久しぶりに少しだけ早く投稿出来て嬉しいです!!
次回も早く出したいです!!
泣きながら必死に何回も何回もドレスローザに向けて電伝虫をかけた。繋がらなくても一言で良いからウタの声を聞きたかった。すぐに謝りたくて申し訳ない気持ちにシャンクスは溢れていた。
『はい!こちらドレスローザ臨時政府の者です!』
「かかった!一般人のUTAの知り合いだ!すぐに呼んで貰えねぇか!?」
『畏まりました。このままでお待ち下さい』
電伝虫の相手である兵士からそう言われてシャンクスは漸くウタと話せると思うと部屋にあった鏡で自分の顔を見た。髪は乱れてるのは別にどうでもいい、問題は自分の目だった。真っ赤になっててみっともなかった。
(泣くんじゃねぇ・・・泣きてえのはウタなんだ!・・・何泣いてんだ・・・馬鹿じゃねぇのか!!)
自分に苛立って必死に涙の後を拭いたシャンクスは絶対に電伝虫を切らないように待っていた。
『もしもし?』
(ウタ・・・ウタ!!)
「ウタ、無事か!?」
『シャンクス・・・?』
(良かった、ウタの声だ・・・良かった良かった)
シャンクスはその声を聞いた途端に漸く安心できた。無事に何とかなったのだと落ち着くことが出来た。
『シャンクス・・・なんで?』
「良かった!!無事だったのか・・・良かった・・・良かった・・・バギー!!ウタは無事だぞ!!」
嬉しさのあまり少し飛んでいたシャンクスはウタの次の言葉を聞いて戻ると外にいるバギーに声を掛けた。
『おじさん!?おじさんもいるの!?』
「なんだよウタ。俺よりもバギーかよ〜」
『当然だよ!!』
漸くホッと安心したのでシャンクスはバギーの事を聞いてくるウタに対して少しいじけてみると容赦のない言葉を言われてより心にダメージが来た。
「まぁ、無事で良かった・・・何があったのか分からないが電伝虫でドレスローザの事は知ったよ・・・戦ったのか?」
『うん、おじさんに鍛えられたから。それにおじさんに預かってる物を奪われて凄く悔しかったから・・・』
「そうか・・・ウタ・・・ごめんな・・・」
『シャンクス?』
「あの時も今も・・・側に居てあげられなくてごめんな・・・お前の事を一瞬でも忘れちまってた・・・凄い辛くて情けなくなって、今はバギーと一緒にドレスローザに向かってる・・・ごめんな・・・いつもごめんな」
シャンクスはそれを聞いてウタと少しだけ話が出来たのが嬉しかった。前の大失敗とは違ってゆっくりと話せたことで漸くシャンクスはウタに対して自分の本音を出せたし、それを言えずにいた後悔や嬉しさと矛盾する感情を同時に抱えながらも涙が止まらなくなっていた。
『なにそれ・・・電伝虫で謝ろうっての・・・アタシはそんなんじゃ許さないから・・・』
「ウタ・・・」
『今度、エレジアでライブをするから、ゴードンが必死に色々と準備をしてくれてるの・・・来てよ・・・3日間やるつもりだから・・・来てよ・・・聴きに来て・・・最後の日の最後の曲だけでも良いから絶対に来てよ!来なかったらもう本当に許さないから・・・絶対に絶対に絶対にシャンクスの娘を辞めるから・・・一生、バギーおじさんの娘だから、来てよ・・・
シャンクスは確かに聞こえた。涙を流しながら訴えてくるウタの本音を確かに聞いた。シャンクスは必死で涙を止めようとした。ちゃんと言わなければ今度こそ全てを失うと本気で思ってるからこそシャンクスはちゃんと声を出すことが出来た。
「行く・・・必ず行く!・・・どんな事があっても絶対に行く・・・俺達は絶対に行くから・・・あと少しだけ・・・待っててくれ!!」
『ありがとう・・・待ってるから・・・』
シャンクスはそう必死に絞り出すとウタの涙声の返事が返ってきた。
「ほ・・・バギーに代わるか?」
『うん・・・変わって・・・お願い』
シャンクスはベックマンやルウ達に代わろうかと思ったが前回の大失敗もある上にバギーの事を心配していたのもあってバギーを呼ぼうと自分の部屋の扉の方を見るとそこにはバギーだけじゃなく他の皆もいた。全員バギーを思いっきり嫉妬の炎を燃やしながら睨んでいた。
「バ、バギー・・・」
「おう」
バギーは今回の振り回されまくった事もあって完全に赤髪海賊団の面々に外見だけでもビビらずにシャンクスから受話器を取ってウタと話し始めた。
「変わったぜウタ」
『おじさん・・・ごめんなさい・・・一杯迷惑掛けちゃって・・』
「ったく、今度やったらただじゃおかないからな」
『ごめんなさい』
「無事で良かった・・・本当に・・・心配したんだぞ!?本当に凄え心配して・・・良かったよぉ!!」
シャンクスに負けず劣らずウタの心配をしていたバギーも泣きながら無事を喜んだ。
「グスっ・・・それでなんのようなんだ?・・」
『アタシ・・・本当におじさんの事も・・・お父さんだって思ってるから・・・助けてくれて一緒に居てくれて本当に嬉しかったから・・・だから・・・お父さんってこれからも呼んでいいかな?』
「・・・駄目だ」
ウタの言葉にバギーは少しだけ考えてしまったが駄目と止めた。何故なら扉の方を見るとシャンクスを含めた赤髪海賊団の面々が武器に手を当てながら睨んでいたからだ。
(あれは本気で不味い・・・)
流石のバギーもこれには内心冷や汗をかきまくっていた。
「でないとシャンクス達にまた狙われるからな・・・俺よりもシャンクス達に言ってやれ・・・分かったな?」
『・・・うん、分かった・・・バギーおじさん・・・大好きだよ』
「ありがとよ」
バギーは少しおとぼけながら言った。バギーの中で既にウタに対して愛情に近い物が芽生えていたがバギーはそれを自分でも認められなかったからだ。
その後、睨まれて追われていた事を漸く思い出したバギーはどうなるか不安があったがウタにこうも気に入られているのを目の当たりにしてしまった赤髪海賊団の面々はバギーに手が出せなくなったのでそのままドレスローザへ行ってドフラミンゴを八つ裂きにするまで乗ることになった。
その日の夜シャンクスは船長室じゃなくて甲板で酒を飲んでいた。漸くウタに会いに行ける事に嬉しさを感じつつも四皇なのに何も出来なかった自分の無力さに苛立ち、それを忘れるために飲んでいた。
(俺はウタに何もやれてねぇ・・・くそ・・・俺は駄目だ男だ・・・何もかも全て変わりてぇ・・・)
シャンクスは徹底的に自分を否定し、後悔し、そして酒を飲んで寝た。
〇〇〇
シャンクスは気味の悪い夢を見ていた。
暗闇の中で唯一人でいる事に気づくと歩いて誰かいないか周りに何かないか探すが何一つ見つからない。
『おい、早くしろ!』
『急げ急げ!』
いつも聞いてる声だった。ベックマンの合図に皆が反応して自分も乗ろうとシャンクスは足を進めたがすぐに動けなくなった。まるで透明な壁に遮られたようで力を込めて殴ってもビクともしなかった。
「どうなってやがる・・・」
シャンクスはそう呟くと目の前でベックマン達は出航した。何かがおかしいと感じるがまた周りは暗闇になり次に見えたのは自分の傘下とエルバフの戦士たちだった。そっちにもシャンクスは向かったがまた透明な壁に遮られて自分の目の前で出航した。
暗闇の中でシャンクスは冷静になろうと思っていたが次に見えたのはルフィとウタだった。
シャンクスは走って2人の元に向かうが透明な壁にぶつかった。
「ったく何なんだよ!ウタ、ルフィ!聞こええねぇのか!?」
ウタに会えたので抱きしめようと向かったのに遮られて行けない。ウタは一目だけ自分の方を見るとルフィと一緒にシャンクスから離れていった。
「ウタ、おい!ウタ!!ルフィ!!」
本気で壁を殴っても壊れず2人の元へ行けない。そんな中でまた暗闇になり、次に見えてきたのは懐かしい景色でシャンクスは固まった。
「ロジャー船長・・・」
見えてきたのはオーロ・ジャクソン号に乗ろうとしてるロジャー海賊団の皆だった。
「船長!レイリーさん!ギャバンさん!クロッカスさん!おでんさん!トキさん!ノズドン!バンクロ!ピーター!ブルマリン!スペンサー!大佐!サンベル!ムーン!ウィング!眼竜!パイン!モモラ!ジャクソン!ラングラム!ドリンゴ!マークス!ヤモン!エリオ!ユーイ!ギャラン!タロウ!ドンキーノ!」
シャンクスは皆の名前を呼んだ。しかし誰1人としてシャンクスの方を見ずに目の前で出航しようとしていた。
「待って!待ってくれ!!・・・ロジャー船長!!」
シャンクスは精神が不安定だったのも災いして冷静になれずに大声でロジャーを呼んだがロジャーは振り向かずに目の前で出航した。
そしてまた暗闇になった。
シャンクスは少しだけまた歩くが今度は何も現れずに暗いままで光など見えなかった。
自分の前向きさにとことん嫌気が差してきたシャンクス。だが赤髪海賊団やウタやルフィ、そしてロジャー達はそんなシャンクスの元来の気質もなんだかんだ気に入ってるのを良く自分でも理解していた。故にシャンクス本人がそれを否定した事で自分を見失ってしまった。
「なんだよ・・・また1人か・・・いや、元々俺は1人か・・・」
シャンクスはそう呟きながら疲れたのでその場に座った。どうすれば良いのかどこに向かえば良いのか途方にくれてると足音が聞こえてきた。
足音は自分の前で聞こえ無くなるとシャンクスは顔を上げた。するとそこにはバギーが立っていた。
「バギー・・・」
なんだかんだシャンクスの気質を気に入ってる皆と違ってバギーとシャンクスの関係は腐れ縁に近い。バギーはシャンクスのそういう前向きさや気質が嫌いであり、昔からあれこれと言っていた。本来なら完全に縁が切れてるのだがバギーがウタと出会った事でまたあれこれ言い合うなぁなぁに近い腐れ縁が繋がった。
そうシャンクス本人が理解している範囲で自分の気質に1番怒るのはバギーだった。
シャンクスはバギーに手を伸ばすがそこで目が覚めてしまった。
〇〇〇
酒の飲み過ぎでガンガンとなる頭を抑えつつシャンクスは甲板で殆ど全員雑魚寝していたのもあってすぐにバギーを見つけると横に座った。
「バギー・・・お前は俺を見捨てねぇんだな・・・」
シャンクスはバギーに対してそう呟いた。また繋がってしまった腐れ縁に縋るように精神的に追い詰められていたシャンクスはバギーに依存し始めた。それこそウタがルフィに依存していたように2人は正しく親子のように似ていた。違うのは自分の今までの生き方を全て否定するほどの悪夢に魘される程追い詰められていたシャンクスはウタとは比べ物にならない程重かったという点だった。
〇〇〇
「なぁ、頼むよ・・・バギー・・・」
「ふざけんな、てめぇとうとうイカれたか!?」
レッドフォース号の船長室でシャンクスはそう言っていたがバギーからの反応は当然の如く却下だった。
「頼むよ・・・」
「お前の部下なんか嫌だって言ってんだろが!!俺様はやりたいようにやってんだよ!!お前だってそうだろうが!!」
「・・・無理なんだよ、俺がやりたいようにやったら・・・全部壊れんだ・・・ウタを傷つけちまうんだ・・・」
「お前・・・」
「今回だってウタが死ぬかもしれなかった・・・あのトットムジカから出てきたウタを見て分かっちまったんだよ・・・ウタが違う“世界”じゃ死んだって・・・」
シャンクスはそう言うと膝を付いて涙を流し始めた。
「俺だけだと結局、ウタを傷つけるしか出来ねぇんだよ・・・頼むよお前が居ないと俺は何も出来ねぇんだよ・・・」
「無理だ・・・俺とお前の縁は切れてんだよ・・・ロジャー海賊団の頃とは違うんだよ!!」
バギーはシャンクスにそう言った。ロジャーにあった時にバギーは何回もロジャーが解散してるから良いのにと言ったのをちゃんと覚えていた。ロジャー海賊団の過去からは逃げないし、あの時の旅や記憶は嘘にはならない。しかし、ロジャー海賊団は解散していてもう過去の物だった。
「もう1回やりてぇんだよ!!また会えたんだ・・・また戦えたんだ・・・2年前のあの戦争でまだ終わってねぇって・・・」
「終わってんだよ!!・・・俺がウタに助けられたあの日から・・・」
「バギー・・・」
「俺は俺のやりたいようにやる・・・ロジャー海賊団の頃から何も変わってねぇし変わらねぇ!俺はバギー海賊団船長“道化”のバギーだ!!」
バギーははっきりとシャンクスに向かってそう言った。
「変わらねぇな・・・ホントに・・・羨ましいよ・・・ずっと変わってねぇお前が死ぬほど羨ましい・・・」
「シャンクス・・・」
「何1つ変わらずにすんだお前みたいに俺は“強く”ねぇんだよ!!!」
そう大声で言った。泣きながら叫んだシャンクスはそのまま蹲って泣き始めた。嫌でももう無理だと分かってしまって今度こそ1人になってしまったと思ったのだ。
腕っ節は強く、見聞色も武装色も覇王色もある。なのにそれが通じず失敗ばかり、シャンクスは自分が酷く無力に思えた。
バギーはそんなシャンクスの横を通って船長室から出ようと思って手をかけるとシャンクスの消えそうな声が耳に入ってきた。
「バギーお願いだよ・・・置いてかないで・・・」
あまりにも弱々しくてバギーは思わず振り返るとそこにはロジャー海賊団時代のシャンクスが蹲っているように見えた。頭を振ってちゃんと見ると元に戻ったが一瞬だけでも見えた事でバギーはまだ繋がってると嫌でも分かってしまった。
だからバギーは船長室から出るのを止めてシャンクスの隣に座り込んだ。
この腐りきってしぶとい悪縁を今度こそ切る為にバギーはシャンクスの隣に来た。
「シャンクス・・・俺、船長に会ったんだ・・・」
というわけでシャンクス編も終わりです。
いや、本当にこんなにメンタルボロボロなシャンクスを書いていいのやら・・・
次回はウタとの和解を書いてそして最後の宴編です!!
ルフィとウタがどうなるのか。
シャンクスとバギーがどうなるのか。
その2つに全力で取り組んで行きます!!
今話の曲は『世界のつづき』と岩渕まことの『だからみんなで』です!!