怪獣超無法惑星   作:フルメタル・ミサイル

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 ロックフォーヌですが、いざ作ってみたら前回言ったような見た目じゃなくなってきたなぁ。とりあえずレモネードデルタ似ってのはナシで。

 あとテンペラー星人は激戦の果てにネオバトルナイザーに進化しています。
 ちなみに今回はニュージェネ怪獣がかなり多めです。

 それと…今回ペルフェクト星人の名前がついに明らかとなります。

 最後に、私はレイブラッド星人の声は佐藤正治氏が1番好きですので、それで脳内再生してください。


2人のペルフェクト星人 その2

「おっと、いけないいけない。()()()を忘れちゃダメだわぁ~」

『バトルナイザー、モンスロード!』

 

 姑獲鳥とファムのやり取りを呆れて眺めていたロックフォーヌだったが気を取り直し、ネオバトルナイザーから2つの光を放つ。

 

「ギシャアアオオオオ」

 

 宇宙スパーク大怪獣 バゾブ

 

 かつてウルトラマンダイナと戦った宇宙怪獣の別個体。電気を主食としており、そのために地球にやって来た。

 外見上1番目立つ部位は頭部で、胴体に比べてもアンバランスなほど大きい。横に伸びた楕円形の頭には2本の触角とまばらに棘が生え、額には後述の能力の起点となる青い水晶体がある。口はかなり大きく、鋭い牙がまばらに生える。他はやや金色がかった灰色の体色、被膜のついた翼竜のような腕、長く太い尻尾が特徴。また、腹部には渦巻き状となった第二の口があり、ここから宇宙発電所を呑み込んだ。

 頭の水晶体からは電撃光線と強烈な電磁波、さらには自分から半径3kmにあるコンピューターをダウンさせ光線すら捻じ曲げるほどの凄まじい磁界を発生させる。

 

「まあ醜いですこと」

 

 続いて召喚された怪獣を見た途端、姑獲鳥は鼻で笑う。自分と同じくかつてウルトラマンダイナと戦った種族であり、さらには同じく電気を主食とする怪獣であるが、この鳥の抱いた感想はこのようなものだった。

 確かにバゾブは珍妙と言える見た目をした怪獣ではあるのだが、能力そのものは機械の発達した文明社会にとっては天敵と言えるほどの厄介さである。

 

(おかしい……この女は姑獲鳥の能力を見ている以上、バゾブのような怪獣はそこまで相性が良くないと分かっているはず)

 

 バトルナイザーを起動出来ずともファムはバゾブを既に知っていたが、だからこそ違和感を覚えた。

 バゾブは姑獲鳥と同じく電気を主食とする怪獣。しかしプラズマ生物という奇怪極まる存在である姑獲鳥と違い実体を持った、まだ普通の生物である。

 能力自体は共通する部分が多いが、バゾブは姑獲鳥に比べればスピードも遅く、肉弾戦についてもそこまで強力というわけではない。仮に電気を使っても互いに吸収してしまうが、スピードの差により格闘戦の方でアドバンテージを取れる姑獲鳥の方が有利と思われる。

 

「ギシャアアオオオオ」

「ピョロロロロ」

 

 バゾブは早速頭頂部の青い球体から電撃光線を放つも、姑獲鳥にそのまま吸収されてしまう。続いて姑獲鳥もプラズマ光弾を放つが、バゾブはこれを腹の第二の口から吸収してしまう。

 

「………………」

 

 ロックフォーヌは黙って眺めていたが、その顔に焦りはない。あえて無駄な攻撃を行わせたのも、姑獲鳥が何が出来るのかを慎重に調べているように思えた。

 

(何が狙いなんでしょう)

 

 バゾブには現状、姑獲鳥を撃破することは出来ないはず。その事実を証明するように、唸り声を上げて殴りかかったバゾブはスピードで勝る姑獲鳥にはあっさり躱され、逆に顔面を右足で蹴り上げられた。その後も何度も殴りかかっては簡単にあしらわれる始末である。

 電撃が効かないということは初撃を吸収されてしまったことで姑獲鳥も気づいたらしく、今は格闘のみで攻め立てていく。そして、凶獣は格闘においては敵を上回っているという自信があった。

 

「先ほどの怪獣と比べても歯ごたえはありませんね」

 

 慢心する凶獣は、この不細工な怪獣を改めて嘲笑う。ザディーメに相性差で圧倒した姑獲鳥は、今また相性差により勝利を掴もうとしていた。

 

「ギシャアアオオオオ」

 

 大分打ちのめされたバゾブであるが、それでもまだ戦闘意欲はあるらしく雄々しく咆哮する。

 とはいえ、最早勝敗は分かりきったこと。そして勝ちの目はないことを理解出来ないほど、バゾブは愚かな怪獣ではないだろうに……と普通なら思うだろう。

 

「………」

 

 相変わらずロックフォーヌの態度に動揺はないが、だからこそ不可解である。ファムは訝しんでいたが、敵の狙いは現時点では見えてこない。

 

「フフ……」

「――――ッッ!」

 

 勝ち誇る敵怪獣を見上げながら、何故か魔女は暗い笑みを浮かべる。

 それを見たファムの背筋にぞくりと悪寒が走り、何か嫌な予感がしたので姑獲鳥を見やる。

 

「ウッッ!?」

 

 勝利は目前。自身より弱い怪獣を簡単に圧倒する凶獣はそう信じ切っていた。

 ところが、その思い上がりを正させるかのように、姑獲鳥の背中に大出力の破壊光線が直撃、大爆発を起こす。

 

「ありえない…! どういうことです!?」

 

 本来自分には光線が当たるはずないにもかかわらず、まともに当たった。前のめりに倒れる凶獣はそれが信じられず、慌てて背後を見やる。すると、そこの空間が揺らめき、新たな刺客が姿を現す。

 

「キョロロロロ……キュイイイイイイ」

 

 時空破壊神 ゼガン

 

 かつてシャドー星人によって開発された生物兵器の怪獣。そして本個体はシャドー星人(RB)に惑星アシヨシに持ち込まれ使役されていた。ところがある時、主人は突如現れたロックフォーヌに試練としてレイオニクスバトルを挑まれるも敗北し死亡。しかし怪獣の方は戦いを生き残ったため、彼女にそのまま奪い取られ戦力となった。

 上半身は錆びた鉄のようなくすんだ赤、下半身は逆に青い体色をしている。ブーメランのように真横に広がった頭部、ザリガニのようなハサミ状の両手、背中の鰭のような形状の翼、先端にクジラのような鰭を持った長い尾、胸部の青い発光体が特徴。

 

「油断大敵よ♪」

 

 煙管を咥え、口から紫煙を吐きながら、そう機嫌良さそうに告げる魔女。

 

「…なるほど。あの怪獣は囮ですか」

「そゆこと」

 

 忌々しげに呟くファムに、ロックフォーヌは答えてやる。

 ロックフォーヌのネオバトルナイザーからは召喚時、確かに2つの光が放たれていた。しかし、バゾブと同時に召喚されたゼガンの方には魔女が“認識阻害”・“透明化”・“消音”の3つの魔術をかけ、ファム達から存在を秘匿していたのである。

 

「バゾブじゃ相性が悪いなんて私が分からないはずないでしょぉ?」

 

 そう、ロックフォーヌはバゾブを最初から囮として召喚していた。本命はゼガンの方である。

 バゾブの能力では姑獲鳥を倒せないが、能力の相性の関係から、こちらの方も電撃・光線は共に効かない。そのためゼガンの必殺技が絶対に当たるタイミングが来るまでの()()()()としては最適で、あるいは仮に不意打ちが失敗しても、前述の能力により、姑獲鳥の飛び道具からゼガンを守る盾にもなるというわけだ。

 その狙いの下、致命傷を避けつつ、姑獲鳥が油断しきり、決定的な隙をさらすようになるまで、主人の指示の下バゾブは動いていた。そして狙いは見事にハマり、慢心した姑獲鳥は無防備な背中を隠れていたゼガンに向けたのである。

 

「じゃ、バイバイ♪」

「ギシャアアオオオオ」

「キュイイイイイイ」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()ロックフォーヌは女エージェントに再び別れの挨拶を告げると、そのまま怪獣達と共に魔術で空間転移してしまう。

 

「なっ!?」

「あっ!?」

 

 だが、呆気に取られる暇もなかった。姑獲鳥のすぐ背後、着弾箇所の空間が歪んだかと思うと、そこにブラックホールのような黒い穴状の空間が出現する。

 

「やられた!! そういうことですか!!!!」

 

 ブラックホールの超重力に吸い上げられながら、ファムは絶叫する。

 かつて、姑獲鳥はウルトラマンダイナにレボリウムウェーブで倒された。姑獲鳥の性質からして、正攻法での打倒はほぼ不可能とダイナは見たのだろう。

 そしてゼガンの放った【ゼガントビーム】は奇しくもレボリウムウェーブと同系統の技――マイクロブラックホールにより次元の狭間に送り込んで追放してしまうというものである。同じ結論をロックフォーヌも出しており、ダイナ(先人)にならったというわけだ。

 

「くっ……反重力装置作動!」

 

 さすがはヤプールのエージェントを長年勤め続ける女。超重力に吸い寄せられながらもなんとか右手首の腕時計型の装置を操作し“反重力モード”を起動。これにより僅かながらマイクロブラックホールに吸い込まれるスピードが遅くなる。

 

「おわぁぁぁぁ吸われるぅぅぅぅ!!」

 

 一方、姑獲鳥の方はというと、かつての個体と違い、大分抵抗していた。全速力で飛び続けることでなんとかブラックホールへ吸い込まれることだけは回避していたが、ダイナ戦と同じくそれも時間の問題だろう。

 

「世話の焼ける鳥ですね!!!!」

 

 助けに来ておきながら諸共死にそうになっている鳥に、ファムは失望するも、こいつに自分の命がかかっているのも確か。女エージェントはガジェットを操作し反重力モードを最大出力、さらには効果範囲も姑獲鳥までに及ぶよう設定した。

 

「! これなら!!」

 

 これならなんとか振り切れるまでにはなったらしく、姑獲鳥はファムを両手で包み込むと、そのまま全力で飛ぶ。しばらくのち、ついに超重力の影響を振り切ると、主の待つ座標へと飛んで行く。

 

「……貴方が余裕こいてあの時攻撃しないからですよ」

「……すみませんでした」

 

 助けられておきながら、凶獣が先ほど見せた余裕の振る舞いを冷たく詰るファム。しかし姑獲鳥も失態だと認めるしかなかったため、平謝りするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――とある荒野――

 

 姑獲鳥を送り出して少し経った頃。テンペラー星人が直接ファムを助けに来なかったのは、こちらも手が空いていなかったからであった。

 ファムと同盟を組んだ直後、早速エンディール星人を抹殺しに行った極悪宇宙人だが、狡猾な知略遊撃宇宙人には結局逃げられてしまう。その後レイオニクスバトルになったりならなかったりしたが、現時点においてエンディールの抹殺は果たせていない。

 そうして、今回は都合4回目の襲撃。広い惑星の中で毎度逃げ隠れするエンディールの居場所を調べ上げるファムの苦労とストレスは半端ではなく、「いい加減にしてください」と本気で愚痴られる始末である。

 

「毎度毎度いい加減にしてほしいものですよ…」

 

 ファム同様、敵のあまりのしつこさにエンディール星人もまたうんざりしていた。皇帝の死後、自分がエンペラ軍を裏切って逃げたという自業自得からとはいえ、それでもしつこく追跡してくる敵には怒りが湧いてくる。

 

「貴様! よくもワシに対して偉そうにそんな口がきけたものだっ!」

 

 罪深い裏切り者でありながら、エンディール星人がそのようなふざけた言い草をしてきたことに怒り心頭のテンペラー星人。

 

「沈みゆく泥舟から逃げたことが、そんなに罪深いというのですか?」

「エンペラ軍を裏切っただけでは飽き足らず、資金も物資までも大量に持ち逃げした。

 そんな奴を生かしておいてはエンペラ軍の沽券に関わるわ!!」

 

 ただエンペラ軍を裏切っただけならばまだ良かった。けれども、エンディール星人の質が悪かったのが、皇帝の死の直後のどさくさに紛れて資金と物資も退職金代わりとばかりに大量に持ち逃げしたことだ。

 この仕打ちは当然ながらテンペラー星人を筆頭とするエンペラ軍残党を激怒させており、彼等の最優先の抹殺対象となっていた。

 

「やれやれですねぇ。私は退()()()をいただいただけですよ」

 

 もっとも、エンディール星人は元々そういう性根なのか、全く悪びれていなかった。そもそもこの男はエンペラ軍に所属しておきながら、内心では皇帝への忠誠心を抱いていなかったほどの悪党である。そうなるのもむべなるかな。

 

「貴様のくだらん戯言にこれ以上付き合うつもりはない。

 やれぇヘルベロス!! この罪深い裏切り者に死をもって償わせるのだ!!」

「ファロロロロロロ!!」

 

 最凶獣 ヘルベロス

 

 宇宙に悪名を轟かせる凶悪な怪獣で、他の怪獣を上回る非常に高い戦闘能力を持つことで知られる。

 黒い体に首や胸の赤い装甲部、濁った白い目、頭頂部と腕部の鎌のような刃、全身に生える鋭い刃状の棘、先端に刃が生えた長い尻尾が特徴。このような攻撃的な見た目に加え、口からの火球、腕部の刃からの光刃、角からの電撃光線、背中の棘からの矢のような多数の光弾など、数ある怪獣の中でもトップクラスの飛び道具の豊富さも持つ。

 本個体はテンペラー星人に使役される4体の凶獣“四凶”の一角であり、獰猛さは四凶でも随一である。

 

「仕方ありませんね。貴方には今度こそ死んでもらうとしましょう」

「キュロロロロロロ」

 

 惑星守護神 ギガデロス

 

 ある流れの宇宙人科学者によって多数製作されたロボット怪獣。元は怪獣災害に苦しむ銀河系の人々のために製作された防衛兵器であり、別名の通り確かに平和をもたらしていたのだが、いつしか暴走。ギガデロス同士で潰し合った挙げ句、守っていた星々も逆に荒廃させてしまった。

 ロボットであるが、やや生物感のある見た目と特徴は黒と紫の鎧を纏った竜人を思わせる。黄色い目、斜め横に伸びた角、長い鎌首、右手の手甲部から伸びた両刃剣、左手の盾及び4本のフィンガーマシンガン、背中の背骨状のパーツなどが特徴。

 本機はエンディール星人がある怪獣バイヤーから購入したのを彼がさらに改修したもの。そのせいでレイオニクスパワーと合わせ、以前よりかなり強化されている。

 

「この子はつい最近購入したばかりでしてね。その性能評価をさせてもらうにはちょうどイイ…」

「また新しいポンコツか! それもエンペラ軍(ワシら)から盗んだ金で買ったんじゃないだろうなぁ!?」

 

 4度の襲撃の内、レイオニクスバトルは2度目。しかし、このロボットは初めて見る機体であった。

 とはいえ、こう激怒して唾棄する通り、テンペラー星人にもヘルベロスにも恐れはない。

 

「ファロロロロ!」

 

 挨拶代わりとばかりに、ヘルベロスは口から火球を吐き出す。しかし、ギガデロスはロボットらしからぬ機敏な動きで、命中寸前に火球を右手の剣で真っ二つに切り裂いてしまう。分かたれた2つの炎は地面に落下後爆散した。

 

「ならばこれはどうだ!」

 

 今度はヘルベロスは背中の棘から紫の電流を迸らせると、そこから多数の光弾が発射、降り注いでくる。しかし、ギガデロスは左手のフィンガーマシンガンを向け連射、その全てを誘爆させて撃ち落とす。

 

「ぬっ!?」

 

 続いてその爆炎に紛れ、ギガデロスは右手の剣を振り上げ斬りかかってきた。しかし、最凶獣は頭の角で刃を受け止めて弾き返し、さらに尻尾を叩きつけて打ち倒す。

 そうして、倒れたロボットが起き上がろうとした隙を突き、さらに尻尾を振り下ろすも、ギガデロスは今度は左手の盾で受け止めてしまう。

 

「とどめだ!」

 

 ヘルベロスは咆哮を上げると、自分の技で最強の威力を誇る頭部の角からの電撃光線をギガデロスに浴びせかける。さしもの惑星守護神もこれの威力は防ぎきれず、大爆発を起こしてしまう。

 

「フハハハハ! 貴様にも後を追わせてやる!」

 

 大爆発を起こして消滅したギガデロス。それを見て機嫌を良くしたテンペラー星人は高笑いを上げ、エンディール星人に右手の鋏を向ける。

 

「フフフフ」

 

 顔面の大半を単眼が占める宇宙人故、表情というものはない。にもかかわらず、エンディール星人の顔はこころなしか笑っているように見える。

 

「ファロロ!?」

「なっ、なに!?」

 

 その直後、主従は驚愕のあまり間抜けな声を上げる。

 消えたと思ったギガデロスが再び現れる。それだけでなく、なんと2()()()()()()()()のである。

 

「これが“デロスイリュージョン”です!」

 

 そんな敵達を見下し勝ち誇るエンディール星人。

 そう、これがギガデロスの特殊能力『デロスイリュージョン』――このロボットは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のである。そして分裂後も強さは据え置きであり、敵の光線をくらえばくらうほどその数は増えてしまう。

 

「「キュロロロロロロ」」

 

 今度は2体で襲いかかるギガデロス。

 

「ファロロロロ!!」

「あっ!? よっよせっ! やめろっ!」

 

 ここで慌ててネオバトルナイザーを起動してデータ検索をしたテンペラー星人は敵の能力を知る。ところが、怪獣の方は主と違い光線技で増えるという原理は理解していなかった。

 敵の数が増えて業を煮やしたヘルベロスは決着を急ぐあまり、主が制止するのも聞かず再び角からの光線で敵を薙ぎ払ってしまう。しかし案の上、敵は増殖。今度は4体に増えてしまった。

 

「ありがとうございます。わざわざ手駒を増やす手間が省けましたよ」

 

 愚かな敵を皮肉り、嘲るエンディール星人。彼の言う通り、数は1対4という絶望的な状況となってしまった。

 

「「「「キュロロロロロロ」」」」

 

 4体のギガデロスはフィンガーマシンガンでの爆撃を開始。

 

「ファロロロロロロ……!」

 

 先ほどと違い、今度はその4倍の数が空から降り注いだため、背中からの光弾を連射して対抗するも、最早防ぎ切ることは出来ず多数被弾。ヘルベロスがいくら硬い装甲の持ち主であっても、これだけの数をまともにくらえば大ダメージとなり、悲鳴を上げた。

 必死で光線を乱射し相殺しようとあがくも、倒されるのは最早時間の問題であったろう。

 

「ぬうう…!」

 

 唸るテンペラー星人はネオバトルナイザーを構える。さすがにいくらヘルベロスでもこれだけ強力なロボット4体相手ではかなり不利であった。ならば戦力を追加するしかない。

 しかし、残る四凶の2体のルガノーガーとカミソリデマーガは共に破壊光線を主体とする怪獣。無論格闘戦でも高い実力を持つが、それでも光線をくらえばくらうほど増えてしまうギガデロス相手に使える戦法は限られてくる。

 

「ピョロロロロ」

「ん…?」

 

 この場には似つかわしくない甲高い鳴き声が空から響く。ふとエンディール星人が空を見上げると、その場一帯を落雷のような光線が降り注ぐ。

 相当の威力だったらしく、くらった4体のロボットは皆即爆散してしまう。

 

「テンペラー様! この姑獲鳥、任務を果たし戻って参りました!」

「ばっ、馬鹿っ!! 何をやっとるんだ貴様は!!!!」

 

 ファムを救出し、戻ってきた姑獲鳥。ところが、主から返ってきたのは労いの言葉でなく、叱責であった。

 そして言うまでもないことだが、爆散したギガデロス4体は光線のエネルギーを利用し、今度は8体となってしまう。

 

「「増えた!?」」

 

 これには姑獲鳥も、その右掌に乗るファムも驚愕する。

 

「間が悪いというのはこういうことを言うんでしょうねぇ」

 

 喜び半分呆れ半分といった様子でエンディール星人はそう呟く。

 

「ですが、これは好都合。今度こそ死になさい!」

 

 主の命を受けたギガデロス8体はフィンガーマシンガンを構え、さらに爆撃しようとする。

 

「この数相手では無理です。ここは退きましょう」

「……そうだな」

 

 即座に事情を察したファムからそう諌められると、テンペラー星人は意外なほどにあっさりと承諾する。さすがに長年エンペラ軍残党を率いてきただけあり、引き際はよく弁えていたのだろう。

 

「おやおや。あんなこと言っておきながら尻尾を巻いて逃げるのですか?」

 

 あんな偉そうに言っておきながら、いざ形勢逆転した途端逃げようとするテンペラー星人をエンディール星人は嘲笑う。レイオニクスバトル開始前とは逆に、今はこちらの戦力が非常に充実したため、むしろしつこい敵を抹殺する好機(チャンス)。それ故、逃げられるのはむしろ不都合だったのだ。

 

「………ッッ!!」

 

 短気なテンペラー星人は思わずその煽りに反応し振り向いてしまうが、降りてきたファムに肩を掴まれて止められたこともあり、怒りを必死で抑え込む。

 

「姑獲鳥! 目眩ましだ!」

「ハイ」

「うっ!?」

 

 姑獲鳥は全身を輝かせ眩い光を放ち、思わずエンディール星人は身を屈める。ギガデロスの方も光学センサーに一瞬動作不良を起こしたのか、動きは止まった。

 その隙を突き、極悪宇宙人は怪獣達をネオバトルナイザーに回収。そのままファムと共にテレポートで逃げ去ってしまったのだった。

 

「逃げられましたか…」

 

 しばらく経って目を開けたが、既に敵は逃げた後であった。

 出来ればここで仕留めたかったが仕方ない。とはいえ、ギガデロスが8体となった今、敵も今までのように襲ってくることはないだろう。ひとまず安息の日々が続くことにエンディール星人は安堵したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――空間の歪み――

 

 そこは宇宙、さらには時空から切り離されたと思しき謎の異空間。砕けた岩石が浮遊し、大気が虹色に輝く幻想的な世界。

 三幹部は現在この異空間を拠点とすると共に、レイブラッド星人の大願成就の要となる“最終兵器”の育成・調整もまたここで行われている。

 

「あら!? 逃げられちゃった!」

 

 虚空に表示される映像を見て素っ頓狂な声を上げるのはロックフォーヌ。ゼガンによるマイクロブラックホール発生に合わせて帰還していたのだが、なんとファム達は脱出に成功してしまう。千里眼の魔術でその後を監視していた魔女だったが、結局目論見は外れてしまったのだった。

 

「キャハハハハ! 逃げられてやんの!」

「! デルピューニ…」

 

 悔しがる中、黄色い蛇体を這いずらせてやって来たのはデルピューニ。同僚の失態が面白くてたまらないといった様子であるが、言うまでもなく彼女は失敗を茶化しに来たのだ。

 

「まっ、こうなるとは思ってたんだよね。所詮アンタの実力じゃさぁ!」

 

 金髪を靡かせながら、嘲笑う蛇女。同じレイブラッド星人直属の幹部であるものの、デルピューニとロックフォーヌは犬猿の仲だった。それこそ殺し合いにまで発展したことも一度や二度ではない。

 

「……手駒3体をみすみす失った馬鹿の吐けるセリフじゃないわねぇ」

「あぁん!!??」

 

 そう茶化すも魔女に痛いところを突かれ、図星だった蛇女は凄む。

 レイオニクス2人に試練を与えるも返り討ちにあって手持ちのロボット怪獣3体を失った。そんな自らの失態をデルピューニは誰にも言わなかったのだが、何故かロックフォーヌには筒抜けだった。

 

「つまり……アタシに偉そうな口をきくなってことよ」

「上等じゃんね」

 

 元々極めて仲が悪い上、元は大組織のNo.2だけあってデルピューニのプライドは高く、そして沸点は非常に低かった。

 もう生かしてはおけぬと右の副腕を振り上げ、そのまま無慈悲に魔女を切り裂く――も、何故か爪は魔女の体を素通りする。

 

「ハァ!?」

「“量子の術”~♪」

 

 その美しい顔を驚愕で歪ませる蛇女に、したり顔の魔女はただそう告げる。

 確かにロックフォーヌの姿をそこに確認することは出来るが、今の彼女の()()()()()()()()()()。術の効果で体も原子でなく量子、“波”へと変わり、時折姿が不規則に揺らめいていた。

 ちなみにこの術は『超空間波動怪獣メザード』の性質を真似て魔女が創り上げたものである。

 

「まぁ、原理は言ったところで理解出来ないデショ?」

 

 そう言ってケタケタ笑う魔女だったが、蛇女は何か思いついたらしく、ネオバトルナイザーを構える。

 

「確かにそういうことは分からないよ。でも……()()()は知ってるんだよねぇ~」

『バトルナイザー、モンスロード!』

「ゥゥーオオー」

 

 シビルジャッジメンター ギャラクトロンMK2(マークツー)

 

 対ウルトラマンがコンセプトであるギャラクトロンの強化改修型で、最大火力が下がった代わりに白兵戦能力を強化している。

 後頭部の触手『ギャラクトロンシャフト』は取外し可能な巨大戦斧『ギャラクトロンベイル』、両手は通常型の五指(フィンガーマシンガン内蔵)『ギャラクトロンゲベール』へと換装された。腕部にも近接格闘用の刃『ギャラクトロンクリンガー』が装備され、頭部前面及び脚も装甲が追加されている。

 本機はギャラクトロンと同じくギルバリスとの抗争時にパイトン・ファミリーに戦力として奪われたもので、現在も引き続き使用している。

 

「へぇ、戦る気?」

「いいや。()()()だよ」

「ゥゥーオオー」

 

 蛇女の指示を受け、MK2は胸部のコアから光線を照射。それを浴びたロックフォーヌは再び現実世界に引きずり出されてしまう。

 

「ッ!? これは…」

「“位相調整波(パイロットウェーブ)”だよ~。量子生命体を相手する時には必須なんだよね~」

 

 デルピューニは見た目こそ若々しいが、こう見えて数千年以上の時を生き、宇宙でも屈指の悪の巨大勢力のNo.2だった女である。他の怪獣や宇宙人との戦闘経験や知識も豊富であり、量子生命体に対しての対処法をも既に学習済みであったのだ。

 

「つーわけで死ネッ!!」

 

 しかし、量子の術が解けたあとのやり方は原始的というか乱暴そのもの。MK2は後頭部の戦斧を素早く取り外し、そのままロックフォーヌへと刃を叩きつける――も、魔女は魔術を使って刃先を逸らして外させた。

 そうして、先手を打たれたことで魔女もまた怒りのスイッチが入る。

 

「結局レイオニクスバトルになるわけねぇ…」

 

 煙管を吸って煙を吐くと、ロックフォーヌはネオバトルナイザーを取り出して構えた。

 

『バトルナイザー、モンスロード!』

「コォロロロロ」

 

 宇宙電磁怪獣 ゲバルガ

 

 地球から『V99』というコードネームで呼ばれる、ある知的生命体の使役する宇宙怪獣。

 青と金の体色をしたヒトデの化物とでも呼ぶべき、奇怪で不気味な見た目をしている。そして頭部らしき部位は一応存在するが、幾何学模様のようなものがある金色の腹部の方に不規則に並んだ焦点の合わない3つの目、胴体中央やや左に存在する口吻がある。

 宇宙空間を移動することが出来、単純な膂力・防御力もウルトラ戦士を上回る。だが、その真骨頂は強力な電磁波の放出や電磁バリア、さらには電磁パルスによる電子機器の停止など、高度な文明のある惑星を攻撃するのに特化したような能力である。

 

「残念! MK2ちゃんがその対策をしてないわけがないじゃんね!」

 

 蛇女がそう豪語する通り、ギルバリスは手駒が全てロボットである以上、電子機器を停止させる電磁パルスへの対策は特に入念に行なっていた。

 それを証明するかのように、ゲバルガは胴体中央部の突起状の口吻を開き、黄緑色のドーム状に電磁パルスを展開するも、ギャラクトロンMK2は全く動じていない。

 

「ゥゥーオオー」

 

 無防備な敵にギャラクトロンベイルが振り下ろされるも、宇宙電磁怪獣は今度は黄色い電磁バリアを展開し、刃を弾き返す。

 

「コォロロロロ」

「ゥゥーオオー」

 

 とはいえ、それぐらいではシビルジャッジメンターは怯まず、さらに両者は共にバリアを展開しながら激突。ギャラクトロンが突き刺そうとした戦斧をゲバルガが両手を合わせて受け止め拮抗する。ところが、それも長く続かず両者はバリアの反発で弾かれ、後退した。

 

「ウフッ、ウフフフフ! ちょっと時間がかかりそうねぇ。

 でも安心して? 必ずスクラップにしてあげるわぁ!」

「キャハハハハ! その怪獣結構美味しそうじゃん! お腹すいてきたから食べてあげるよぉ!」

「コォロロロロ」

「ゥゥーオオー」

 

 このように、両者共可憐さの欠片もない凄絶で邪悪な笑みを浮かべながら怪獣を殺し合わせる。

 そして驚くべきは、この2人はそもそも敵でなく本来は味方同士。にもかかわらず、互いの命を奪うことに全く容赦も躊躇もない。

 

「よさんか馬鹿ども」

「「アァ!?」」

 

 しかし、ここで水を差す者がいた。白いギガバトルナイザーを携えて現れた長い蒼髪の女は、心底呆れた様子でこの2人を眺めている。

 

「邪魔すんなよソテイラ!」

「始末出来そうなところなんだからさァ!」

 

 同じく三幹部のこの蒼髪のペルフェクト星人――――名をソテイラという。

 

「お前達…何処で暴れているのか分かっているのか?」

「ハッ、どうってことないわよ」

 

 怒りを滲ませるソテイラにそう問われるも、ロックフォーヌは鼻で笑う。ちなみに、()()()()()()魔女はこう言っている。

 

「そうか。分かっておらぬのなら…力ずくで止めるしかあるまい」

「ヒャハハハハハハハハ」

「「!!」」

 

 ソテイラの真横に出現したのは、不気味な紫色の光が明滅する棘の生えた黄色い球体。そしてそれの上げる甲高い不気味な笑い声を聞いた途端、2人と2体は動きを止める。

 

「ナメてんじゃないよ!」

「対策してないとでも思ってんのぉ?」

 

 だが、それも一瞬だけ。あえて2人は挑む気概を見せた。

 

「馬鹿が。実力差が未だ分からないのならば、()()というものを今すぐ教えてやる!」

「ヒャハハハハ」

「果たしてアナタに出来るのかしら? ねぇ、“家なき子”」

「面白いじゃんね! アンタの母星と同胞のあとを追わせてやるよぉ!」

「…殺してやる」

 

 挑発への怒りと嫌悪、そして殺意。それらで滾るソテイラの闘志に反応し、時折不気味に揺らめく球体(グリーザ)は人型へと姿を変える。

 

「ヒャハハハハ」

「ゥゥーオオー」

「コォロロロロ」

 

 そうして、三つ巴の殺し合いが始まると思われた。

 

「やめんか!! 愚か者どもが!!!!」

「「「ッ!!」」」

 

 その最中、虚空に響く怒声。それを聞いた3人はビクリと体を震わせると、即座に怪獣を回収し、跪いた。

 

「これはとんだお見苦しいところを…」

 

 彼女等の主にして、この“怪獣超無法惑星”を創り上げ、レイオニクスバトルを行わせた全ての黒幕。謝るソテイラ達の前に、その精神体がついに姿を現す。

 

「分かっているのなら何故やった。貴様等に怪獣を与えたのは私を苛立たせるためではないぞ」

 

 究極生命体 レイブラッド星人

 

 かつて宇宙を何万年にも渡って支配したという、全知全能を自称するほどの強大な宇宙人。現在では肉体は滅んで精神体(=魂?)となっている。

 そしてこの状態では能力を十全に発揮することは出来ず、それを叶える新しい肉体を欲した。そのため自らに最も適した肉体を見つけるべく、多数の知的生命体に己の遺伝子を与えて“レイオニクス”を作り出した。彼等を集めて怪獣達を操り戦わせるレイオニクスバトルで殺し合わせ、生き残った最強のレイオニクスの体を奪おうと企んでいる。

 ウルトラマンとは対極とも言える青と銀の体色に、2本の角を生やしたセミのような顔、肩から下腹部にかけて覆う銀色の甲殻が特徴。超能力の強力さと多彩さに関しては全宇宙、いや全次元においても並ぶ者はおらず、惑星ボリスでは初代ウルトラマンを岩に封印し、危うく絶命寸前に追い込んだほど。

 あのアーマードダークネスすら従えて操り、ウルトラマンベリアルも彼に力を与えられて悪の道に堕ちている。しかし、かつて惑星ハマーにおいてレイ達に敗れ、惑星の爆発と共に消え去ったはずだったが、やがて時を経て精神体は復活。今また暗躍を開始した。

 

「ここでは今“レイケイオス”の調整の最終段階に入っている。そうだったなデルピューニ、ロックフォーヌ?」

「「ア…ハイ」」

 

 主にそう問い詰められ、蒼い顔で冷や汗を全身からダラダラ流しながら、デルピューニとロックフォーヌは上ずった声で返事した。

 最終兵器ことレイケイオスの調整の最終段階に入っていたのは2人共分かってはいたが、その事実を軽んじていた。しかし、下手に怪獣で騒ぎを起こされて何かしらの事故でも起こされれば、その完成は遅れるだろう。

 

「貴様等のレイオニクスとしての才能は大したものだ。だから今は注意だけで済ましてやっているのだ。

 しかし、今後も同じこと繰り返すようであれば、私の気も変わるだろう。

 私を失望させ、()()()を決断させてくれるなよ? ()()()()()()()()()()

 

 レイブラッド星人は平伏する2人をじろりと睨む。極めて強大な宇宙の覇者だけあり、部下の醜態には基本寛容ではある。

 無論、それは今の内だけであり、今後もそれが続けばどうなるか。その先は書く必要はあるまい。

 

「「「はっ」」」

 

 凶悪残忍な3人であったが、主のレイブラッド星人の前では借りてきた猫の如く大人しくなったのだった。

 

「よろしい。今言ったことを肝に銘じておけ。努々(ゆめゆめ)忘れるでないぞ」

 

 そこまで告げたところで、レイブラッド星人の姿は薄靄の如く消え去っていった。

 

「アンタがアタシを挑発するからよ!」

「あーしのせいにすんのかよ!」

「ふざけるなよ貴様等!! 私まで怒られることになっただろ!!」

 

 ……が、主がいなくなった途端この有り様である。このように言い争う通り、三幹部は全員仲が悪くまとまりが全く無い。エンペラ軍の暗黒四天王が(個々の思惑はともかく)曲がりなりにも集団としては一応機能していたのとは、まさに対照的であった。

 レイオニクスパワーは精神力が大いに関わるため、下手に洗脳でもすれば制御は容易になっても実力は大きく下がってしまう。そのためレイブラッド星人も叱責までしか出来ず、部下の扱いには頭を悩ませていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のおまけ

 

 今回三幹部+ナドキエのAIイラストが完成したので載せておきます。ちなみにソテイラはミニスカ版とズボン版です。

 本当はプラティーナとファムも作りたかったのですが、プラティーナはあの大砲みたいな髪型が今の私の技術だと再現不可能。ファムは1番元ネタとの乖離が少なく、作ったらまんま爆乳のマキマさんなのでナシで。

 

ソテイラ

 

【挿絵表示】

 

デルピューニ(肩から生える副腕の方の再現は無理でしたので、そこは想像で埋めてください)

 

【挿絵表示】

 

ロックフォーヌ

 

【挿絵表示】

 

ナドキエ(スフィア侵食前)

 

【挿絵表示】

 

 

ちなみにオリキャラ達の身長ですが

ソテイラ 185cm

デルピューニ 全長10m(頭頂部から尻尾の先まで)

ロックフォーヌ 180cm

ナドキエ 190cm

ファム 175cm

プラティーナ 170cm

となっております。




用語解説

 宇宙スパーク大怪獣 バゾブ

 かつてウルトラマンダイナと戦った宇宙怪獣の別個体。電気を食べる怪獣だが、腹部の口で宇宙発電所ヘリオのメインユニットを中の人員ごと丸呑みするなど非常に悪食。
 横に広がった楕円形の頭部が最大の特徴である、なんとも珍妙な見た目をした怪獣。他は頭部の横に伸びた1対の触角、青い目、頭頂部の青い発光体、横に広がり鋭い牙の生え揃った大口、腕についた翼、長い尻尾が特徴。また腹部には渦巻き状の大きな第二の口があり、ここで前述のように好物の電気ごと物体を呑み込むことが出来る。また戦闘では長い尻尾で相手を締め上げてくる。
 頭部の青い発光体から強烈な電磁波を発しており、そのせいで周囲3kmの電子機器をダウンさせてしまう。また電磁波と同時に強力な磁界も形成しており、光線すら捻じ曲げてしまう他、電撃もその食性上通用しない。
 地球襲来時に攻撃を受けるも上記の特性で無効化し進撃。そしてヘリオを呑み込んだ際、中のヒビキ隊長らを呑み込んでいたが、TPC本部に大損害を与える恐れがあったことからファイナルメガランチャーの発動許可が降りかけた。しかしアスカ・シン=ウルトラマンダイナが手榴弾と発煙筒で誘導し基地から離され、そこでダイナと戦闘となる。
 体内に囚われたヘリオ職員とヒビキ隊長のせいで迂闊に攻撃出来なかったが、コウダ副隊長の奮闘により頭頂部の発光体を壊され、復活したヘリオのメインユニットに電気を奪われ磁界が消滅。そのままミラクルタイプのダイナのドリルスピン戦法で貫かれて爆死し、中の人質も救出された。
 本個体はロックフォーヌに使役されている。姑獲鳥戦に投入されたが、能力がかぶることもあってか姑獲鳥に苦戦する…も、元々本命はゼガンでバゾブは囮であった。その能力によりゼガンの護衛役でもあり、実際格闘戦以外では姑獲鳥もダメージを与えられなかった。

 時空破壊神 ゼガン

 かつてシャドー星で長年をかけて開発された最終兵器と言える怪獣。その内の1体がこの惑星アシヨシのレイオニクスバトルにて、シャドー星人(RB)によって母星から持ち込まれたのだが、ファーストステージ時点でロックフォーヌによって試練を与えられ、主人は敗死。しかしゼガンは生き残ったため魔女に戦力として奪われてしまった。
 上半身前側は錆びた赤色、それ以外と脚は青色をした、水生生物系の要素が目立つ怪獣。ブーメランのような形状をした頭部、胸部中央の青い発光体、ザリガニのような両手の鋏、折り畳んだ鰭のような青い翼、絶滅した海棲爬虫類のような尾鰭のついた長い尻尾が特徴。
 鋏から放つ赤い稲妻状の光線と、胸部発光体から放つ【ゼガントビーム】が武器。特に後者は着弾時大爆発を起こした後、マイクロブラックホールを形成、対象を異次元に追放する。これが別名の由来となっている。
 ロックフォーヌに操られ、魔術で姿を隠匿されながらテンペラー星人の姑獲鳥を狙う。バゾブが囮を引き受ける中、完全に油断し無防備に背中へのゼガントビームによる攻撃を敢行。勝利に貢献するも、ファムと姑獲鳥には脱出されてしまった。

 最凶獣 ヘルベロス

 宇宙にその悪名を馳せる凶悪な怪獣で、他の怪獣を圧倒する高い戦闘能力を誇る。赤と黒の体色、斧のような形状の頭部の2本角、腕に生えた大きな刃、全身各所に生える鋭い棘、先端に刃を備えた尻尾が特徴。
 全身の甲殻は防御力が非常に高く、かえって攻撃した方が痛がるほどである。また、口からの火球、2本の角から放つ強力な電撃光線、腕の刃からの光刃、背中の棘からの紫色の矢のような光弾の雨など、飛び道具に関しては他の怪獣の追随を許さない種類の豊富さを誇る。
 本個体はテンペラー星人の操る4体の凶獣“四凶”の一角であり、その中でも凶暴さは随一。しかし猪突猛進も過ぎ、そのせいでエンディール星人のギガデロスへ無思慮に光線で攻撃してしまい敵は分裂、手痛い反撃を受けることとなった。尚、同じ四凶の姑獲鳥のことはその性格から鬱陶しがっている。

 惑星守護神 ギガデロス

 とある宇宙人の科学者によって製作されたロボット怪獣で、元は怪獣災害に脅かされていた銀河系の人々のために造られたもので、その名の通り怪獣災害をなくして平和を齎すために活動していた。ところが、ギガデロス達はやがて暴走し、彼等同士で潰し合うようになり、その影響で星々は荒れ果て廃墟と化したという。尚、この暴走にはあるウルトラマンが関わっていたというが、真相は定かではない。
 完全なロボットではあるが、何処となく生物的な要素が見受けられ、見た目も細身で尻尾のない、黒い竜人じみたもの。左右に突起が伸びた竜のような小さな頭と長い首、右手の甲から伸びた両刃剣、エイのような形をした盾と一体化した4本のフィンガーマシンガンの付いた左手、鋭い3本爪の付いた脚が特徴。
 剣による白兵戦と左手のフィンガーマシンガンによる砲撃・爆撃が攻撃の主体であるが、最大の特徴は、敵から光線を受けて撃破された際、そのエネルギーを利用して分裂するというもの。これにより破壊光線を受ければ受けるほどその数が増えて敵を追い詰める。けれども、暴走後は一転し人々を恐怖に陥れ、討伐を難しくしてしまった点でもある。
 本機はある怪獣バイヤーからエンディール星人が購入し、その後小改修を施してアップデートをしたもの。テンペラー星人のヘルベロスとの戦いでは向こうがこちらの能力について無理解だったため光線技を繰り出したこともあり、数を増やしまくり圧倒した。
 尚、光線をくらって増殖する性質から、まだ多数の機体が暴走したまま残存している。怪獣バイヤーが所持していた機体はその内の1体でしかなく、多くの宇宙、さらには次元をも超えて活動しており、多くの星々で未だ被害を出し続けているという。また、レギオノイドやギャラクトロンなどと同じく悪の勢力に鹵獲され、戦力として利用されることもある模様。さらに、サタンデロスという増殖機能を捨てた代わりに強力なバリア機能に特化した派生機も確認されている。

 シビルジャッジメンター ギャラクトロンMK2(マークツー)

 ギャラクトロンの強化改修機。最大火力は下がったが、代わりに格闘戦能力が強化されている。これはギルバリスが対ウルトラマン戦を意識して改造したと見られている。
 見た目は改造前と共通する箇所が多いが、後頭部の触手は長大な戦斧『ギャラクトロンベイル』に、両手の装備は人間と同じような五指(フィンガーマシンガン内蔵)『ギャラクトロンゲベール』に換装された。また腕には近接戦用の刃『ギャラクトロンクリンガー』、目の辺りと脚部にも追加装甲が施されているため、改修前と大分見た目の印象は異なる。
 破壊光線『ギャラクトロンスパーク』が使えなくなったため、最大火力こそ下がりはしたが、指からの砲撃はそれでもかなりの威力がある上に隙がなくなり、取り回しも良くなった。また戦斧はウルトラマンの必殺光線を防ぐほどの防御力がある上、バリアの形状こそ変わったがバリア機能もそのまま残っているため、鉄壁の防御力を誇るのは変わらない。そして、格闘戦能力はかなり向上しており、複数のウルトラマンを相手取って尚互角以上の攻防を展開することが可能。
 本機はかつてギルバリスとの抗争を行なったパイトン・ファミリーが鹵獲したもので、現在もデルピューニが引き続き利用している。また、位相調整波(パイロットウェーブ)を放射出来るようになっており、ゲバルガの電磁パルスをくらっても問題なく稼働するなど、マイナーチェンジが施されている模様。彼女の戦力の中でもシラリー・コダラーに次ぐ実力を誇り、例えウルトラ兄弟であっても倒せると彼女は豪語するほどである。
 尚、非常に強力な機体には違いないが、原型機同様他勢力との抗争で死闘の末に撃破されたことがしばしばあったようで、本機を始め他勢力に戦力として流出・利用される機体も見受けられる。

 宇宙電磁怪獣 ゲバルガ

 地球から『V99』なるコードネームで呼ばれる知的生命体の使役する宇宙怪獣。姿は全く似ても似つかないが、汚染獣イルーゴが成体となった姿である。
 見た目は背中側が青、腹側が金色のヒトデの化物とでも呼ぶべき奇怪で不気味極まる姿をしている。また、一見頭部らしきものは存在するのだが、そこには明滅する点があるだけで、口吻(中央やや左側に存在)及び不規則に並ぶ3つの目が、幾何学模様のようなものが描かれた腹部にある。また青と金色の境目には牙がびっしり並んでおり、まるで全体が口にも見える。そして頭部(?)先端と四肢の先端には2本の巨大な爪が付いている。
 このように姿は極めて奇怪で不気味だが、その能力もまた高度な文明を持った惑星を制圧に特化したような強力で特徴的なもの。膂力はウルトラマンを軽々持ち上げるほどで、自前の防御力だけでも近代兵器が一切通用しない。
 これだけでも強力だが、別名通り電気や電磁波を操る能力が真骨頂。ウルトラマンの必殺技すら防ぎ切る電磁バリアを移動しながら展開可能で、爪や牙からも電撃を放つ。また、自分の周囲一帯を呑み込むほどの電磁パルスを放出し、電子機器やインターネットを使用不能に陥らせ、深刻なネットワーク汚染を引き起こしてしまう。また、この体型ながら宇宙空間を飛行可能である。
 本個体はロックフォーヌに使役されている。バゾブ同様強力な電磁波を操る力と高い戦闘能力を誇り、デルピューニのギャラクトロンMK2と互角の勝負を演じるほどである。

 究極生命体 レイブラッド星人

 二つ名は“全知全能”。かつて宇宙を何万年にも渡って支配した強大な宇宙人。エンペラ星人、グア三軍神、ラミアネロ星人パイトンと共に、宇宙の暗黒街の四大勢力の一角として知られ、その中で現在まで生き残る(厳密には彼も死亡しているが)最後の1人。
 己の見込んだあらゆる知的生命体に自身の遺伝子を与え、怪獣使い“レイオニクス”を生み出した。その後惑星ボリスにブルトンを出現させ怪獣無法惑星に変え、惑星ハマーではレイオニクス達を集めてレイオニクスバトルを行わせていた。また、レイオニクスバトルを行う前にもブルトンの力を使ってあらゆる次元から怪獣を呼び寄せるギャラクシークライシスを引き起こしており、以後M78スペースに他の次元の怪獣が出現するようになった。この事件を起こしたのもまたウルトラマンの抹殺と全宇宙征服のためであるらしい。
 これ以前も、ウルトラ大戦争の少し後の時期に光の国でプラズマスパークに手を出し追放されたウルトラマンベリアルの前に現れ無理矢理融合。自分の遺伝子を与えると共に凶暴な悪のウルトラ戦士へと作り変え手駒とした。そしてギガバトルナイザーを与えられ、無敵の力を得たベリアルは光の国を怪獣軍団と共に襲撃した『ベリアルの乱』を引き起こした。
 あの凶悪極まるヤプールやヒッポリト星人からも恐れられたことから、彼等とは何らかの関わりがあった模様。尚、実際にヤプールは種が滅ぼされる寸前まで追い詰められたことがあり、アシヨシでのレイオニクスバトルが始まる数ヶ月前に巨大ヤプールがアシヨシを超獣軍団を率いて襲撃するも返り討ちにあい死亡している。
 現在では肉体を失って精神体となっており、そのせいで力を十全に発揮しきれず、己の新たな器となる肉体=最も強力なレイオニクスパワーを持った依代を求めている。レイオニクスバトルもその依代を見つけるための儀式であり、優勝者を自身の後継者にして宇宙を支配する権利を与えるというのも真っ赤な嘘である。
 もっとも、そうなったのはかつて最も自身の遺伝子を色濃く受け継いだはずのレイが正義に目覚めて裏切ってきたせいで人間不信に陥ったからであり、当時はきちんと継がせる気はあったようだ。それでも院政を敷く気満々であり、レイも了承したところで結局後継者というのも実権のない名目上の話であった可能性が高い。
 また、後継者になることを断ったレイを即座にアーマードダークネスに憑依して襲い、その肉体を奪おうとしたことからも、どこまでも自分本位な性格であることが分かる。とはいえ、能力において見どころのある者に関してはある程度寛容さも見せている。
 ウルトラマンとはまるで対極の青と銀の体色をした、細身の体躯の宇宙人。顔は2本の角の生えたセミのようで、肩から胴体にかけては銀色の甲殻に覆われている。尚、何処となくネオバトルナイザーに似た顔立ちであるが、これはネオバトルナイザーの方が彼の顔を模したデザインなのだと思われる。
 怪獣召喚、異空間移動、石化、蘇生、エナジードレイン、遺伝子提供といった超能力の強力さ・多彩さに関しては全次元においても並ぶ者がないほどで、それこそウルトラ族ですら凌ぐほど。これを満足に力を発揮出来ない精神体で平然と行うあたり、全盛期にどれほどの力があったか窺い知れるものである。もっとも、エンペラ星人とグア三軍神はその時でも倒せなかったことから、彼等も同等の力があるとは思われる。
 そしてこの度、再び依代を得るべく、惑星アシヨシでテラフォーミングを行うと共に、ブルトンの能力であらゆる怪獣を呼び寄せた。そして今まで最大規模のレイオニクスバトルを行わせ、今度こそ新たな器を得ようと企んでいる。

 尚、来歴こそ明らかになっているが、非常に謎の多い存在・種族であり、宇宙の支配者であった時期がありながら個体名すら判明していない。彼が単に名前という文化のない種族なのかどうかは不明。
 それと彼以外に確認されているのはレイオニクス=他種族に彼の遺伝子が組み込まれた者達で、彼以外に純血の個体は確認されていない。そもそも凄まじい力を持つ彼の力がレイブラッド星人という種族の血に由来するものなのか、それとも彼だけが突然変異を起こして生まれた最強の存在なのかも不明である。エンペラ星人と同じく、何らかの理由で彼以外の個体が存在しない種族の可能性もある。
 ちなみに部下から熱烈な忠誠を捧げられたエンペラ星人と比べるとカリスマ性にやや欠けるようで、レイブラッド三幹部の内デルピューニとロックフォーヌは単にそちらの方が都合が良いから従っているだけという有り様。ベリアルもウルトラマンゼロに敗れてからは独立し、アナザースペースにベリアル銀河帝国を打ち立てているが、以後レイブラッド星人との関わりはない。
 そしてかつて覇を争ったエンペラ星人からは蛇蝎の如く嫌われており、「全知全能など大嘘だ」とまでこき下ろされていた。事実、最強格の宇宙人ではあるが、それでも全知全能はあくまで自称で実際にはそのレベルには遠く及んでおらず、自身の復活にはこれほどまでに手こずっている。
 余談だが、首領同士が戦うと全面戦争になることから、エンペラ星人及びグア三軍神、ラミアネロ星人パイトンと交戦したことはないとのこと。
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