文章量は普段の2話分ぐらいあるけど、話の流れ的に分割出来なかったので、今回は一話完結。
――とある山頂――
かつてチブル星人が根城としていた岩山の頂。ここでアルゴ星人とのレイオニクスバトルが繰り広げられたが、虚空怪獣グリーザの乱入により水入りとなり両者撤退。チブル星人もここを放棄する羽目となった。
「フン、こんな場所をわざわざ縄張りとするとはな。頭でっかちの考えることは分からん」
長い蒼髪をたなびかせ、呆れ顔でそう吐き捨てるように言うペルフェクト星人。
彼女もまたグリーザにより、手駒の怪獣達を大幅に減らされた。その
「まぁいい。さっさと終わらせよう」
さっさと用事を済ませようと、蒼髪の女はギガバトルナイザーを天に向ける。
すると、1条の光がこの棍棒より放たれると共に、やがて黒い怪獣の姿へと変じた。
「ゴルルルルルル……」
怪獣酋長 ジェロニモン
かつて初代ウルトラマンと戦った怪獣の別個体。『怪獣の蘇生』という破格の能力を持ち、この能力でかつて初代ウルトラマンと科学特捜隊に倒された60体の怪獣を秘密裏に復活させ、総攻撃をかけようとした。
体型こそオーソドックスな爬虫類型怪獣であるが、下顎に長い髭を生やし、また頭部から背中にかけて赤・白・青の色とりどりの羽根飾りに見える羽毛が特徴。尻尾の先端に生える羽毛は飛ばして遠隔操作出来る毒針羽根になる他、口からは反重力ガスを吐く。怪獣としては知能も非常に高く、戦略的思考の下に行動している。
「ジェロニモン、私が失った怪獣達を蘇らせるのだ」
「ゴルルルル……」
召喚して早速、ペルフェクト星人はジェロニモンに自身の怪獣の復活を行うよう命じる。
グリーザ捕獲のために多数の手駒の怪獣を失いはしたが、他のレイオニクスと違い、彼女にはジェロニモンがいるため、その損失の穴埋めは至極容易いものである。ジェロニモンの能力により、自分の怪獣は強化された状態で蘇らせられる他、あるいは他のレイオニクスの死んだ怪獣を蘇らせて強制的な支配下に置くことも可能だ。
彼女が自分の怪獣が死ぬのをそこまで悲しまないのは、この怪獣の存在のためだと言っても過言ではない。
「ゴルルルル…!」
唸り声と共に両腕を交差させると、ジェロニモンの体が青白い光を帯びる。惑星アシヨシを彷徨う怪獣の霊魂を呼び寄せ、実体化させるためにエネルギーを集中しているのだ。
これから5分もしない内に、彼女の怪獣軍団は再び揃うことになるだろう。
その未来図を頭の中に思い描き、先ほどから一転、蒼髪の女は満足気な笑みを浮かべる。
「!」
しかし、順調にいくはずだった計画はここで狂いが生じた。
何かに気づいたのか、ジェロニモンはここで復活の儀式を取りやめ、空を見上げたのである。
「……敵か」
笑顔が消え、至極うんざりした様子でそう呟くペルフェクト星人。凡百のレイオニクスと違い、配下の怪獣が儀式をやめたことをここで見苦しく叱責はしなかったが、余計な手間が増えたことに対する苛立ちがその顔から見て取れた。
「その通りだ、美しいお嬢さん。残念ながら、思っていたより早く気づかれてしまったな」
いつの間に現れたのか、彼女等のすぐ近くの空中に浮かぶレイオニクス。
甲冑を纏ったようなメカニカルな見た目で、コウモリのような背中の皮膜を広げるその姿はスマートさに加え気品すら感じさせる。
「では、早速だが自己紹介といこう。私はバット星人。以後お見知りおきを」
触角宇宙人 バット星人(RB)
かつてウルトラマンジャックが戦った宇宙人の同種族であり、そしてジャックの地球防衛時代に戦った最後の侵略者として知られる。ゼットン星人と同じく、宇宙恐竜ゼットンの養殖・育成に関して無類の技術を持ち、その時の個体も地球にゼットン2代目を連れてやって来た。
外見に関しては、同じバット星人でも見た目が全く異なる二種類が存在するようであり、本個体はその内“エリート”と呼称されるタイプ。
ジャックと戦った個体は手が鋏状であったが、こちらは地球人同様五指を備えており、また生身であった件の個体と違い、鎧を纏ったかのような姿で、かつ細身のヒューマノイド体型である。体の皮膜も、ムササビのように胴体側面に生えていた件の個体と違い、こちらは背中から2対生やしている。しかし別名にもある触角は意外にも件の個体より小さく、あまり目立たない。
本個体はレイオニクスとしてもネオバトルナイザーを所持するエリートであり、強力な怪獣を複数使役している。
「こんな辺鄙な所にわざわざやって来たとはな。ご苦労なことだ」
「違うよ。ここにわざわざやって来たのは君の方だ。
元々は、以前この山を根城にしていたチブル星人とやらに私が挑みに来たのだが、やって来てみればもぬけの殻。だから私がいただいたというわけだ」
復活の儀式を邪魔されご機嫌斜めのペルフェクト星人に対し、バット星人は饒舌に語る。
チブル星人がいなくなった後、今度は彼がこの山頂に居着いていたらしい。よって、侵入者は彼でなく彼女の方になるというわけだ。
「私は今機嫌が悪い」
「そうお見受けする。だがまあ、そこまで時間は取らせんよ」
「ウルルルルー!!」
「「!!」」
不吉な咆哮が空に響き渡る。そして主従が空を見上げると、空の彼方に浮かぶ豆粒のように小さな物体が、あっという間に細部が見えるほどの距離まで近づいてきた。
高速で空飛ぶ
「ジェロニモン!!」
遠くまでぶっ飛んでいったジェロニモンを見て、ペルフェクト星人の美しい顔には珍しく焦燥と動揺が浮かんでいた。
レイオニクスが2人揃えば、やることはレイオニクスバトルしかない。だが、その鉄則に反し、今ペルフェクト星人はそれをやる気はない。
ジェロニモンは彼女の戦力再編のまさに要。下手にバトルを行わせて敗死する事態だけは絶対に避けなければならない。
「案ずるな。ジェロニモンの能力は私も知っている。故に殺しはせんよ」
気を失い倒れるジェロニモンだが、バット星人はそれ以上自分の怪獣に追撃させなかった。バット星人にとってもジェロニモンの怪獣蘇生能力は大変魅力的らしく、生け捕りにするつもりだったからだ。
「ちっ!」
そうはさせまいとジェロニモンを回収しに向かおうとするペルフェクト星人だったが、そこへバット星人の使役する怪獣が立ち塞がる。
「渡してもらおうか!」
「ウルルルルルルー!!」
最強合体獣 キングオブモンス
かつてウルトラマンガイアの戦った怪獣の別個体。ウルトラマンガイアが特撮アニメとして放送されるパラレルワールドに現れた怪獣であり、元々はあるいじめっ子が粘土で作った怪獣人形だったが、何でも願いを叶える『赤い球』の力で本物の怪獣となった。
暗い青の体色、頭頂部の短めの金色の角、真っ赤な三つ目、腹部に並んだ鋭い棘(実質は牙)、骨格のみで皮膜のない金色の翼などが特徴。
その少年の考えた『最強の怪獣』だけあり、口から吐く破壊光線と翼から生み出すバリア、さらには分身怪獣の生成能力まであるなど、強大な能力を持つ。
非常に特殊な出自の怪獣であるが、ギャラクシークライシス以降複数体がM78ワールドで発見・確認されており、本個体はその内の1体をバット星人(RB)が捕獲したもの。
「フン、脅す相手を間違えたな」
目を細め、そう冷酷に告げるペルフェクト星人。今回は試練ではない――そう言いたげだった。
「とはいえ、レイオニクスとしての貴様の実力は興味がないわけではない。特別に私が測ってやるとしよう」
とはいえ、彼女もまたレイオニクス。バトルを挑まれ、逃げることはしない。
その気概とプライドを示すかの如く、キングオブモンスにギガバトルナイザーを向け、ペルフェクト星人はまた1条の光を放つ。
「では、“レイブラッドの使者”の実力、拝見させていただこう」
「ウルルルルルルー!!」
光が実体化しきる前に、キングオブモンスは容赦なく口からの破壊光線を放つ。
「ウルルー!?」
しかし実体化した
「先手必勝にはならなかったか!」
バット星人は悔しそうに指を弾く。
「なかなか良い怪獣だな。だが、私の怪獣の方が上だ」
目を細め酷薄な笑みを浮かべながら、ペルフェクト星人はそう自慢気に言う。
「コゥオオオオー」
実体化したそれは妖しくも美しく、さらにはキングオブモンスと比べても尚禍々しく、そして同時に神々しさもあった。
地に足をつかず浮遊するその姿は何処か神秘的であり、同時に何処か得体の知れぬ不気味さもあった。
「! こいつは…」
即座に自分のネオバトルナイザーでデータを検索するも、その結果に驚愕したバット星人は改めて敵怪獣を見上げる。
「コゥオオオオー」
コスモイーター ルーゴサイト
元々は宇宙の害となるものを排除する、宇宙の自浄作用の化身的存在。しかし現在は暴走し、逆に宇宙に災厄を齎す恐怖の生命体へと成り果てた。生命反応を感知し次第、惑星丸ごと喰らうという恐るべき存在であり、他の怪獣とは一線を画す戦闘能力と破壊力を持つ。
固体・液体・気体の如何なる相でも自在に取ることが出来、固体相が怪獣形態に当たる。星を喰らう際はガス状形態であるが、怪獣形態でも尚圧倒的な攻撃能力と防御力で手が付けられないほどの強さを誇る。
実体化した際は直立二足歩行の龍人を思わせる、禍々しさと神々しさが同居したような姿である。赤・青・金色で彩られた派手な体色をしており、金色の連なる角や口蓋の存在しない細長い顔、鎌首をもたげた頭部、胸部の目のような4つの発光体、左右に張り出した肩の外殻(飛行時は収納している翼を出す)、下半身のスカートのような皮膜、ムカデのような形状の長大な尻尾などが特徴。
常に浮遊しており、足を使わず滑るように移動する。空間を捻じ曲げるバリアや両手からの鞭状の触手、豊富な飛び道具も強力だが、格闘戦でも歴戦のウルトラ戦士数人を相手に互角に立ち回る。そして胸部からの収束破壊光線【ゲネシスレクイエム】はその中でも最強の威力を誇り、あらゆる物質を原子崩壊させてしまう。
「まさかこんな化け物まで飼っているとはな…」
「今更怖気づいたのか? 挑んでいい相手ではなかったとな」
「いいや、上等だ! そいつもいただこう!」
ネオバトルナイザーを所持するほどの歴戦のレイオニクスなだけあり、あの伝説のルーゴサイトの出現には最初こそ気圧されたものの、バット星人は闘志を失わなかった。
「ウルルルルー!!」
キングオブモンスは起き上がり、再び口からの破壊光線を放射する。しかしルーゴサイトは再びバリアを前面に展開、そっくりそのまま跳ね返す。
「キングオブモンス! 後ろに回り込め!」
ルーゴサイトのバリア能力は先ほどの攻防で既に把握済み。よって、ただそのまま攻撃しただけでは通じないことをバット星人は分かっていた。同時に、ある程度以上の威力の光線や光弾といった遠距離攻撃に対し、ルーゴサイトは必ずバリアを展開し迎撃、跳ね返してダメージを与えようとするという防御パターンも見抜いていた。
そしてルーゴサイトは狙い通り、馬鹿正直に真正面から吐かれた破壊光線をバリアで防いだ。その動作の際には僅かな硬直があり、正面の攻撃は防げるがその時は動けない。
「!?」
キングオブモンスは囮の光線発射後、即座に行動を開始。巨体に似合わぬ超速で地面スレスレの低空飛行で動けぬルーゴサイトの背後に回り込み、再び光線を発射した。
最初の攻撃を防いだという油断もあり、ルーゴサイトの対処は遅れ、背面にキングオブモンスの全力の光線が直撃する。本来、肉体の防御力も凄まじいレベルのルーゴサイトだが、今度ばかりは体勢を崩してまともに地面に叩きつけられた。
「………!」
手足を使わない奇怪な動きですぐさま起き上がるルーゴサイトだが、キングオブモンスの方を向いた瞬間、またもや破壊光線が直撃する。今度は倒れなかったものの、まともに浴びた光線の威力を防ぎきれず大分後退してしまう。
「レイオニクスバトルでは、必ずしも強い怪獣が勝利するわけではない。戦術次第ではこのように覆せる」
「笑止。レイオニクスバトルは力こそ、怪獣の強さこそが絶対だ」
真っ向から相反する両者のレイオニクスバトルに対する価値観。そして、自らこそが正しいと証明するためには、やはりレイオニクスバトルで勝利するしかない。
「ルーゴサイト! 格下相手だからと、いつまでも遊んでいるんじゃない!!」
「コゥオオオオー」
主に叱責され、ルーゴサイトもいよいよ本気になったのか、尻尾から無数の光弾を放つ。しかし、キングオブモンスもまた翼からのバリアを即座に張り、完璧に防ぎきった。
「格下呼ばわりとはナメられたものだな。今からその格下にやられて命を落とし、ギガバトルナイザーごと怪獣を奪われることになるだろう」
「それが出来ると思っているのか? 貴様ごときに?」
そう啖呵を切ったバット星人を滑稽に思い、ペルフェクト星人はクスリと笑う。
「君ごとき倒せないようでは、私がレイブラッド星人の後継者となり、全宇宙を支配することなど夢のまた夢だろう。それがイヤだから、今この場で君を葬り去るのだ!!」
「ウルルルルー!!」
燃え上がる野心。それに応えたキングオブモンスは咆哮する。
「面白い! やってみるがいい!!」
レイブラッド星人の使者たるペルフェクト星人を撃破すれば、確かに後継者の座はもう真ん前だろう。無論、それが出来ればの話であるが。
ペルフェクト星人はレイブラッド星人が試験官の役目を与えただけあり、この惑星アシヨシにいるレイオニクスの中では最強と言っていい存在。それはあのウルトラマンベリアルと同じくギガバトルナイザーを主人から与えられたことからも明らかである。
「ウルルルルルルー!!」
キングオブモンスは今度は口からの光線をルーゴサイトではなく、その少し手前の地面に当てて爆発させる。そうして燃え上がる爆炎と舞い上がる砂煙により、辺り一帯はまともに見えなくなった。
『バトルナイザー、モンスロード!』
「コゥオオオオー」
爆炎と土煙に紛れ、薄っすらとだがキングオブモンスの姿がルーゴサイトの目に入った。すかさず前面にバリアを形成すると共に、尻尾からの光弾を複数放ち、バリア形成後の隙を補うと共に攻撃を仕掛けるが、手応えはない。
「!?」
しかし、ここで左右からの同時攻撃というあり得ない事態がルーゴサイトを襲う。キングオブモンスの遠距離攻撃はあくまであの光線だけのはず。にもかかわらず、左からは高圧水流、右からは光弾の連射をくらったのである。
さすがのルーゴサイトも一瞬動揺し、左右を見回すものの、何も見えない。
「ギュロロロロ!!」
「!!」
咆哮と共にルーゴサイトの体は何かに噛みつかれ、持ち上げられたかと思うと、そのまま地面に叩きつけられた。その驚異の防御力により大したダメージはないので悠然と起き上がるも、またもや光弾の連射を背後からくらい前のめりによろける。
そこへ追撃のキングオブモンスの光線が顔面に直撃し、仰け反ったところへ、高速で突っ込んできた何者かの体当たりを背後に受け、またもや転ばされる。
「………!?」
今度は起き上がらず、周囲を窺った。そしてうつ伏せの状態で尻尾だけを起立させ、そこから周囲を光弾で無差別に爆撃する。
「ウルルルルルルー!!」
「ギュロロロロ!!」
「コロロロロロロ!!」
「!」
百発近い光弾を乱射したせいか、さすがに避け切れずにいくつか被弾したらしい。その際、キングオブモンスの鳴き声の他に別の鳴き声が2つ聞こえた。
これにより、ルーゴサイトは敵が1体でないことを確信する。
「バレたか」
バット星人も、ルーゴサイトに何か勘付かれたことに対して、そこまで驚いてはいなかった。さすがに最後まで隠し通せるとは思っていなかったらしい。
「上へ飛べ! ルーゴサイト!」
ペルフェクト星人からの指示で収納していた巨大な翼を展開し、高速で空に飛翔するルーゴサイト。自分のせいでさらに長引いてしまった付近一帯の視界不良から逃れ、青空から下界を見下ろす。
するとキングオブモンスの他に、怪獣らしき姿が朧気に2つ見えた。
「コロロロロロロ」
骨翼超獣 バジリス
かつてウルトラマンガイア及びウルトラマンダイナと戦った、キングオブモンスの分身怪獣の片割れ。元はキングオブモンス同様ただの粘土人形だったが、赤い玉の力で現実世界に顕現した。出現の際はキングオブモンスの背中から分離している。
カマキリに似た怪獣で、翼の形状はキングオブモンスのものと類似している。灰色がかった青の体色、赤い目、左右に広がった鏃状の頭部と長い首、カマキリのような大鎌状の腕部、骨格のみの4枚の翼、昆虫に似た体表が特徴。口からは光弾【バルバリボール】を連射し、マッハ10で宇宙空間を飛び回る。
本個体はキングオブモンス同様バット星人に使役されている。キングオブモンスが1体では倒せない強敵か、あるいはキングオブモンスを出すほどもないと判断された怪獣相手に投入される。
「ギュロロロロ」
巨大顎怪獣 スキューラ
かつてウルトラマンガイア及びウルトラマンティガと戦った、キングオブモンスの分身怪獣の片割れ。元はキングオブモンス同様ただの粘土人形だったが、赤い玉の力で現実世界に顕現した。出現の際はキングオブモンスの腹から分離している。
深海魚に似た怪獣で、長い顎の形状はキングオブモンスの腹部の牙と類似している。灰色の体色、赤い目、頭頂部の鬣、鰭状の足、魚に似た長い尾が特徴だが、1番の特徴は自分の腹まで開く巨大顎【シークレットジョー】。これで敵に噛みつき挟み込む。また、水中をマッハ3で移動可能な他、陸上でも巨体の割に素早く動ける。
本個体はキングオブモンス同様バット星人に使役されている。キングオブモンスが1体では倒せない強敵か、あるいはキングオブモンスを出すほどもないと判断された怪獣相手に投入される。
「小細工が好きなようだな」
「割とね」
視界不良に紛れた怪獣の追加召喚によるフォーメーションをペルフェクト星人には呆れ気味に揶揄されるも、バット星人は軽く流した。
「とはいえ、その小細工も認めざるをえないようだ。
すぐ始末出来ると思っていたが、予想よりは粘っている」
「! 言うねえ…」
とはいえ、ペルフェクト星人の不遜な態度には、バット星人も内心ではかなり不愉快に感じていた。しかし、敵がそんな腹立たしい態度を取るだけのレイオニクスバトルの実力と強力な怪獣を持っているという事実については、バット星人も認めざるをえないのだが。
しかし、だからこそ見返してやる意義があるというもの。何よりこの女に勝てば、もう後継者の座は目の前である。
「だが、ここまでだ。小細工が通じない
「コゥオオオオー」
再び三方向からの攻撃が迫るが、上空のルーゴサイトはバリアでなく、胸部からの不気味なピンク色の光を放ち出す。
「ギュウウ……」
それから真下に向けて放たれたのは超威力の光線だった。これこそ【ゲネシスレクイエム】、ルーゴサイトの誇る最強の攻撃である。
光線は地面に直撃後、大爆発を起こす。キングオブモンスは慌てて前面にバリアを張ったものの、この中で唯一飛べないスキューラは爆風をまともに浴びてしまう。あまりの威力故に遠くまでぶっ飛ばされ、何度も地面をバウンドした挙げ句、岩山から転がり落ちて麓まで落下した。
頑丈な体皮を持つ怪獣だが、さすがにここまで転がされた上に、山の頂上から麓まで落下すればダメージは甚大であり、最早戦闘不能であった。
「コロロロロロロ!!」
仲間がやられて怒ったのはバジリス。マッハ10の飛行速度を誇る彼はすぐさまルーゴサイトに肉迫、両腕の大鎌ですれ違いざまに斬りつける――
「!?」
「なに!?」
間抜けな声を上げるバット星人と、自分の攻撃がすり抜けて驚くバジリス。なんのことはない、ただルーゴサイトは自分の体をガス状に変化させ、攻撃を躱したのである。
無論、怪獣形態の時でもくらったところで大したことはないが、今回は攻撃を躱したことでバジリスは自分の体をすり抜けてしまい、その背後を簡単に取ることが出来たのである。
「コロロ!!??」
無防備な背後に、ルーゴサイトの口先からの光線が直撃し、骨翼超獣は地面におもいきり叩き落される。これで大ダメージを負ってしまったことで、スキューラ同様、バジリスもまた戦闘不能となってしまった。
「ま、まずい!!」
ここでバット星人がネオバトルナイザーへの回収を即断しなかったら、追撃のゲネシスレクイエムでバジリスは原子レベルまで分解されていたところだった。スキューラは自動回収が不可能な所まで転がっていってしまったが、それはどうにか後で回収する方法を考えればいい。今はそれどころではないからだ。
「あと一匹…」
蒼髪の女は満足気にそう呟く。
「キングオブモンス!」
バット星人が指示を下そうとしたが、既に遅かった。尻尾からの光弾の爆撃で飛行出来なくしたところへ、今度はルーゴサイトの方が肉迫し、キングオブモンスを手での打撃のみで圧倒する。
けして肉弾戦が苦手な怪獣ではないが、それでもウルトラマンガイアと
「ウルルルルルルー!!」
キングオブモンスはたまらず飛んで逃げようとするも、ルーゴサイトは彼の両手を掴んでぶら下がる形となった。その状態で鼻先から光線を照射し爆発させたことで、最強合体獣もついに敵ごと墜落してしまう。
「くっ! 戻れ!」
呻き声を上げるキングオブモンスの頭を、ルーゴサイトが右足を上げて踏み潰そうとしたところで、バット星人によるバトルナイザーへの回収が間に合った。
「惜しかったなァ」
キングオブモンスの死を見ることが出来なかったものの、ペルフェクト星人の顔には酷薄な笑みが貼り付いたままである。
「頼みの綱はもう戦えん。どうする? このまま大人しく首でも差し出すか?」
「いいや、悪いがもう一戦付き合ってもらおう」
もう勝利したとばかりに、蒼髪の女は高飛車な物言いをしてくる。しかし、バット星人にはまだ闘志が残っていた。
「ほう。あの怪獣がお前の最強の戦力かと思っていたが、どうやら違うようだな?」
どうやら、キングオブモンスは主力の怪獣ではなかったらしい。それを感じ取った蒼髪の女だが、それでも余裕の態度を崩さない。
「さすがはあの伝説のルーゴサイト。キングオブモンスも私の自慢の怪獣であったのだが、どうやらそれでも力不足だったらしい」
これはバット星人の本音である。キングオブモンスの戦闘能力自体は信頼しており、そしてそれを活かすべく工夫していたが、残念ながらそれでもルーゴサイトには及ばなかった。
「突然だが、ここで1つ問おう。バット星人がどういう種族か知っているか?」
「確か……宇宙恐竜ゼットンの養殖にかけては宇宙一を自称する種族…だったな?」
ペルフェクト星人は即座にそう答えた。バット星人は凶悪種族の中でも数少ないM78星雲・ウルトラの星に攻め込んだ連中であり、その戦力として多数のゼットンを擁していた。
かつて地球に攻め込んできた個体も2代目ゼットンを連れてきており、主従共にウルトラマンジャックと死闘を繰り広げている。
「なるほど。ゼットンが控えているのか」
この会話から、ペルフェクト星人も次に出してくる怪獣が何か合点がいったようである。
「だが、私のルーゴサイト相手にどこまで抵抗出来るかな?」
「出来るさ。ただのゼットンじゃない」
「ほう?」
バット星人の意味深な言葉に、ペルフェクト星人は強い興味を抱いた。
「私の文字通りの切り札だ。だから出したくなかったのだが……負けて殺されるぐらいなら今出そう」
『バトルナイザー、モンスロード!』
その言葉も嘘ではないが、あまりの強さ故にバット星人たる彼ですら制御が少々難しいほどの個体なのが真相だった。しかし、ルーゴサイトに対抗出来る存在であることもまた間違いない。
「これは…」
ネオバトルナイザーから放たれ、実体化するゼットン。しかし、それはペルフェクト星人の当初の想像をずっと超えていた。彼女の知る従来のゼットンからはあまりにもかけ離れていたため、歴戦のレイオニクスである彼女ですら顔に困惑の表情が浮かんでいる。
体は重厚さ、そして禍々しさが相当に増し、凄まじいエネルギーを放っている。それは素人目ですら危険極まる最強の怪獣であると断言出来るだろう。
「ゼットン!!」
宇宙超絶恐竜 ファイヤーゼットン
宇宙恐竜ゼットンに遺伝子改造を施し、生み出された強化種。元の時点で最強怪獣だったゼットンの戦闘能力がさらなる絶大なパワーアップを遂げており、文字通り手のつけられない強さを誇る。
強化前と比べ、体色と発光体、体表の構造に僅かな名残がある程度で、その姿は文字通り別種と呼べるほどの変貌を遂げている。全身の発光体の形状が変化し、目のない眼窩も発光体に置き換わり、角は大きくなるもクワガタのアゴのような形状に変化すると共に垂れ下がり、全身はより分厚い体格へと変化した。また左手は鎌状へと変化し、より攻撃的な発達を遂げている。
火球の威力も跳ね上がると共に、全身の硬度が上昇し、如何なる攻撃も受け付けないほどである。
本個体はバット星本星でウルトラの星への再度の侵攻用に密かに開発されたものを、バット星人(RB)がレイオニクスバトルでの切り札としてこの惑星アシヨシに持ち込んだもの。
「……初めて見る怪獣だ」
ギガバトルナイザーはあくまで戦闘と怪獣召喚に特化されたもののため、通常のバトルナイザーと違い、怪獣のデータ検索機能などはない。そのため、ペルフェクト星人は自らの知識と照らし合わせるしかなかったのだが、彼女ですら分からない謎の怪獣であった。
「ファイヤーゼットン。我がバット星の最終兵器の試作品の1つだ。
かつてウルトラの星に侵攻するも撃退された我等。その雪辱を果たすためのものなのだよ」
そんな彼女に対し、バット星人は触りだけとはいえ説明してやった。
バット星人には、かつてウルトラの星に侵攻するも撃退されたという屈辱的な過去がある。彼等はその雪辱を果たすべく、長年ゼットンの強化のための研究を進めていた。そしてその成果の1つがこのファイヤーゼットンなのである。
「このゼットンは光の国との戦争用の最終決戦兵器か。これは面白い。
だが、光の国を滅ぼせても、私の怪獣は倒せるかな?」
「倒せるさ。そうでなければ、光の国のウルトラマンどもを倒すなど夢のまた夢だろう!」
燃え上がる両レイオニクスの闘志。それに呼応し、最強怪獣同士はついにぶつかる。
「コゥオオオオー」
惑星さえ喰らうルーゴサイトだが、目の前の怪獣の脅威はひしひしと感じていたらしく、胸部を不気味に発光させると、初手からゲネシスレクイエムを叩き込む。
「ゼットン!」
しかしファイヤーゼットンもまた即座に口部の発光体から大きな火球を生成、即座に迎撃する。
原子分解光線と大火球が激突し、凄まじい衝撃波を放って相殺する。その圧は倒れていたジェロニモンがさらに遠方まで転がっていくほどであった。
「ふむ、素晴らしい。私の配下に欲しいぐらいだ」
レイブラッド星人の腹心なだけあり、彼女は主人から多くの強力な怪獣を与えられている。そんな彼女が他者の怪獣であるにもかかわらず素直に欲しがるほど、このゼットンの戦闘能力は破格だった。
「悪いがやれんよ。もっとも、君の方の配下はいただくがね」
「強突張りめ。そこはレイオニクスらしいな」
ペルフェクト星人が苦笑するのをよそに、ルーゴサイトは尻尾からの光弾と口からの光線を放って牽制しながら、今度は格闘戦に臨む。しかし先ほど圧倒出来ていたキングオブモンスとは違い、あらゆる攻撃を受け付けぬほどの桁外れの硬度のボディはルーゴサイト以上だった。その証拠とばかりにファイヤーゼットンはルーゴサイトの殴打を全く意に介しておらず、逆に左手の鎌での一撃で後退させたほどだった。
先ほどの3体怪獣との攻防でも分かる通り、ルーゴサイトはバリア抜きでも異常な打たれ強さを誇る。そんな怪獣を単なる殴打で怯ませること自体、驚くべきことなのだ。
「ゼットン!」
ルーゴサイトの爆撃を意に介さず、ファイヤーゼットンは悠然と進む。尻尾で殴られ締め上げられても強引に振りほどき、右手で顔面を平手打ちして体勢を崩させたところで、また左手の鎌でぶん殴る。先ほどは光線をまともにくらわせてようやく体勢を崩せる程度のダメージしか受けなかったルーゴサイトが、今度は殴られただけでおもいきり薙ぎ倒された。
しかしこちらも最強級の怪獣、そうなっても仰向け体勢からゲネシスレクイエムを放って反撃する。だがなんとファイヤーゼットンは至近距離で放たれたそれを直撃しても耐え抜き、逆に尻尾を掴んで地面に叩きつけた。
「コゥオオオオー」
ルーゴサイトも本気で尻尾の力を出し、ファイヤーゼットンの体に絡ませて逆に持ち上げ返すと、お株を奪うかのように地面に叩きつける。しかし、密着状態で向こうがバリアを張れないのを逆手に取り、宇宙超絶恐竜は自分が反動をくらうのもかまわず無理矢理火球を連射。ついにルーゴサイトに大ダメージを負わせたのである。
「ゼットン!」
ゲネシスレクイエム及び自分の火球の反動をくらっているにもかかわらず、ファイヤーゼットンに目立ったダメージはない。まさに恐るべき耐久力である。
一方のルーゴサイトは最初の頃と違い、今はふらつきが見え、得体の知れなさまでもが薄れたように見えた。
「まさかここまで出来るとはな…」
ルーゴサイトがここまで圧倒されたのを見て、ペルフェクト星人は神妙な顔で呟いた。
誰が見てもルーゴサイトは最強クラスの怪獣である。それをここまで追い込むなど、彼女も予想はしていなかった。
「レイオニクスバトルは力こそ、怪獣の強さこそ全て…だったか? 確かにその通りだな。
それならば、もう君に勝ち目はなさそうだ。そろそろ私にそのギガバトルナイザーを寄越してはどうかね?」
先ほどの意趣返しとばかりに、バット星人は降伏勧告をする。
「いや、もう少しやってみよう。あとはそれから考える」
無論、当然相手に降伏などするはずがない。弱ってはいても、ルーゴサイトはまだ戦うことが出来るからだ。
「その様子では、ルーゴサイトをいただくのは無理そうかな」
今はファイヤーゼットンが圧倒してはいるが、ルーゴサイトもまた最強怪獣である。バット星人も出来れば生け捕りにしたかったが、いくらファイヤーゼットンといえど油断出来る相手ではない。何より、その主のペルフェクト星人も凡百のレイオニクスのように容易く倒せる相手でないことは理解している。
「ファイヤーゼットン! この際生け捕りにしろとは言わん! 遠慮せず倒してしまえ!」
「ゼットン!」
状況を鑑みて、バット星人はルーゴサイトの捕獲は無理だと判断し、その抹殺を決意した。そう決めた主の殺害許可が下り、ファイヤーゼットンはとどめを刺すための最大威力の火球を放つべく、エネルギーチャージを開始する。
「ルーゴサイト! 奴を抹殺せよ!」
「コゥオオオオー」
ルーゴサイトもファイヤーゼットンを抹殺すべく、無敵状態とも例えられるガス形態へと相転移。そのままファイヤーゼットンを捕食すべく包み込む。
「ファイヤーゼットン! このまま吹き飛ばせ!!」
惑星さえ捕食するルーゴサイトのガス状形態。しかし、ファイヤーゼットンの火球の圧倒的な熱量は星喰いの化け物さえ阻んだ。
やがて巨大火球は消滅するも、ガス状形態のルーゴサイトもまたファイヤーゼットンの捕食に失敗し、さらに消耗したのだった。
「コゥオオオオー………」
再び実体化するも、疲労困憊のルーゴサイト。そこへファイヤーゼットンの火球がモロに命中し、さしもの星喰いの化け物もついに仰向けに倒れたのだった。
「ゼットン!」
しかし、バット星人とファイヤーゼットンはルーゴサイトの捕獲も、抹殺も結局叶わなかった。
突如背後から発射された大出力の光線にファイヤーゼットンが被弾、そのまま前のめりに倒れる。
「!? 新手か!?」
「ルーゴサイトを倒したのは天晴だった。だが、そもそも私が怪獣1体だけしか持っていないなどと考えていたのか?」
「キュインキュイーン…」
究極人工生命体 ゼヴォス
続いてギガバトルナイザーから召喚されたのは、究極人工生命体の別名を持つ異形のロボットであった。
「そう来たか」
別にレイオニクスバトルに
「ゼットン!」
「いやファイヤーゼットン、これ以上はいい」
ファイヤーゼットンはまだ戦闘続行可能ではあったが、ゼヴォスもまたルーゴサイトに劣らぬ最強怪獣の一角。先ほどのガス状形態での捕食攻撃で大分消耗した今のファイヤーゼットンでは分が悪かった。
「どうやら楽しいレイオニクスバトルはここまでのようだな」
バット星人はこの山頂の縄張りの放棄と逃走を即断した。ジェロニモンは欲しかったが、さすがに今は諦めた方が良さそうだ。
「ここまでやっておいて逃がすと思うのか?」
しかし、その目論見はペルフェクト星人には分かっている。
「ファイヤーゼットン!!」
「ゼットン!!」
バット星人のネオバトルナイザーからの命令により、ファイヤーゼットンは火球を3連射。
1発はジェロニモン、もう1発はルーゴサイト、もう1発はゼヴォスへと飛んだ。
「ゼヴォス! ジェロニモンを守れ!」
「キュインキュイーン……」
自分と他2体、そして主人を守るべく、ゼヴォスが鏡面状のバリアを張り、攻撃を防ぐ。そこへファイヤーゼットンはさらに火球を連射し、山頂全体を爆炎に包みこむ。
「今回は私の負けだ! だが、私は全宇宙支配の夢を諦めんよ!
では、またいずれ会おう、お嬢さん!!」
そうして爆炎に紛れ、バット星人とファイヤーゼットンは行方をくらましたのだった。
「どうやら、全宇宙の支配など夢のまた夢だったようだな」
逃げ出したバット星人に対し、ペルフェクト星人はそう皮肉った。
「とはいえ、それでもルーゴサイトが倒されるとはな。なかなかに強豪が育ちつつあるようだ」
しかし、ルーゴサイトがレイオニクスバトルで倒されたのも事実。蒼髪の女は地獄のような光景の中、そう感慨深げに呟いたのだった。
用語解説
怪獣酋長 ジェロニモン
かつて初代ウルトラマンと戦った怪獣の別個体。『怪獣を蘇生して使役する』という破格の能力を持ち、初代ウルトラマンと科学特捜隊に倒された60体の怪獣を蘇生して総攻撃をかけようとした知能犯である。
全身黒の体色で、体型もオーソドックスで長い尾を持つ爬虫類型怪獣。しかし、その中でも目を引くのは頭部及び背中の色とりどりの派手な飾り羽根と白い顎髭である。尻尾の先端のものは飛び道具の毒針羽根となり、さらには本体の意思のまま軌道を自在に操れる。また口からは反重力ガスを放出する。
前述の通り総攻撃をかけようとする(その具体的な理由は不明)が、人間に友好的なピグモンまで蘇らせてしまい、計画が露見してしまう。根城の大岩山に科特隊がやって来た際には再生させたテレスドンとドラコを差し向けるが、ピグモンが犠牲になるも共に倒されてしまう。その後ウルトラマンとの戦いになるが、頭の飾り羽根を全部引っこ抜かれた挙げ句、反重力ガスもリバウンド光線で自分が空中に舞い上げられてしまい、そこをイデ隊員のスパーク8で撃たれ倒された。
本個体はペルフェクト星人に使役されている。その能力もあって自分の怪獣にも冷酷な彼女には珍しく重宝されており、レイオニクスバトルには参加しないバックアップ要員として仕えている。彼女がグリーザ捕獲の際に犠牲にした怪獣達の復活の儀式を岩山の山頂で行おうとするが、そこを新たに根城にしていたバット星人(RB)とキングオブモンスに襲われる。そのままドロップキックの一撃でぶっ飛ばされ気絶し、それ以後2人のレイオニクスバトルが行われる中ずっと意識を失ったまま倒れていた。
その能力もあって最優先の保護対象であり、ゼヴォスやルーゴサイトが戦うことで敵の攻撃から庇われている。一方、バット星人もその稀少な能力から欲しがっており、生け捕りを狙われていた。
触角宇宙人 バット星人(RB)
二つ名は“滅びの神”。かつてウルトラマンジャックと戦った宇宙人の同種族で、その中でもエリートに当たる者。ジャックと戦った個体とは別種族としか思えないほど全く姿が異なるが、バット星人自体に複数の人種あるいは亜種がおり、その差異が激しいのかなどは不明。
『ゼットンの養殖にかけては宇宙一』ということで知られる凶悪種族。かつてウルトラマンヒカリが開発した『命を固形化する技術』を開示するよう光の国に要求したが当然断られ、それを理由に光の国に攻め込んだ。同時期に地球にもゼットン2代目を伴った個体が侵略に現れ、次郎とルミ子を誘拐してジャック=郷秀樹を誘い出し、ゼットンと戦わせている間にMAT基地を破壊するという狡猾な作戦を行う。
しかし、人質を奪還しに来たMATとの戦いに敗れ巨大化するが、ゼットンに先んじてウルトラクロスで貫かれて死亡し、ゼットンもウルトラハリケーンからのスペシウム光線で爆散する。一方、光の国に攻め込んだ本隊も短期で撃退されたようである。
だが、彼等の行動が一因となり、その後ウルトラマンヒカリは宇宙科学技術局長官の色を辞することとなるなど、光の国の歴史にもそれなりの影響を与えている。
以前現れた個体は鋏状の手と頭頂部の触角、胴体側面の皮膜などが特徴であったが、本個体はそれらの身体構造が大きく違う。顔面も金属のような質感で手にも五本指があり、腰からも2対の翼が生えているなど、以前の個体とは決定的に特徴が異なる。一方で、頭頂部の触角は小さく目立ちにくいものとなっている。
本個体は種族の中でもエリートに当たり、レイオニクスとしてもネオバトルナイザーに進化しているという相当の実力者である。キングオブモンス・バジリス・スキューラを使役しており、さらには切り札としてファイヤーゼットンを所有している。他のレイオニクスからも強豪として知られており、メフィラス星人(RB)、スーパーヒッポリト星人(RB)と共に、彼をこの惑星アシヨシでのレイブラッド星人の後継者レースの優勝候補に推す者すらいるほどである。
また同じくゼットン種を切り札とするゼットン星人(RB)とはライバル関係に当たり、お互いを激しく敵視すると共に、ある種のシンパシーも感じている模様。本人としてはファイヤーゼットンの存在から相手より一歩リードしていると考えている。
チブル星人撤退後、彼に代わって新たに岩山山頂を根城としている。そこへペルフェクト星人とジェロニモンが現れたため、レイオニクスバトルを挑む。しかし自らも強豪怪獣と認めるキングオブモンス以下3体はルーゴサイトを一時は翻弄するもまとめて撃破されたため、切り札のファイヤーゼットンを召喚する。バット星の最終兵器なだけありルーゴサイトをも圧倒するも、続けて現れたゼヴォスには切り札の体力消耗もあり、撤退を即断。そのまま配下と共に逃亡する。
強烈無比なファイヤーゼットンを切り札にしているが、格下でも戦術次第で格上を撃破出来るという信条の持ち主。そのため、怪獣の強さを絶対視するペルフェクト星人の考えは受け入れ難いとしている。
尚、余談ではあるが、対戦相手を殺害も厭わず勝利し続けた結果、物騒な二つ名が付いたが、本人としては神を名乗ったことなどなく、そう呼ばれるのはむしろ恥ずかしいと語っている。
最強合体獣 キングオブモンス
かつてウルトラマンガイアと戦った怪獣の別個体。その個体はウルトラマンガイアが特撮ドラマとして放送されるあるパラレルワールドに現れた。元は粘土で作られた怪獣人形だったが、製作者のあるいじめっ子の少年が、何でも願いを叶えてくれる『赤い球』に誕生を願った結果、実体化し出現、街を破壊した。その少年が考えた『最強の怪獣』であったこともあり、強大な戦闘能力を持つ。
巨体で厳つい見た目の、王道な怪獣の姿をしている。暗い青と赤の体色、頭部の金色の小さな角、3つの目、骨格のみの翼、腹に2列並ぶ鋭い棘(牙)、長い尻尾が特徴。翼からはバリアを張り、口からは強力な破壊光線を吐き、腹の牙は敵と組み合った時に伸びて拘束する。
また、『無限の増殖』により、背中からバジリス、腹からはスキューラを生み出した。一方で翼と腹部の牙はこれらの怪獣の命と連動しており、分身怪獣が撃破された途端にそれらの能力が使えなくなり弱体化している。
パラレルワールドにやって来た高山我夢=ウルトラマンガイアとは死闘の末、フォトンストリームにより撃破された。分身怪獣もまた赤い球にいじめられっ子の少年が願った『光』によりウルトラマンティガとウルトラマンダイナが出現し、共に倒されている。
このように非常に特殊な出自の怪獣なのだが、ギャラクシークライシス以後、このM78ワールドに複数の野生個体が確認されている。これらが四次元怪獣ブルトンによって召喚された並行同位体なのかは不明。
本個体はその内の1体をバット星人(RB)が捕獲、戦力としたもの。バット星人が戦術を重視するだけあり、元々強力な戦闘能力がレイオニクスパワーとのシナジーでさらに活かされている。ただし、ルーゴサイト相手にはさすがに分が悪く、分身との連携もあって一時は翻弄したが、結局は敗れることとなった。
コスモイーター ルーゴサイト
元は宇宙の害となるものを排除する、宇宙の浄化作用の化身的存在。だが現在では原因不明の暴走を起こし、逆に宇宙に災厄を齎す恐怖の生命体へと成り果てた。次元を含めた正確な出身地は不明だが、並の怪獣とは一線を画す戦闘能力と脅威は光の国でも認知されている。
固体・液体・気体の如何なる相でも自在に取ることが出来、怪獣形態が固体相に当たる。惑星の捕食時はガス状(気体相)となるが、この時はありとあらゆる攻撃が通用せず、打倒するためには怪獣形態に変身させる必要がある。しかし、この形態でも歴戦のウルトラ戦士数人を圧倒するほどの凄まじい強さを誇り、本人もそれを自覚しているのか、あえてこの姿を取ることもある模様。
実体化時は直立二足歩行の龍人を思わせる、禍々しさと神々しさが同居したような姿をしている。赤・青・金色で彩られた派手な体色をしており、金色の連なる角や口蓋の存在しない細長い顔、鎌首をもたげた頭部、胸部の目のような4つの発光体、左右に張り出した肩の外殻(飛行時は収納している巨大な翼を出す)、下半身のスカートや袴のような皮膜、ムカデのような形状の長大な尻尾などが特徴。
脚があり、着地して格闘戦を行うこともないわけでないが、普段は常に浮遊し、脚を使わず滑るように移動する他、飛行時は格納していた翼を展開する。尻尾からの連射光弾、口先からの赤い光線、そして対象を原子分解させる最強の光線【ゲネシスレクイエム】が武器。また格闘能力自体も非常に高く、単純な殴打でもウルトラ戦士を圧倒する他、尻尾での攻撃や手から触手を伸ばして攻撃するなど、手数も豊富。バリアで敵の攻撃を防ぎ、跳ね返して逆にダメージを負わせられる他、単純な肉体の防御力も桁違いに高い。
本個体はある次元から四次元怪獣ブルトンの力で召喚された並行同位体をレイブラッド星人が捕らえ、ペルフェクト星人に与えたもの。Rキラーザウルスやゼヴォスと共に彼女の最強戦力の1体であり、キングオブモンスと分身達に最初こそ翻弄されたが、本気を出した途端一蹴している。しかし、バット星人(RB)の切り札たるファイヤーゼットンには連戦とはいえ圧倒され、ついには倒されてしまった。だが絶命には至っておらず、その後ギガバトルナイザーに回収されている。
骨翼超獣 バジリス
かつてウルトラマンガイア、ウルトラマンダイナと戦った怪獣の別個体。キングオブモンスの分身怪獣で、背中から分離している。元はあるいじめっ子の子分が作ったただの怪獣の粘土人形でしかなかったが、赤い玉の力でキングオブモンス共々実体化した。
このように極めて特殊な出自の怪獣であるが、ギャラクシークライシス以降はM78ワールドでも複数体が野良怪獣として確認されており、惑星モーン・スターにもキングオブモンスと共に出現した。
カマキリに似た怪獣で、翼の部分は人形時にキングオブモンスの背中へと移植されたため、形状は類似している。灰色がかった水色の体色、鏃のような頭部と長い首、赤い目、大鎌状の両手、骨格のみの背中の4枚の翼、甲虫に似た体表が特徴。高い飛行能力を持ち、宇宙空間をマッハ10で飛び回る。口からは光弾【バルバリボール】を発射する他、細身の割に意外に腕力は強くダイナを圧倒していた。
ウルトラマンガイアとキングオブモンスの戦いの最中、背中から分離し、本体とスキューラと組んで3対1で圧倒するも、召喚されたウルトラマンダイナと宇宙空間で戦う。その機動力で翻弄するも最期はソルジェント光線を受け炎上、地球の大気圏に落ちて燃え尽きた。
本個体もまたキングオブモンスの分身であり、本体共々バット星人(RB)に使役されている。ペルフェクト星人のルーゴサイトとの戦いの最中に追加召喚され、爆炎と土煙に乗じて翻弄するも本気を出したルーゴサイトに空中から叩き落され戦闘不能となった。
主にキングオブモンスを出すまでもない怪獣相手に投入される。尚、余談ではあるが、超獣と別名に付いているが、異次元人ヤプールとは無関係の存在である。
巨大顎怪獣 スキューラ
かつてウルトラマンガイア、ウルトラマンティガと戦った怪獣の別個体。キングオブモンスの分身怪獣で、腹から分離している。元はあるいじめっ子の子分が作ったただの怪獣の粘土人形でしかなかったが、赤い玉の力でキングオブモンス共々実体化した。
このように極めて特殊な出自の怪獣であるが、ギャラクシークライシス以降はM78ワールドでも複数体が野良怪獣として確認されており、惑星モーン・スターにもキングオブモンスと共に出現した。
深海魚に似た怪獣で、牙の部分が人形時にキングオブモンスの腹に移植されたため、形状は類似している。灰色の体色、赤い目、頭頂部の鬣、鰭状の足、魚に似た長い尾が特徴だが、1番の特徴は自分の腹まで開く巨大顎【シークレットジョー】。これで敵に噛みつき挟み込む。また、水中をマッハ3で移動可能な他、陸上でも巨体の割に素早く動ける。口からは高圧水流を発射することも出来る他、体当たりも強力。
ウルトラマンガイアとキングオブモンスの戦いの最中、腹から分離し、本体とバジリスと組んで3対1で圧倒するも、召喚されたウルトラマンティガと海中で戦う。シークレットジョーで挟み込み苦戦させたが、最期はゼペリオン光線で倒された。
本個体もまたキングオブモンスの分身であり、本体共々バット星人(RB)に使役されている。ペルフェクト星人のルーゴサイトとの戦いの最中に追加召喚され、爆炎と土煙に乗じて翻弄するも本気を出したルーゴサイトのゲネシスレクイエムにより発生した爆風に巻き込まれる。そのまま山頂から転がり落ちてしまい麓まで落下、その大ダメージで戦闘不能となった。
主にキングオブモンスを出すまでもない怪獣相手に投入される。ちなみにバット星人(RB)は逃亡後、山の麓に落下していた本個体を回収したため、なんとか一命は取り留めた。
宇宙超絶恐竜 ファイヤーゼットン
宇宙恐竜ゼットンに遺伝子改造を施し、生み出された強化種。かつてバット星人が光の国に攻め込むもウルトラマン達に撃退された雪辱を果たすべく、バット星本星で密かに行われていたゼットンの強化計画の下に生み出された成果の1つである。
元となったゼットンとは別物に見えるほど姿は変貌を遂げ、面影が見出だせるのは精々体表の一部や体色、発光体程度。一対の角は真っ赤なクワガタムシのアゴのような形状に変化するも垂れ下がり、目も何も無い眼窩から発光体に変わり、他の発光体も形状が変化すると共に、全身はより厚みを増した体格へと変化した。さらに左手は大きな鎌のような形状へと変化し、攻撃的な発達を遂げた。
火球の威力もさらに跳ね上がっており、あのルーゴサイトに多大なダメージを与えるほど。全身の硬度は飛躍的に上昇し、あらゆる攻撃を受け付けぬほどに硬い。事実、ルーゴサイトのゲネシスレクイエムをまともにくらいながら強引に突破し、自身の火球の反発を間近で浴びても大したダメージにはならず、ルーゴサイトのガス状形態での捕食攻撃にすら耐えたほど。
本個体はバット星人(RB)のレイオニクスバトルの切り札であり、彼が優勝候補として数えられる理由となっている。ただし、あまりの強さから制御性にやや不安があったらしく、バット星人は普段のバトルでは出したがらないらしい。しかし切り札だけあって凄まじい強さを誇り、連戦とはいえあのルーゴサイト相手に圧倒したほど。ただし、その次のゼヴォスは消耗もあって分が悪いと判断し、主人共々撤収することになった。