今回の章でファンタス星人とメンシュハイトの因縁の決着がついにつく。
とはいえ、まだ奴は出ない。何話か色々なレイオニクスが出る話となる感じです。
それと今回久々にオリキャラレイオニクス登場。
ティグリスの犠牲と引き換えに、ファンタス星人(RB)がメンシュハイトの魔の手から逃れてからしばらく経つ。自分を生かす代わりに犠牲となったティグリスのためにも彼は戦い続け、レイブラッド星人後継者レースもサードステージに突入した現在では、強豪レイオニクスの1人として知られるほどになった。
そんな彼だが、怪獣無法惑星と化した母星を救うという使命があり、常にそのことを忘れず戦い続けてきた。けれども、ティグリスを失ってからは、大切な仲間をその手にかけたメンシュハイトへの復讐もまた忘れてはいなかったのだ。
――とある川沿いの森――
ファンタス星人(RB)は、基本的に綺麗な水の流れる川沿いの森を拠点として好んでいた。水の確保が容易なのも理由だが、生い茂る木々は彼と宇宙船の姿を隠してくれる上、何より暮らす生き物の数が多い。同時に、それは怪獣やレイオニクスもまた現れる確率が高いということでもあるのだ。
「これは僥倖なり。こんな所で噂に名高きレイオニクスと相まみえるとはな」
そして、彼の狙い通り今ここにレイオニクスが現れた。ここに拠点を構えてから初めての客だが、当然和やかなやり取りとはいかない。
「そう言われるのは光栄だな」
「いざ尋常に勝負なり!」
好戦性に違わず、挨拶もそこそこに敵はバトルナイザーを見せつける。しかし、ファンタス星人は目的の第一段階こそ達成したものの、同時にこの自然豊かな地を破壊したくはないという相反する思いもあったため、いざとなると少し戦意が鈍った。
「やれやれ。ここの豊かな自然を壊したくはないのだが」
「ならば、少しは移動してやってもいいが?」
「話が分かってくれて助かるよ」
しかし、ここで敵もこちらの意を少し汲んでくれた。この星で戦い続けてきて大分経ったが、未だこういう妙な部分で融通が利くような相手は嫌いにはなりきれない。表情にこそ出さなかったものの、ファンタス星人は内心では苦笑していた。
「ここならよかろう」
2人は森に被害を出さぬため、徒歩で川原の奥の方まで移動する。ここなら同じ川原でも森からは大分離れたため、遠慮なく戦えるだろう。
「では改めて、今度こそレイオニクスバトルと参ろう!」
宇宙参謀 ズール星人(RB)
かつてウルトラマンジャックと戦った宇宙人の同種族。かつて地球にやって来た工作員は紙芝居屋の老人に化けてブーメラン怪獣レッドキラーを操り、地球侵略の障害となるウルトラマンジャック及びMATを抹殺しようとした。
胴体や足は地球人と同じ細身のヒューマノイド体型だが、両手は鋏状となっており、茶色い大きな頭部は突き出た目も相まって殻をかぶったヤドカリを思わせる。地球人に化ける変身能力を持つが、目立った能力はそれぐらいで、戦闘能力の方は低い。
『バトルナイザー、モンスロード!』
「ゲアアウウウウ!!」
ブーメラン怪獣 レッドキラー
かつてズール星人によって操られてウルトラマンジャックと戦った宇宙怪獣の別個体。
見た目はオーソドックスな二足歩行の爬虫類型怪獣で、頭頂部についた三日月型の角と蹄状の鼻先、胴体前面の吸盤状の突起、背中を覆い尽くすイボ状の突起が特徴。そして、その名の通り両手にはめられた三日月型のブーメランが最大の特徴である。
ブーメランは投げつけた後も精密なコントロールが可能であり、ブーメランだけあって攻撃後は手に戻ってくる。防御力もMATのスーパーカノンのレーザーが全く通用しないほど高い。
「これがレッドキラーか」
バトルナイザーでデータを検索し、まさにテンプレート通りの組み合わせというべき主従であることを確認したファンタス星人は頷いた。
「ブーメラン攻撃が厄介だな…」
ファンタス星人のバトルナイザーに表示された説明文によれば、飛翔したブーメラン攻撃は非常に精密であり、死角から執拗に弱点を狙ってくるという。
「ならば、彼が適任だろう」
しかし、今の彼の戦力は以前と違い、さらに充実している。レッドキラーの攻撃は厄介であるが、対処出来る怪獣は既に得ているのだ。
「いけ!」
『バトルナイザー、モンスロード!』
それを証明するべく、ファンタス星人のバトルナイザーからも怪獣が召喚される。
「ピキュウウウウ」
変異昆虫 シルドロン
かつてウルトラマンダイナと戦った怪獣の別個体。昆虫が変異して生まれたという怪獣で、普段は地中で暮らしている。
灰色の体色をした二足歩行の昆虫怪獣であり、中央に水晶体の付いた平たい頭部、左右に突き出た緑色の目、鋏状の硬質な両腕が特徴。
柔らかい腹部が弱点だが、硬質な両腕と、額の水晶体を発光させて行う予知能力により、腹部への攻撃を防いでいる。
「シルドロンか…」
ズール星人もバトルナイザーで敵怪獣のデータを検索し、概要を把握する。
「これは面白い。
「ゲアアウウウウ!!」
レッドキラーは早速両手のブーメランを投擲。マッハ2の速度で複雑な軌道を描きながら、やがて1枚がシルドロンの後頭部、もう1枚が弱点である腹部へと唸りを上げて飛んできた。
「ピキュウウ」
直前にシルドロンの額の水晶体が激しく明滅し、本体にブーメランの着弾位置とタイミングを知らせる。そしてシルドロンは機械のように正確に両手の鋏でブーメランを掴み取った。
「ゲア!?」
「何!?」
速さも狙いもタイミングも全て申し分ない投擲だったはず。しかし、それを上回った予知で攻撃を防がれたことに敵主従は驚きを隠せなかった。
「それと1つ言っておこう。確かにブーメランは速いし、狙いも正確だ。
だが逆を言えば、急所を必ず狙ってくるのが分かっていれば、シルドロンの予知もしやすくなる」
「…なるほど」
ファンタス星人の指摘を受け、ズール星人はそれを素直に受け止めたのだった。
「最早武器はない。それでも勝負を続けるかね?」
「無論だ」
「ゲアアウウウウ」
「ピキュ!?」
最大の武器を早速失ったレッドキラーだったが、まだ戦いを諦めてはいない。
確かに武器は失ったが、シルドロンの方もまたブーメランを掴んだことで両手が塞がっている。そのため、レッドキラーが口から猛烈な白煙を吐きかけ、シルドロンの視界を塞いだ。これに驚いたシルドロンだったが、一瞬鋏の力が緩んでしまったのか、ブーメランは再び飛翔。レッドキラーの両手へと戻った。
「ゲアッ!」
先ほどの敵からの忠告を鑑み、レッドキラーは急所狙いで一撃で仕留める短期決戦を諦めた。代わりにかつてのウルトラマンジャックを痛めつけたように、ブーメランの投擲を繰り返してダメージを与えることで徐々に弱らせていく持久戦に切り替えた。
さらに、ブーメランは白煙の中を飛ぶことでより視認しにくくなった。一方で即死が狙える代わりにその分敵のガードも固い頭部や腹部といった急所を避け、足首や肘関節といったそこまで致命的でないが、傷つけば一気に行動が阻害される箇所を狙った。
けれども、今度はそういった箇所を重点的に狙いすぎ、段々と攻撃がワンパターンになりつつあった。その事実にファンタス星人とシルドロンはやがて気づく。
「ピキュウウ!」
とはいえ、それでも疲労は溜まっていく。初めはシルドロンも予知能力を駆使して完璧に対応していたが、いくらワンパターンな軌道といえど、ブーメラン自体は切れ味鋭い上に音速を超えている。予知能力を駆使しているからこそ対応が完璧なのであって、決して油断出来る代物ではない。
「こちらの疲労狙いか。結構地道な戦法を使うのだな」
「………………」
ファンタス星人はそれでも軽口を叩くが、ズール星人は答えない。確かに、余裕をこいて狙いをペラペラ喋るのも愚かではあるだろう。サードステージ進出者ともなれば激戦を勝ち抜いてきている。迂闊な輩であればとっくに死んでいるには違いない。
「ゲアッ」
再びレッドキラーは白煙を吐き、大分薄れかけていた煙幕を補充する。
(勝負をかける気だな!)
証拠はないが、今まで戦ってきた経験から、ファンタス星人は敵がここでシルドロンを仕留めにかかるであろうことに勘づいた。
「ピキュウウウウ!」
しかし視界は封じられたとはいえ、軌道は先ほど同様ワンパターンなまま。視界が封じられようとも予知能力のあるシルドロンにはまだ対処出来る。
「! いかん!」
しかし、今までのワンパターンな攻撃はブラフだったのか。先ほどと同じ攻撃かと思われたブーメランは急に軌道を変え、1つは急所の腹に、もう1つは予知能力の要である水晶体目がけて飛んでいく。
かつてのダイナのウルトラフォークのように見せ球として散々投げつけて油断を誘ったところで、本命の攻撃である変化球を投げるのがズール星人とレッドキラーの狙いだったのだ。
「ピキュウウ!!」
しかし、主の呼びかけが予知能力を上回られても尚彼を救ったのか。シルドロンはすんでのところでブーメランをキャッチし、被弾を防いでいたのだが――
「ゲアッ!!」
「ピギャ!!??」
「何!?」
驚く主従。ここで両手が塞がっていた隙を突き、肉迫したレッドキラーは頭部の角をいからせ突進。そのまま角を突き刺す形で頭突きを腹にぶちかましたのである。
「ピギャアアアアアア」
痛みで絶叫し、痙攣するシルドロン。角が突き刺さった腹部からは大量の体液が噴き出している。
「此奴はブーメランを投げるしか能が無いと思い込んでいたか?」
そんな彼等に皮肉をこめて尋ねるズール星人。実はブーメラン自体が囮であり、致命の一撃を叩き込めるこの瞬間を彼は辛抱強く狙っていたのだ。
事実、ジャックと戦った個体は攻撃にはブーメランしか使っておらず、この個体もそうだとファンタス星人は思い込んでいた。だからこそ、その盲点を突いた意外な攻撃に対して反応が遅れてしまったのだ。
「だからこそこのザマよ。そして、ここで虚しく死を迎えるのだ!」
「ゲアアウウウウ!!」
放してしまったブーメランが、ここでレッドキラーの手に戻る。
そして角をシルドロンの腹部から抜いたレッドキラーは、最早自慢の武器を投擲するまでもなくそのまま左手でのショートアッパーを腹部の傷に突き刺す。
「ゲブッ」
血を吐いたシルドロンがよろけたところで、今度は右手でおもいきり顔面を殴り飛ばす。それがとどめとなり、変異昆虫はついに力尽きて倒れたかに見えた。
「シルドロン!!!!」
ファンタス星人は仲間の死に絶望し、絶叫する。その様をズール星人は満足気に見つめている。
「まずこちらの一勝だ。さて、次の怪獣を出せ――」
「ゲアッ!!??」
「ピキュウウウウウウウウ!!!!」
ズール星人がレイオニクスバトルを続行すべく次の怪獣を出すよう催促したところで、なんと死んだと思われたシルドロンがいきなり起き上がる。とどめを刺したと思っていたレッドキラーも油断していたのか反応が遅れたところで、死力を振り絞って繰り出した右手の鋏の一撃が腹部に深々と突き刺さり、やがて腰を突き破った。
「ゲアッ……ゲアッアウウッ…ウウウウ!!??」
痛みで絶叫を上げたところで腹部と腰から激しく血が噴き出す。そして、左手の鋏での斬りつけがレッドキラーの喉笛を切り裂き、こちらからも激しく出血する。そして、最期の力を使い果たして力なく倒れたシルドロンと同時にレッドキラーも倒れ、川原は両者の血で染められていった。
「……引き分けか」
「いいや、こちらの勝ちだ!! 戻れシルドロン!!」
2箇所の致命傷を受けて即死したレッドキラーに対し、シルドロンは死の寸前で持ちこたえていた。ファンタス星人は仲間を死なせぬべく、すぐさまバトルナイザーに回収し、命を繋がせたのである。
「くっ……」
まさか死んだと思った敵が最後の力を振り絞って立ち上がり、あまつさえレッドキラーを倒すとは。今まで共に戦い続けてきた相棒をここで失い、ズール星人もショックを受けていた。
「どうする? 続けるか?」
「無論だ! 相棒が死んだのだ。だからこそ、ここでむざむざ引き下がれるかっ!!」
人一倍思い入れがあったからこそ、ここで退くわけにはいかなかった。
「よせ。また仲間を失うだけだ」
「例えそうなっても戦わねばならん!! それがレイオニクスの
「………………」
敵がどうあっても退くつもりがないと判断し、ファンタス星人もバトルナイザーをかまえた。そうして両者の死闘が再び始まるかと思われたが、ここで突如空が虹色に輝き出し、多数の歪な白黒の斑模様の球体が何処からともなく現れる。
「!!」
「スフィアか!! おのれ、このような時にっ!!」
スフィアの乱入があってはレイオニクスバトルどころではない。しかしそれでも、ズール星人は相棒が死んだのもあって感情的となっており、やめる気はなかった。
「うおっ!」
「ぬあっ!?」
だが、ここでスフィアソルジャーの1体が光弾を彼等に発射。2人は寸前で慌てて飛び退いて躱すも、その衝撃で各々吹っ飛ばされる。
「!? 某の相棒に何をする!!」
体勢を整えようとした矢先、スフィアソルジャーの群れはレッドキラーの死体に覆いかぶさり、融合していく。
「まさか…」
ファンタス星人が懸念する通り、スフィアは怪獣と融合し、スフィア合成獣へと変化させた。目に妖しい光を灯しながら、死した怪獣は文字通り蘇るも、スフィアの操り人形となっていた。
「ゲアアウウウウウウウウ!!!!」
ブーメラン合成獣 スフィアレッドキラー
倒されたレッドキラーがスフィア合成獣と化した姿。両手のブーメランが倍以上に巨大化し、大鎌のように使うことも可能になると共に、鼻先からも半月刀のような鋭く長い角が生えた。体色も皮肉にも名前とは逆の真っ青なものへと変化している。
「レ…レッドキラー……」
目の前の光景が信じられないといった様子でズール星人は呟く。殺されたばかりの相棒がスフィア合成獣としてスフィアの走狗にされたとなれば無理もない反応である。
「ここは私に任せてもらおう」
「…!」
「心通わせた相棒だ。自ら手を下したくはないだろう」
そんな彼の心情を慮り、慈悲深いファンタス星人は本来自分には益がないにもかかわらず、わざわざ自らがあのレッドキラーと戦おうと申し出た。
「…いや。せっかくの申し出だが、お断りする」
だが、その気遣いを理解しながらも、あえてズール星人は申し出を断った。
「長く共に戦い続けた相棒だ。
「…そうか」
「けじめは某達がつける!!」
「分かった。
そうして共闘を決めた両者は、お互いバトルナイザーから新たな怪獣を召喚する。
『バトルナイザー、モンスロード!』
「ギュオオオオオオー!!」
地帝大怪獣 ミズノエノリュウ
かつてウルトラマンガイアと戦った怪獣の別個体。大地の守護神であり、天候を変えるほどの力を持つ強大な存在である。
見た目は青い体色をした四足歩行の東洋龍(額には青い宝玉が付いている)であり、同じく小さめの龍のような頭部の付いた8本の尻尾を生やしている。額の宝玉からは強力な念動力を発し、尻尾の龍の口からは電撃を吐くが、巨体なだけあって単純なパワーや防御力もガイアの攻撃を寄せ付けなかったほど強力。
本個体はティグリスを失った後の戦いの日々の中でファンタス星人(RB)が出会った新たなる仲間であり、彼の心に感じ入り力を貸してくれたという。
「ミズノエノリュウ…!? これほどの戦力を温存していたとは嫌味な奴よ!」
仮にこの怪獣を最初から出されていた場合、レッドキラーでは全く勝負にならなかっただろう。向こうが自分とのレイオニクスバトルを本気でやるつもりはなかったという事実を突きつけられ、ズール星人は憤慨した。
「すまん。切り札は温存する質でな」
「ギュオオオオ!!」
空から殺到するスフィアソルジャーをミズノエノリュウは迎撃。8体の龍の首状の尻尾から電撃を放ち、スフィアを撃墜していく。尻尾の数の多さ故、その弾幕は厚く、大量のスフィアを瞬く間に駆除していく。
「フン! なんとも腹立たしい奴よ!」
『バトルナイザー、モンスロード!』
「キィィィィシュ!」
宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール
かつてウルトラマンメビウスが戦った怪獣の別個体にして、彼のデビュー戦を飾った怪獣としても知られる。マーゴドンが撃破されて以後怪獣の出現が25年間途絶えていた地球に突如やって来た宇宙怪獣である。
オレンジ色の発光体と棘が多数付いた青い甲冑のような強固な外骨格に全身を覆われ、4つの目の付いた頭部のある長い首が前に突き出た凶悪な見た目をしている。鏃のような先端をした2本の尻尾や鋭い爪の生えた両手など、各部が攻撃的な発達を遂げているが、1番の武器は口から伸びる舌【断層スクープティザー】。これは直径1オングストロームという異常極まる細さと1万mという途轍もない長さを誇るが、鞭のように振り回すことでビルをも簡単に切断するほどの威力を誇る。
他に背中からは大量の流体焼夷弾を発射することも出来るという、遠近共に隙のなさを誇る。さらには翼がないながらも、宇宙怪獣らしく背中の推進器官によって大気圏・宇宙空間共に自由自在に飛行可能。
本個体はズール星人(RB)の切り札であり、レッドキラーと共に彼がサードステージに勝ち進む原動力となった強力な怪獣である。
「すまんディノゾール……嫌な役目を押しつけてな」
「………………」
召喚されて早速主人から詫びられるも、ディノゾールは黙っていた。どうやらバトルナイザーの中から話は聞いていたらしく、今までの事情を把握しているようであった。
そのせいか、ディノゾールはつい先ほどまで仲間であったはずのレッドキラーを何処か悲しげな様子で見つめていた。
「ゲアアウウウウ!!」
しかし、スフィア合成獣となったレッドキラーは最早スフィアに乗っ取られ意識もないのか。仲間にも躊躇なく牙を剥いた。
「キシュー!」
ディノゾールは迎撃のため背中から流体焼夷弾を連射するも、スフィアレッドキラーは左手のブーメランを投げつけて全て撃ち落としただけでなく、そのままブーメランがディノゾールに迫る。しかしディノゾールの見えない舌は音速を超える巨大ブーメランを難なく地面に叩き落としただけでなく、そのまま何度も振るってやがてはバラバラに破壊してしまう。
「やはりスフィアの操り人形でしかなくなったか。先ほどまでのおヌシならばこのような無謀な攻撃などせぬだろうに…」
本来レッドキラーはディノゾールと仲間であった以上、その特性もよく理解していたはずであった。けれどもスフィアの操り人形と化したせいで完全にそのことを忘れ、威力が上がったことを頼みにブーメラン攻撃を無思慮に繰り出してしまった。そのことを惜しんだズール星人は表情こそ変わらなかったが、その声には深い哀愁を帯びていた。
「ゲアッゲアアウウ!!」
左手のブーメランを失ったスフィアレッドキラーだったが、1体のスフィアソルジャーが空からやって来て左手に融合、ブーメランを再生させる。
「友よ。お前のそんな姿を見るのはしのびない。せめて我等の手で葬ろう!」
「キシュー!」
主従は覚悟を決めた。そんな彼等にスフィアレッドキラーは両手のブーメランを投擲するも、舌の一閃で2枚のブーメランはあっさり粉々にされる。
「!?」
スフィアレッドキラーは自慢の武器をまたもやあっという間に破壊されたことに驚愕する。ならばと今度は鼻先の巨大な角から光線を発射するも、これも流体焼夷弾の弾幕で相殺されてしまう。
「ゲアアウウウウウウウウ!!!!」
しかし、奥の手はまだ残っていた。スフィアゴモラやスフィアレッドキング同様、今度は全身から強烈な衝撃波を放出し、主従を吹っ飛ばす。
「ぬぅっ!」
「くっ!」
威力はかなりあり、広範囲攻撃故にズール星人達だけでなくファンタス星人もまた巻き込まれ、ミズノエノリュウの巨体さえ吹っ飛ばされかけたほどだ。
「これほどのパワーアップを遂げるとはな。やはりスフィアをこの星で好き放題させてはならない」
レッドキラーの強化度合いを肌で感じ、ファンタス星人はこの星からのスフィアの徹底駆除を改めて決意した。
「ミズノエノリュウ! 絶対に奴等を逃がすな!」
「ギュオオオオー!!」
ミズノエノリュウは大地の守護神。故に生物も星も全てを呑み込み一体化するスフィアはまさに天敵そのものである。
主人から命じられるまでもない。この星を呑み込もうとする者達への星からの懲罰を代行するかの如く、彼はさらなる怒りと敵意を籠めて尻尾からの電撃を放ち、空の侵略者達をついに一掃する。
「空のスフィアは片付けた!」
「かたじけない!」
邪魔なスフィアの群れを片付けたことへの礼を述べ、ズール星人とディノゾールは変貌した古き友と刃を交える。
「ゲアアウウウウ!!」
スフィアソルジャーが一掃されたことへの怒りと焦りか。スフィアレッドキラーは再び衝撃波を全身から放出するも、ディノゾールはまた当たる前に背中の推進器官からの噴射で空へと飛び上がって躱す。
「!」
スフィアレッドキラーはディノゾールの能力をまた失念していたのか。まさかの回避に驚いて見上げたところで、ちょうどディノゾールは太陽を背にする位置で飛び上がっていた。そのせいでまともに逆光を浴びてしまい、つい目を逸らしてしまう。
「――ゲアァッッ!!??」
そして、隙はその一瞬で十分であった。1オングストローム=0.1ナノメートルという細さのその舌は元々見えやしないが、ましてや一瞬とはいえ目を逸らした上に体を硬直させれば、尚更それを捌けるはずもない。
振るわれた見えない舌はスフィアレッドキラーの胸を深く切り裂き、血が大量に噴き出す。そして火葬するかの如く、続けて放たれた流体焼夷弾がブーメラン合成獣に直撃し炎上。そのまま大爆発を起こし木っ端微塵となったのだった。
「………………」
戦いは終わった。友はほんの数分の偽りの生、そしてその原因となったスフィアから解放された。
しかしスフィアの特性故に、その死体は跡形もなく粉々にせねばならなかった。友の成れの果てをそこまでせねばならなかった主従の胸に去来したのは深い虚しさ、悲しみだった。
「………………」
そして、そんな主従の背中をファンタス星人とミズノエノリュウもまた黙って見つめていた。
「……おヌシには借りが出来た。ここは勝負を預けさせてもらおう」
「承知した」
気持ちの整理がついたのか、こちらに向き直ったズール星人。とはいえ、レイオニクスバトルを続ける気分ではなかったらしい。そこで彼から勝負を預けることを提案され、同じ気持ちだったファンタス星人は了承した。
シルドロンにレッドキラーを倒されはしたが、それはこちらから勝負を挑んだ結果である。故に、それを逆恨みしたりはしない。しかし、スフィアの足止めと駆除を向こうが引き受けてくれたことについては、ズール星人は借りが出来たと考えていた。
『『警告! スフィア反応!』』
「「!!」」
しかし、まだ戦いは終わっていなかった。2人のバトルナイザーから警告が発せられると共に、ミズノエノリュウに撃墜されていたスフィアの中でまだ損傷の少ない個体達が、スフィアレッドキラーの大爆発の際の衝撃で息を吹き返したらしい。連中は蘇生して早々、念動力で周囲の物体を大量に巻き上げながら次々に浮遊していく。
「ギュオオオオ!!」
「キィィィィシュ!!」
スフィアの復活を受け、2体の怪獣は各々主人を守るかのように前に進み出る。それをよそに、スフィアは先ほどミズノエノリュウに撃破されたことを学習したのか高速で巻き上げた物体と合体・変形していく。
こうして、あれよあれよという間にスフィア合成獣が誕生してしまう。
「キュイイイイガアアアア!!」
超合成獣 ネオダランビアⅢ
かつてウルトラマンダイナの戦ったスフィア合成獣の別個体。本種はダイナの実質的なデビュー戦を飾った存在でもある。元はダランビアがダイナに粉砕された後に再構成・強化されて誕生したスフィア合成獣なのだが、本個体は最初からその姿で誕生した。
ゴツゴツした鋭い岩状の体表、鰭状の両腕、長い尻尾が特徴のスフィア合成獣。三本足の蜘蛛のような異形の姿のダランビアから一転、直立二足歩行の恐竜のような王道の怪獣の姿となった。ただし、本個体は川原の石を主原料に誕生したため、今までの個体と比べ色が白い。
戦力は角からの破壊光線、両腕を伸ばしての高圧電流、亜空間バリア。さらに、それらは以前の個体より出力が増している。
「害獣が…! 即刻駆除してやる!!」
レッドキラーの死体を弄んだに飽き足らず、倒されたかと思われた今もまたしつこく復活し、悪あがきとも言えるような真似をしてきたことに、ズール星人の怒りは増すばかりだった。
「ディノゾール!! 今度こそ復活出来ないよう、粉々になるまで切り刻んでやれいっ!!!!」
「キィィィィシュ!!」
主の激しい怒りに応え、ディノゾールは見えない舌で斬りつける。
「キュイイイイガアアアア!!」
しかし、スフィア合成獣は先ほどの戦いでディノゾールの戦法を学習していた。高速かつ不可視の斬撃にもかかわらず、命中前に亜空間バリアを展開し、攻撃は通じなかったのだ。
「ギュオオオオー!!」
けれども、今回は2対1。レイオニクスバトルではないので卑怯と蔑まれる筋合いもない。
続けて放ったミズノエノリュウの電撃の連弾の追撃には耐えきれなかったらしく、バリアは砕け散ってしまう。
「今だっ!」
好機と見てミズノエノリュウに攻撃を命じるファンタス星人だが、敵もやられっぱなしというわけではない。バリアが破壊された瞬間に追撃が来ると瞬時に判断し、ネオダランビアは右横に跳んで回避。
「ギュオ!?」
そのまま腹ばいになって素早く地面を滑走しながら、口から破壊光線を連射。ミズノエノリュウにバリアを展開させ防御へと追い込む。攻撃の隙を見てディノゾールが流体焼夷弾を撃ち込むも、これも素早く滑走して躱してしまう。
「小癪な…!」
スフィア合成獣へ思うようにダメージを与えられず、苛立つズール星人。ずんぐりとした素早さと無縁な見た目ながら、それを覆すような移動能力を見せ、おまけに亜空間バリアまで張れるため、防御に関しては鉄壁と言える。
「キュイイイイイイガアアアア」
そんなズール星人を嘲笑うかの如く、ネオダランビアは一旦起き上がり咆哮する。
「――――ガ!?」
優勢になったが故の余裕か。確かに明白な“隙”であった。
しかし、そこを突いたのは彼等ではなかった。
「え!?」
「な!?」
突如上空に浮かんだ魔法陣のような複雑な紋様の描かれた円形のゲート。そこからコーラスのような調べと共に破壊光線が発射され、ネオダランビアに直撃、大爆発を起こした。
その威力は凄まじく、一撃でスフィア合成獣の体は上下に分かたれ、手足は粉々になった。辛うじて残った胴体も痙攣を起こしており、最早戦うことは不可能だろう。
そんな彼の真上から魔法陣より現れたのは、純白の装甲で包まれた二足歩行の竜人のような怪獣…いやロボットらしき存在であった。
「奴は…」
ズール星人はそのロボットを知っていた。相当の強さを誇りながらも大量生産され、全宇宙、さらには別次元にまでも創造主が何らかの企みをもってバラ撒いているのだという。
「ゥゥーオオー」
シビルジャッジメンター ギャラクトロン
宇宙に平和を齎すべく全ての知的生命体を抹殺するため、巨大人工頭脳ギルバリスによって造られた自律型破壊兵器ロボット。全身が未知の物質・構造で構成されている。
ロボットではあるが、何処となく二足歩行の竜人を思わせる外見をしている。純白の強固な装甲に包まれたボディ、左腕の回転式巨大剣【ギャラクトロンブレード】、ロケットパンチにもなる砲塔付きの右腕のクローアーム、後頭部から伸びる触手のようなクローアーム【ギャラクトロンシャフト】が特徴。非常に多機能であり、スキャン光線やソナーのような能力を持つ他、胸から魔法陣と共に放つ光線は凄まじい威力を誇る。
「ガガ……」
体が引き千切れ、最早抵抗も出来ないネオダランビア。しかし、それを見下ろすギャラクトロンは容赦なく胸からの光線を照射。魔法陣と共に起きた大爆発により、ネオダランビアは木っ端微塵となって消滅した。
「………」
呆気に取られて見ていた者達の方へギャラクトロンは向き直る。それに嫌な予感を感じ取り、主従達は再び臨戦態勢を取った。
「ゥゥーオオー」
しかし、今回の目的はあくまでスフィアだったのか。彼等の方を見やったが、そのまま倒れるスフィアの残骸に視線を戻したギャラクトロンは胸から光線を照射。川原に大爆発を起こしてスフィアの残骸を一掃した。
「ちょうどいい。あいつをいただくか」
初めは警戒したが、考えてみればギャラクトロンの強さは一級品。レッドキラーを失って戦力が目減りした今、手駒にすれば大いに役に立つであろうロボット怪獣ではある…とズール星人は考えた。
「は? 横取り? それは良くないじゃんねー」
「「!?」」
突如背後から声が聞こえ、2人が慌てて振り返ると、そこにはいつの間にか誰かいた。
「ちょりーっす☆」
彼女はよく通る高い声で、ポーズをつけながらギャル風の挨拶を笑顔でしてきた。
見ればかなりスタイルバツグンの金髪ロングの美少女で、上半身は黒いビキニと黒い腰巻きのみという露出度の高いかなりセクシーな格好である。
…そう、
一方の下半身は脚…ではなく、黄色い鱗で覆われた大蛇の尾そのものとなっている。このせいでもう1対の腕以外は地球人の少女と変わらぬ体格ながら、全長は10m以上あった。
「………!」
異形の宇宙人の突然の来訪に困惑するファンタス星人。一方、ズール星人は彼女のことを知っているのか、驚愕した様子であった。
「き…貴様はラミアネロ星人デルピューニ!!!!」
「おっ、あーしのこと知ってんだ?」
デルピューニと呼ばれた女はニンマリ笑う。その様は美少女らしい可愛らしさと、獰猛で邪悪な肉食獣の本性が同居したものであった。
「…あのロボットは君のか?」
ファンタス星人もこの少女の顔は知らずともその名、さらには悪名だけは知っていて驚いていたが、下手に刺激してこちらに敵意を向かせないよう、あえて平静を装って相手に尋ねた。
「そうだよーん☆」
「私達を何故助けた? 助ける義理はないはずだろう?」
「べっつに~。あーしの
反応があったからぶっ殺しに行ったら、単にキミたちが先に戦ってたってだけ~」
「そうか……ん、任務……?」
物騒な表現だが、嘘はついていまい。
しかし、ファンタス星人にとって引っかかる部分があった。
「あ~。あーし、
そんな彼の疑問に対し、彼女はあっさりと今の自分の身分をバラしてしまう。
「「!」」
「じゃあ、お近づきのしるしに……
そんな彼女だが先ほどまでの軽薄な態度が一転、目つきが鋭くなり、雰囲気も邪悪なものへと変わった。
(こいつ…)
(強い!)
レイオニクスとして戦い続けて長い彼等だが、今では相手の発する雰囲気だけからもある程度レイオニクスとしての実力を読み取れるようになっている。そして、そんな彼等の感じ取った敵の強さは少なくとも自分達より上というものであった。
「その子達、
その可憐な口の端から涎を垂らしながら、蛇女は怪獣達を見やった。
その様を見てディノゾールもミズノエノリュウも、女から滲み出る邪悪な本性を感じ取ったらしく、スフィアに対する以上の警戒感を見せた。
「チッ、噂通りか……」
ズール星人は舌打ちする。どうやらラミアネロ星人がどういう種族なのか、彼は知っているらしい。
「どうやら覚悟を決めるしかないらしい」
「今日は厄日だな…」
ズール星人もファンタス星人もうんざりした様子で吐き捨てる。
「キャハハハハッ!! じゃあ始めよっかぁっ!!」
喰獣蛇鬼 ラミアネロ星人デルピューニ
かつてエンペラ・レイブラッド・グアと並ぶ、宇宙の暗黒街の四大勢力の一角として知られた『パイトン・ファミリー』の首領であるラミアネロ星人パイトンの妹にして組織の元No.2。エンペラ星人との戦争で姉は敗死しファミリーも崩壊するも彼女は生き延び、現在はラミアネロ星のレイオニクスにして、ペルフェクト星人と同じくレイブラッド星人に仕える運営側として働いている。レイオニクスとしてもかなり才能があったようで、バトルナイザーもネオへ進化済みである。
ラミアネロ星人は並の怪獣を遥かに凌ぐ超巨大種族として知られるが、パイトンとデルピューニはその中でもさらに際立った巨体であり、巨大化時の全長はデルピューニは400m、パイトンはその倍の800mもの大きさを誇った。元々ラミアネロ星人自体、凶暴残忍で狡猾な性格と怪獣を常食するほどの食欲で知られているが、パイトンとデルピューニの姉妹はその中でも突き抜けており、侵略した星々の生態系と怪獣達を捕食行為で滅ぼしたほど。
蛇体そのものの下半身と、
ラミアネロ星の頂点捕食者(完全な肉食性)であり、口からは多種の猛毒と強力な電撃光線を吐く。爬虫類から進化した種族であるが、有毒生物に共通する毒生成に伴うエネルギー効率の悪さにより、ボガール種をも超える凄まじい食欲を誇る超危険生物である。
「いくら試験官とはいえ、サードステージ進出者の2体の怪獣を相手取るとは舐められたものだ!」
「目に物見せてくれるわ!」
なしくずし的にファンタス星人とズール星人はタッグを組むこととなり、ディノゾールとミズノエノリュウもまたギャラクトロンと睨み合ったのだった。
用語解説
宇宙参謀 ズール星人(RB)
二つ名は“無影斬”。かつてウルトラマンジャックと戦った宇宙人の同種族。地球侵略を企み、怪獣レッドキラーを操って邪魔となるウルトラマンジャック及びMATを抹殺しようとした。
体型こそ地球人と変わらないが、両腕は蟹の鋏のようであり、突き出た両目に丸まった茶色い大きな頭部は、人間の首から上にヤドカリが乗っているかのような印象を抱かせるもの。口の辺りには3つの正四角形の小さなガラス窓のような物体がある。別名の通り狡猾で用意周到な作戦を行うが、戦闘能力は低く大した抵抗も出来ぬまま射殺された。
上司と部下の2体が登場し、上司は終始通信機で指示を下しているのみだったが、部下は紙芝居屋の老人に化けて暗躍した。紙芝居には通信機能があり、これで上司は命令を下している。
部下はある少年を言葉巧みに橋に誘い出して下に突き落としたところで、ちょうど下をパトロール中で車で通りがかった郷秀樹=ウルトラマンジャックに轢き逃げ犯の汚名を着せる。郷が謹慎処分を受けたところでレッドキラーを出現させて暴れさせ、一旦は撤退させるも再度出現させ、自身の正体を知る少年と郷をまとめて始末させようとする。しかし意識不明のまま病院から連れ出された少年がここで意識を取り戻し、老人の正体を証言。そのまま岸田隊員に射殺され、レッドキラーもジャックに倒された。
本個体はレイブラッド星人の後継者となって宇宙を支配すべく、惑星アシヨシでのレイオニクスバトルに参加している。古風な喋り方が特徴の個体であり、勝利のためには僅かなチャンスをも辛抱強く狙うなど、サードステージ進出者らしい実力者。レッドキラーとディノゾールを使役する。
ファンタス星人(RB)の噂を聞きつけて現れレイオニクスバトルを挑むも、レッドキラーは敵のシルドロンにギリギリのタイミングで逆襲され敗死。ファンタス星人にレイオニクスの運命を説きながら2戦目を行おうとしたところで、レッドキラーの死体に突如スフィアが出現して憑依し、スフィア合成獣化してしまう。ファンタス星人からは自ら手を下すのはつらかろうと代わりに戦うことを提案されるが断り、ディノゾールにスフィアレッドキラーを討たせた。
しかしスフィアの生き残りはネオダランビアⅢとなり、なしくずし的にファンタス星人のミズノエノリュウとのタッグ戦となる。しかしネオダランビアは突如乱入したラミアネロ星人デルピューニのギャラクトロンに討ち取られ、そのまま試練に臨むことになる。
ファンタス星人と違い、デルピューニと面識こそないものの、その面相は知っていたため、宇宙の悪党に関してはそれなりに博識らしい。
ブーメラン怪獣 レッドキラー
かつてウルトラマンジャックと戦った怪獣の別個体。地球侵略を企むズール星人に操られている怪獣で、紙芝居屋に化けていた彼の紙芝居の内容に沿って行動していた。
その名の通り両手に持った三日月型のブーメランが最大の特徴。両手はブーメランを受け止められるよう肉厚の鋏状となっており、他に頭の同じく三日月型の角、蹄状の鼻先、胴体前面の吸盤状の突起及びイボ状の突起にびっしりと覆われた背中、先端が二股に分かれた長い尻尾が特徴。ブーメランはマッハ2という速さを誇り、他に口からは白煙を吐く。防御力もMATのスーパーカノンが直撃してもなんともないほどである。
突如街中に出現し暴れるが、MATにスーパーカノンで攻撃され撃退される…が実際にはダメージにはなっておらず、ズール星人の作戦でやられたふりをして逃げただけであった。その後再び出現し、今度はスーパーカノンも意に介さず暴れるがジャックが登場。ブーメランと肉弾戦で苦戦させるも、ブーメランは連投するもジャックに大ダメージを与えるには遠く及ばず、最後はブレスレットムチでブーメランを奪い取られ、そのまま体を十字に切られて倒された。
本個体は同じくズール星人(RB)に使役されている。主人からは友情をもって接されていたようで、シルドロンとのレイオニクスバトルの末に敗れた際には、ズール星人は激しい衝撃を受けていた。その後死体はスフィアに憑依され、スフィア合成獣と化してしまう。ファンタス星人達に2度も殺されたくないとして、せめて自分達の手で葬るべくディノゾールが出陣、倒される。そして2度と復活しないよう、死体は粉々に爆破された。
変異昆虫 シルドロン
かつてウルトラマンダイナと戦った怪獣の別個体。昆虫が変異して誕生した怪獣で普段は地中に潜んでいる。高純度エネルギーを餌としており、それを求めて高純度エネルギーパイプライン付近に出現した。
灰色の体色、横に突き出た両目、鋏状の両腕と両足、腹部側面から飛び出した退化しかけの中足、長い尻尾、額の緑の水晶体が特徴。飛び道具は持たないものの、両腕はビーム攻撃程度は跳ね返す硬度を持ち、額の水晶体を点滅させることで敵の攻撃を予知する能力を持つ。ただし、腹部は柔らかく弱点となっており、前述の硬い両腕と予知能力はこれを守るためと考えられる。
スーパーGUTSやダイナを苦戦させるが、ダイナの編み出した直前で軌道を変化させるウルトラフォークにより、予知能力を上回られて攻撃が命中、そのまま爆死した。
本個体はティグリスの死亡後、ファンタス星人(RB)が新たに捕まえた怪獣の1体である。ズール星人(RB)のレッドキラーとの戦いではブーメラン攻撃を見事に防ぎ続け、ウルトラフォークと同じ要領で放たれたとどめの一撃さえも防いでみせた。しかし実際にはそれすらも囮であり、角での突き刺しを腹部にくらい致命傷を負って倒れる。
しかし、そこでレッドキラーが油断したところで瀕死ながら無理矢理起き上がって奇襲をかけ、右の鋏で敵の腹部を貫いて殺害するも、こちらも限界が来て倒れてしまう。しかしなんとか命は繋いでおり、戦線離脱となるも生き延びた。
地帝大怪獣 ミズノエノリュウ
かつてウルトラマンガイアと戦った怪獣の別個体。大地の守護神、龍脈の化身とも呼ぶべき強大な存在であり、古代人からは信仰の対象となっていたことが示唆されるなど、単なる怪獣とは一線を画す。
濃い青色をした、四脚の東洋龍そのものの姿をした巨体の怪獣で、額には『龍玉』と呼ばれる青い宝玉が付いている。8本の尻尾は文字通り龍の頭となっており、それらも視覚を有するらしく視野が広い。口と尻尾からは電撃光線を放ち、皮膚はガイアのクァンタムストリームが直撃してもなんともないだけでなく水のようなバリアで攻撃を防ぐことまでし、フォトンエッジのチャージ中に攻撃を仕掛けて不発に追い込むなど知性も高い。さらには怒ると天候が変わるという風に、その影響力は地球怪獣の中でも絶大である。
東京の地脈が工事で切断されてしまったため、それを取り戻そうとする。それでも初めはライフラインの破壊や威嚇程度に留めていたが、本拠地の地底湖にGBTスティンガーが突入してミサイルで攻撃されたため、ついに怒りが爆発。水柱を噴き上げながら地上に出現し、ガイアと戦闘になるもその高い戦闘能力で圧倒。しかし、風水師の女性の説得を受け、地底へと帰っていった。
その後はブリッツブロッツやゾグとの戦いの際(前者は幻のみ)に出現。ゾグにも果敢に攻撃するも反撃を受け戦線離脱するが、のちに幻として姿を現している。惑星モーン・スターにも封印から復活したアーマードダークネスが異空間に召喚した怪獣の1体として出現するも、洗脳から解放される。
本個体は惑星アシヨシにて現れたところをファンタス星人(RB)に捕獲される。尚、彼の怪獣と戦いになったが、痛めつけられてから捕らえられたのではなく、途中で彼の心に感じ入り仲間となってくれたらしい。彼の怪獣の中でもトップクラスに強く、頼りにされているという。
宇宙斬鉄怪獣 ディノゾール
かつてウルトラマンメビウスと戦った怪獣の別個体。本種はメビウスのデビュー戦を飾ったことでも知られる。UGMがマーゴドンを倒して以来、25年間怪獣の出現しなかった地球に突如飛来した宇宙怪獣である。尚、データ及びレジストコード自体は既にGUYSにあったため、今回の出現以前に人類と遭遇したことがあると思われる。
青い体色、2対の赤い目のある装甲が付いたような頭部、側面に赤い発光体のある前方に突き出た長い首、鋭い爪の生えた長い指、2本の細長い尻尾、甲冑を纏ったようなボディが特徴。口からは1オングストロームという異常極まる細さと1万mという異常に長さの舌【断層スクープティザー】が伸び、これを鞭のように振り回すことで鋼鉄やビルすら切断してしまう。さらには背中から爆発性の流体焼夷弾【融合ハイドロプロパルサー】を放つ他、甲冑のようなボディは非常に防御力も高く、背中にある推進器官で翼がないにもかかわらず自由自在に飛行が可能。
また、頭を潰された場合、体の極性を反転させるという性質がある。これにより尻尾が双頭へと変化し、体の上下前後が入れ替わった怪獣『ディノゾールリバース』として復活するという厄介な面がある。
極めつけにこれだけ高い戦闘能力と凶悪な特性を持ちながら群れる習性まであり、餌である水素を求めて集団で宇宙を渡り回るという。ただし、凶悪な見た目と戦闘能力に反して、実際には大人しい生物である。
メビウスが地球防衛の任に着いていた時代に複数出現、さらには大群の飛来までもが確認されたが、のちにこれは高次元捕食体ボガールに餌とすべく呼び寄せられていたことが判明している。
ある時突如地球に飛来。GUYSの攻撃衛星を破壊後、成層圏で旧GUYSを壊滅させた後に東京に降り立ち破壊の限りを尽くすも、遅れてやって来たメビウスと戦闘となり、苦戦の末撃破されている。その後複数の個体が現れるも、突如現れたハンターナイトツルギに倒されたり、頭部を破壊されたせいでディノゾールリバースとして復活したりしている。
本個体はズール星人(RB)に使役されており、切り札として扱われている。スフィア合成獣と化したレッドキラーとの戦闘では悲しみを押し殺しながらも圧倒、勝利した。しかし、その後のダランビアⅢとの戦いでは行動パターンを解析されていたこともあって、敵の回避能力に苦戦している。
シビルジャッジメンター ギャラクトロン
かつてクシア人が宇宙に平和を齎すために創り上げるも暴走し、主人達を滅ぼした巨大人工頭脳ギルバリスが知的生命体を抹殺するため製造した自律型破壊兵器ロボット。本機種は大量生産されており、ギルバリスの尖兵として各惑星の文明や宇宙警備隊と激突、熾烈な争いを繰り広げている。さらには、このM78ワールドだけでなくウルトラマンゼロ達ウルティメイトフォースゼロのいるアナザースペースにもまた大量に送り込まれ、彼等と激闘を繰り広げているという。
そして、敵対しているのは悪党達も例外ではなく、エンペラ軍やグア軍団とも幾度もの交戦経験があり、彼等を手こずらせたという。エンペラ星人やグア三軍神もギルバリス共々このロボット達を憎んでおり、本拠地である惑星クシアごと滅ぼそうと探し回っていたが、クシアはデジタル化してサイバー空間に逃げ込んでしまうため、結局彼等でも手の打ちようがなかった。
戦闘ロボットではあるが、二足歩行の竜人を思わせる見た目という、他のロボット怪獣以上に生物的な印象が強い。純白の装甲、赤いゴーグル状の目、後頭部から生えた数本の角及び先端がクローアームとなった触手【ギャラクトロンシャフト】、左手の回転式剣【ギャラクトロンブレード】、右手の砲塔付きクローアームが特徴。右手の砲塔からの射撃、胸及び目からの破壊光線【ギャラクトロンスパーク】(使用時は魔法陣が発生する)という風に遠距離でも全く隙がない。単純なパワーや防御力もウルトラ戦士を寄せ付けないほどで、遠近共に高い戦闘能力を誇る。
そして人語を操り、演説も可能とするほどの高度な人工知能を搭載しており、これを利用し敵の行動パターンを分析し、無力化することすら可能。
本個体はギルバリスがバラ撒いた内の1体を、ラミアネロ星人デルピューニが捕獲・使役しているもの。レイオニクスパワーでさらに強化されており、不意打ちとはいえダランビアⅢを一撃で半死半生に追い込むなど、試験官の使役怪獣として相応しい強さを誇る。魔法陣での移動能力もあってデルピューニからは重宝されており、最も使用している怪獣となっている。