ソテイラとナドキエ、2人のペルフェクト星人の戦いは激しさを増している。
しかしスフィアオベリスクからのアシヨシのエネルギー吸収は既に大分進行しており、同時にスフィアバリアの収縮もまた同レベルで進行中である。
「ガオオオオオオ!!!!」
だが、スフィアの敵はレイオニクスや運営側だけではない。
惑星に刻一刻と近づく滅亡の足音。その異変の発生源たるこのスフィアオベリスクを破壊しようと、アシヨシ三大最強怪獣の一角、スーパーグランドキングが大地を突き破って同地に出現する。
もっとも、当然ながらスフィア側も無策のはずがない。“マザー”出現までの防衛及び時間稼ぎのため、スフィアザウルスやネオダランビア、グラレーン、スフィアジオモスといったスフィア合成獣がナドキエがいなくなった後に改めて多数が配置されていた。
「ギュウウウウリリリリリリ!!」
「キュイイイイガアアアア!!」
「ゴウオオオオオオ!!」
「キュイイオオオオ!!」
まさにスフィア合成獣の見本市状態。これほどの数がかつての地球で現れていたら、さすがのウルトラマンダイナもどうしようもなかったであろう。そして超怪獣もあまりの敵怪獣の数の多さ故に駆除が一筋縄ではいかず、大いに手こずっていた。一匹一匹はこちらより強さが劣るといっても、数の暴力に加え、それぞれの種類は違えども中身はスフィアということからコンビネーションも抜群。
スフィアザウルスを狙って腹部からの破壊光線を放ったが、命中前にネオダランビアやスフィアジオモスが立ちはだかってバリアで防いでしまう。そうして攻撃後の一瞬硬直した隙を突き、スフィア合成獣に集られる。
鬱陶しいとばかりに両手の凶器や強靭な太い尻尾を振り回して叩き落とす。さらには正面にいたスフィアザウルスの首を右手のペンチクローでその首を挟んでへし折り、乱暴に引き千切った。
「ガオオ!?」
まず1匹。しかし、怪獣の群れは怯まない。そして敵の実力の高さをここで実感したのか、全方位から光線や衝撃波がひっきりなしに飛んでくる。
スーパーグランドキングの装甲は全怪獣の中でもトップクラスに硬いとはいえ、ここまで高出力の攻撃が相当連発されるとさすがにダメージを受けた。それでもこの惑星最強の怪獣の一角だけあり、攻撃が止んだところで反撃として口からの破壊光線を放射。周囲の怪獣達を焼き払った。
だが、死したスフィア合成獣達の死体をスフィアジオモス達が吸収し、それをエネルギー源に時空変動を起こす。胸の発光体から上空に照射した緑色の光線がワームホールを発生させ、未来から新たなスフィア合成獣を召喚して失った戦力を補充してしまう。
さすがのスーパーグランドキングもこれには面食らっていたが、それでも構わず攻撃を繰り返す。この絶望的な状況にも怯まず戦うのはさすがであったが、スフィア側も必死であり、未だ攻撃はオベリスクには届いていない。今もオベリスクはアシヨシのエネルギーを吸い上げ続け、スフィアバリアも同時に収縮し続けていた。
そして同刻。スフィアゴッデスと化したナドキエとソテイラの戦いは続いていた。
「アァァァァァァァァァァァァァァァァ」
「何だ、あれは!?…………ワームホール?」
女性の慟哭のような甲高く不気味な鳴き声を上げながら、スフィアゴッデスは変身前同様の蒼い両目から空目がけ蒼い光線を発射。それはスフィアジオモス同様の時空変動を引き起こしてワームホールを上空に開通させる。ソテイラが呆然とそれを見ていたのも束の間、そこから多数のスフィア合成獣を未来から喚び寄せた。
そして現在孤軍奮闘するスーパーグランドキングと同じく、スフィアザウルス・ネオダランビア・グラレーン・スフィアジオモスといった複数のスフィア合成獣の軍勢がソテイラの切り札達に襲いかかった。
「笑止。数ばかり揃えたところで、私の怪獣には勝てんぞ!」
「コゥオオオオー」
「キャイイイイオオオオ!!」
「ギュギイイイイイイ!!」
だが、ソテイラは三幹部の中でもレイオニクスとして最強の実力を誇り、レイブラッド星人からも過剰と言えるぐらいの戦力を与えられている。
そう豪語する通り、彼女の使役するルーゴサイト、マガタノオロチ、ビクトルギエルの三体は、いずれ劣らぬ最強怪獣である。さらには、それらが彼女の強力なレイオニクスパワーで強化され、尚更手の付けられぬ強さとなっている。
その事実を証明するかのように、スフィアジオモスの破壊電磁波をまともにくらったビクトルギエルだがビクともせず、逆に全身からの光弾【ダークルギエルビート】を撃ち返す。スフィアジオモスはバリアで防ぐも、あまりの発射数の多さから耐えきれず、ついにはバリアが消滅。無防備になったところで準備されていた腹部の【ビクトリウム・キャノン】からの極大の破壊光線が叩き込まれ、そのまま爆散した。
スフィアザウルスは全身からの衝撃波を放って攻撃するが、ウルトラ戦士の攻撃すら軽々無効化するマガタノオロチの表皮には全く通用しない。そのまま巨大な右前脚に噛みつかれて引き千切られた。右前脚の欠損のせいでバランスを崩してよろけたところで、今度は頭から噛みつかれ、そのままバリバリと噛み砕かれながら捕食された。
ネオダランビアとグラレーンに至ってはルーゴサイトの手からの触手【ルーゴテンタクル】によってギリギリと締め上げられる。そしてついには触手の圧力に耐えられず、その岩で出来た体をバラバラに切断されてしまった。
「アァァァァァァァァァァァァァァァァ」
所詮尖兵の一部が倒されただけ。ナドキエにはまだまだ余力があった。
再び蒼い双眸を輝かせ、光線を放って時空変動を起こそうとする。
「ギィィィィィィ!!」
だが、戦力補充を敵が指を咥えて見ているはずもない。Rキラーザウルスは蠍のような下半身からその巨大な鋭い2つの鋏を伸ばし、スフィアゴッデスを挟み込む。そうして鋏で三等分に切断すべく、力を籠める。
「キシャアアアアオオオオ!!」
「ピギャアアアアオオオオ!!」
だが、そうはさせぬとばかりに、ここでスフィアゴモラとスフィアレッドキングが攻撃を再開する。スフィアレッドキングは右の鋏の手首部分に口からのオレンジ色の光線を、スフィアゴモラは左の鋏の付け根辺りにスフィア超振動波を放射。比較的防御力の低い関節部への攻撃に、いくら痛みを感じない超獣とはいえ、Rキラーザウルスは嫌がって身を捩った。
敵が思わず動きを止めたところで、両スフィア合成獣はそれぞれの鋏の基部になんと数百mも跳躍して跳びつく。猪口才にもくっついてきた小さな敵に、超巨大超獣は鬱陶しいとばかりに振り落とそうとするが、組み付いたまま両スフィア合成獣は全身からの衝撃波を放出。さらにダメージを与える。
「アァァァァァァ」
腹心ともいうべき両怪獣のアシストにより鋏への力を緩めた超巨大超獣。その隙を突いたナドキエは6本の触手をRキラーザウルスに伸ばし、それを用いて全力をもって引き剥がした。
「ギャオオオオ!!」
超獣には痛覚だけでなく感情もないはずだが、それでもこの時のRキラーザウルスは怒っているように見えた。確かにこの2体にはナドキエにとどめを刺すのを2度も妨害され、さらには触手を2本破壊されているため、そうなるのもむべなるかな。
今度はこの2体に触手を向け、そこから光線を連射する。この超獣の旧型に当たるUキラーザウルス・ネオの時ですら、背後からの不意打ちとはいえナックル星人を一撃で葬る威力があったが、今回はそれ以上だ。レイブラッド星人とソテイラにはあっさり敗れたものの、それでもRキラーザウルスは異次元人ヤプールが今まで作り上げてきた超獣の集大成であり、単なる怪獣とは一線を画す性能・実力を誇る。たかが牽制程度の攻撃ですら、この2体が必死で躱して被弾は絶対に避けるほどの威力だった。
「ギ!?」
しかし、それでも2頭は隙を窺っていたが、やがて刹那のチャンスが訪れる。触手の互いの位置、攻撃後の硬直、そして2頭の位置。それが揃った瞬間、レッドキングとゴモラの2頭はなんと触手に掴みかかり、そのまま引っ張った。さすがにそれでもRキラーザウルスの体勢を崩すことは出来なかったが、それでも触手2本を押さえ込んでいる。
だが、所詮それだけの話。何を血迷ったのか。まだ触手は4本残っているのだ。そう嘲笑うソテイラの命令で、4本の触手から光線で攻撃しようとする。
ところが、ここで2体の前に複数のネオダランビアやスフィアジオモスが立ちはだかり、その攻撃を防ぐ。ならばまとめて消してやると下半身からこの超獣最強の一撃である【ザウルス・フルバースト】を放って諸共消し去ろうとする。
「ジョワァッ!!」
「ギィィィィ………!!」
しかし、こいつらばかりにかまっていてもう1体の方を忘れていた。無防備になった上半身目がけ、ゼルガノイドⅡがソルジェント光線を発射。目からの光線で慌てて相殺するも押し切られ、先ほどの攻撃で甲殻が剥げた部分に被弾。さすがの超獣も悲鳴を上げて苦しんだ。
そこへまたナドキエが口からの破壊光線を照射。今度はそのまま直撃し、血を噴きながら超獣はさらによろめいたのである。
「アァァァァァァァァァァァァァァァァ」
しかし、ここであえて畳みかけず、ナドキエはターゲットを変更。彼女の咆哮を聞いたスフィア合成獣達は一旦戦いをやめて、一斉に散開した。敵の群れの予想外の行動に気を取られつつも、マガタノオロチ・ルーゴサイト・ビクトルギエルの3体は逃げる敵の背後から追い打ちをかけようとそれぞれ光線・光弾を連射する。
しかし、スフィア合成獣達はナドキエに背を向ける方向に逃げていた。そして追撃をかける3体も当たり前だが同じ方向を向いていた。
「よせ、罠だ! 追撃をやめろ!」
使役怪獣達が敵への追撃に夢中になり、ナドキエの方から意識を逸らした。その様を見たソテイラが敵の狙いに気づき、怪獣達に呼びかけるも少々遅い。
主の必死の呼びかけに敵への攻撃を中止し慌てて振り返ったところで、ナドキエの口からの破壊光線が命中。3体まとめて薙ぎ払われた。
「クオ!?」
「キャオオ!?」
「ギュギ!?」
さすがにいずれも最強最強の枠の中でもさらなる上澄み。それがさらにソテイラのレイオニクスパワーで格段に強化されているだけあり、これでも死にはしなかった。とはいえ3体とも大きく吹っ飛んで弾み、地面に叩きつけられた。
そんな敵を見下ろすナドキエの触手の先端が膨らんだかと思うと、そこから多数のスフィアソルジャーが生み出され、倒れる敵に殺到する。
「キャイイイイオオオオ!!」
「!」
だが、そうは問屋が卸さない。痛打を受けてまずブチギレたのはマガタノオロチ。怒りのままに全身からの【マガ光弾】、【マガ火球】、【マガ嵐】、そして【マガタノ迅雷】といった怒涛の攻撃を周囲に乱射。さして狙いはつけていない攻撃にもかかわらず、殺到したスフィアソルジャーの群れをあっという間に殲滅してしまう。
さらには起き上がった拍子に額の角から【マガ穿孔】を発射。これは命中前にナドキエが亜空間バリアを発生させ防ぎはしたが、それも危うく破られかねないほどの恐ろしい貫通力を発揮した。
「………………」
文字通りスフィア合成獣と化したナドキエだが、変身前の知性は健在である。しかし、矢継ぎ早に攻撃してくる敵は彼女に考える隙を与えない。
「コゥオオオオー」
「ギュギイイイイイイ!!」
「!」
マガタノオロチの攻撃を防いでいた間に左横に回り込んでいたビクトルギエルと、背後に回り込んでいたルーゴサイト。そしてソテイラの分析から、亜空間バリアは前面にしか張れないことは把握済み。だから2体はそちらから全力で、全ての遠距離攻撃を発射した。
「アァァァァァァ」
これだけの攻撃にさらされては、さすがのナドキエも終わりかと思われた。だが、ナドキエは再び祈るように両手を合わせると、6本の脚の付け根から大量のガスが噴出。それからすぐ、全ての攻撃はあらぬ攻撃に逸れていく。
「!? 何だこれは!?」
それだけでなく、ナドキエの近くの物体は皆浮き上がった。怪獣達ですらそうだった。
「コゥオオオオー」
だが、ルーゴサイトだけはそれを免れていた。元々自身の肉体を固体・液体・気体と相転移させて自由に変化させる能力を持ち、移動の際も足を使わず滑るように浮遊している怪獣だ。
だが、再びゲネシスレクイエムを両手から撃ち出そうとした瞬間、ナドキエの腰の6本の触手がコスモイーターを覆うように既に展開されていた。そこからヘドロやタールのような粘つく液体を先端から噴射し、発射前に妨害した。
かかった途端、ルーゴサイトの体からは猛烈な白煙が上がる。そして強靭なはずの全身の皮膚が所々激しく溶解していき、内部の組織が剥き出しとなり苦しんだ。
(強酸性の溶解液。そして怪獣どもを浮き上がらせたのは冷凍ガスでの無重力か)
無重力怪獣ペグノスの飛行能力と同じ原理である。ナドキエは脚の付け根から放った冷凍ガスで周辺の気温を瞬時に急降下させ、核振動を停止させて無重力状態を作り出した。それに巻き込まれたソテイラの怪獣達は浮遊してしまったのだ。さらには超能力も同時併用しているのか、重力の向きまで変わっており、彼等の攻撃を逸らされた。
唯一ルーゴサイトだけは影響を受けなかったが、ウルトラ戦士の攻撃すら全く寄せ付けない強靭な皮膚を持ったコスモイーターにすら通用する強力な溶解液までも隠し玉として持っていた。
「コゥオオオオー………」
苦しむルーゴサイトのせり出した両肩も徐々に損傷。そこから大きな棘が何本か剥離する。
「アァァァァァァ」
同胞がやられたのを眺めたままではなく、ここで超咆哮獣と超大魔王獣はそれぞれ再び大技を放つため攻撃態勢へと移る。しかし、そのために2体が僅かな時間とはいえ動きを止めたのをナドキエは見逃さなかった。
その隙を突き、ナドキエは6本の触手からの溶解液を今度はビクトルギエルにぶっかけ、同時に口からの収束型破壊光線をマガタノオロチの頭頂部を削るように放つ。ビクトルギエルはルーゴサイト同様体の所々の棘が剥離するほどに甲殻が溶けて損傷してしまい、桁外れに頑丈なはずのマガタノオロチの方も甲殻の一部が削れて剥がれた。
「!? 何をする気だ!?」
敵怪獣達が怯んだのを見て取ったナドキエは追撃をかけつつ、またも目からの光線で時空変動を起こし、ワームホールを空に開く。そこから大量のスフィアソルジャーがやって来ると同時に、全身からもまたスフィアソルジャーを放ち、周囲に放っていく。
それらは先ほどと違って怪獣達は無視し、ソテイラが驚くのも束の間、激闘の末に剥がれた棘や甲殻の一部といった物に纏わりついていく。
「まさか!!」
ソテイラが目を見開いて驚愕するが、気づいた時には既に遅い。いや、ソテイラですら対処しようがないほどにその
剥離した部位の一部に殺到したスフィアソルジャー達は最強怪獣達の遺伝情報を取り込みながら瞬く間に融合・変質。
そして、ただでさえ通常のスフィア合成獣誕生の時より、その数は数倍。特にRキラーザウルスの物にいたっては通常の十倍近いスフィアソルジャーが融合し、その巨大な肉体を再現・再構成した。
「ゴゥオオオオー」
スフィアコスモイーター スフィアルーゴサイト
「ギャイイイイオオオオオオ!!!!」
超大魔王スフィア獣 スフィアマガタノオロチ
「ギュギギギギ」
超咆哮スフィア獣 スフィアビクトルギエル
「ギィィィィィィギャオオオオオオ!!」
新究極巨大スフィア獣 スフィアRキラーザウルス
ソテイラの率いる最強の怪獣達の身体から剥離した甲殻や棘といった部位を元に誕生したスフィア合成獣。
いずれも単騎で多くの惑星を制圧あるいは惑星破壊を成し遂げ、ウルトラマンや防衛チームが死力を尽くして奮戦しても敗北に追いやった最強の怪獣達をそっくりそのまま、いやさらに強化した複製体である。
特徴として、全身に生えた角や棘などはスフィア結晶体に置き換わると共に、各個体の目の色は灰白色に濁ったものへと変わっている。またソテイラに使役される本物と違いレイオニクスパワーによる強化はないが、代わりに強力なスフィアのエネルギーを上乗せされて強化された。事実上、スフィアの力が加わって本物をさらに凌駕する強さを誇る上、スフィア由来の能力まで新たに与えられている。
「なっ………何だと……ッッ!!」
「ウフフ……」
駆除にあたったソテイラの最強戦力を利用し、皮肉にもそれらすら凌駕する最強のスフィア合成獣の群れが誕生したのである。ソテイラはその蒼い目を見開いて驚愕の表情を浮かべる一方で、スフィアゴッデスの白い顔には歪んだ笑みが浮かんだのだった。
「アァァァァァァ」
スフィアの女神の咆哮と共に、新たなるスフィア合成獣の群れは元となった怪獣達と激突。
ルーゴサイトの両手から放たれたゲネシスレクイエムを、マガタノオロチの口から放たれたマガタノ迅雷を、ビクトルギエルの腹部から放たれたビクトリウム・キャノンを、各スフィア合成獣は同じ技で迎撃・相殺する。
さらに、ある程度疲労しているこちらと違い、向こうは誕生したてで体力満タン。レイオニクスパワーで強化されたとはいえ、それでも出力の落ちた本物の攻撃を、スフィアの作った偽物が打ち破った。
偽物の攻撃をくらった3体は悲鳴を上げて地面に倒れる。ただでさえ自分達を上回る威力だった上、
Rキラーザウルスはスフィアの作った偽物と肉弾戦になるも、上半身左肩部の甲殻が抉れて肉が剥き出しになった箇所を優先的に狙われた。敵の下半身から伸びた巨大な尾にそこを突き刺されて貫かれると、直後にはその部分を断ち切られ、左肩から左腕部分がもげて失われてしまう。いくら痛覚のない超獣といえど、この大ダメージには思わず呻き声を上げて後退した。
「チッ……」
ソテイラが舌打ちする通り、状況は一気にこちらに絶望的なものに変わった。ソテイラの戦力はまだまだあるが、このままではいくら戦力を追加したところでジリ貧。出せば出すほど、向こうも新たに敵戦力が増えるだけ。状況は泥縄にして泥沼に陥るだろう。
「ならば仕方ない………ここは“奴”を出すしかあるまい」
「ヒャハハハハハハ」
決意するかの如く、そう呟くソテイラ。そう、彼女には1体だけ、スフィアにすらどうにもならない怪獣がいた。もっとも、レイブラッド星人が『最強のレイオニクス』と太鼓判を押す彼女ですら完全には制御出来ていない。召喚したところで手当たり次第に獲物と見なした怪獣達に敵味方関係なく襲いかかることだろう。
しかし、それでも。この難局を打開するには奴を召喚するより他ない。それを主人に示すかのように、ネオバトルナイザーの画面に蠢く
「スフィアの手先に堕ちたとはいえ、元は同じペルフェクト星人。速やかに介錯してやりたいところだったが仕方あるまい。
お前が悪いのだナドキエ。お前が抵抗するからだ……」
ナドキエにそう告げるソテイラのその声は、
そうしてネオバトルナイザーを天に掲げ、虚空怪獣を召喚しようとする。
「ッ!」
しかし、またも事態は急変する。上空のスフィアバリアの上へ急速に
昼間にもかかわらず、闇に包まれていく空。ソテイラも、ナドキエも、ソテイラの怪獣達も、スフィア合成獣達も、この異常な現象に戸惑い、呆然と見上げていた。
既に勝負の決着はついたに等しい。しかし勝利したのは運営側でも、ましてやスフィア側でもない。勝ったのは――