怪獣超無法惑星   作:フルメタル・ミサイル

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 ここでついに本作のラスボス?が登場。とはいえ、どういった存在なのかはまだ秘密です。
 まあ最近は変化球が続いていたので、ちゃんとレイオニクスバトルを書こうと思います。


俺はラッキー・ガイ!

 ――空間の歪み――

 

「フフ。()は上手いこと囮となってくれましたね。

 では、標的の始末は彼に任せ、私達はもう一つの任務を果たしましょう」

「ギューイイ!!」

 

 ペルフェクト星人に“宇宙の孔”という特大の災厄を押し付け、そのまま逃げたかと思われたファム。一旦空間の歪みから消えたのは本当だが、ペルフェクト星人が宇宙の災厄を迎え撃ち、あちらの目が届かなくなったのを頃合いに、ファムとバラバはこの空間に戻ってきていた。

 

「んん~~、なるほどなるほど………これは主人が危惧するわけです」

 

 Rキラーザウルスの複製(クローン)が造られていた空間の歪みのさらに奥――そこで同時に創られていたものは、レイブラッド星人の最終兵器であった。そして、レイオニクスバトルに最後まで勝ち残ったレイオニクスが彼の望む基準に満たなかった場合のスペアの肉体も兼ねている。

 異次元人ヤプールが、巨大ヤプールの姿で惑星アシヨシのテラフォーミング完成直前にRキラーザウルスと超獣軍団を伴い、攻めこんだのは“それ”の存在を嗅ぎつけたからに他ならない。

 主同様その脅威を感じ取ったことで、ファムの人を食ったような口調はいつもと変わらないが、普段常に絶やさず浮かべているはずの笑みは消えていた。

 

「ふぅ……奪取を第一目標、出来なくば抹殺の命令が下っていますが、どちらも無理そうですね……」

 

 首が痛くなるほどに真上を見上げ、この怪物の大きさを確かめた女エージェントが一目でそう判断するほどに、その力、そしてそれ以上にその大きさは常軌を逸していた。誇張抜きに山並の大きさを誇るあのRキラーザウルスですら、この怪物と比べれば小動物程度の大きさでしかない。

 当然、こんな強大な化け物を彼女の力量で扱いきれるわけもなく、今ここでバトルナイザーに取り込み服従させることははっきり言って不可能。かと言って、今ここで抹殺しようにも現戦力のバラバ他では勝負にすらならない。ペルフェクト星人のゼヴォスとRキラーザウルスでも抵抗出来れば良い方だろう。下手をすれば、あちらで暴れる“宇宙の災厄”ですら普通に喰いかねない。

 まさしく、レイブラッド星人が心血を注いで製作したという最終兵器に相応しい代物であった。

 

「今は意識はないようですが、下手に刺激して覚醒されればこちらが消されかねませんね」

 

 現在、調整のために休眠させられているのかは不明だが、ファム達が間近にいてもそれの反応はない。しかし、下手に攻撃を加えて覚醒されて反撃されれば、こちらが一瞬で消されかねなかった。

 

「現物を確認出来ただけ良しとしましょう。向こうの戦いの騒音で目覚めない内に引き上げますか」

「………」

 

 しかし、ファムがそう呟いたところで、反応するかのように“それ”の両瞼が一瞬痙攣する。

 

「! どうやらあまり時間はなさそうですね。さっさと引き上げましょう。

 こんな所で怪獣に殺されて死んだところで、主からは何の補償もしていただけないので割に合いません」

「ギューイイ!!」

 

 ファムに急かされ、バラバは再び空間を叩き割り、次元の穴を開けると、主従は今度こそ時空の歪みから去っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ……あんな物を放り出していくとは……ッ!」

 

 ヤプールのエージェントが去ってから大分経ち、疲労困憊気味の蒼髪の女はかなり苛立った様子でそう毒づく。

 

「想像以上の化け物だった………」

 

 それでもなんとかしたが、自力のみではない。結局、()()にお出まし願わねばならなかったのだ。

 

()は無事か、ゼヴォス?」

「キュインキュイーン…」

 

 傍らに控える異形の機械が、彼女の問いに対して大丈夫だと言いたげに電子音を鳴らす。彼女の戦力にも無視出来ない犠牲が出たが、それでも空間の歪みの本来の主は蒼髪の女の主力の一体だけあり、どうにかあの死闘を生き残ったのであった。

 

「レイオニクスへの試験官役と同時に、奴の完成が私に命じられた任務。失敗は許されん」

 

 そう自らに言い聞かせるかのようにペルフェクト星人は呟いた。

 

「………」

 

 しかし、この時は何事も起きなかったものの、この空間の歪みに現れた“宇宙の孔”の影響は確かにあった。

 強制的な微睡みの中にあったはずの最終兵器の意識は、近辺で起きた凄まじい死闘の騒音の中で覚醒へと向かいつつあったのである――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空間の歪みでそんな大騒動があったなどと、惑星アシヨシのレイオニクス達は当然知る由もない。彼等は今日も自らに科せられた義務である戦いを全うするのみである。

 

 ――とある荒野――

 

 草もまばらな荒野。生き物の数は非常に少ないが、惑星アシヨシではこんな辺鄙な所にもレイオニクスがいて、しかも戦いを始めようとしていた。

 

「何だぁ? えらくマヌケな姿の怪獣だな。こんな奴が本当にレイオニクスバトルに勝ち抜いてきたのか?」

「マサニ奇跡ダネ」

「君…いや()()のマヌケヅラでそう言われたくはないね」

 

 対峙するレイオニクス同士は、まずバトルの前に舌戦を始めていた。

 セミをそのまま人間体型に変えたような不気味な見た目のレイオニクスの方は、既にバトルナイザーから怪獣を召喚していた。しかし、翼の生えたもう一方もまたファーストステージを勝ち抜いた豪胆な猛者のためか、こちらは怪獣を出さずとも平然としている。

 

「だがまぁ、私の相棒をそう侮った者達は皆死んでいったよ」

 

 宇宙怪人 セミ人間(RB)

 

 別名、チルソニア遊星人。かつて地球侵略のためにロボット怪獣ガラモンを送り込んだ種族で、二度目にガラモンを送り込んだ際は工作員役の個体が地球人に化けて侵入している。

 その名の通り、昆虫のセミそっくりの巨大な頭部をしている。地球人そっくりに変身した高度な変身能力以外には特に目立った能力はないが、科学力自体は(間抜けな見た目ながら)非常に高性能なロボット怪獣ガラモンを量産していたことからも非常に高度なものを持つ。

 ちなみに本個体はマフィアのボスを思わせる重厚な黒のダブルスーツにベスト、黒ネクタイ、フェドーラハットを着こなす、なかなかのお洒落さんである。

 

「グゥゥ~~」

 

 隕石怪獣 ガラモン

 

 名称はガラダマモンスターを略したもの。セミ人間が地球侵略に送り込んだロボット怪獣であり、チルソナイト合金で出来た巨大隕石の中から現れた。どう見ても生き物にしか見えないが、正体は指令電波で操られるチルソナイト合金製のロボット怪獣である。

 頭部と背中側は赤く、腹部と手足は白い。顔つきは猿と魚を足して割ったようななんとも言えないもので、頭部は首がなく胴体にそのままくっついている。指の長い鳥の足じみた短い両手も前方に突き出す形で生えており、同じく鳥のような足は複数のリング状のパーツを重ねたような形でバネを思わせる。そして、背中から頭部にかけて、短く鋭い突起で隙間なく覆われている。

 強者感の欠片もない非常に珍妙な外見をしているが、実はロボット怪獣全体で見ても高性能な部類。地球人類の兵器で破壊出来た試しはないほどに防御力も高く、またとても運動能力の低そうな見た目の割には動きも軽快である。

 

「フッ、確かに見た目と強さは関係ねーな」

「悪カッタ」

 

 指摘されてそう思い直し、もう1人(と1体)のレイオニクスはセミ人間に素直に詫びた。

 

「だが、それと俺の怪獣に勝てるかどうかは別の話だぜ」

 

 人型宇宙人 ギラッガスM(RB)

 

「ソーソー」

 

 羽根型生物 ギラッガスF

 

 かつてウルトラマンコスモスと戦ったギリバネスの同種族。ギラッガスはその中で種族の追放者に与えられるコードネームである。

 共生宇宙生命体ギリバネスとは合体時の名称であり、人型宇宙人のギリと羽根型生物のバネスから成る。バネスは飛行型の吸血生物で、ギリはバネスに血を吸わせる代わりに飛行能力を得ている共生関係にある。そんな両者の絆は固く、一心同体と言っても良い。

 ギラッガスMは鮮やかなエメラルドグリーンの体色、金属で出来た仮面のような顔と、鎧に覆われたような全身、両手の鋭い爪【カットフック】が特徴。腕から破壊光線を放ち、カットフックによる格闘戦も得意とする。

 ギラッガスFはやや薄い黒の体色で、ステルス爆撃機を思わせる四角い翼、その両端に赤い大きな目の付いた飛行生物である。その見た目から異形の怪獣にも見えるが、実はギリ同様高度な知性と会話能力を持った生物で、目から破壊光線を放つことも可能。また、両者は共に高い変身能力を持つ。

 本個体はレイブラッド星人の接触を受けてレイオニクスとなったことで種族から危険視されて追放されるも、ギラッガスFの方はそんな彼を見捨てずついてきた忠義者である。

 

「確かに。故に、証明の機会を求めたい」

「受諾する。だが、後悔しなさんなよ!」

 

 セミ人間からのレイオニクスバトルの申し出を受諾し、ギラッガスMは右手に持ったバトルナイザーから怪獣を召喚する。

 

「いけ!」

「イケ!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

「ギシャアアオオ!!」

 

 古代暴獣 ゴルメデ

 

 かつてウルトラマンコスモスと戦った怪獣の別個体で、友好巨鳥リドリアスとは敵対関係にあることで知られる凶暴な怪獣。複数個体が確認されており、以前SRCが捕獲に失敗した個体や、防衛軍の兵器工場から排出された汚染水を摂取して凶暴化したゴルメデβなどがいる。

 オーソドックスな爬虫類型の二足歩行怪獣で、頭部全体を覆うように角が生えており、背中もまた硬い蛇腹状の甲殻に覆われている。突進攻撃と、口から吐く強力な火炎が武器。

 

「そちらは強そうな怪獣だな。だが、見た目はそうでも肝心の強さの方はどうかな…?」

「じゃあ試してみようぜ!」

「レイオニクスバトル、スタートダ!」

 

 開戦の合図だとばかりに、ギラッガスFは両目から光弾を空に向かって発射し、やがて炸裂する。それに反応し、ゴルメデはガラモンに襲いかかる。

 

「ギュ!?」

 

 しかし、ガラモンは敵の攻撃に逆らわず、見た目に似合わぬスムーズな動きでゴルメデの初手の右ストレートを躱す。続けて体当たりをくらわそうとするも、これもまたひらりと飛び退いて躱した。

 

「カワシタ!?」

「ガラモンはああ見えて敏捷なのだよ。ご理解いただけたかね?」

 

 驚くギラッガスFにそう皮肉げに語るセミ人間は、中折れ帽をかぶり直す。

 

「やるじゃねえか。だが、いつまで続くかな」

「君のゴルメデが息切れするまでさ」

「ナニ!」

「ガラモンはああ見えて超高性能なロボット怪獣だ。あんなデカブツのスローな攻撃などいつまでも躱せるのだ」

 

 その証拠を見せるとばかりに、ゴルメデの攻撃をガラモンは楽々躱してみせる。パンチはスウェーやダッキングで、蹴りは素早く飛び退き、尻尾振り回しは寸前でジャンプして当たらない。

 

「ギュシャアアアア!!」

 

 一向に攻撃が当たらないことに痺れを切らし、ゴルメデは激昂する。

 

「落ち着け!」

「ギュ!?」

 

 しかし、そんなゴルメデをギラッガスMは一喝。怒りに火が点いていたゴルメデだったが、この一言で落ち着きを取り戻す。

 

「躱し続けてお前の体力を消耗させると共に、お前を怒らせて冷静さを失わせ、短期決戦に持ち込ませようという作戦だ!」

「乗ルンジャナイ!」

 

 主から敵の目論見を明かされ、ゴルメデは気を取り直して身構える。

 

「なるほど。よく躾けてはいるようだな」

 

 落ち着きをすぐ取り戻した怪獣を見て、セミ人間は敵レイオニクスに感心した。

 間抜けな見た目をしたガラモンに攻撃を延々と躱されることでストレスが爆発し、大抵の怪獣やレイオニクスは激昂してすぐ冷静さを失っていたからだ。

 

「ギュ」

 

 先ほどとは逆に、ゴルメデは立ったままで仕掛けなかった。しかし、これは怪獣がガラモンに怯えているのではなく、恐らく主人からの指示だろう。

 

「ガラモンにそちらから仕掛ける愚を少しは学習したようだな。だが、私のガラモンが回避や防御だけしか出来ないと思うのは大間違いだぞ」

 

 そんな主の意思に呼応したのか、今度はガラモンが攻勢に入る。

 

「速い!?」

 

 ガラモンはバネのような足を活かし、ゴルメデの周りを跳び跳ね回る。しかし、段々とスピードが上がっていき、やがてはゴルメデ自身も目で追いきれず混乱するほどの速度となった。

 そしてついには、残像が見えるほどのスピードと化す。飛行生物であるはずのギラッガス達もなんとか視認出来るほどに極まっている。

 

「グウ~」

「ギュア!?」

 

 ガラモンの思わぬ超スピードに翻弄されるゴルメデ。そんな中、ついにガラモンが攻撃に移る。

 古代暴獣の背後から矢のように飛び出したガラモンの頭突きが、ゴルメデを跳ね飛ばす。

 

「なんて威力だ!」

「ギュガガガガガガ」

 

 ギラッガスMは驚愕する。あまりの威力にゴルメデの背甲が一部砕け、さらにはそこにガラモンの頭の棘が一部中の肉に刺さっていた。

 ゴルメデも威力のあまりおもいきり転がされると共に、砕けた背甲に棘が刺さった痛みで悶絶している。一方、ガラモンは頭の棘が一部剥げただけだ。

 

「んん~~ふふふふ。ガラモンの強さが分かっていただけたかね」

 

 セミ人間はそれだけガラモンの性能に信頼を寄せていた。

 

「それで、まだ続けるのかね?」

「当然だ。まだ負けてはいない!」

「マダヤレルダロ、ゴルメデ!?」

「ギュ…」

 

 ギラッガス達の呼びかけに反応し、ゴルメデは痛みに耐えてよろよろと立ち上がった。そして、そんな弱った怪獣の姿をセミ人間は冷ややかに見つめた。

 

「その判断は賢いとは言えんな。勝算は極めて薄い」

「アンタは勝算が薄いだけで戦いを諦めるのか?」

「…悪かったよ」

 

 ギラッガスMの指摘通り、時には分が悪い戦いに挑まねばならぬ時もある。一本取られたと感じたセミ人間は彼等に素直に詫びた。

 

「とはいえ、私達の勝ちは揺るがない。どこまで抗えるか見せてもらおうか!」

「グウ~」

 

 ガラモンは再びゴルメデの周囲を走り出す。

 

「悪いが、ガラモンの弱点は既に見抜いている」

「ほう?」

「見セテヤル!」

 

 ギラッガスMからのバトルナイザーからの指示を受け取り、走り回るガラモンには目もくれず、ゴルメデは足元に穴を掘り、やがて地中に身を隠してしまう。

 

「敵前逃亡か? それならバトルナイザーに最初から回収すれば良かったんだ」

「セミ人間は高度な科学力を持つ種族って聞いてるが、それなのに敵の戦術も見抜けねえのか?」

「ヘボスギ」

「! 言うねえ…」

 

 ギラッガス達にそう挑発され、セミ人間は怒りを覚えるも平静を装った。

 

「君もなかなか口が達者らしい」

「なにぶん、俺は育ちだけでなく口と性格も悪くてな。おまけに集団生活というのも性に合わなくて、群れを追い出されたぐらいだ」

「存外、不幸なんだな君は」

 

 意外な話であるが、冷酷なはずのセミ人間も、ギラッガスMの話の群れを追い出されたという部分にはちょっと同情した。

 

「だから、レイブラッド星人の後継者になって全宇宙を支配して、群れを見返してやるのさ」

「見返すための内容にしては、ずいぶんスケールが大きいな。

 だが残念、それは叶わんよ。何故なら、レイブラッド星人の後継者となり、全宇宙を支配するのはこの私だからね」

 

 とはいえ、それとこれとは話は別。レイブラッド星人の後継者となって全宇宙を支配するのは自分。セミ人間は決して譲る気はない。

 

「よしな! 全宇宙の支配なんてものは、アンタの手に余るぜ」

「その言葉、そっくりそのままお返しするよ」

「余計ナオ世話ダ」

 

 しかし、この一連の会話も実はギラッガスMの策の内ではあった。

 セミ人間がギラッガスMの話に気を取られている間、ゴルメデの掘った穴をガラモンは屈んで覗き込んでいた。しかし、ここでその背後の地面からゴルメデが突如出現。

 驚いて振り向いたガラモンは前蹴りで蹴り飛ばされ、そのままひっくり返った。さらに悪いことに、ひっくり返った先は穴で、そこに上半身がすっぽりハマってしまったのである。

 

「な!?」

「かかった! やれゴルメデ!」

「ギュアア!」

 

 ガラモンの機動力は脅威だったが、今は穴に逆さにハマった犬神佐清状態で動きようがない。好機とばかりに今までの鬱憤晴らしも兼ねてゴルメデは殴り蹴りまくり、さらには口からの火炎を吐いて浴びせ、苛烈な攻撃を加えた。

 

「まさか猿知恵に引っかかるとはな。抜かった」

「油断しすぎなんじゃねえかい?」

「油断? いいや、これは余裕というものだ。現に、ゴルメデの攻撃はちっともガラモンには効いておらん!」

「アア!? 何ヤッテンダゴルメデ!?」

 

 しかし、ギラッガス達の予想に反し、状況はそれほど好転してはいなかった。

 確かにゴルメデの攻撃は余すことなくガラモンはくらいまくっていた。しかし、そのクリーンヒットした攻撃の数々は、ガラモンの極めて強固なチルソナイト合金製のボディと、内部の衝撃吸収機構によって、無防備にくらいながらもほぼ効いていなかったのである。

 

「これぞ我等チルソニア遊星人の驚異の技術力!

 例えゴルメデがこれからどれだけ攻撃を繰り出そうが、ガラモンには効きはしない!」

 

 そうセミ人間が誇る通り、ガラモンはあんな状態で無防備に攻撃をくらいまくりながらも、原形を保っていた。いや、そもそも効いているのかすらギラッガス達には怪しくなってきた。

 そしてさらに悪いことに、休みなく攻撃を加え続けたせいでゴルメデは疲労が溜まりつつあってか、段々攻撃が弱々しくなり、手数も減っていった。

 

「グウ~」

「あっ!?」

「何ダト!?」

 

 それでもゴルメデは懸命に攻撃を続けたが、悪いことにサンドバッグ状態で攻撃を受けた結果、段々穴が衝撃や振動で広がっていた。ガラモンはやがてそれに気づき、両手を打ち合わせて衝撃波を穴の中で起こし、その反動で脱出したのである。

 

「よくも散々好き勝手やってくれたな……今度はこちらの番だ!」

「ギュア!!??」

 

 セミ人間が怒りを滲ませそう呟く通り、ガラモンは両足で踏み込み、大ジャンプ。そのままムーンサルトプレスをゴルメデの頭上に叩きつけて倒した。

 悪いことに、先ほどの突進攻撃をくらったせいで背甲は避けて中の肉が覗いている。ガラモンはそこを狙って両足で踏みつけ、さらには両手を打ち合わせての衝撃波攻撃をくらわせる。そのせいで背甲はますます破壊され、さらには血が噴き出す。

 

(マズイ……このままレイオニックバーストでパワーアップさせてどうにか逆転……いや、そうしたらアイツもきっと同じ真似をしてくる!)

 

 セミ人間も自分同様レイオニクスバトルのファーストステージを突破した猛者。恐らくレイオニックバーストによるパワーアップを習得しているはず。

 下手にこちらがレイオニックバーストでゴルメデをパワーアップさせたとて、向こうも同じ真似をしてきた場合、実力差は埋まらない。それどころか、“真のレイオニクスバトル”の強制発動により、ゴルメデの受けたダメージがリンクして逆に自分が死にかねない危険があった。

 

「何ボーットシテンダヨ! 早クゴルメデヲ戻スンダ! コノママジャ死ヌゾ、アイツ!!」

「えっ!? ああ、うん!?」

 

 危機的状況にどうすべきか逡巡していたギラッガスMだったが、ここでギラッガスFに叱咤されて我に返り、慌ててゴルメデをバトルナイザーに戻した。

 

「グウ」

 

 ゴルメデの上に乗っかり、攻撃しまくっていたガラモンだったが、ゴルメデがいなくなったことで地面に落下。そのまま突っ伏した。

 

「残念。とどめは刺せなかったな」

 

 ゴルメデが回収されたのを見て、至極残念そうにセミ人間は呟いた。

 

(ど、どうする!?)

(コウナッタ以上、()()()ヲ出ソウ。アイツナラ勝テル!!)

(!? だ、だがアイツはAIがまだイカれてるぞ! そんな奴で本当にあのガラモンに勝てるのか!?)

(確カニ不安ダ。デモ、アイツヨリ強イ怪獣モイナイダロ。イチカバチカダ…)

「……?」

 

 そんな敵の気持ちなどいざ知らず、ギラッガスFとMは小声で何か言い合っていた。さっさと次の怪獣を出せばいいのに、何故喧嘩になっているのか分からず、セミ人間はその様子を怪訝そうに見ていた。

 

(どうやら強いが何か問題のある奴らしいな)

 

 ギラッガスFの主張に、Mは難色を示していた。いくら強かろうと制御性に問題があるのなら、所詮ガラモンの敵ではない。

 また、ここまで出し渋られると、どんな怪獣なのかかえって興味が湧く。

 

「別に誰だろうが構わないぞ。どんな怪獣だろうと、所詮ガラモンの敵ではないからね」

 

 これは本心ではある。しかし、敵コンビを挑発することで、その怪獣がどんなものか拝みたいという気持ちもあったため、セミ人間はわざわざそう言った。

 

「くっ、出したかなかったが仕方ねえ…」

 

 確かにギラッガスの持つ戦力では最強の1体であり、捕獲時は相手したゴルメデが半死半生まで追い込まれた。しかし、苦労した割には戦力として使うには不安がある代物であった。

 扱いきれていない、というよりはそもそも()()()なのを騙し騙し使っているのである。

 けれども、他に選択肢はなさそうである。ゴルメデではガラモンには勝てない以上、ゴルメデより強いこいつしかもう投入出来る存在はいない。そのため、ギラッガスMは仕方なくバトルナイザーよりその()()()()()()を召喚する。

 

「いけ!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

「ギシュウウウウ」

 

 スペースリセッター グローカービショップ

 

 かつてウルトラマンコスモス及びウルトラマンジャスティスと戦った、ロボット怪獣の別機体。宇宙正義を司る存在であるデラシオンによって送り込まれた大型母艦グローカーマザーが、グローカー製造機能を切り捨て変形した戦闘形態である。

 青色がかった灰色の体色、赤い両目と額の赤いランプ、両手の3本爪のクロー、後ろ側に展開された一対の大型の装甲板が特徴。他のグローカー同様、二足歩行の昆虫型怪獣のような見た目をしているが、より大柄かつ豪奢ながらも禍々しい姿となっている。

 戦闘能力は高く、地球怪獣をねじ伏せて回ったグローカールーク以上で、ウルトラマン2人を相手に渡り合った。赤いランプや両手から強力な破壊光線を発射する。

 自らの意思はなく、デラシオンの指示に従って動く。ただし、本個体はデラシオンの制御下から外れた個体で、スリープモードになっていたところをギラッガス達に発見・捕らえられ戦力とされた。ただし、デラシオンから逸れて彷徨っていた時期にAIが故障したらしく、ギラッガス達の技術では未だ修理が出来ず、行動が不安定である。

 

「ギシュウウウウ」

「まさかガラモンと同等の高性能戦闘ロボットを君達如きが所持しているとはな」

 

 現れたのはガラモンと同じく超高性能の戦闘ロボット。セミ人間もこれには面食らったが、ガラモンの性能に絶対の自信を抱く彼はそれでも自陣の勝利を疑わなかった。

 

「それに…これほどの機体を持ちながら出すのを相当渋っていたな? 何か問題があるとお見受けするが、如何に?」

(バレてやがる…!)

 

 ギラッガスMは歯噛みする。とはいえ、高性能な機体のはずが出すのを主人は何故か渋っていたなど、怪しい点は多々あったため、洞察力の高いこのセミ人間にすぐバレたのは当然と言えた。

 

「まぁ、何であれ戦ってみれば分かるか。やれ、ガラモン!」

「グウ~」

 

 ガラモンはコミカルな動きで跳び跳ねながら、グローカービショップに向かっていく。

 

「ギシュウウ」

 

 敵が向かってくるにもかかわらず、グローカービショップは赤い両目が明滅させながら動こうとしない。そうして案の定、真正面からガラモンの体当たりをまともにくらってしまう。

 

「だーっ! やっぱり直ってねえ!!!!」

「落チ着ケヤ!」

 

 起死回生を懸けて召喚したグローカービショップだったが、やっぱりAIの故障故に挙動に問題があった。ガラモンの体当たりでぶっ倒れ、死にかけの虫の如く痙攣する切り札の姿に、ギラッガスMは頭を抱えて絶望する。

 

「君もツイていない奴だな。わざわざ私に2連勝を献上するとは!」

 

 よりによって敵が故障機を召喚したのを見て、セミ人間は呆れ半分、優越半分といった気持ちだった。しかし、敵が楽に倒せるならそれにこしたことはない。さっさと仕留め、このレイオニクスバトルを終わりにしようと考えた。

 

「ギ……ギ……ガガ……」

 

 派手に痙攣し、金属同士が擦れる不快な金属音を鳴らすグローカービショップ。一か八かに賭けて召喚してみたが、これでは戦う以前の問題である。

 

「いくら高性能だろうと、最初から故障していたのでは戦えまい。ガラモン、こいつをスクラップにしてやれ!」

 

 どのような代物か分かった以上、もう興味はない。セミ人間はこの故障品を解体すべく、ガラモンに破壊するよう命じる。

 

「だーっ! 動け! 動けええええ!!」

 

 起死回生どころか、危機(ピンチ)となった。頭を両手で掻き毟りながら、ギラッガスMはそう叫ぶ。

 

「ギギ………」

 

 しかし、その願いも虚しく、グローカービショップの両目と額のランプから光が消える。

 

「グウウ~」

 

 ダッシュでやって来たガラモンは、そんな故障機にも容赦なくストンピングをくらわせた。為す術もなく、グローカービショップは蹂躙される。

 

「ギギ」

 

 しかし、倒れる機械の頭を踏んづけた時、再びグローカービショップの両目に光が戻る。

 

「………ビー……ザザ………任務ノ………」

「ん!?」

 

 そしてグローカービショップが電子音声で何か言葉を発したことを、ギラッガスMは聞き漏らさなかった。

 

「……障害ヲ……完全二…消去……」

「……勝った!」

 

 壊れているとはいえ、戦力として強力な以上何度か運用しており、それによりある程度機体の持つ()をギラッガスMは把握している。この機体に自我はないが、行動する際、必ずそう復唱する。

 だからこそ、ギラッガスMはようやく自分の勝利を確信した。

 

「寝ぼけているのか?」

「ありがとよ。機械は叩けば直る、ってのはある意味真理だな」

「……いきなり何の話をしている?」

 

 ギラッガスMの発言の意図が分からず、セミ人間は不愉快そうな態度を見せる。

 

「一応今は動くようになったってことさ!」

「私達ノ勝チダ!」

 

 無抵抗に攻撃をくらい続けていたグローカービショップだったが、突如起き上がり、ガラモンを跳ね飛ばす。

 

「任務ノ障害ヲ完全二消去」

 

 グローカービショップはそう復唱しながら背部のバーニアを点火させ、超スピードでガラモンに迫る。ガラモンは両手を打ち合わせて衝撃波を発するが、グローカーは当たる前に上に移動して躱す。挙げ句、頭上スレスレを飛んですれ違い様にガラモンの額に蹴りを叩き込んで倒した。

 起き上がろうとするガラモンだったが、その前にグローカービショップが馬乗りになってそれを防ぐ。さらには右手のクローアームで顔面を押さえつけ、その先端から光弾を連射した。

 

「何ィ!? や、やめろそんなことしたら!!」

 

 ここで初めてセミ人間は慌て出す。地面に倒され、密着状態で強力な光弾を連射されたことで、ガラモンの頭部にはダメージが蓄積していく。

 

「グ、グウ~」

 

 何十発も連射したところで、やがて頭部で爆発が起きる。それをモロにくらったグローカービショップのクローアームも砕けて崩壊してしまったが、よろよろと起き上がったガラモンの顔面もまた、内部の機器が所々見えてしまっていた。

 

「や、やるじゃないか。ここまでガラモンが追い込まれたのは初めてだ…」

 

 セミ人間が震え声で強がる通り、いくら強固なチルソナイト合金製だとはいえ、異常な耐久性を見せるガラモン。しかし顔面は崩壊しかかり、所々棘が剥げて内部機構が剥き出しになっている姿には、先ほどの間抜けさはなく、むしろ不気味極まりない。

 

「長かったな。ようやくスクラップにしてやれるぜ」

「それはこちらのセリフだっ! ガラモン、そこの不良品をぶち壊せ!」

 

 しかし、今度はガラモンの動きの方が心許ない。先ほどの機敏さは何処へやら、ボロボロな上に尚戦いを命じられる姿は哀愁が漂っていた。

 

「グウウ~……」

「任務ノ障害ヲ完全二消去」

 

 ボロボロの姿ながら、健気にまた飛び跳ねようとするガラモン。しかし、踏み出す瞬間を狙い、グローカービショップは額のランプから光弾を連射、ガラモンの顔面にモロに全弾命中する。

 そうして、顔面の皮膚がほぼ吹き飛び、内部機構がほぼ剥き出しになったところへ、グローカーは左手から光弾を発射。

 

「………」

 

 これも顔面に命中、誘爆する。ついにガラモンは倒れたかと思うと、頭部が爆発して吹っ飛び、残った胴体の継ぎ目から中から謎の液体を噴出させる。

 そして、残った胴体もまた遅れて大爆発を起こし、隕石怪獣はついに木っ端微塵となったのだった。

 

「いよしっ!」

「イエーイ!」

 

 勝利を見届け、ギラッガスMはガッツポーズを取り、Fは羽根を羽ばたかせる。

 

「フ…フフ……見事だ……!」

 

 最後まで“真のレイオニクスバトル”を行なわなかったので、セミ人間は生きていた。しかし、敗北を信じられず、怒りと屈辱のせいかわなわなと震えている。

 

「へへっ、まだやるかい?」

「調子に乗ってもらっては困る!!!!」

 

 セミ人間はバトルナイザーを強く握りしめた。

 

「そのポンコツロボが君達の切り札だったように、私にも切り札があるっ!

 そう、ガラモンはあくまで型落ちの旧型ロボ! 普段は奴で事足りたが、いざという時のための()()がな!」

「何!? あの化け物よりさらに新型だと!?」

 

 セミ人間の態度からして、恐らく発言は嘘ではない。あれだけ苦戦したガラモンより新型で強力な切り札の存在に、ギラッガスMの背筋が凍る。

 

「フフフフハハハハハハ!! ゾッとしたな!? だが、そんなものじゃないぞ! さらなる恐怖というものを見せてやる!」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 セミ人間のバトルナイザーより、新型のロボット怪獣が召喚される。

 

「グウウ~」

 

 隕石怪獣 ガラゴン

 

 ガラモンの後継機に当たるロボット怪獣で、見た目もよく似ている。けれども、こちらはボディが完全な球体状になっており、一応首と胴体の境目のあったガラモンと違い、胴体内に顔が埋まっているような、輪をかけて間抜けな見た目となっている。

 同じく侵略兵器かと思われたが、ガラモンと違い実は逆にこちらがただの電子頭脳としての役割であり、実際の侵略兵器は既に全世界にバラ撒かれていたペットロボット『ガラQ』であった。とはいえ、戦闘能力自体はちゃんとあり、額から光弾を発射する。また、全身から放つオーロラを発生させるほど強力な電磁波は、パソコンや携帯電話といった精密機器を麻痺させてしまう。

 

「新型であるガラゴンの性能はガラモン以上! 君達に真の恐怖というものを味あわせてやろう!」

「くっ……まさかあの化け物よりさらに強い新型を持ってやがるとは…」

 

 ガラモンですら、グローカービショップが右手を破壊してまでようやく倒した相手。それより強いとなると、今の自分達で勝てる相手なのかどうかすら分からない。

 

「オイ、まだやれるか!? グローカービショップ!?」

 

 頼みの綱であるグローカービショップ。ここは彼の頑張りに懸けるしかない。

 

「任務ノ障害ヲ完全二消去任務ノ障害ヲ完全二消去任務ノ障害ヲ完全二消去任務ノ障害ヲ完全二消去」

 

 しかし、グローカービショップは壊れたレコードの如く命令を復唱しまくっていた状態で、明らかに普通ではない。

 

「任務任務任務任務…ジー…ザザー……」

 

 そこまで復唱したところで、壊れた右手から激しい煙が吹き出したかと思うと、またグローカービショップの目から光が消え、前のめりに倒れてしまった。

 

(俺、死んだ…?)

 

 自分の最後の頼みの綱が完全にイカれたのを見て、緑色の無表情な仮面のような顔が今度は青くなったかのようであった。

 

「頼みの綱もああなったか。このレイオニクスバトル、もらったぞ!!!!」

 

 セミ人間は自陣の勝利を確信し、高笑いを上げた。

 

「フハハハハハハハハ――――ハ?」

「あ?」

「何ダ?」

 

 今はまだ暗くなるような時間帯ではない。にもかかわらず、辺り一帯が急に真夜中のように闇に包まれる。変に思ったセミ人間とギラッガス達は上を見上げるが――

 

「え」

「グ」

 

 そのまま勢い良く落ちてきた“何か”に、セミ人間とガラゴン、そして壊れたグローカービショップは『潰された』。

 

「!?」

 

 何が起きた? 何故自分の5m前に急に壁が出来ている? この壁は一体どこまで続いているんだ?――そんな疑問が目まぐるしく頭を駆け巡りながらも、ギラッガスMは目の前で起きた出来事が信じられず、呆然としていた。

 そして、遅れて周囲に地震、というよりは衝撃が起き、ギラッガス達は吹っ飛ばされた。

 

「――――ッ!!」

 

 ギラッガスFは突如起きた衝撃波と暴風の中、必死に体勢を保ち、相棒共々必死でその場を飛んで離れた。

 レイオニクスバトル? 壊れたグローカービショップ? そんなものはもうどうでもいい。今は相棒を逃がすため、ただ逃げることだけを考えて、全速力で飛び、その場から逃げ去っていった。

 

 

 

 

 

 ――空間の歪み――

 

 結果から言えば、ファムの危惧は当たっていた。“それ”は“宇宙の孔”が現れ、暴れたせいで、ついに目覚めてしまったのである。

 そして直後、この(くびき)から逃れようとワームホールを開き、右前足を伸ばしていた。

 

「ゼヴォス!! 絶対に奴を逃がすな!!!!」

「キュインキュイーン…」

 

 主人の叫びと共に、ゼヴォスは空間の歪みの重力バランスを逆にした。文字通り天地がひっくり返り、“それ”もまた影響を受けて落下していった。

 ワームホールに突っ込んでいた右前足もまた抜けていき、最後にはワームホールも閉じてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな一悶着があったなどいざ知らず、ギラッガスMは逃げた先で尚震えていた。セミ人間、ガラゴン、グローカービショップを潰した何かが、実は巨大な前足などとは夢にも思わず、理解出来ない何かが起きたことに恐怖していたのだった。

 

「オイ」

「え」

「イツマデビビッテヤガンダ!!」

「へぶっ!?」

 

 ギラッガスFはMから離れると、その羽根でMに往復ビンタして折檻する。

 

「群レヲ見返シテヤルンジャナカッタノカ!?」

「あ、ああ…」

「戦イッテノハ、最後二立ッテタ奴ノ勝チナンダ!! ダカラ、オ前ハ勝ッタンダ!!

 勝ッタ!! 命モ助カッタ!! ナノニ何デオ前ハ情ケナク震エテルンダ!!!!」

 

 正直、暴論ではある。しかし、彼女の言う通り命は拾ったことには違いない。

 レイオニクスバトルの勝敗で言えば、確かに勝ったか怪しいところではある。最強の戦力のグローカービショップも失ってしまった。

 だが、生きている。セミ人間は突如理不尽に死に、自分は助かった。また、レイオニクスバトルを行うことが出来る。まだ、レイブラッド星人の後継者の座を目指すことが出来る。

 

「アンナコトガ起キテモ、オ前ダケハ死ナナカッタ! ソウイウ運命ナンダ!

 私ハ今日確信シタゾ! オ前ハレイブラッド星人の後継者ニナレル男ナンダ!」

 

 ギラッガスFは相棒にそう感じた嘘偽りのない本音を告げる。

 あんなことが起きても、相棒だけは助かった。彼はまだ死ぬ運命にない、いや運命そのものに守られている。

 

「そ、そうか……そうだよな!」

 

 相棒に鼓舞され、ギラッガスMも急にその気になる。考えてみれば、あんなことが起きて生きていられる自分はまさにラッキー・ガイである。普通は死ぬはずなのに、生き延びてしまったのだから。

 

「見返シテヤルンダロ?」

「そ、そうだ!」

 

 自分を追い出した群れを見返してやる。それをモチベーションに今まで戦ってきた。

 

「オ前ナラ絶対出来ル!」

「うおおおおっしゃああああああ!!!!」

 

 グローカービショップは失ったが、死の運命を乗り越えた彼の恐怖は今消え去った。相棒と共に、レイブラッド星人の後継者となり、全宇宙に君臨する。その野望が再び激しく燃え出したのである。




用語解説

 最終兵器

 万が一の時のレイブラッド星人の肉体のスペアも兼ねて造られた、最高傑作にして最終兵器となる生物。レイブラッド星人の復活後、全宇宙の武力制圧及び光の国とウルトラマンキングを含んだ全てのウルトラ戦士抹殺を目的として造られた。
 その強さと大きさは既存の怪獣の常識を覆すほどで、ファムの見立てでは並の超獣では勝負にすらならないらしく、“宇宙の孔”ですら逆に喰いかねないという想像を絶するものである模様。現在は休眠状態であるようだが、下手に手を出して覚醒させればこちらに危険が及ぶと判断し、彼女に何もさせずそのまま逃走させている。
 ただし、それでも現時点ではまだ完成には至っておらず、レイブラッド星人監修の下、調整作業が続けられている。そもそも、ペルフェクト星人が空間の歪みを拠点にしているのは、ここで調整作業の続けられている最終兵器の完成及びそれまでに外敵から防衛するためである。
 しかし、ファムが召喚した“宇宙の孔”が暴れた影響で、やがて休眠から目覚めてしまう。ワームホールを開いて空間の歪みから脱出しようとするも、ゼヴォスの能力により重力バランスを崩されて落下、ひとまず脱出は阻止された。
 ちなみに、ワームホールを開いて右前足を伸ばした先にはセミ人間(RB)、ガラゴン、グローカービショップがおり、うっかり踏み潰してしまう。これは最終兵器にとっては単に足を伸ばした先に偶然彼等がいただけで、悪意や攻撃の意思があったわけではなく、ただの事故である。しかし、あまりの巨体と重量故、ただ足を置いただけで強固なチルソナイト合金製のガラゴンや同じく強固な装甲のグローカービショップが一発で粉砕されてしまった。

 宇宙怪人 セミ人間(RB)

 二つ名は“ダンディー・シカーダ”。チルソニア遊星出身の種族であり、地球侵略の尖兵としてガラモンを二度地球へ送り込んだ。科学力の発達した種族で、間抜けな見た目ながら高性能を誇るロボット怪獣ガラモンを開発しただけでなく、エスパライザーという超能力現象を引き起こす機器も持ち込んでいる。
 頭部そして鳴き声は昆虫のセミそっくりで、体躯はストライプ模様が入った細身のもの。服を着る文化があるらしく、確認された個体それぞれが思い思いの服装をしている。変身能力を持ち、地球人への完璧な変身・高度な擬態を行なっている。
 異星の侵略を繰り返す凶悪な種族であるが、一方で地球文化への興味関心を見せる個体もおり、感受性などに関しては地球人同様豊かな模様。また、バルタン星人と姿形が酷似した部分があるが、関連性は不明。とはいえ、精神性や能力の違いなどから、恐らくは他人の空似の別種であると思われる。
 地球に工作員として潜入した個体は、エスパライザーを使ってガラモンを操る電子頭脳を奪還するなど暗躍するも、拳銃で撃たれて正体を表す。しかし、同じく現れた仲間の宇宙船に任務失敗の責任を取らされ、光線で焼き殺されてしまう。このことから、失敗者には容赦しない厳しい組織体制である模様。
 本個体は同胞と同じくガラモンとガラゴンの性能をもって、レイブラッド星人の後継者となり、全宇宙を支配しようとしている。また、ファッションにはこだわりがあるらしく、マフィアのボスを思わせるような茶色いフェドーラハット、黒のダブルスーツの上下に黒ネクタイと灰色のベスト、黒革靴という出で立ちの伊達者である。皮肉っぽいところがあるが感情豊かな性格で、ギラッガスM(RB)の群れを追い出されたという話にちょっと同情したりしている。
 生家は元々地球侵略のため地球人の研究を行なっていた一族だが、やがて地球文化及び地球人のファッションに興味を抱く。その服飾文化を再現するため工場を設立し、地球人の着る服の製造販売を始めたところ、これがチルソニア遊星で大ヒットし、大儲けする。そのため、今では遊星内でもかなりの大金持ちの家系で、彼もその影響で地球のファッション関係には詳しい。
 レイブラッド星人の後継者となった暁には地球文化の保護を第一としており、地球は支配するが、地球人には今まで通りの生活を送ってもらいファッション文化の成熟に励んでもらうつもりとのこと。けれども、その夢も突如降ってきた最終兵器の足によってその場で消えてしまった。ちなみに、ギラッガスM(RB)とは敵同士であったが、その性格自体は嫌いではなかったらしい。

 隕石怪獣 ガラモン

 名称はガラダマモンスターの略。宇宙金属チルソナイトで出来た隕石(ガラダマと呼ばれる)の中から出現したロボット怪獣で、のちに地球侵略を目論むチルソニア遊星人が送り込んだ侵略兵器であることが判明している。尚、ロボットでありながらどう見ても生物の見た目をしているが、そんな見た目にしたセミ人間の意図は不明。
 指令電波を発する電子頭脳に操られており、電波を遮断されただけで(口から謎の液体を吐きながら)機能停止するという重大な弱点はあるものの、当時の人類のあらゆる兵器で破壊するのは不可能だったほどの防御力を誇る。さらには体当たり攻撃で熊谷ダム、さらには東京タワーまで破壊している。さらには量産までされており、セミ人間に呼び寄せられた複数個体が地球にやって来たが、同様に電子頭脳の電波を遮断されて機能停止している。
 真っ赤な全身は極短いながらも鋭い突起で覆われているが、顔は猿と魚を足して割ったようななんとも言えない間抜けヅラをしている。さらには首がなく頭部が直接胴体にくっついており、両手もどことなく鳥の足に似た細長いもの。足はリング状のパーツを束ねて作ったバネ状と、全体的になんとも珍妙な見た目である。
 しかし、前述のようにチルソナイト合金製のボディと機体内部の衝撃吸収機構によって驚異的な防御力を誇り、またバネ状の足は意外に機敏な動作が出来る。さらには両手を打ち合わせて衝撃波を発して攻撃してくる個体もいる。
 本機体はセミ人間(RB)によって操られ、この惑星アシヨシで戦っている。ガラゴンが登場して久しい今、相当の旧型なのであるが、それでもチルソニア遊星驚異の技術力により、戦闘能力は未だ色褪せていない。また、レイオニクスバトルのために近代化改修が施され、以前の個体より戦闘能力は向上している模様。
 間抜けな見た目であるが、この惑星アシヨシでのレイオニクスバトル・ファーストステージを突破出来たのは本機のおかげであり、侮った怪獣とレイオニクスを葬ってきた。今回のギラッガスM(RB)とのレイオニクスバトルでもゴルメデを圧倒し、リタイアに追い込んでいる。
 しかし、交代して出てきたグローカービショップは当初敵機の不調もあって同じく圧倒するが、頭部への攻撃が刺激になってAIが復旧してしまい、こちらより高性能もあって逆に翻弄されてしまう。最期は敵機体が右手を犠牲にした光弾乱打を頭部に集中した結果、頭部がついに爆散。次いで胴体もまた同じく爆発し吹き飛んでしまった。
 とはいえ、ギラッガス達には十分な恐怖を与えており、まさにチルソニア遊星人の驚異の技術力の体現というのに相応しい戦いぶりであった。

 人型宇宙人 ギラッガスM(RB)

 二つ名は“空の魔人”。かつてウルトラマンコスモスと戦った共生宇宙生命体ギリバネスの内、人型宇宙人ギリの方の同種族で、性別は雄。そしてギラッガスとは種族の追放者に与えられるコードネームである。
 ギリバネスという種族はかつてコスモスペースの地球を侵略しようと二千を超える宇宙船団を率いてやって来て、その尖兵としてある個体が地球に潜入した。ただし、変身しての潜入工作を担当したのはバネスの方で、ギリの方は巨大化状態での破壊に終始していた。
 宇宙人の中でも人間同様の細身の体躯の持ち主で、無表情な仮面のような顔、鎧を纏ったかのような全身の硬質な皮膚、両手の甲に生えた鉤爪【カットフック】が特徴。カットフックの切れ味は鉄塔を切り倒すほどでこれを用いて格闘戦を行い、そして腕から破壊光線を放つ他、テレポート能力や高い変身能力も持つ。そのため、バネスがおらずとも戦闘能力は高く、十分な脅威となる。ちなみに体色は各個体ごとに異なるようで、本個体の場合はエメラルドグリーン。
 バネスとは共生関係にあり、吸血生物であるバネスに血を吸わせる代わりに肩に取り付かせ飛行能力を得ている。両者は一心同体も同然な固い信頼関係を結んでおり、地球にやって来たギリは合体していたバネスが倒された瞬間、戦意を喪失し、自爆を選んだほどであった。
 また、地球に近づいていた船団も尖兵が倒されたことで、原始的だと思っていた地球人が予想外の戦闘能力を持つことを知り驚愕、地球侵略を諦めてしまう。しかし、ある個体が前述の個体の敵討ちを唱え上層部に反発するも結局群れを追放。敵討ちと自身が生き残るために地球侵略に現れるが、最後はTEAM EYESのシノブ副隊長の説得で、群れの元へと帰っていった。ちなみにこの個体は前述の経緯からギラッガスのコードネームで呼ばれている。
 宇宙船団を組織して地球侵略を行おうとするなど、凶悪かつ高い科学力を持った種族である。一方で、尖兵1人がやられただけで地球人の脅威を過剰とも言えるほどに恐れ、侵略を取り止めて逃げるなど、かなり臆病な面もある。また群れで生きる種族らしく、これだけの戦闘能力と多彩な能力を持ちながら単独では長く生きられないことが示唆されるなど、凶悪ながら何処か哀しい生態を垣間見せた。
 本個体もまた群れを追放されたため、ギラッガスのコードネームで呼ばれている。ただし、前述の個体達とは逆に、実はかなりの穏健派の個体で地球人にも近い精神性の持ち主であり、他の星や知的生命体に対する侵略そのものを嫌悪・侮蔑している。さらには粗野で感情の浮き沈みのかなり激しい面もあり、おまけに我が強く集団生活の和を乱しやすいところがあった。
 それ故上層部から目を付けられていたところで、この度レイブラッド星人の接触を受け、レイオニクスとなったことでついに危険分子として処刑されそうになってしまう。しかし、相棒と共になんとか逃げ果せてこの惑星アシヨシに流れ着き、同族達を見返そうとしてレイオニクスバトルに挑んでいる。
 もっとも、故郷の同胞達を見返したいという思いは本物であるが、一方で全宇宙の支配者になるという目的自体は単なる口実にすぎず、本心ではその気はない。レイブラッド星人の後継者となってもあくまでその事実さえあれば良いと考えており、全宇宙を支配し他者に悪影響を与えるつもりは全く無い。むしろ、それは彼が最も嫌うことであるからだ。
 使役怪獣はゴルメデ、グローカービショップ、スコーピス。グローカービショップが最高戦力だが、挙動に問題があるため、普段はゴルメデを使う。スコーピスはサンドロスから逃れた個体を捕獲したものだがあまり強くなく、ガラモン相手には明らかに無謀だったので使わなかった。

 羽根型生物 ギラッガスF

 かつてウルトラマンコスモスと戦った共生宇宙生命体ギリバネスの内、羽根型生物バネスの方の同種族で、性別は雌。ギリとは共生関係にあり、吸血生物である彼女等はギリに血を吸わせてもらう代わりにその背中に合体して飛行能力を与えている。吸血の対象自体は別に地球人などの生物でもいいらしく、実際複数人の血を吸い力を蓄えていたが、唾液の特有の成分で存在に気づかれるという失態を犯している。
 ステルス爆撃機にも似た四角い羽根を持ち、その先端部に赤い目を持つ姿は怪獣の中でも特に異形。一方で、実はギリ同様に宇宙人並の知性と会話能力、変身能力を持ち、地球に潜入した際はバネスの方が人間に変身して様々な工作を行なっている。ちなみにギリと違い、個体ごとの体色の変異は確認されていない。
 ギリとは一心同体にも近い絆があり、ギラッガスFに至っては相棒と共に果てる覚悟で地球にやって来ていた。また、侵略や復讐に固執する相棒を説得し仲間の元へ戻るなど、それなりの理性や仲間への思いやりを持つ面もある。一方で、その人物の思い出の人物に変身し弱みにつけこんで唆すなど、任務達成のためへの狡猾な一面も見せた。
 本個体はギラッガスM(RB)がレイオニクスとなったせいで処刑されかけたため、彼に逃げるよう諭し、共に逃亡した。共に逃げるぐらいなので、彼のことは大切に思っているが、一方で時折調子に乗ったり怯えたりする彼に発破をかけたりもしている。
 非常に口汚く、口調も片言ではあるが、知性は他の個体同様高く、また相棒より肝が据わっている。しかし、レイブラッド星人の後継者の座を巡ってのレイオニクスバトルに対しては何処か疑問を抱いていた。だが、今回グローカービショップを失いながらも突如の災害から助かった彼は運命に守られている者、至上の幸運の持ち主だと考え、レイブラッド星人の後継者となれる資質を見出した。

 古代暴獣 ゴルメデ

 かつてウルトラマンコスモスと戦った怪獣の別個体で、友好巨鳥リドリアスとは敵対関係にある種。複数個体が確認されており、以前SRCが捕獲に失敗した個体や、防衛軍の兵器工場の汚染された排水を摂取して凶暴化したゴルメデβなどがいる。また、初めてコスモスと戦った個体は直後、カオスヘッダーに生体エネルギーを奪われ誕生したカオスゴルメデによって殺害されてしまった。
 地味な体色をしたオーソドックスな見た目の二足歩行の爬虫類型怪獣で、頭部から首を覆う角、背中の蛇腹状の背甲、長い尻尾が特徴。口からは火炎を吐くが、βは摂取した汚染物質の影響かさらに威力が上がっていた。
 凶暴な怪獣だが、鏑矢諸島に保護されたβは他の怪獣やリドリアスとも協力してグローカー軍団と戦っている。
 本個体はギラッガスMに使役されており、同じ次元宇宙出身のせいか特に可愛がられている。セミ人間(RB)から見てもきちんと躾けられており、主人と息は合っているが、それでもガラモンの性能には敵わず、奮闘するも無念のリタイアとなった。

 スペースリセッター グローカービショップ

 かつてウルトラマンコスモス及びウルトラマンジャスティスと戦った機械獣の別機体。グローカーを生産する大型母艦グローカーマザーが生産機能を切り捨て変形した戦闘形態である。ちなみにグローカーシリーズは宇宙正義を司る存在デラシオンによって宇宙平和の守護のため製造された兵器群で、凄まじい機体数が存在しており、この機体もその内の1体にすぎない。
 自分が生産していたグローカーボーンやグローカールークをさらに凌ぐ高い戦闘能力を持つが、ウルトラマンコスモス・フューチャーモードとウルトラマンジャスティスの猛攻によって倒された。
 ボーン・ルーク同様、昆虫型怪獣じみた奇怪な外見をしている。赤い目と額の赤いランプ、3本爪のクローアーム【ビショップクロー】、後ろ側に展開する巨大な装甲板、背部のバーニアが特徴。クローからは光弾【ジルサデスビーム】、額のランプからは【ブレアビーム】を発射する。また、動作自体は遅いが、背部のバーニアを用いた飛行で瞬間的な高速移動が出来る。
 機体自体は自我を持たず、デラシオンの命令に従って動く。行動の際は「任務ノ障害ヲ完全二消去」と不気味に復唱する。かつて惑星モーン・スターにはデラシオンの制御から外れた機体が現れており、機体自体は自我を持たないのも相まって、他の勢力に利用されることもあるようだ。
 本機体も同様にデラシオンの制御から外れたはぐれ機体で、スリープモードでいたところをギラッガスM(RB)に発見されるも突如起動・暴走し、ゴルメデとの戦いを経て捕らえられて戦力となった。ただし、デラシオンの制御から外れて放浪している際にAIが故障していたらしく、ゴルメデが半死半生になるまで追い詰められた死闘の末に捕獲した割には、あまり有用な存在ではなかった。ギラッガス達個人の技術力では修理も出来ず、出す度不安定な挙動でギラッガスMを不安にさせた。
 この度ガラモン相手のレイオニクスバトルで投入されたが、案の定最初はまともに動かずガラモンに蹂躙されてしまう。しかし、ガラモンのストンピングを頭部に受けた際、運良くAIが復旧、逆にガラモンを叩きのめして最後は破壊した。だが、この時右手のクローを損傷した上、再びAIが異常を起こしてしまい、倒れる。最期は突如降ってきた最終兵器の前足にガラゴン共々踏み潰され、破壊されてしまった。
 ギラッガス達の最強戦力であるが、元々AIの故障した機体だった故、ギラッガスFには捨て駒同然の扱いをされた挙げ句、失っても惜しまれてはいなかった。

 隕石怪獣 ガラゴン

 ガラモンの後継機として造られたロボット怪獣で、同じく宇宙金属チルソナイト製。しかし、電子頭脳によって操られるガラモンに対し、こちらはガラゴン自体が電子頭脳であり、侵略兵器は巷で大人気のペットロボット・ガラQの方であった。
 全身を覆う極短い棘や赤い体色、鳥にも似た細長い手足など、見た目はガラモンと酷似しているが、こちらはボディが完全な球体状。顔は胴体に埋まるような形となっている。
 一応戦闘能力は備えており、額から光弾を発射することが出来る他、全身からはオーロラが発生するほど強烈な電磁波を放出出来、パソコンなどの電子機器を使用不能にしてしまう。だが、跳ね返された光弾が額に直撃して機能停止するなど、異常な打たれ強さを誇ったガラモンよりやや脆いと思われる面もある。とはいえ、人類側の兵器で打倒するのは依然として不可能で、ミサイル攻撃をくらっても転倒しただけで結局無傷であった。
 本機体はそれらの弱点を克服したバージョンアップモデルで、セミ人間(RB)の切り札とされていた。彼曰く、ガラモンより新型でさらに強いとのことだったが、召喚直後に上空のワームホールから突如現れた最終兵器の右前足に主人ごと潰されてしまう。チルソナイト合金製のボディの強度はガラモン以上であったのだが、一瞬で粉々になってしまった。
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