高熱がまた出て倒れ込んでいたので時間が掛かってしまいました。申し訳ございません。
時は1週間前まで遡る。
黄金帝ギルゾ・テゾーロの運営する巨大な船・・・グラン・テゾーロ・・・ここは世界政府に献上金を渡して国として認められていた。働く者達は裏社会の人間か、テゾーロに金によって支配された者達ばかり、テゾーロは今日も何時ものようにショーをしてのんびりと酒を飲んでいた。
そんなテゾーロの元に部下の一人であるタナカさんがやってきた。
「テゾーロ様」
「ん?どうした?」
「凄い伝説の大物が2人、来ましたよ」
タナカさんはそう言うとテゾーロは電伝虫のモニタールームへ行くとそこにはシキとバレットが映っていた。テゾーロはそれを見て笑った。
青年期に天竜人の奴隷にされて以降、金と支配欲に染まったテゾーロはだんだんと天竜人に似てきていた。そして悪趣味なゲームも大量にするようになってシキとバレットもそのゲームの役者に過ぎなかった。
「面白いショーが見られるかもな・・・2人をVIPルームへ・・・」
テゾーロは2人をVIPルームへ招待しようとタナカさんに言った途端、映像に映っていたシキは電伝虫を越しにテゾーロを見て笑って、バレットと共に暴れ始めた。
〇〇〇
シキとバレットはテゾーロの部下であるバカラに言われながら車に乗ってグラン・テゾーロの中にあるホテルやら街を見ていた。
「おい、ベイビーちゃん。俺達がここに来た理由は何だと思う?」
「ここは世界最大の夢の国ですからお金でしょうか?」
「ジハハハハハハハハハ!!」
「カハハハハハハハハハ!!」
バカラの答えにシキもバレットも笑った。バカラはご機嫌を取れたと思ったが次の瞬間に冷や汗が出始めた。
「実はな、ここをぶっ壊しに来た♪」
「え?」
シキの言葉にバカラは困惑しているとバレットは周りの金やら金属を腕に集めて下に振り下ろした。車は大破して、バカラは遠くへふっ飛ばされた、
周りの人間も何だ何だと気になって集まり始めた。
「おい、始めるぞ。てめぇの強さだけを求める世界はウタワールドで俺は現実で支配する・・・異論はねぇな?」
「勿論だ。俺は強え奴が集まればそれで良い・・・現実とか夢とか興味はねぇ」
「計画の為の見聞色のシンクロ・・・これが死んでも必要だ・・・合わせろよ?」
「てめぇがな」
シキとバレットはそれだけ話し合った。バレットはロジャーを超えればどうでもいい。その世界に興味は無かった。だから強い奴が集まればそこに関してのこだわりはなかった。
しかし、それだけでは上手く行かない。
どれだけウタワールドに入っても能力者であるウタをどうにかしないといけなかった。なので2人は計画の為に見聞色の覇気を合わせる事にした。
見聞色の覇気は波長が合えば合った相手の見てる物が見えるようになる。それには高い練度がいるがそれに関してはシキもバレットも問題なかった。
「それじゃ、実験だ」
「しくじるなよ」
シキはすぐに上に飛び上がった。グラン・テゾーロが一望出来るほど高く飛び上がったシキは周りの海水を操って上に海水の獅子を作った。
「鬱陶しい金粉はいらねぇな」
そしてシキはグラン・テゾーロに向かって獅子を放った。グラン・テゾーロに来ると最初に必ず金粉の雨が降るトンネルを通る。そしてその金粉はゴルゴルの実のテゾーロにのみ操られて誰でもすぐに全身黄金にされてしまうが海水に弱いのでシキはグラン・テゾーロを水浸しにしたのだ。
降りてビチョビチョになってる道から水分を操って自分も被り、金粉を落とした。バレットは既に居らず、合わせる為に離れてるのだろうと分かるとシキは集中した。
「見聞色の波長を合わせる・・・合わせる・・・ちっ・・・そう上手くは行かねぇか・・・」
シキは波長を合わせられずにどうしようかと迷っていると黄金の触手が飛んできた。シキはそれを見るとやはりやってきたかと思いながら冷静に見た。
「斬波!!」
黄金の斬撃を飛ばして斬り捨てようとしたが触手はすぐに戻ってシキを襲う。堪らずに海水を操って盾を作ってそれを防いだ。
黄金が全て当たらずにすむとシキの前にテゾーロが現れた。
「お前がギルド・テゾーロか?」
「お前は金獅子のシキだな?」
「光栄だな・・・世界一の金持ちに名前を覚えて貰うとは・・・」
「知らない方がおかしいだろ・・・ここには何をしに来た?」
テゾーロの言葉にシキは笑った。すでにテゾーロの金による呪縛はシキの操った海水によってグラン・テゾーロの中にいる多くの者達の呪縛は解けた。散々と苦労してきた物を一瞬で台無しにされたテゾーロはシキを殺そうと構えた。
「ここへ来たのは・・・まぁ色々とあるが・・・スカウトも入ってる・・・」
「スカウト?」
「海賊ギルド・テゾーロ・・・お前、俺と手を組まねぇか?」
シキの言葉にテゾーロは首を傾げた。
〇〇〇
一方、バレットは黄金の鎧を着たバカラ、タナカさん、そして裏世界一危険と言われたデスマッチショーで無敗だったダイスとやり合っていた。
「おらよ!!」
「うっ・・・・気持ちぃ〜!!」
マゾ的資質の高いダイスはバレットの攻撃を受けても喜びながら叫び金の斧を振り回してきた。バレットは武装色の硬化でそれを受け止めた。
「どうした!?俺は全然気持ちよくねぇぞ!?」
「キャラが被るだろうが!!」
「なら、もっと強えのよこせ!!」
威力が思ったよりも弱かったのかバレットは煽りも込めながらそう叫んで殴り飛ばした。ダイスの顔はまた気持ちよかったのか悦に入っていた。流石にバレットも少し引いていた。
バレットとダイスがやり合ってる最中にタナカさんが地面から飛び出て銃を撃った。普段ならわざと外してたっぷりと嬲るが今回はそんな事をやる理由がないので直接狙った。だがバレットは武装色で硬化して全く効いてなかった。
「そんなんでやられるか!!」
「ぐびゃ!!」
バレットはそのままタナカさんをぶん殴って一撃ノックアウトさせた。しかし、その隙にバカラはバレットに触った。
バカラはラキラキの実の能力者。触った者の運を奪い取り自分のものに出来る。バレットは何故に触れるだけだったのか分からずそのままバカラに殴りかかった。バカラは運を奪い取ったがゆえに当たらないとたかを括っていたが拳は容赦なく決まって吹き飛ばされた。
「な、なぜ?運は確かに奪い取った筈・・・」
「そう云う能力者か・・・フッ、過剰な覇気に中途半端な能力は効かねぇよ」
バレットは端的にそう言うとバカラは気絶した。
軟弱だと思いながらまだ金の斧を持ってやる気充分なダイスが構えていたのでバレットも構えた。
「どうした?まだ気持ちよくなりてぇか?」
「あぁ!!・・・だが、てめぇら何を企んでる?」
〇〇〇
テゾーロは眼の前にいるシキが何を言ってるのか分からなかった。自分の国をここまでやっておきながら手を組もうと言うのは無茶苦茶にも程があるし、第一誰かの下に付くなど真っ平ゴメンだった。
「で、どうだ?俺と組むか?」
「・・・理由を聞かせて貰おうか?」
「理由?・・・海賊がこんなチンケでちっぽけな国を作って満足してどうする?ここの実態は裏社会じゃ有名だぞ。それに俺はこういうのは大好きでね・・・最後に笑うのは俺だが面倒くせぇ奴らは山ほどいる・・・海軍、政府、最悪の世代とかいうミーハーに四皇・・・天竜人・・・」
天竜人と言う言葉をシキが言った瞬間、テゾーロはピクッと反応した。かつて愛した女性ステラを天竜人に奪われて殺されて自身も天竜人の奴隷だったテゾーロは天竜人が心底大嫌いだった。
シキはそんなテゾーロの些細な反応を見逃さなかった。
「実はとある能力者の力があれば邪魔な奴らを全て片付けられる。別の世界に連れていける・・・言ってしまえばそいつらを支配出来るかも知れねぇ・・・どうだ?乗るか??こんな所でコソコソと天竜人のご機嫌取りをやってるのなんざつまらねぇだろ?」
シキの言葉にテゾーロが真っ先に胡散臭いと思った。一目で自分とシキが同類と思ったテゾーロは絶対に裏切って嘲笑うに決まってると確信した。
「生憎と俺はやりたいようにやってるんで間に合ってる」
「へぇ・・・天竜人の奴隷のままか・・・」
シキはテゾーロの過去は知らないし興味はないがテゾーロは今、エレジアのライブのスポンサーの1人として活動してるのもあってテゾーロの協力は欲しかった。
天竜人を嫌ってるのも分かったので徹底的に嘲笑う事にした。
「誰が・・・あんなゴミ共の奴隷だ!?」
テゾーロは黄金の触手をシキに向けて飛ばした。シキはまた周りの水たまりの水を操って壁を作りそれを防ぐと今度はその水を水滴ぐらいまでのサイズにした。
「魚人空手の再現だ・・・お前の能力で防げるか?」
シキはそのまま水滴をテゾーロに向けて撃った。その威力はジンベエの撃ち水に匹敵する程の威力だった。黄金の盾を作って防ごうとするが海水に弱いテゾーロの黄金で防げる筈もなく貫かれた。何発か体を貫かれてテゾーロは倒れた。
「ジハハハハハハハハ!!どうした!?奴隷!!寝てるだけが取り柄か?」
徹底的にテゾーロを嘲笑うシキ。テゾーロは完全に頭にきて立ち上がった。そして幾つもの黄金の触手を作った。
「俺の・・・」
「あぁ?」
「俺の前で笑うな!!」
テゾーロは吐き捨てるようにシキに向かって叫びながら、黄金の触手を放った。幾つもの触手がシキに向かって全方位向かってくる。流石にこれら全てを防ぐほどの海水はすぐに用意できないだろうとテゾーロはたかを括っていたがシキは手を翳しただけで全ての触手を止めた。
「なっ!?」
ありえない光景にテゾーロは啞然となった。自分の操る黄金が誰かに止められるなんて経験した事もなかった。
「黄金を操れるからなんだ?たかが黄金だけだろ?俺は全てを浮かし操れる・・・てめぇもバレットのクソガキもそうだが・・・てめぇらの能力なんざ俺の“下位互換”でしかねぇんだよ・・・」
「貴様・・・何を企んでるんだ?」
テゾーロは黄金を止められた事に驚きつつも何とか打開する為にシキにそういった。
シキにバレットは企みを聴かれたので素直に答えた。
「俺の企みか?」
「そんなに大層な事は別に興味もねぇし、考えてねぇ」
「「・・・ただ、俺はロジャーを超えたいだけだ・・・」」
シキにバレットは離れた場所で同じセリフを放った。すると見聞色の覇気の波長が合ったのか2人はお互いに相手の見える景色が視えるようになった。
シキにバレットも目的の1つが完了して嬉しくなった。これでウタワールドでウタ本人が反抗しても現実世界でどうとでもなる。
シキにとってロジャーがそのきっかけになるのは皮肉に近かったがこれで後はウタ本人を脅せれば実質的にウタは手下になったも同然だった。
シキはより更に確実になってきた計画に笑いながら黄金の触手を全てテゾーロに向けて跳ね返した。バレットもダイスをノックアウトして終わらせた。
ゴロゴロと転がるテゾーロ。
散々と煽られて手も足も出ない状況にどうするべきか考えてるとある父娘がやってきた。
「テゾーロ、これはどういう事アマスか!?早くあのゴミを追い出すアマス!!」
「全くこれだから下々民は困るんダェ〜!!」
天竜人のカマエル聖とその娘だった。テゾーロはウンザリした。何故にこんな奴らのご機嫌取りをやるような形で献上金を出してるのか、金に困らない能力を得たからだがそれでもこんなゴミどもの言う事なんざ聞きたくも無かった。
しかし、それで逆らったら海賊に逆戻り、もうこの娯楽の国のグラン・テゾーロは完全に無くなる。歌を自由に歌って愛したステラも好きと言ってくれた自分の歌を自由に歌える場所が無くなる。それだけは嫌だった。
「早く立って何とかするんダエ〜!!お前ら下々民は首輪があろうが無かろうが全て我々の奴隷ダエ〜」
しかし、カマエル聖のその言葉でテゾーロの堪忍袋の緒が完全に切れた。死ぬ程天竜人が嫌いで憎くてしょうがないテゾーロは眼の前にいるゴミを心の底から消したくなった。2人に悟られるように後ろから黄金の触手で黄金像にさせて窒息死でもさせようかと思ったその時、シキがカマエル聖とその娘の後ろに飛んできて2人の首を跳ね飛ばした。
「うるせぇよゴミ共・・・死んでろ」
ゴロゴロと天竜人だった者達の首がテゾーロの足元を転がったその時、テゾーロの中で何かが完全に崩れた。天竜人の死体を見て自分は何であんなのにヘコヘコとしていたのか分からなくなったがそれ以上にテゾーロの中である欲が爆発的に上がった。
(天竜人を・・・羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい!!そいつらは俺の・・・獲物だ!!)
それは天竜人をあっさりと殺したシキに対する嫉妬と天竜人に対する殺人欲だった。
シキはテゾーロの豹変した目を見て笑った。
「ジハハハハハハハハ!!良い目になったな!!まさに海賊の目だ!!」
「・・・おい、その別の世界には誰でも連れて行けるのか?」
「あぁ、勿論」
「なら、条件がある」
「なんだ?」
「天竜人のゴミ共を全て連れてこい!!あのクズどもを奴隷にして心底嬲り殺したい・・・それが出来るなら手を貸してやる・・・世界なんざ何処でも良いしな」
「ジハハハハハハハハハハハハ!!良いぜ、ちょうど催眠術が得意な奴とワープが出来る奴がいるからそいつらに頼もう・・・おおっとそいつらの頭をボール代わりにするなよ。まだ使い道はあるからな」
シキは笑いながらテゾーロの条件を了承しつつ、テゾーロの足元に転がっていた天竜人の生首を持って、後日世界政府に送った。
この惨劇は【グラン・テゾーロの惨劇】と呼ばれた。
〇〇〇
シキとバレットと共に協力する事になったテゾーロは滅茶苦茶になったグラン・テゾーロに残っていた。運良く今回の件でテゾーロが天竜人を貶していた所もシキと組んだ所も世間にはバレなかったのもあってテゾーロは賞金首には戻ってなかったが金粉で捉えていた者達はシキとの戦闘中にどさくさに紛れて逃げた。その中には歌手として世界的に人気だったカリーナもいてそれに関しては本気でショックだったが、ダイスにバカラにタナカさんは付いてきてくれる事にテゾーロは嬉しくなりつつ、ステラに誓った。
(ステラ・・・君を殺したゴミどもを全て地獄に落とす・・・俺に力を貸してくれ)
その誓いはすでにステラの心から離れてしまっている事に気づかないままテゾーロは戻れない道を進み始めた。
というわけでシキの狙いはウソップとヤソップがやっていた見聞色の覇気のリンクとテゾーロのスカウトです。
最終章の敵はシキ・黒ひげ・バレット・テゾーロの同盟+第三勢力のネオ海軍です!!
現実とウタワールド、両方で大決戦になるのでお楽しみに!!
次回はヤマトの正式加入をして、幕間を1話・・・主にライブの参加者の紹介的な奴をやってから、最終章に行きます!!