地球にやって来た宇宙人は皆高い知性と文明、科学技術を持っていたが、だからといって彼等が優れた精神性の持ち主なのかどうかは別問題である。むしろ地球にやって来た宇宙人の大半は侵略者であり、その高度な知性に見合わぬ地球侵略を企む邪悪な野心や醜い欲望、傲慢さや身勝手さ、さらには歪んだ優越感の持ち主ばかりであった。
結局のところ、大抵の種族は知性があってもそれらの負の感情は克服出来ておらず、特にレイオニクスとなった個体に至ってはさらに悪化させている。それはどれだけ高度な知性を持った種族であろうとも変わらない。
――とある山頂――
5000m級の山の頂き。そこは気温・気圧が低く、さらには空気も大変薄く、地面は乾燥し草一本生えていない。しかし、それ自体はこれほどの大きさの山ならごく普通の話。
では、この山頂付近を何が異常たらしめているのか?――それは常に虹色のオーロラで山頂全体が包まれていることだ。この地には本来オーロラが発生するような地理的・気象的条件はない。だからこそ、何者かの干渉によることが考えられた。
「気が進まねえな。何故オレ達がわざわざ山登りしてまでやらなくちゃならんのだ」
「仕方ないだろう。そういう命令だし」
ある日の朝。そんな不気味な山頂のオーロラの目前に2人の人物が立っていた。
文句を言う1人は髑髏のような顔をした、血管のような縞模様が特徴の怪人。そして、それを宥めるのは不気味なダークグリーン色の顔をし、緑色のパーカーを羽織った宇宙人である。
「あーあ。あの時レイオニクスバトルで
ドクロ怪人 ゴルゴン星人(RB)
かつて再生怪獣サラマンドラを操り、地球侵略を目論んだ宇宙人の同種族。ミクロ化してサラマンドラの細胞に潜り込むという方法で怪獣共々地球に侵入・潜伏し、侵略の障害となるUGMの各国のキャップを次々と暗殺していった狡猾な宇宙人である。
別名通りゴーグル状の赤い目をした髑髏のような顔をしており、地球人に近い細身で真っ黒な体に所々血管のような白い筋の走った縞模様、体各所を繋ぐ管が特徴。ミクロサイズの縮小化能力の他に変身能力に極めて長けており、臓器まで完全に再現出来る上に死亡しても変身は解けない。行動の際は集団で行動する。
「そんなこと言うな。こっちまでむなしくなる」
四次元宇宙人 バム星人(RB)
かつて四次元ロボ獣メカギラスを操り、地球侵略を目論んだ宇宙人の同種族。四次元空間を行き来出来る電車を通常の終電に思った人々を乗せて拉致、そのまま催眠術で操ってメカギラスを製作させ、侵略の障害となりうる各地の防衛拠点を破壊しようと企んだ。
毛髪のないやや大きな顔に、ダークグリーンの肌と青白く光る目、地球人に近い細身の体躯を持つ。地球人への変身能力を持ち、拳銃や棍棒を武器に集団で襲いかかる。
「負けちまったんだよ、オレ達は」
「だから言うなって!」
レイオニクスバトルに負けたことを強調するゴルゴン星人に、バム星人は苛立った様子で吐き捨てた。
「後悔するなら最初から降伏なんてしなきゃよかったじゃないか」
「………」
バム星人からそう言い返され、ゴルゴン星人は黙ってしまった。
「命が惜しかったからそうしたんだろ」
「そうさ」
ゴルゴン星人は自嘲する。そう、この会話を聞いていれば分かる通り、この2人は既にこの惑星アシヨシでのレイブラッド星人後継者レースに敗れ、脱落している。
「レイブラッド星人の後継者の座に目がくらみ、この星にやって来たはいいが、結果はこのザマさ」
「………」
「今やメンシュハイトの使いっ走り。どうしてこうなっちまったんだか…」
ゴルゴン星人は哀しそうに空を仰ぐ。そして、バム星人もまた同じ気持ちではあった。
2人をレイオニクスバトルで打ち負かしたのは、メンシュハイトとかいう究極進化帝王を名乗る酔狂な宇宙人。しかし本人の強さも怪獣の強さも本物であり、弱小レイオニクスであった2人は叩きのめされ、すぐに自分の命惜しさに降伏してしまった。
今では奴隷同然の扱い。宇宙船も壊された2人は逃げることも出来ず、冷酷非情な帝王の気紛れに怯える日々である。
「ツイてねえよな。お前もオレも……」
「言うなよ……」
今もまたこの不気味な山に潜む怪獣あるいはレイオニクスの所へ向かい、主の下に加わるよう説得あるいは懐柔する任務を与えられていた。
しかし、弱小レイオニクスが強豪レイオニクスや怪獣相手に出逢えば大抵はどうなるか、あえて説明する必要はあるまい。だからこそ2人は気乗りしなかった。
「なあ。今回の任務、成功すると思うか?」
「相手を見なきゃなんとも言えねえよ」
「成功したら、メンシュハイトの野郎は何かしら褒美でもくれると思うか?」
「……くれると思うか?」
「いいや」
バム星人に問い返され、ゴルゴン星人は頭を振る。
はっきり言って、メンシュハイトにとって2人は捨て駒である。戦力の確保に成功すればそれで良し、失敗して死んだところで別に痛手ではない。そして、その事実は2人共理解している。
「なんかバカバカしくなっちまったなあ………ん」
ゴルゴン星人は心底うんざりした様子でそう呟いたが、ふとそこで思いついた。
「そこで早速相談なんだが、ヤツの下から2人で逃げちまわねえか?」
「ああ!? 俺もお前も宇宙船は裏切り防止のためにぶっ壊されちまってるじゃないか!」
仲間からの突然の提案にバム星人は困惑した。
「どうせ俺等はあいつにとって大した存在じゃねえし、逃げたところで星中探し回ってまで殺すメリットなんかねえだろ。まあ、宇宙船はない以上、この星には永住することにはなるが……」
「嫌だよ俺は! あいつから逃げても、今度はこんなヤバい星で自給自足で暮らす羽目になる! それがどれほど大変か分からねえわけじゃねえだろ!」
バム星人がゴルゴン星人の提案を全力で拒否する通り、惑星アシヨシは全マルチバースでもまさに最悪の星である。いくら地球そっくりの自然豊かな星とはいえ、怪獣がそこかしこに生息する“怪獣超無法惑星”なのだ。
いくら凶悪宇宙人であっても、明日の命の保証はない。ましてや、2人共凶悪宇宙人の中では戦闘能力がかなり低い部類。バトルナイザーの怪獣があったところで、いつまで生き延びられるか分からないのだ。
「じゃあ、今日の任務が成功するとお前は思っているのかよ!」
「………」
「ほら、思っていないだろう!」
ゴルゴン星人にそう問い詰められ、バム星人は図星なのか黙ってしまった。しかし、仮に任務を拒否したところでメンシュハイトに粛清される羽目になるだけだ。
「可能性の高い順で考えてみろ。捨て駒にされるぐらいなら、ここで逃げちまった方がまだ生き延びられる可能性が高えだろうが!」
「言いたいことは分かる。けどさぁ……」
言い返せはしなかったが、それでもバム星人は迷っていた。
正直、命惜しさに降伏してメンシュハイトの部下になったものの、その扱いには大いに不満を覚えていたのはバム星人も同じである。だが、それでも踏ん切りがつかない。
「ふふふふ。逃げるのは無理だと思うよ」
「!」
「誰だ!?」
星人2人が言い争っていると、突如周囲に響く声。2人は慌てて周囲を見回しながら、バトルナイザーを取り出す。
「レイオニクスらしき2人が戦いもせずつるんでいる。不思議に思ってしばらく観察させてもらったが、聞いてみれば誰かの遣いで、しかも奴隷扱いときた。
実に哀れだ。どれ、私がその境遇から解き放ってあげよう」
2人のやや離れた後ろの地面から、白い泡が噴き出したかと思うと、やがて赤い怪物のような姿へと変わる。
「ああ、そうだ。私が誰かって聞いてたな?――死神さ!」
泡星人 アルゴ星人(RB)
100万年以上前にブラックホール化して滅んだアルゴ星の生き残りの末裔。以前は温厚な種族であったようだが、母星滅亡に加え、食料となる炭酸ガスを求めて宇宙を彷徨う内に性格が荒んで自己中心的な性格となってしまった。
さらには、流浪の内に他の知的生命体の知能を吸収してさらに高等な生物へと進化する野望をも抱くようになり、今では知的生命体の頭脳を捕食する狂気の怪物へと変貌してしまっている。
本来の姿は別にあるようだが、巨大化時に見せた戦闘用の姿は、パイプウニのような大量の突起を頭部から背中にかけて生やし、クローアームのような手、口から鋭い牙を生やした真っ赤な怪獣のようなもの。
別名の通り泡を操る能力を持ち、これで全身を覆って戦闘用の姿に変化する他、獲物の知的生命体を溶かして頭脳を吸収する。それと人間への憑依能力を持つが、その際は憑依相手の影がアルゴ星人のものへと変化してしまう。ちなみに本人は強い光を苦手としており、人間への憑依能力はその弱点を補うためでもある。
「死神だァ!? コノヤローふざけやがって!」
「待て! 説得が先だ!」
突如現れたアルゴ星人のふざけた態度に怒り、ゴルゴン星人はバトルナイザーから早速怪獣を召喚しようとするが、それをバム星人が制した。
「今までの話を大体聞いていたなら事情は分かっているだろうが」
「先に言わせていただこう。答えはNoだ!」
「チッ! やっぱりこうなるんだ! レイオニクス相手に話し合いで解決出来るはずがねえ!!」
しかし、説得を始めようとした矢先、アルゴ星人には即刻拒否されてしまう。交渉が即座に決裂したのを見たゴルゴン星人はメンシュハイトの命令は無意味であり、あの男は愚かだと苛立ち気味にそう吐き捨てた。
「我等が主のメンシュハイトの下に来ないなら、力ずくで連れて行くしかない!」
「フ……そのメンシュハイトとやらの奴隷扱いに耐えかね逃げ出そうとした連中にしては、ずいぶん強気じゃないか」
「テメェ、言わせておけば好き放題言いやがって!!」
図星であったせいかゴルゴン星人は激昂するが、そんな彼をアルゴ星人は冷笑する。
「未だに分かっていないようだな? レイオニクスバトルに敗れた負け犬には、何の権利もないんだよ!!」
「ガタガタうるせぇんだよキザヤロー!! 交渉決裂した以上、テメェを生かしておく理由だってねえよな!!」
『バトルナイザー、モンスロード!』
今回の任務の成功率を悲観し、つい先ほど仲間に自身と一緒に逃亡を勧めておきながら、今のドクロ怪人は怒りのあまり相手を殺すことしか頭になかった。その殺意に反応し、彼のバトルナイザーは怪獣を召喚する。
「ゲゴオアアアア!!」
大蛙怪獣 トンダイル
かつてウルトラマンタロウと戦った怪獣の別個体。東京郊外の地底で何千年も眠り続けていたというカエルの怪獣。カエルの怪獣らしく水陸両用で、かつ高い跳躍力を誇る。
全体的には人型になったカエルの化け物という見た目をしており、他は赤い目と顔からの真横に伸びる鋭い突起が特徴。赤目は夜中では人魂に見え、そのせいか潜んでいた人食い沼には人魂伝説があった。口からは粘着糸や猛烈な火炎を吐く他、目からは催眠光線を放って人間を催眠状態にし、口から吐く【トンダイルカプセル】の中に閉じ込め、冬眠用の食料として保存しておく習性がある。
「仕方ない。こうなったら俺も加勢してやる!」
『バトルナイザー、モンスロード!』
こうなった以上、最早戦うしか道はない。自陣の勝率を上げるため、バム星人もまた怪獣を召喚する。
「キュヒリリリリ!」
古代怪獣 ダンガー
かつてウルトラマンジャックと戦った怪獣の別個体。沖縄県南大東島の洞窟で眠っていた怪獣で、同島を調査しに来たグループによって発見され、洞窟を爆破して処分されそうになるものの死なずに覚醒、一行に襲いかかった。
暗い灰色の体色に、ドレッドヘアを思わせる大量の長い房状の頭部のコブ、上顎から伸びた1本の鋭い牙、鋭い爪が1本だけ生えたグローブ状の手、長い尻尾が特徴。特に飛び道具や超能力は持たないが、皮膚は頑丈でマットアローの攻撃が通用しなかった。
「ふぅん、なるほど……最弱というほどでもないか。
とはいえ、及第点には到底及ばないな。君達が敗れた理由がこれで分かったよ」
召喚された2体の怪獣を見てもアルゴ星人は至って冷静で、笑いながら査定する余裕さえあった。当然、遣い2人はそれが大層気に入らない。
「それが遺言のつもりか?」
「カッコつけてるのが気に入らねえんだよ!」
「ゲゴオアアアア!!」
ゴルゴン星人の怒りに反応し、トンダイルが右足を上げてアルゴ星人を踏み潰す。しかし足応えがなく、大蛙怪獣が確認しようと足を持ち上げると、そこには
「はっはっはっは……さすがに無策でレイオニクスに相対はせんよ」
「「!」」
2人が後ろを振り返ると、そこにはアルゴ星人の姿があった。
「我々はレイオニクス。故にレイオニクスバトルで勝敗を決めようじゃないか」
『バトルナイザー、モンスロード!』
アルゴ星人もまたバトルナイザーを取り出し、怪獣を召喚する。
「「「「っ!!」」」」
召喚された怪獣を見るなり、星人2人と怪獣2体は仰天する。
「ゲァァァァァァ!!!!」
吸血怪獣 ギマイラ
かつてウルトラマン80の戦った怪獣の別個体で、かつて80が戦った中でも特に強豪として知られる強力な怪獣。
青みがかった黒い全身は腹部と腕の内側以外はびっしりと短い棘に覆われ、他に鼻先の長大な一本角、枝状になった触手型の非常に長い舌、手足の鋭い爪、長い尻尾が特徴。一見オーソドックスな怪獣らしい見た目をしているが知能は非常に高く、口から放つ催眠能力を持った霧、舌から流す電撃、触手での吸血など、多彩な能力を持つ。パワーも80を上回り、体表も攻撃した方が痛がるほど強固である。
そして角先から放つ光線はなんと生物を怪獣化させる力があり、これでタコを怪獣ダロン、UGMのイトウチーフを怪獣ラブラスに変え、自身の用心棒としている。
「ギ…ギマイラ!?」
「ウソだろ!?」
怪獣を見て慄く2人。ギマイラは自分達の相棒よりも遥かに強力な怪獣故、それも無理からぬことだった。
「ここまで驚かれるとはね。君達は所詮落伍者、それを改めて実感したよ」
しかし、アルゴ星人的にはそういう態度はかえって意外だったらしい。何故なら、彼等と違ってこの宇宙人はセカンドステージまで勝ち上がった剛の者。肝の座った凶暴なレイオニクス達と今まで戦い続けてきた。
もっとも、そんな倒してきた敵達は
「う、うるせぇ! やれぇトンダイル! お前の実力を見せてやれ!」
「怯むなダンガー! いくらギマイラであっても2対1! こっちが有利だ!」
「ゲゴオアアアア」
「キヒュリリリリ」
前方からトンダイルが、後方からダンガーがギマイラを挟み打ちする。
「ゲゴ!」
トンダイルは口から早速高熱火炎を放射、ギマイラに浴びせかける。しかし吸血怪獣は当たる寸前、口から宇宙のカオスを凝縮した霧を放出して防いでしまった。
「ゲァ!?」
しかし、今回は2対1である。前方だけに注視しててもいけない。
がら空きとなった背後からダンガーが渾身の前蹴りをいれ、格上の怪獣を蹴り倒す。
「さすがにコンビネーションは取れているか」
アルゴ星人は余裕気な態度でその攻防を眺めている。相棒が蹴り倒されておきながらダメージをくらった様子はないため、“真のレイオニクスバトル”を発動してはいないようだ。
「今だ!」
「一気に畳みかけろ!」
倒れたギマイラへ、トンダイルとダンガーは激しいストンピングを叩き込む。
「鬱陶しいな。反撃しろ」
しかし、アルゴ星人もこれ以上相棒を茶番に付き合わせる気はないらしい。その意を受け、ギマイラは2体怪獣の脛を棘付きの裏拳で殴り、怯んだ両者は一旦離れた。
「この一連の攻防で君達の怪獣の強さは大体分かった。
ギマイラ、そいつらはいらん。殺処分してかまわんぞ」
「ゲァァァァァァ!!」
待ってましたとばかりにギマイラが咆哮する。そして、その双眸が高まる殺意に反応してか妖しく輝いた。
「ナメるな!!」
ダンガーがギマイラの顔目がけ、右フックで殴りかかる。
「ギヒュッッ!!??」
だが、ギマイラが口から伸ばした舌に右腕が絡め取られ、そのまま身動きが封じられた。
「ゲゴ!」
ダンガーの動きは封じられたが、見方を変えればそれはギマイラが向こうにかかりきりということ。その隙を突き、トンダイルは口から20近いトンダイルカプセルを瞬時に発射、吸血怪獣の背中に張り付かせる。
「くらえ!」
くっついたトンダイルカプセルが爆発し、ギマイラは爆炎に包まれた。
「ハハッ! 油断しやがったなざまあみろ!!」
敵怪獣がカプセル爆弾をまともにくらったのを見て喜ぶゴルゴン星人。
「え!?」
「なっ!?」
しかし、爆炎が晴れてから、両宇宙人は仰天する。
見れば、ギマイラの全身は多少焼け焦げた痕がある程度で、大したダメージにはなっていなかった。本人も舌を伸ばしたまま平然としており、体に付いた煤を左手で払っている。
「負け犬どもの飼っている怪獣だ。所詮この程度でしかないようだな」
アルゴ星人は冷笑を浮かべ、動揺する2人を見やった。
「怯むなトンダイル!」
「ッ!」
トンダイルカプセルが効いておらず呆然としていたトンダイルだが、飼い主に叱咤され我に返ると、再び爆炎をギマイラに向かって吐きかける。
「ゲァ!!」
「!?――ギャアアアアアア!!」
しかし、ここでギマイラは舌の力だけでダンガーを持ち上げて振り返り、そのままトンダイルの炎を防ぐ盾としてしまう。味方の猛烈な爆炎に炙られ、ダンガーは悲鳴を上げた。
「おい、やめさせろ!! 俺のダンガーが死んじまう!!」
「わ、分かったトンダイルやめろ!!」
バム星人に猛抗議され、ゴルゴン星人は慌ててトンダイルに攻撃をやめさせる。
「それでもそのまま攻撃を続けさせた方がまだ良かったかもなぁ!!」
「ゲゴ!?」
「ギヒュ!?」
しかし、アルゴ星人は2人の行動を嘲笑うと共に、ギマイラは舌で持ち上げたダンガーをトンダイルに叩きつけた。ダメージとパニックで両者は倒れ、ジタバタともがいている。
「ゲァァァァァァ!!!!」
ギマイラはそんな2体に口からの白い霧を噴射。猛烈な勢いのそれはやがて2体の怪獣へ引火・大爆発し、ダンガーは動かなくなった。
「ゲゴオアアアア!!!!」
ダンガーの死体をトンダイルが持ち上げてギマイラに投げつけると、トンダイルカプセルを乱射する。しかし、ギマイラは命中前にダンガーの死体を受け止め、再び盾として利用。さらにはカプセルの爆発寸前に投げ返したことで、トンダイルは自分の吐いたカプセルのせいで大ダメージを受けてしまう。
「とどめだ!」
それでもトンダイルは倒れなかったが、ダメ押しとばかりにギマイラは突進、角を大蛙怪獣の胸へ突き刺す。そしてそのままエネルギーを流し込まれ、赤熱したトンダイルは爆散してしまった。
「これがファーストステージを勝ち抜いたレイオニクスと怪獣の実力だ! 理解していただけたかな?」
そう皮肉たっぷりに敵コンビに語りかけるアルゴ星人だったが、彼等は自分達の敗北にショックを受けて呆然としており、聞こえていないようだった。
「ん~~。殺すつもりだったが、いざその場面になると面白くなくなったな」
このまま手駒のなくなったレイオニクス2人を抹殺するのは簡単である。しかし、敗れて茫然自失の2人を今ギマイラが踏み潰しても面白い反応は見れそうにもない。
「そうだ! ギマイラ、彼等を“更生”させてやれ」
「ゲァァァァァァ!!」
ギマイラは角から怪光線を発射し、宇宙人2人に浴びせた。
「お…」
「う…」
するとゴルゴン星人とバム星人は急激に姿を変化させながら巨大化。あっという間にギマイラとほぼ同じ大きさとなる。
「ゴオオオオオオ!!」
星人怪獣 ラブラスゴルゴン
「バオオオオオオ!!」
星人怪獣 ラブラスバム
かつてUGMのイトウチーフにやったように、星人2人は恐竜にも似た怪獣へと変身し、ギマイラの傀儡となってしまった。
「これでメンシュハイトとやらから解放されたな。はーっはっはっは!」
アルゴ星人が高笑いする通り、これでもう彼等がメンシュハイトに従う必要はなくなった。もっとも、命こそ失わなかったものの、その代償はあまりにも大きすぎたが。
「おっと、ちとウォーミングアップに時間を割き過ぎたな」
アルゴ星人は振り返り、山頂を覆うオーロラを見やる。
あの2人は勘違いをしていたが、この山頂を縄張りとしている者は彼ではなかった。そう、彼もまたこの山にやって来た挑戦者にすぎない。それだけにこの怪獣と化した2人が色々救われないと言えるだろう。
「では、行こうか」
「ゲァ」
そしてアルゴ星人、ギマイラ、そして星人怪獣2体は恐れずオーロラの中に入っていった。
用語解説
ドクロ怪人 ゴルゴン星人(RB)
二つ名は特になし。かつて再生怪獣サラマンドラを操り、地球侵略を目論んだ宇宙人の同種族。サラマンドラの細胞にミクロ化して潜り込むことで宇宙船を使わず地球に侵入後、東京都内の廃工場に潜伏し、そこからUGMの各支部のキャップクラスの要人を暗殺していった。
その名の通り、赤いゴーグルのような目の付いた髑髏のような頭部をしており、黒く細身の体躯が太い血管のような白い筋で覆われ、他に体の各所を繋ぐ管のようなものがいくつも付いている。
集団で行動するタイプの宇宙人で戦闘能力こそ大したことがないが、その分数々の超能力を持った多芸な種族。ミクロまで自分の体を縮小する能力やテレポート能力を持つが、一番厄介なのは変身能力で、対象の内臓まで完璧に模倣することが出来、しかも死んでも変身は解けない。これで地球人の要人の姿で殺されることで相手に殺人の濡れ衣を着せることに成功している。ただし、この高度な変身能力もβ光線という特殊放射線を当てると解けてしまう弱点はある。
これらの能力を駆使し暗躍したが、サラマンドラは80に倒され、オオヤマキャップの濡れ衣も晴らされてしまう。そのため、最後の手段としてサラマンドラの細胞を回収して復活させるも今度は怪獣諸共焼き尽くされてしまった。
レイオニクスとなった本個体はレイブラッド星人の後継者となって全宇宙を支配するべくこの惑星アシヨシにやって来たが、ある時メンシュハイトと出くわし怪獣を叩きのめされ、命惜しさに降伏・部下となった。しかし、その後の扱いは奴隷同然だったため不満を覚え、相方のバム星人(RB)に共に逃亡を勧める始末であった。また非常に短気な性格で、アルゴ星人(RB)に煽られた途端激昂し、先ほどまで消極的だったレイオニクスバトルに自ら挑んでしまった。そんな性格だが、バム星人とは同じ境遇もあってかある程度友情を築いていた模様。
集団でなく個人で活動していたせいかは不明だが、相方はサラマンドラでなく大蛙怪獣トンダイル。関係は良くも悪くも普通といったところだが、向こうから叛意を抱かれていないだけマシと言える。ただし、彼自身のレイオニクスとしての実力は低い。
メンシュハイトに言い渡された任務の最中アルゴ星人(RB)に出くわし、彼が目当てのレイオニクスと思って戦うもトンダイルはギマイラに殺害され、彼も怪獣に変えられてしまう。
四次元宇宙人 バム星人(RB)
二つ名は特になし。かつて四次元ロボ獣メカギラスを操り、地球侵略を目論んだ宇宙人の同種族。四次元空間へ前線基地を作り、内部でメカギラスを製造すると共に各地の防衛拠点へと送り込み、破壊しようとした。そのために送り込んだ四次元空間を行き来出来る電車に人々を終電と間違わせて乗り込ませて拉致し、催眠術で操ってメカギラスの製造に従事させている。
人型に近いが大きめの顔に、ダークグリーンの肌をしているが、体躯自体は地球人とほぼ同じ。その時の個体及び集団はノースリーブの白い制服のような服装をしていた。高い科学力の他に地球人への擬態能力を持つが、それ以外には目立った特殊能力はないようだ。
集団で行動するタイプの宇宙人であり、電車に乗って四次元空間へ侵入したウルトラマン80=矢的猛を襲撃した際には警棒や拳銃で武装し襲いかかった。だが、深手を負っていた彼に全員あっさり撃退され、空間コントロール装置もメカギラスもその後変身した80に破壊される始末であった。
レイオニクスとなった本個体は全宇宙の支配者となるべくこの惑星アシヨシにやって来たが、ある時メンシュハイトに出くわし怪獣を叩きのめされ、命惜しさに降伏・部下となった。しかしその後の扱いは奴隷同然だったらしく不満を溜め込んでいたが、相方のゴルゴン星人(RB)のように逃げ出す覚悟はなかった。とはいえ、不平不満ばかり言うゴルゴン星人と違い、ある程度現実が見えていたとは言える。また、ゴルゴン星人とは同じ境遇もあって、ある程度友情を築いていた。
集団でなく個人として活動していたせいかは不明だが、相棒はメカギラスでなく古代怪獣ダンガー。関係は良くも悪くも普通といったところだが、向こうから叛意を抱かれていないだけマシと言える。ただし、彼自身のレイオニクスとしての実力は低い。
メンシュハイトに言い渡された任務の最中アルゴ星人(RB)に出くわし、彼が目当てのレイオニクスと思って戦うもダンガーはギマイラに殺害され、彼も怪獣に変えられてしまう。
泡星人 アルゴ星人(RB)
二つ名は“泡にまみれた死神”。ウルトラマン80と戦った宇宙人の同種族で、100万年以上前にブラックホールとなって滅んでしまったアルゴ星の生き残りの末裔。以前は温厚な性格の種族であったとのことだが、母星が滅んだ後食料となる炭酸ガスを求めて宇宙を流離った過程で荒み、性格も自己中心的になってしまった。
さらには、他の知的生命体の知能を吸収することでより高等な生物へと進化するという野望を抱くようになった。そのせいで、現在では他の知的生命体を襲っては泡で溶かして頭脳を喰らうという邪悪な怪物へと変貌してしまっている。また、この狂気の振る舞いの甲斐あってか、肉体のない精神生命体に進化しかかっているという。
本来の姿は別に存在するようだが、巨大化時には全身を泡で包んで怪獣のような姿へと変わる。赤い体をしており、頭から背中にかけてパイプウニのような太い棘で覆われている。両手はレンチのような形状で、口からは鋭い牙がのぞいている。
能力は別名通り泡に関するもので、この泡で全身を包んで怪物のような戦闘形態に変身したり、生物を溶かして頭脳を吸収したりする他、宇宙空間を移動する時の宇宙服にもなるという。他には他者への憑依能力を持つが、対象の影がアルゴ星人の形に変化してしまう弱点がある。また、強い光を苦手としており、前述の憑依能力や泡で全身を包むことで防いでいる。それと背中の棘からロケット弾幕を飛ばしたり、口から溶解泡を吐く。
地球人の若いエネルギーを狙い、ある科学者に憑依して地球に侵入・次々と人々を襲って溶かしていったが、80と戦闘になり倒されている。
レイオニクスである本個体はレイブラッド星人の後継者の座を狙っているが、その目的はレイブラッド星人の力で究極の生命体へと一気に進化すること。そのため従来の個体のように地道に知的生命体を襲って頭脳を吸収するのには消極的で、むしろその手間が無駄だとすら考えている。また死神を自称するなど気障りで自惚れた振る舞いが目立つが、強力な怪獣であるギマイラを使役するなど、レイオニクスとしての実力は高い。
尚、ゴルゴン星人(RB)とバム星人(RB)にこの山を縄張りとするレイオニクスかと勘違いされていたが、実際には彼もまたこの山にいるレイオニクスらしき存在に挑みに来た挑戦者であった。
大蛙怪獣 トンダイル
かつてウルトラマンタロウと戦った怪獣の別個体。東京近郊の地底で何千年も眠り続けていたカエルの怪獣で、その赤い目が夜になると人魂のように見えることから、根城としていた人食い沼では人魂伝説が伝えられていた。
肉食の怪獣で夜な夜な人食い沼から顔を出しては、通りがかった人間を目からの催眠術で動けなくしてから長い舌で捕らえ、口から吐く【トンダイルカプセル】に閉じ込め冬眠用の保存食として集めていた。
全体的には赤茶色の見た目をした人型のカエルの化け物といった見た目をしている。その他、顔の真横には突起が伸びており、夜中に見ると人魂に見える赤い目が特徴。
カエルの怪獣だけあって高い跳躍力を持つのと舌がかなり長く伸び、他に赤い目からの催眠術、口から吐く糸や火炎、そしてトンダイルカプセルが戦力。これは人間を閉じ込める容器となるだけでなく、対象にぶつけて攻撃させることも出来るがスカイホエールには全弾撃ち落とされた。
本個体はゴルゴン星人(RB)に使役されている。従来の能力の他、トンダイルカプセルを爆弾のように爆発させられるようになったが、ギマイラには通用しなかった。ゴルゴン星人との関係は可もなく不可もなしといったところ。ダンガーと組むのは初めてだが割と上手くいったものの、向こうが死んだ際は容赦なく武器にしている。
古代怪獣 ダンガー
かつてウルトラマンジャックと戦った怪獣の別個体。沖縄県南大東島の洞窟内で休眠していたところ、MATの南隊員と島の調査に来たグループに発見された。覚醒して被害を出す前に爆弾で生き埋めにする作戦となったが、寸前で覚醒し暴れ出してしまい彼等に襲いかかるも結局ジャックに倒される。とはいえ、洞窟で寝ていたところを人間の都合でいきなり殺処分されそうになった彼は被害者であり、落ち度はないと言える。
暗い灰色の体色に、ドレッドヘアを思わせる大量の長い房状の頭部のコブ、上顎から伸びた1本の鋭い牙、鋭い爪が1本だけ生えたグローブ状の手、長い尻尾が特徴。特に飛び道具や超能力は持たないが、皮膚は頑丈でマットアローの攻撃が通用しなかった。コブは威嚇のため使用するようだが、エネルギーを蓄積する器官でもあり、ジャックとの戦いでは引き千切られまくり弱体化していた。
本個体はバム星人(RB)に使役されている。バム星人との関係は可もなく不可もなしといったところ。トンダイルと組むのは初めてながら割と上手くいったが、ギマイラのホワイトスモークを浴びせられた際、トンダイルに覆い被さる位置だったのが災いし爆発をくらい死亡。おまけに死体はトンダイルに投擲武器代わりに使われるという報われなさだった。
吸血怪獣 ギマイラ
かつてウルトラマン80の戦った宇宙怪獣の別個体。80が戦った中でも特に強豪として知られる、高い知能と戦闘能力、さらには特異な能力を持った怪獣。
80の現れる20年前、UGMのイトウチーフの婚約者となる宇宙人女性・星沢子の宇宙船を襲撃・地球に飛来すると共に、潮風島に潜伏して夜な夜な島民を操りその血を舌で吸っていた。ただし、襲撃の際に深手を負ったのか、回復は20年経っても終わっていない病み上がりの状態だったようで、本来の実力はさらに高かった可能性もある。ちなみにその時の個体が実行したのかは不明だが、冷水を摂取することで傷を癒やすことが出来る性質を持つ。
青みがかった黒の体色で、首前面から腹部以外の全体が太く短い棘でびっしり覆われている。頭部は大きく、鼻先には長大な一本角を生やし、手足の鋭い爪と長い尻尾を持った厳つい外見をしているのが特徴。舌はヒドロ虫の如く枝分かれした触手状で、これで一気に多数の獲物の血を吸う。
口から吐く霧【ホワイトスモーク】は宇宙のカオスが凝縮したものとされ、吸い込んだ生き物の思考能力を低下させて操る。これで島民を操って夜な夜な血を吸っていた。また、勢いよく吹き付けることで戦闘機やビルを破壊するほどの威力の攻撃も出来る。鼻先の角は押し付けてエネルギーを送り込み敵を破壊する他、舌からも高圧電流を流すことが可能。そして単純なパワーや防御力も優れている。
そして一番厄介かつ異質な能力が角先から放つ怪獣化光線で、これで生き物や人間を怪獣に変えると同時に自身の手駒として操ることが出来る。これでイトウチーフを人間怪獣ラブラスに変えて操った他、タコを怪獣ダロンへと変えて用心棒としていた。また、怪獣から元の生物に戻る際は死ぬ時だけという残酷な能力でもある。
地球襲来より20年後に休眠から目覚めて活動を再開し、島の異変に気づいてやって来たイトウチーフをラブラスに変えてしまう。その後、島にやって来たUGMや80と激闘を繰り広げ、反旗を翻したラブラスの犠牲と引き換えに死闘の末倒された。
本個体はアルゴ星人(RB)に使役されている。80を圧倒した戦績は宇宙でも有名だったようで、召喚された途端ゴルゴン星人(RB)とバム星人(RB)が当初戦意を失いかけたほどだった。とはいえ、アルゴ星人曰く今まで戦ってきた強豪レイオニクス達はギマイラを見た程度で戦意を失うような情けない輩はいなかったとのこと。
2対1でありながら、敵に大したダメージを負わされることなく勝利している。そして残った敵のレイオニクス2人を怪獣化光線を浴びせ、怪獣に変えてしまった。
星人怪獣 ラブラスゴルゴン
星人怪獣 ラブラスバム
レイオニクスバトルに敗れたゴルゴン星人(RB)とバム星人(RB)が、ギマイラに怪獣化光線を浴びせられ怪獣化したもの。かつてラブラスへと変身させられたイトウチーフと同じくギマイラの操り人形となっている。さらに悪いことに、怪獣化したことで細胞が変化を起こしており、変身と洗脳が解けるのは死亡後という有様。
体型こそラブラスと変わらないが、ゴルゴンは変身前と同じく黒地に血管のような白い線が、バムは全身がダークグリーンとなっている。左手も両者異なり、ゴルゴンは
アルゴ星人(RB)曰く、かつての手駒だったトンダイルやダンガーとそう変わらない強さへと変化しているとのこと。また、捨て駒として見るなら必要十分な強さであるとのことである。