き込んで威嚇する。しかしそれを見上げながら尚、女は涼し気な笑みを浮かべていた。

 

「気に入らんな」

 

 余裕ぶっているのが気に入らないが、どうせ後で化けの皮が剥がれる。リフレクト星人はそう思い直した。

 

「では、私も」

『バトルナイザー、モンスロード』

 

 赤と黒のバトルナイザーを天にかざし、女もまた自分の配下を召喚する。

 

「ウゥーッ……」

「なっ!? こいつは!」

 

 しかし、女が召喚したものを見た途端、リフレクト星人は驚愕する。

 

「ウゥーッ……」

 

 異次元超人 メビウスキラー

 

 かつて異次元人ヤプールがウルトラマンメビウス抹殺のため用意した、エースキラーの後継機となるロボット超人の別機体。同化獣ガディバが同化することでそれまで収集したメビウスのデータを取り込むことにより、新たにメビウスの技を使用出来るようになった。

 後継機のため見た目はエースキラーに一見瓜二つであるが、二の腕の装甲がない、右腕にメビウスブレスによく似た形状の装備があるなど、実際には細かい違いがある。

 

「貴様、何故この機体を!?」

「雇い主から今回の仕事のために与えていただきまして。私はレイオニクスとしては素人なんですが、この子のおかげでどうにか戦えております」

 

 メビウスキラーは同じヤプール絡みでも、超獣とは事情が全く違う。ロボットである以上は超獣のように野生に生息しているはずもなく、ブルトンが喚んだにしても到底素人が捕まえられるような存在ではない。

 ならば、この女の言う通りなのかもしれないが、それを用意出来る雇い主とは一体何者なのか。

 

「貴様……まさか!!」

 

 情報を整理し、推理したリフレクト星人は、この女の雇い主が何者なのかにすぐ辿り着いた。

 

「情報不足は時に死に直結する、と仰ってましたね。それは概ね同意します。

 ですが、『不都合な情報を知り過ぎた者は消される』ということもまた存じておいた方がよろしいかと」

「ウゥーッ!!」

「ガオオオオオオ!!」

 

 不気味な唸り声を上げ、メビウスキラーが掴みかかるのをザラガスが迎え撃つ。そうして、両者はガッチリと組み合った。

 

「ウゥーッ!!」

「ガオッ」

 

 しかし、メビウスキラーの方が格闘技術では優っていた。首相撲に持ち込み、強烈な膝蹴りの連打をザラガスの胸に叩き込む。

 

「効かんな!」

 

 だが、パワーと防御力はザラガスの方が上かと思われた。そもそも、このザラガスは幾多のレイオニクスバトルをくぐり抜け、このセカンドステージに到達している剛の者である。当然、それまでに攻撃の数々を受け、その度体質変化を起こしてパワーアップしてきている。

 リフレクト星人がせせら笑う通り、いくらメビウスキラーの攻撃力をもってしても、ザラガスには通用しない。

 

「………………」

 

 配下のロボットが押されつつも、相変わらず微笑みを浮かべたままの女。そんな彼女に対し、リフレクト星人の苛立ちは募る一方だった。

 

「ウゥーッ」

「ガオッ」

 

 振りかぶった右拳でザラガスの顔を殴りつけるメビウスキラー。しかし、変身怪獣はびくともしない。

 そして、逆に今度はザラガスの右拳で殴り飛ばされ、ロボット超人は木々を薙ぎ倒しながら吹っ飛んだ。見た目とは真逆に、実はこのロボットの方が変身怪獣の倍以上も重いのにもかかわらずだ。

 

「初めは驚いたが、どうやら杞憂だったようだ」

 

 ザラガスが格闘戦で優位に立ち、ここでようやくリフレクト星人は上機嫌となる。

 

「メビウスキラーはそのまま破壊し、君もここで始末してやろう。君の雇い主の方も今はどうにもならんが、それは私がレイブラッド星人の後継者となった後で考えればいいことだ」

 

 上機嫌でそう語るリフレクト星人だったが、それでも女は笑みを崩さない。

 

「メビウスキラー、起きなさい」

「ウゥーッ」

 

 彼女がロボット超人に呼びかけると、メビウスキラーは何事もなかったかのように起き上がった。

 

「貴方達の実力は大体分かりました」

「ようやく勝てないと分かったかな?」

「情報だけでなく、理解力や判断力もなくては死に直結しますよ?」

「何…!」

「エメリウム光線」

 

 そう皮肉られてリフレクト星人に怒りが湧き上がったところで、ザラガスはメビウスキラーが額から放った光線を受け、吹っ飛ぶ。

 

「な!」

「ガオオオオオオ!!」

 

 激昂したザラガスは赤い煙を放ちながら起き上がると胸部の装甲が外れ、すぐさま眩い閃光を放つ。

 

「チィッ!」

「………」

 

 女とリフレクト星人は互いに閃光を防ぐバリアを張り、被害を防ぐ。だが、そんなものはないはずのメビウスキラーもまた平然としていた。

 

「そんなもの効きませんよ。だって、ロボットですから」

 

 微笑みながら、そう不敵に挑発する女。

 

「やれザラガス!!」

 

 これに大きな怒りを覚えたリフレクト星人が命じると、ザラガスは口から火炎を吐いてメビウスキラーに浴びせる。

 

「メビュームシュート」

 

 しかしそれをものともせず、ウルトラマンメビウスとは逆の右手の装備からエネルギーを放ち、メビウスと同じ動作をした後、本来とは逆の構えから発射される必殺光線がザラガスに直撃する。

 

「ガオオオオオオ!!!!」

「ザ、ザラガス!!」

 

 いくら強力な怪獣であっても、ウルトラマンの必殺光線そのものを浴びせられれば効かないはずはない。光線の照射が終わったところで、大ダメージを受けたザラガスは膝を突いてしまう。

 

「ガオオ……」

 

 小刻みに震えながら赤い煙を放ち、ザラガスはさらなる体質変化を起こし始める。

 

「今まで見てて気づいたんですけど、ここでちょっと隙があるんですよね」

 

 だが、無敵に思われた変身怪獣の能力にも、実はこのような弱点があった。無情にも、女はここで一気に畳み掛けた。

 

「メビュームバースト」

 

 女に命じられ、メビウスキラーは胸部の金色の装甲を赤熱させ、巨大な火球を作り上げる。

 

「ガ、ガオオ――」

 

 そして、慌てて起き上がったザラガスにそのまま叩きつけた。哀れ、ザラガスの体質でもその膨大な熱量には耐え切れず、ついに爆死したのだった。

 

「私の勝ちですね」

「ザ…ザラガス!!!! そんな馬鹿な!!!!」

 

 先ほどと変わらぬ笑みを浮かべながら、女は無情にもそう言い放つ。

 

「ナメるなよ!!!! 他にも怪獣はいるんだ!!」

「じゃあ、さっさと出して下さい。最後まで付き合ってあげますから」

 

 リフレクト星人は当初余裕をこいて、“真のレイオニクスバトル”を行わなかったのだが、皮肉にもそのせいで命を拾うことが出来た。とはいえ、今の状況が著しく悪いことには変わりない。

 そんな彼を面白そうに眺めながら、女は右掌の上でバトルナイザーを回している。

 

「後悔させてやるぞ!!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 怒りに燃えるリフレクト星人のバトルナイザーから光が2つ放たれた。

 

「ヒュリリリリ!!」

 

 古代怪獣 キングザウルス(祖種)

 

 かつてウルトラマンジャックと戦ったキングザウルス三世の祖先と言われる四足歩行の怪獣。頭頂部から伸びた細長く鋭い二本角と鼻先の短い角、竜脚類型の体、スピノサウルスのような短めの背鰭、長い尻尾などは共通するが、体色は暗い青でなく褐色となっている。

 口からの赤い熱線や二本角からの連射光弾などの能力も共通しているが、バリヤー能力はかつてウルトラマンジャックのあらゆる技を防ぎエネルギー切れで敗退に追い込んだ子孫より多彩。自らを覆い攻撃を防ぐ壁とするだけでなく、時に敵を閉じ込める檻としても使用する。

 

「キシィィィィィィ」

 

 バリヤー怪獣 ガギ

 

 かつてウルトラマンティガと戦った宇宙怪獣の別個体。古来に地球へやって来た肉食の怪獣で、蟻地獄のような巣を作りそこに子供達を幼体の餌とすべくバリヤーで閉じ込め、卵を産み付け繁殖しようとした。

 鼻先の巨大で幅広の角、頭部から尻尾までを覆う太い棘状の甲殻、二股に分かれた鋏状の長い尻尾が特徴。また手先からは二本の巨大な爪が伸びており、その間からさらに鞭状の長い触手が伸びている。

 角から赤色破壊光線を放つが、最大の武器はその名の通りバリヤー。これは獲物が逃げないように使用するものだが、光線に関しても強固な防御力を発揮する。

 

「へぇ、面白いですね。両方共希少なバリヤー能力を持った怪獣。

 防御力に長けた怪獣というのが、どうやら貴方の好みのようですね」

 

 先ほどのザラガス、そしてリフレクト星人が今召喚した2体の怪獣を見て、納得した様子で頷く女。ザラガスも防御面では無敵に近い能力を持っていたが、こちらの2体もまた何物をも防ぐ防御手段を持っている。

 

「でも、ちょっと困りますね。私は貴方と違い、レイオニクスとしては素人。

 さすがに2対1というのは、いくらメビウスキラーの性能でも不利ですし、ましてや相手はバリヤー能力を持った強力な怪獣ときています。

 よって、ここは応援としてもう1体召喚させてもらいましょう」

「! メビウスキラーだけじゃないのか…」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 こちらの2体の怪獣に対抗すべく、新たに怪獣を召喚する女。別に弱小レイオニクスであっても、怪獣を複数持っていること自体は珍しくない。それ自体はリフレクト星人もレイオニクスとして戦い続けた経験上よく知っている。

 しかし、こちらの怪獣2体に対しても対抗出来ると自信を見せる女の態度に、リフレクト星人は不吉な予感を覚えた。

 

「ギューイ!」

 

 殺し屋超獣 バラバ

 

 かつてウルトラマンAが戦った超獣の別個体で、宇宙怪獣とアゲハチョウの幼虫との合成超獣。ヤプールによってウルトラ4兄弟がマイナス宇宙のゴルゴダ星に誘き寄せられた隙を突き、地球侵略のためにヤプールが送り込んだ。

 狼のような凶悪な顔と1つしかない鼻の穴、頭部の一本角と側頭部の真横に伸びた角、背中の鰭、ムカデを思わせる長い尻尾、全身の突起や棘が特徴。見た目にアゲハチョウの要素は皆無で、頭には釵のような短剣をそのまま装備し、右腕は棘付き鉄球(モーニングスター)、左手は鎌となっているなど、数ある超獣の中でも特に人工的・兵器的な要素が強い。

 生物兵器である超獣の中でもかなり武器・能力は多い。鼻の穴からのミサイルや火炎、武器状の両腕での殴打、鉄球の先端から放つ伸縮自在のアンカー、遠隔操作出来る頭部の短剣での襲撃、尻尾での巻き付きなど多岐に渡る。

 

「貴様……やはりそうか!」

 

 新たに召喚された()()を見て、リフレクト星人は女の背後にいる雇い主が誰かについて改めて確信する。

 恐らく、これも雇い主によって与えられたもの。何故なら、超獣は素人レベルのレイオニクスが到底捕まえられるような弱い存在ではないからだ。

 

「私の正体については、ご想像にお任せいたします」

 

 女は笑みを浮かべ、そう答えただけだった。

 

「まぁ、知ったところでどうしようもないのですが。だって、貴方はここで死にますので」

「ウゥーッ!」

「ギューイ!」

 

 にっこり微笑む女だが、彼が暗殺の標的(ターゲット)である以上、生かして帰す気はない。ましてや、自分の正体に勘づいた者なら尚更だ。

 そんな彼女の殺意に反応するかの如く、メビウスキラーはガギに、バラバはキングザウルスに襲いかかった。

 

「上等だ!!!! 歴戦のレイオニクスとしての私達の実力を見せてやるぞ!!!!」

 

 そう怒りのままに豪語したリフレクト星人は全身からレイオニクスパワーを放出。

 

「ヒュリリリリ!!!!」

 

 古代怪獣 キングザウルス(祖種)(レイオニックバースト)

 

「キシィィィィィィ!!!!」

 

 バリヤー怪獣 ガギ(レイオニックバースト)

 

 主人からレイオニクスパワーを流し込まれた2体の怪獣は炎のようなオーラに包まれる。その後、全身が赤みを帯びると共に、大幅なパワーアップを果たす。

 

「レイオニクスの力をナメないことだ!! それを今からたっぷり思い知らせてやる!!」

 

 例え敵がロボット超人に超獣であっても、レイオニクスパワーによるこちらの怪獣のパワーアップで差を埋めて逆転が可能なのがレイオニクスの強みの1つ。そして、相手はレイオニクスとしては素人であるなら、こちらのように大幅なパワーアップも不可能だ。

 先ほどは無惨な敗北を喫したが、今回は勝利出来るとリフレクト星人は確信した。

 

「ヒュリリリリ!!」

 

 キングザウルスは口から赤色熱線を吐いて、バラバに攻撃。対するバラバは超獣でもトップクラスの体重でありながら身軽な動きでそれを躱して、両手で殴打するが、その前にキングザウルスはバリアを張って弾き返した。

 

「キシィィィィ!!」

 

 ガギは両手の鞭をメビウスキラーの両腕に巻きつけ、締め上げている。さらにはそのまま角からの電撃を浴びせ、じわじわと痛めつけている。

 

「なるほど。レイオニックバーストにより、怪獣達の単純なスペックが底上げされていますね。

 超獣相手にここまで差を縮められるとは。これだからレイオニクスバトルは面白い」

 

 しかし、女の余裕な態度は相変わらず。それどころか、このレイオニクスバトルを愉しむ様さえ見せた。

 当然、そんな女をリフレクト星人が見ていて面白いはずがなく、怒りと苛立ちは増すばかりである。

 

「ギューイ!!」

 

 埒が明かないと見たのか、バラバは鼻先からミサイルを連射。しかし、パワーアップしたキングザウルスのバリアは完璧に防ぎ、ただ爆炎と煙で視界が見えなくなるだけである。

 

「ヒュリリリリ………ヒュガッ!!??」

 

 敵の攻撃で視界が塞がれるも、キングザウルスは特に問題視しなかった。三世はかつてウルトラマンジャックのあらゆる光線を防ぎ、問題としなかったほどだが、彼のバリアの硬度はさらに上である。いくら超獣の怒涛の連撃と言えど、破れるはずがない。そのはずだった。

 けれども、キングザウルスは失念していた。確かにこのバリヤーの硬度は三世以上、しかし展開範囲は同じだったのだ。キングザウルス種のバリアは上方には張られていない。

 それを女が、バラバが最初から知っていたのかは不明である。しかし何にせよ、爆炎と森の木々が燃えて出る煙に紛れ、その隙間からバラバの頭から飛ばされた短剣が入り、背中に突き刺さっていたのである。

 

「あっ!? よせっ!! バリヤーを解くなっ!!!!」

 

 背中に短剣が深々と突き刺さったダメージと動揺により、キングザウルスはついバリヤーを解いてしまう。リフレクト星人が制止するも既に遅かった。

 

「ギューイ!!」

 

 バラバは鼻の穴からミサイルを1発発射し、キングザウルスの頭に叩きつける。高い破壊力ながらそれで死ぬような一撃ではなかったが、その爆発によりバリヤーの発生源である双角が粉々に折れてしまう。

 

「バイバイ♪」

 

 そうにっこり微笑んで右手を振り、キングザウルスに別れの挨拶を告げる女。

 バラバは短剣を遠隔操作で頭部に回収すると、右手の鉄球先端のアンカーを射出。キングザウルスの右前足に巻きつけるとその怪力でハンマー投げのハンマーの如く振り回し、さらには木々を薙ぎ倒しながらおもいきり森の地面に叩きつけまくった。

 

「ギューイ!!」

「ヒュガッ!!!!」

 

 そうして散々痛ぶられて半死半生の状態になり、最早身動きもままならなくなったところで、バラバはアンカーを収納、古代怪獣を放り出す。最早起き上がることも出来ない敵に、そのまま跳び上がってからの落下による渾身の右手の棘付き鉄球を叩きつけ、頭蓋を粉砕した。

 哀れ、古代怪獣は目玉を飛び出させ、血を激しく噴き出しながらついに息絶えた。

 

「がっ!?」

 

 レイオニックバーストを行なった以上、“真のレイオニクスバトル”は発動している。当然、怪獣が受けたダメージがリフレクト星人にそのまま跳ね返った。 

 

「しっ……死んでたまるか……っ」

 

 しかし、女に対する怒りとレイブラッド星人の後継者の座への執念によるものか、リフレクト星人は踏みとどまった。

 

「キシィィィィ!!」

 

 仲間が倒され怒ったのか。ガギはメビウスキラーを両手の鞭で締め上げていたが、左手の鞭をバラバに向かって伸ばす。

 

「ギュイイ!」

 

 しかし、バラバは伸びてきた鞭に左手の鎌を振り下ろし、鞭は真っ二つに切断されてしまう。そのダメージでよろめいたガギの右手の鞭をメビウスキラーは振りほどき、右前蹴りをくらわせて引き剥がす。

 

「ギューイ!」

「キシィィィィ」

 

 バラバは頭部の剣からショック光線を放つが、ガギもキングザウルス同様バリヤーを張って防ぐ。

 

「スペシウム光線」

 

 しかし、女の指示でメビウスキラーがスペシウム光線を発射し、追い打ちする。いくらガギがレイオニックバースト状態とはいえ、超獣とウルトラ戦士の技を操る2体の前には旗色が悪かった。

 

「うぅっ…」

 

 そして、キングザウルス死亡のダメージで死にかけていたリフレクト星人だったが、ここでついにエネルギー切れを起こし、ガギのレイオニックバーストが解除されてしまう。

 バリヤーを張り続けること自体はまだ可能だったが、明らかに強度は下がり、さらには攻撃を防ぎ続けたことでエネルギーを大分消耗していた。

 

「これなら2体同時にかかれば、その内破れそうですね」

「ウゥーッ」

「ギューイイ」

 

 ウルトラ戦士の技とミサイルの連射で、ガギを追い込むコンビ。ガギも懸命に防御していたが、その猛攻を前についにバリヤーが破壊されてしまう。

 

「!?」

「ギューイ」

 

 その瞬間を待ちかねたとばかりに、バラバは頭部の短剣を再び発射。ガギは慌てて両手の鞭で絡め取り、刺さるのを防ぐ。

 

「ギャッ」

 

 しかし、背後に回っていたメビウスキラーの右腕のメビュームブレードにより袈裟斬りにされ真っ二つとなり、ガギはそのまま爆散した。

 

「そんな…馬鹿な……」

 

 レイオニックバーストは解除されたが、やはり気力で持ちこたえていただけだったのか。自分の敗北を受け入れられないまま、リフレクト星人は全身に亀裂が入ったかと思うと、そのまま粉々に砕け散ったのだった。

 

「レイオニクスバトル、愉しませてもらいました」

 

 レイオニクスバトルに勝利すると共に標的の死を見届け、女は満足気に呟いた。

 

「では、もう今更ですが自己紹介を。私の名前はファムです」

 

 異次元エージェント ファム

 

 見た目は地球人型だが、種族・出身共に不明の女性レイオニクスで、つい最近まで異次元人ヤプールの配下だった。ただし、他のエージェントのように力ずくや人質などの手段で従わされたのではなく、報酬と引き換えに諜報員(スパイ)として普通に雇用されていたとのこと。また本人曰く、ヤプールがレイブラッド星人一味に敗北して倒された現在はフリーランスであるとのことだが、まだヤプールとの契約も生きている。

 髪色は燃えるような真紅で、膝まで届きそうな長い髪を耳後ろから三つ編みにし、姫カットの前髪と首にかかるぐらいのサイドが特徴。肌はやや色白で、スレンダーな体型だが胸は大きく、すらりとした手足も長いというモデル体型。瞳は桃紫色で、時折妖しい光を帯びる。

 顔立ち・スタイル共に非常に整った美女だが、変身などではなく、これが本来の姿とのこと。

 

「雇い主は既に死亡しておりますが、どうせまた蘇ります。

 それまでに受けた任務をこなしておかないと、後でうるさいですからね」

 

 ヤプールは二段構えの作戦を取っており、レイブラッド星人との戦争に敗れた場合は、ファムにこの惑星アシヨシに集まった全てのレイオニクスの暗殺を命じていた。

 ただし、やり方を彼女に一任したはいいが、想定外なことにファムもまたレイオニクスとなってしまった。仕事自体はきっちりこなしているが、暗殺に失敗した際は今回のように喜々としてレイオニクスバトルを行なっている。

 しかもたちの悪いことに、ヤプールから与えられた戦力を使い、本人曰く素人レイオニクスでありながら、今回のようにずっと格上のレイオニクスをバトルで圧倒する。

 

「では、帰りましょうか」

 

 レイオニクスバトルの被害により、森は木々が薙ぎ倒され、あるいは燃え上がり、辺りを真っ赤に染めている。しかし、女の表情は変わらない。

 2体をバトルナイザーに回収すると、バトルが終わったのを見計らい再びやって来たザイゴの背に跨りながら、ファムは燃え盛る森を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――空間の歪み――

 

 ヤプールの手先の暗躍が、レイブラッド星人の手先であるペルフェクト星人の耳に入るのはすぐであった。

 

「しかも、先手まで打たれるとはな」

「お褒めに与り、恐悦至極です」

「ギューイ!」

 

 しかし、この蒼髪の女が動く前に、赤髪の女がどうやってかバラバと共にこの時空の歪みに侵入、両者は対峙していた。

 

「どうやってこの場所が分かった?」

「私の諜報員としての優秀なスキルによるものとだけ申し上げておきます」

 

 人をおちょくった態度の敵に、ペルフェクト星人は顔をしかめる。

 ファムがレイオニクス殺しを繰り返していたのは、それがヤプールから命じられた任務及びその標的なのもあるが、同時に彼等を殺すことでレイブラッドの腹心であるこの女を誘き寄せるためでもあった。

 彼女は殺害現場へ調査をしに来たペルフェクト星人を監視しており、退去する際の時空の乱れや各種のエネルギーから、移動後の座標を特定。バラバの持つ次元移動能力を用いて、ついにこの空間の歪みへと現れたのである。

 

「私を暗殺しに来たのか?」

「好機と思いましたので」

 

 相変わらず笑みを絶やさず、そう述べる女。

 

「だとしたら思い違いだ」

「そうでしょうか」

 

 そう言って、ファムは自分の赤と黒のツートンカラーのバトルナイザーを構える。

 

「レイオニクスバトルで私に勝つつもりか? ナメられたものだな」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 せせら笑うペルフェクト星人だったが、ファムの召喚した怪獣は意外なものだった。

 

「ドクン、ドクン……」

 

 四次元怪獣 ブルトン

 

 初代ウルトラマンの戦った宇宙怪獣の別個体にして、ギャラクシークライシスの元凶。四次元空間を操るという破格の能力を持ち、レイブラッド星人の命ずるまま、別の星、過去や未来、さらには別次元の宇宙まで繋ぎ合わせて怪獣をこの次元に喚び出した。

 怪獣として分類されるが、生物感の一切ないその姿は際立って異形である。上面が青、下面が赤で染められたゴムで出来た心臓のような見た目をしており、いくつもの太い管が不規則に伸びている。そこから金属質のアンテナのような繊毛を伸ばし、様々な四次元現象を起こす。

 

「ブルトンだと…?」

 

 予想外の怪獣の出現に困惑するペルフェクト星人。

 

「いえ、この子は戦いません――――おやり、バラバ」

「ギューイイ!」

 

 ファムが命じると、殺し屋超獣は鼻の穴からミサイルを発射する。だが――

 

「何!?」

 

 ミサイルはペルフェクト星人を狙ったものではなく、なんとブルトンに命中。哀れ、味方から撃たれたブルトンはそのまま爆散し木っ端微塵となってしまう。

 一見意味不明な行動に、蒼髪の女も理由が分からず驚くばかりだった。

 

「ブルトンはこう見えて、巨大な宇宙を成立させるための不条理を引き受けるひずみのような存在……だそうですね」

 

 そんな空間の歪みの主に、突然語り出すファム。

 

「一体何の話だ!?」

「情報不足は、時には死に直結しますよ?」

 

 どうやら()()()()()()ペルフェクト星人に、かつてのリフレクト星人の言葉を借りて、ファムは皮肉った。

 

「空間の歪みそのものというこの場所は、とても不安定です。そんな所でブルトンが撃破されたらどうなるか……」

 

 彼女がそう言い終わるタイミングを見計らうかのように、ブルトンが死んだ直上の空間に、突如巨大な穴が開く。

 

「ヒャハハハハハハハハハハハハ」

 

 そして、そこから笑い声が響き渡る。甲高く、そして途轍もなく不吉なそれは、ペルフェクト星人の脳裏に特大の危険信号を鳴らす。

 

「何だ、これは…!」

「“(あな)”ですよ。そして、貴方の墓穴でもあります」

 

 いつの間にか、ペルフェクト星人の左真横に来ていたファムは、そっと耳打ちする。悪寒と共にギガバトルナイザーを振るった蒼髪の女だったが、既に女エージェントの姿は隣にない。

 

「あれはまさに“宇宙の孔”。それを縫う“針”を持たぬ貴方に、果たしてどうにか出来るでしょうか?」

 

 自分で“孔”を開けておきながら、他人事の如く語るファムは、既にバラバの右肩に乗っていた。

 

「待て!! 貴様一体何をした!!!!」

「これは私から貴方へのサプライズプレゼントです。きっと気に入っていただけるかと思います」

「ギューイイ!!」

 

 そこまで告げると、バラバは空間を叩き割って異次元空間へのゲートを開く。

 

「では、ご武運を祈ります」

 

 最後に腹立たしいぐらいの笑みを浮かべながら、そのまま主従は逃亡してしまった。

 

「ヒャハハハハハハハハハハハハ」

 

 腹立たしい女スパイが消えると共に、“孔”は笑い声を轟かせながら拡大するも、今度は不気味な光を帯びた棘付きの球体の姿へと変化する。

 

「試験官の私に、逆にこんなものを押し付けるとは味な真似を……!」

 

 苦々しくそう呟いたペルフェクト星人はギガバトルナイザーより多数の怪獣を召喚。この不吉なる“虚無の化身”を迎え撃ったのである。




用語解説

異次元エージェント ファム

 二つ名は“魔性の女(ファム・ファタール)”、“強壮なる使者”など。異次元人ヤプールの諜報員(スパイ)として長年働いている女性諜報員で、力ずくや甘言、あるいは人質などの手段で従えさせられたのではなく、正当な報酬と引き換えに雇用されている。
 諜報員として有能であるらしく、ヤプール以外にも色々とコネクションを持つ。また、ヤプールが一時期GUYSの手で異次元に封じられた時、エンペラ星人に主人を解放させるよう交渉を行ない成功させており、その絡みで皇帝や暗黒四天王とも面識があるらしい。
 見た目は身長175cmぐらい、20代前半~後半ぐらいの地球人型種族の女性に見えるが、ウルトラマンAが地球防衛の任に着いた時代には既にその手先となっていたため、正確な実年齢・種族の詳細や寿命などは不明。ただし、彼女曰く今の姿は変身でない本物であり、そして本人は自身の美貌を自覚し、自信を持っているらしい。ちなみに地球産葉巻を愛好する喫煙者であり、また見た目に似合わぬ大酒飲みでもある。
 戦闘能力・身体能力自体は地球にやって来た凶悪な種族に比べれば高くない。ただし、あくまでそれらの種族と比べればの話であり、地球人よりは大幅に上回る。
 バトルナイザーがなくとも小型怪獣程度ならば使役し操れる他、完璧な意思疎通が出来る。武器の扱いにも慣れており、ウルトラレーザーをその場で部品から組み立てた他、科学技術やその他の知識にも詳しい。ちなみにバトルナイザーは赤と黒のツートンカラーという他の物と比べて禍々しい配色。
 燃えるような真紅の長い髪を耳後ろで束ねて三つ編みにしており、それが膝近くまで伸びている。肌は色白(やや血色は悪い)、瞳は桃紫色で、時折妖しい光を帯びるところが地球人との差異。目鼻立ちのよく整った美貌に、大きめの胸だが体躯は痩せ型で、手足はすらりとしていて長いというモデル体型。地球人型種族の住む星に行けば誰もが振り返るほどらしく、本人曰くかなりモテるという。
 ただし、服装は常に上下黒のジャケットとパンツ、白いワイシャツに黒いネクタイ、革靴とビジネス街にいるOLそのものという地味かつ味気ない服装で、大自然の中ですらその格好を徹底している。
 ヤプールに長年諜報員として雇われ続けただけあって、情報収集・破壊工作・暗殺などをそつなくこなす優秀な諜報員である。ただ一方で主人には忠実ながら、本人が何を考えているのかさっぱり分からない面もあり、能力面ではともかく、人格面の方はヤプールからの評価が高かったとは言い難い。
 それに任務に違反しない範囲では主人の意向を無視する面もあるようで、後述のように勝手にレイオニクスになっている。また、主人の前では一切そう振る舞わないが、内心では主人に呆れ、また軽蔑しているところもある。
 けれども、暗殺任務を平然と実行出来る冷酷さ、微笑みながら配下に敵怪獣の殺害を命じる残酷さ自体は主人とよく似ており、だからこそ馬が合って忠実だったのかもしれない。また、自分のレイオニクスバトルのせいで森1つを炎上・壊滅させる被害を出しても特に何も感じていないなど、極めて無神経で慈悲とは無縁である。
 ……ただし、そのようなサイコ女ではあるが喜怒哀楽はしっかり存在し、自分の思い通りにならないと気分を害したり、自分のペースを崩してくるほどに頭の悪い輩は苦手。また意外なことに、自分の立場が相手より上になると途端に調子に乗りまくる面もあり、そこは主人のヤプールに何度か窘められたこともある。
 ヤプールは自身がレイブラッド星人との戦争に敗北した場合には、惑星アシヨシに集まった全てのレイオニクスを殺害するようファムに命じていた。その際の手段は彼女に一任していたのだが、主人の予想外なことになんと彼女もまたレイオニクスになってしまう。
 彼女はヤプールからレイブラッド星人の後継者の座についての隠された真実を聞いていたため、その座には興味がない。だが、レイオニクスバトル自体は「今流行りの面白いゲーム」として強い興味を抱いていた。それに参加すべく、遺伝子改造手術を受けて人工レイオニクスとなり、暗殺のついでにまるでスポーツのようにレイオニクスバトルを楽しんでいる。
 ちなみに、レイオニクスの中でもレイブラッド星人の腹心であるペルフェクト星人は暗殺の最優先目標となっており、任務の傍らその居場所を追い続けていた。そして、ついにその居場所を発見し、時空の歪みへとこちらから攻め込んだ。
 ただし、彼女を殺すための手段はヤプールですら恐らく制止するであろう滅茶苦茶なものであり、彼女の破綻した性格ぶりがよく分かるものである。

 光波宇宙人 リフレクト星人(RB)

 二つ名は“絶対防御”。かつてウルトラマンメビウスと戦った宇宙人の別個体。その個体に関しては時空波に呼び寄せられたらしく、ウルトラマンメビウス抹殺という目的こそあったものの、その理由も不明で、特に地球侵略などの意思や行動は見せていない。ただし、性格自体は人質なども躊躇なく取るなど卑怯な振る舞いも目立つ。
 一方で、メビウスにとどめを刺せそうなところをそれを防ぐべくGUYSの乱入があった際、「気が削がれた」としてわざととどめを刺さずに帰るなど気分屋な一面もある。
 ロボットじみた丸い頭部からは長い角あるいは棘が伸びている。同じ長い棘の付いた上半身は完全な球体状とずんぐりとしたものとなっており、そこから棘の付いた円形盾のついた両腕と、ロボットを思わせる両足が生えている。盾には穴が開いており、そこから剣や鎖、光弾などを発射可能。
 大柄な見た目に反して動作は機敏で、戦闘機から飛んできたミサイルを全て剣で切り落とす、体を高速回転させて攻撃を弾き返したりその勢いで上空へ突撃することも可能。
 最大の特徴は全身の誘電体多膜層ミラー構造。性質上光線の吸収率がゼロであり、光線を威力そのままで跳ね返す。そのため光線系の技を得意とするウルトラ戦士には天敵のような存在であり、また物理攻撃に切り替えても、全身の構成材は硬度そのものが高いので一筋縄ではいかない。
 メビウスと戦った個体は初戦は敗北寸前に追い込むも、再戦時は特訓を経て対抗策となるメビウスピンキックを編み出したメビウスに盾を破壊され激昂。初戦時の余裕をかなぐり捨てGUYSの仲間を人質に取るも助太刀で乱入したウルトラマンレオにより2対1の戦いに突入、最期は両ウルトラマンの蹴り技で胴体を貫かれ爆死した。
 のちに惑星ハマーでレイオニクスの別個体がレイと遭遇、地球産怪獣最強と言われるバードンを差し向けるもゴモラに倒されてしまう。
 本個体はファムが当初拠点にしていた小川の1番近くにいたということで、その標的となった。自分の宇宙船でくつろいでいたところ、いきなりレーザーライフルで攻撃されて爆破されるも自分は助かった。その後怒りのままにレイオニクスバトルを挑むが、自慢の怪獣3体を皆殺しにされ、自分も“真のレイオニクスバトル”の反動で木っ端微塵となってしまった。
 ファムの見立てによれば、自分と同じく特殊な防御手段を持った怪獣を好むとのこと。ザラガスは攻撃に対する異常な高さの適応力、キングザウルスとガギは強固なバリヤー能力を持つことにそれが表れている。
 レイブラッド星人の後継者となった際の願いは全宇宙の征服である。ただし、どちらかと言えばレイオニクスバトルそのものを楽しんでいるタイプであり、願い自体は「あえて言うなら」程度のもの。

 変身怪獣 ザラガス

 かつて初代ウルトラマンと戦った怪獣の別個体だが、惑星デントで突如空から飛来しZAPとレイを襲撃したこともある事例から、正確な出身地は不明。
 茶色くずんぐりとした体躯で、鼻先のオレンジ色の角や前傾気味の首、胴体前後や頭部に纏った甲殻が特徴。この甲殻の下には多数の筒状の閃光発生器官が隠れており、そこから6000万カンデラの強烈な閃光を放って相手を失明させる【ザラガスフラッシュ】が武器。その他、口からの火炎や高い格闘能力も持つ。
 名前に反して実際は別の何かに化ける宇宙人のような変身能力は持たないが、代わりに強烈な攻撃を受ける度、赤い煙を噴出しながら細胞が性質変化を起こし耐性を獲得する能力を持つ。この能力は非常に強力で、脳細胞を死滅させるQXガンをくらっても二度目は通じなかったほどで、攻撃をくらえばくらうほど守備力が上がり凶暴化する。ただし、細胞が変化を起こす僅かな間は無防備となる弱点もある。
 本個体はリフレクト星人(RB)に使役されており、惑星アシヨシでの数々のレイオニクスバトルをくぐり抜ける際に多数の強烈な攻撃を受け続けたことで相当のパワーアップを果たしていた。対峙したメビウスキラーを格闘戦では圧倒するが、実際には向こうは小手調べに終始していただけであった。直後、やる気になった途端エメリウム光線で吹っ飛び、メビュームシュートを受けて大ダメージを受けて膝をついたところ、その僅かな隙をファムに見抜かれ、とどめのメビュームバーストをくらい、その熱量に耐え切れずついに爆散した。
 リフレクト星人からは頼りにされていたらしく、その呆気ない最期は彼に大きなショックを与えた。

 異次元超人 メビウスキラー

 かつてヤプールがウルトラマンメビウス抹殺のために送り込んだエースキラーの後継機の別機体。のちに怪獣墓場でのギガバトルナイザーを巡る“ゴーストリバース事件”でもヤプールが憑依して暗黒四天王と共にメビウス達を襲撃している。
 ゴモラとレッドキングに同化し、メビウスと交戦することでその戦闘データを収集した同化獣ガディバが同化することで、新たにメビウスの技を使用可能となっている。
 後継機だけあって見た目はエースキラー同様、一見ロボットには見えない細身の人型だが、二の腕の装甲がない、右腕にメビウスブレスを模した装備があるなど細部が微妙に異なる。戦闘能力・格闘能力は下手な超獣より高く、またメビウスと同様の技を使いこなせるため圧倒したが、土壇場で編み出した新技メビュームダイナマイトをくらい敗れるも、メビウスを消耗させるという任務自体は達成している。
 本機体はファムがレイオニクス抹殺の任務のためにヤプールから与えられたもの。ただし、彼女がレイオニクスとなって使役すること自体は想定外であったものの、その分細かく操れるようになったらしい。また、ロボットのため、ザラガスの閃光が効かないという特性がある。
 ザラガスとの戦いに投入され、小手調べ時は格闘戦で圧倒されるものの、光線技主体の戦法に切り替えてからはほぼ完封、爆殺する。続くガギとの戦いでも当初は鞭で締め上げられるも2対1になってからは防戦一方に追い込み、やがてバリヤーを突破しガギを後ろからメビュームブレードで真っ二つに斬り捨てた。
 その出自から非常に希少な存在であり、リフレクト星人は見た途端ファムがヤプールの手先だと気づいた。ちなみに本機体はアップデートが施されて性能が以前より向上した改良型であり、本機体のデータを元にさらなる発展型であるビクトリーキラーが生み出されている。

 古代怪獣 キングザウルス(祖種)

 かつてウルトラマンジャックを一度は敗退に追い込んだ四足歩行の古代怪獣キングザウルス三世の祖先と言われる種あるいは個体。地底を自在に移動する能力やウラニウムを主食とする食性などは共通するが、戦闘能力自体は子孫より高い。
 頭頂部の二本角と鼻先の短い一本角、竜脚類型の体躯、スピノサウルスのような背中の背鰭、長い尻尾などは三世と共通するが、体色は褐色。口からの赤色熱線や双角からの連射光弾なども同じだが、バリヤー能力は三世よりさらに強力かつ多彩であり、身を守る防壁としてだけでなく、獲物を閉じ込める檻としても使用する。
 本個体はリフレクト星人(RB)に使役されており、ガギと共にその強力なバリヤー能力を信頼されていた。ただし、本人もまたそのバリヤー能力に自信と誇りを抱いていたが、同時にそれを過信してもおり、実際にはバリヤーの一部に死角があることを失念していた。
 そのため、バラバのミサイル連射も効かないとたかをくくってしまい、実際には目眩ましで本命の短剣を隙間から投げ込まれてダメージを負ってしまう。さらにはそのダメージと動揺でついバリヤーを解いてしまい、その隙を突かれバリヤー発生源の双角をミサイルで破壊されてしまう。こうして無防備になったところで、バラバのアンカーで振り回され何度も地面に叩きつけられ重傷を負ったところでバラバの鉄球振り下ろしで頭蓋骨を粉砕、目玉が飛び出し絶命するという無惨な最期を遂げた。

 バリヤー怪獣 ガギ

 かつてウルトラマンティガと戦った宇宙怪獣で、別個体がのちに異次元空間である獅子鼻樹海に出現し、そこで剛力怪獣シルバゴンと縄張り争いで交戦しているが敗れている。
 大昔に地球にやって来た肉食の怪獣であり、休眠状態となっていたが現代で目覚める。遊園地に蟻地獄状の巣を築き、そこに幼体の餌とすべく子供達を集めて卵を産み付け、バリヤーで覆って逃げられなくしている。
 頭頂部の幅広の角、頭部から尻尾までを覆う太い棘状の甲殻、先端が二股に分かれた鋏状の尻尾、両手の鋭く長い二本爪とその間から伸びる鞭状の触手が特徴。格闘戦では主にこの触手を絡ませ攻撃・束縛に使うと共に、角から赤色破壊光線を放つ。そして最大の武器が別名の通り強固なバリヤーで、これで獲物を囲い込むと共に、光線さえ弾く強固な防御手段として使用する。
 ただしバリヤーには水素とよく似た性質の物質が含まれていて急激な温度変化には弱く、液体窒素などの特殊装備で破壊出来る。その他、そもそもシルバゴンのような凄まじい怪力を持つ怪獣相手には力不足らしく、真正面から殴打で叩き割られている。
 本個体はリフレクト星人(RB)に使役されており、キングザウルス(祖種)と共にバリヤー怪獣の双璧をなす。格闘戦では初めこそメビウスキラーを触手で押さえ込んだが、キングザウルスが倒され主人もダメージを受けて2対1となった後は防戦一方となる。やがて敵の攻撃に耐え切れずバリヤーは破られ、バラバの短剣を触手で受け止めるも、後ろからメビウスキラーにメビュームブレードで袈裟斬りにされ真っ二つになり爆散。このダメージにより、リフレクト星人もついに死亡する。

 殺し屋超獣 バラバ

 ヤプールの生み出した超獣の一種で、宇宙怪獣とアゲハチョウの幼虫の合成超獣の別個体。ただし見た目自体はアゲハチョウの幼虫の要素は微塵もなく、むしろ超獣の中でも特に生物兵器的な要素が強い。
 マイナス宇宙のゴルゴダ星にウルトラ4兄弟をヤプールが偽のウルトラサインで誘き寄せた後、その隙を突いてヤプールが地球侵略のために本格的な活動を開始。ヤプールが降らせた赤い放射能の雨の影響でTACの兵器が全く通用せず、ゴルゴダ星から戻ってきたウルトラマンAには当初は圧倒されるも人質になった兄弟の存在を盾にその後逆襲し一度は敗退に追い込む。しかし、エースキラーを撃破後に再度戻ってきたエースには射出した短剣を投げ返され胸に突き刺された挙げ句、頭を攻撃され目玉が飛び出し、左手の鎌を引っこ抜かれてそれを使って首を切断されて死亡した。
 黒めの体色、狼のような凶悪な面構えと1つだけの鼻の穴、頭部の一本角と側頭部から伸びた角、敵に巻きつけられるムカデのような長い尻尾が特徴。頭頂部には釵のような形状の両刃短剣がそのまま載っかっており、右手は棘付き鉄球(モーニングスター)、左手は鎌となっているなど、超獣の中でも特に戦闘兵器としての要素が強い。
 短剣は自在に射出・遠隔操作が可能かつショック光線を発射出来、鉄球先端からは伸縮自在のアンカーが飛び出して敵を拘束、鼻の穴からはミサイルや爆炎を放つなど、遠距離攻撃手段に関しても豊富である。
 本個体はメビウスキラー同様、ヤプールからファムにレイオニクス抹殺任務のために与えられたもの。ただしファムがレイオニクスとなって使役することは想定外だったようだが、その分戦闘能力は高まり制御性も良くなったらしい。
 リフレクト星人(RB)とのレイオニクスバトルで投入され、キングザウルス(祖種)をバリヤーの弱点を突いてからアンカーによる振り回しと、鉄球の一撃で難なく殺害。その後ガギと2対1となり囮となって抹殺に貢献する。

 四次元怪獣 ブルトン

 かつて初代ウルトラマンと交戦した宇宙怪獣で、この時は砂漠に落ちてきた赤と青の2つのとても小さな隕石だったが、融合してその正体を表した。科学特捜隊本部を四次元空間の霧で包み、様々な四次元現象を引き起こし隊員達を翻弄、防衛隊の戦車や戦闘機さえ全滅させた。
 ウルトラマンが現れた後も相変わらず翻弄するが、やがて四次元現象を起こす繊毛を破壊された後、空を飛んで逃亡を図るが、スペシウム光線で撃墜され隕石に戻り、さらには握り砕かれ宇宙に運んで廃棄された。
 怪獣の中でも特に生物感のない異形の姿をしている。上部が青、下部が赤で染められたゴムで出来た心臓のような見た目をしており、動脈や静脈を思わせる管が不規則に伸びている。そこから様々な形の金属質のアンテナのような繊毛を伸ばし、光線を発射したり様々な四次元現象を起こす。
 個体にもよるが、見た目からは想像のつかぬ機敏さで転がることも出来、また飛行やテレポートも可能など、器用な真似をする。ただし、全体的な戦闘能力や身体能力はそこまででもなく、特に繊毛を破壊された後はほぼ無力となるという弱点がある。
 この四次元空間を操るという能力はレイブラッド星人にとって非常に都合の良いものであり、彼の命ずるままギャラクシークライシスを引き起こした実行犯でもある。別の惑星間、あるいは過去や未来、さらには次元の違うパラレルワールドまでから、ブルトンによりあらゆる怪獣がこのM78ワールドに召喚された。
 さらには惑星ボリスに現れた個体は赤ん坊の状態のレイを中に収納しており、彼をボリスに送り込んだ実行犯でもある。ただし、のちにレイとゴモラによって撃破されている。
 レイがグランデと共にレイブラッド星人の亡霊を撃退した数十年後の現在でも多数の個体が未だ各惑星に現れては怪獣を召喚するなど暗躍しており、惑星アシヨシも同様に彼等の能力で怪獣超無法惑星となった。
 本個体はその内の1体をファムが秘密裏に捕獲したものであるが、レイオニクスバトルの手段ではなく、ある存在を喚び出すための生贄としてのもの。そのため愛情などは一切なく、宇宙の歪みに召喚された途端、バラバにより即座に殺されてしまった。

 ????

 曰く、存在し得ないもの。曰く、怪獣の姿をした自然現象。曰く、宇宙に空いた孔。曰く、全ての生命を呑み込み、無に帰すもの。
 空間エネルギーがゼロでありながら、確かにそこに存在する矛盾したもの。
 四次元怪獣ブルトンは、実は巨大な宇宙を存在させるための不条理を一手に引き受けるひずみのような存在とされ、死んだ時には宇宙に甚大な影響を及ぼす。そして、ブルトンが死んでついに宇宙のひずみが限界点を迎えた時、現れると言われる。
 狂気に陥ったあるウルトラマンですら手出しが出来なかったというが、定かではない。
 レイブラッド星人の腹心たるペルフェクト星人ですら存在は知らなかったが、ファムはヤプールのエージェントとしての情報網から、この存在を知っており、喚び出し方も把握していた模様。
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